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第2話 うまい飯と奴隷解放(2-1)
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城壁に沿って門まで来ると、石版に《ラザミア》と街の名前が書かれていた。
けっこう大きな街だ。
どんなうまい飯にありつけるかな。
高い塔のてっぺんに旗がはためき、木と石の外枠に分厚そうな鉄の扉を組み合わせた門の前には槍を持った衛兵が立っている。
「止まれ! 冒険者か? 身分証を見せろ」
めんどくせぇな、そんな物あるわけないだろ。
よし……こういうときこそ、『思考改変』だ。
(俺は自由に入れる)
パッチンと指を鳴らすと即、衛兵が足をピシッとそろえて頭を下げた。
「どうぞお入りください、冒険者様!」
よし、いいぞ。
相手の心も思いのままだ。
ギギギと音を立てて門が開く。
街の中は賑やかで、市場には露店がいっぱい出ている。
パン、果物、肉に野菜などの食料品はもちろん、服や道具類を売る店もある。
武器屋、魔法屋なんてのもいる。
店主の呼び声とともに魚の焼ける匂いに鼻をくすぐられたり、子供の笑い声、馬のいななきに気を引かれたり、なんだか歩いてるだけでせわしない。
物珍しくてつい眺めてたけど、そういえば俺、腹減ってたんだ。
とりあえず飯食おう。
適当な食堂に入る。
冒険者御用達って感じの質素な店だ。
ぐらつく木のテーブルが並び、暖炉でパチパチ燃える火が和む。
店の中には炭火の香ばしさと肉の焼ける匂いが混じり、腹の虫がグゥゥゥと鳴った。
「いらっしゃい! 何にします?」
お団子髪の店のおばちゃんは笑顔で尋ねるけど、何食ったらいいんだ?
「ここの名物を適当に」
金はないけど……指を鳴らせば解決だ。
(俺の財布は無限ゴールド)
一瞬でポケットに金貨がいっぱいになった。
一枚テーブルの上に置くと、おばちゃんが渋い顔で手を振る。
「そんなもん出されてもおつりないよ」
ああ、牛丼に万札みたいなもんか。
俺は指を鳴らして金貨を銅貨に改変した。
いきなりテーブルの上にコインが積み上がり、チャリンチャリンと転がり落ちる。
拾うのめんどくせぇ。
「まあいいや。これで他の客にもごちそうしてやってくれ」
すると、店にいたオッサン連中が沸き立つ。
「お、すまねえな」
「ありがとうよ」
「あんた、神だな」
うん、まあ、実際そういう感じの存在だからな。
と、早速料理が来た。
「森のキノコクリームスープだよ」
木のお椀に注がれた白いシチューだ。
湯気モクモク、生クリームの甘い香りが立ち上る。
スプーンですくうと、なんか赤とか黄色とか、どぎつい色のキノコがゴロゴロ出てくるけど、大丈夫か、これ?
香り高いキノコのむっちりした食感とクリームのまろやかさが絡み合う。
熱ッ!
舌が火傷しそうになるが、キノコの甘みが爆発。
生クリームが喉を滑り、胸の奥がポカポカ。
「……うまい」
引きこもり時代のカップ麺なんか、ゴミ同然。
体に染みるうまさ。
心が温まる。
「はあ……生きてるって感じ。こんなうまい飯、初めてだ」
けっこう大きな街だ。
どんなうまい飯にありつけるかな。
高い塔のてっぺんに旗がはためき、木と石の外枠に分厚そうな鉄の扉を組み合わせた門の前には槍を持った衛兵が立っている。
「止まれ! 冒険者か? 身分証を見せろ」
めんどくせぇな、そんな物あるわけないだろ。
よし……こういうときこそ、『思考改変』だ。
(俺は自由に入れる)
パッチンと指を鳴らすと即、衛兵が足をピシッとそろえて頭を下げた。
「どうぞお入りください、冒険者様!」
よし、いいぞ。
相手の心も思いのままだ。
ギギギと音を立てて門が開く。
街の中は賑やかで、市場には露店がいっぱい出ている。
パン、果物、肉に野菜などの食料品はもちろん、服や道具類を売る店もある。
武器屋、魔法屋なんてのもいる。
店主の呼び声とともに魚の焼ける匂いに鼻をくすぐられたり、子供の笑い声、馬のいななきに気を引かれたり、なんだか歩いてるだけでせわしない。
物珍しくてつい眺めてたけど、そういえば俺、腹減ってたんだ。
とりあえず飯食おう。
適当な食堂に入る。
冒険者御用達って感じの質素な店だ。
ぐらつく木のテーブルが並び、暖炉でパチパチ燃える火が和む。
店の中には炭火の香ばしさと肉の焼ける匂いが混じり、腹の虫がグゥゥゥと鳴った。
「いらっしゃい! 何にします?」
お団子髪の店のおばちゃんは笑顔で尋ねるけど、何食ったらいいんだ?
「ここの名物を適当に」
金はないけど……指を鳴らせば解決だ。
(俺の財布は無限ゴールド)
一瞬でポケットに金貨がいっぱいになった。
一枚テーブルの上に置くと、おばちゃんが渋い顔で手を振る。
「そんなもん出されてもおつりないよ」
ああ、牛丼に万札みたいなもんか。
俺は指を鳴らして金貨を銅貨に改変した。
いきなりテーブルの上にコインが積み上がり、チャリンチャリンと転がり落ちる。
拾うのめんどくせぇ。
「まあいいや。これで他の客にもごちそうしてやってくれ」
すると、店にいたオッサン連中が沸き立つ。
「お、すまねえな」
「ありがとうよ」
「あんた、神だな」
うん、まあ、実際そういう感じの存在だからな。
と、早速料理が来た。
「森のキノコクリームスープだよ」
木のお椀に注がれた白いシチューだ。
湯気モクモク、生クリームの甘い香りが立ち上る。
スプーンですくうと、なんか赤とか黄色とか、どぎつい色のキノコがゴロゴロ出てくるけど、大丈夫か、これ?
香り高いキノコのむっちりした食感とクリームのまろやかさが絡み合う。
熱ッ!
舌が火傷しそうになるが、キノコの甘みが爆発。
生クリームが喉を滑り、胸の奥がポカポカ。
「……うまい」
引きこもり時代のカップ麺なんか、ゴミ同然。
体に染みるうまさ。
心が温まる。
「はあ……生きてるって感じ。こんなうまい飯、初めてだ」
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