家ねこポンタ

くままま

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家ねこポンタ

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家に突然やってきたぽってりした猫。

旅に出た時間が長かったのか、体が嫌に汚れていた。
ぽってりした身体つきから「ポンタ。」と名付けられた。
ポンタは環境に順応しやすい猫で、かわいがられる術を知っていた。

自分がどうすれば「可愛い存在になれるか?」
いつ餌が出るのか「どんな鳴き方で餌が貰えるか?」
ある時、「かあちゃん」が「ご飯やー。」と僕に言うと、かつお味飯が与えられた。「ニャー。」と鳴いていただけなのに、ごはんが出ることを知った。

僕の中では、食べたいときに「ごはん。」にありつきたい。
人間が話す日本語。「ごにゃん。」と訴えると反応があった。
最初母ちゃんは、「ゴロにゃん。」と聞こえたようだ。
その内僕も、「ゴにゃーん。」と言えた。

体が大きい僕は「家猫」になる事を望んでいた。
段ボール箱に入ったり、母ちゃんの横にチョコンと座ったり、常に人間に寄り添う。
その間一言も、「ニャー」と鳴かない。
だけど自分の大事な局面には、「ゴにゃん。」
って言える。

母ちゃんは言う。「しっぽをピーンとして、うれしそうに私の前を通るんよ。」
母ちゃんは「ゴにゃん。」と聞きたくてお皿に入れたカリカリご飯を見せる。
その時「ゴわん。」と鳴く僕を母ちゃんは「ごはんでしょ、となだめた。」
面白がった母ちゃんは、言葉のけいこをするように、「ゴハン」を毎日練習した。

1年たった頃、「ゴにゃん」から「ゴ、はん」とわかるほど大きな声でいえるようになった。
母ちゃんは僕に聞きます。ごはん食べる?
僕は答えます。「ゴにゃん~。」と。

こうして僕ポンタは家猫になったんだ。

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