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第1話 そこはかとなく立ち寄った惑星
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大銀河コールシュライバー
直径約30万光年にも及ぶ巨大な渦巻銀河である。
宇宙において生命を育む星々は珍しくはない。
命は数多の星で生まれ…… そして死んでゆく……
その銀河で今。
場違いとしか思えない一両の戦車が三人の搭乗員を乗せ宇宙を彷徨っていた……
「なぁ! いつになったら着くんだよっ。このお菓子も食べ飽きたんだぜ!」
スティック状の携帯食を摘みながら不満を漏らす男。
彼の名は水谷 正秀。
背も高く女には不自由しないであろうと思える顔立ちだ。
白いシャツとテーラージャケットを長くしたような上着にスラックスをカーゴパンツっぽくしたのを着ている。
車長兼砲手担当である。
正義感に溢れ大剣とヒーローをこよなく愛する。
自身も変身することによって赤いスーツに身を包み大剣マスター水谷マンへと変身するのだ!
「スイもお尻が痛いのです。どうにかならないのでしょうかぁ……」
正秀に合わせるように不満を運転手にぶつけている小柄な少女。
彼女の名はスイと言い名字とかは特に無い。
水の惑星アクアで買われて行動を共にする奴隷である。
服装はといえば浴衣みたいな感じの裾丈の短いミニ着物にオーバーニー足袋である。
しかも着物はノースリーブで首の所で掛けているだけなので背中も大きく開いてセクシーだ。
車内での担当は装填手。
彼女は魔法を物質に付与することができる魔法少女なのだ。
正秀同様に変身することが可能であるが、重厚な兵器を背負い厳つい見た目の武装を身に付ける。
変身した姿は魔法少女とは程遠い。
「あーもー、うるさいな。次の座標が決まるまで外で遊んでてよっ」
運転席でコンソールパネルを操作しながら二人を車外へと追いやろうとしている男。
彼の名は山崎 為次。
運転手であり、奴隷を買ってしまった張本人。
少し長めの髪に整った顔立ちをした男性である。
上下セットの少し大きめな黒のスウェットに黒のパーカーを羽織っている。
目つきは悪いものの、この様な時代でなければ街でナンパでもしていただろうと言う感じだ。
「もう一人で遊ぶのも飽きたんだぜ」
と、正秀の愚痴が続く。
「じゃあ、スイと遊んでれば」
「スイはタメツグ様と遊びたいのです」
「俺が遊んでたらいつまで経っても着かないでしょ。目的の星まで後6日位だから我慢してよ」
「なんだって!? まだそんなにあるのかよ…… もっと早くならないのか?」
「これでも急いでんの! 銀河の中でカッ飛ばせる分け無いでしょ」
「イヤだーっ、イヤだーっ、もう我慢の限界なんだぜぇ」
「お尻が痛いのですー! 無重力にしてほしいですー!」
「あー…… もぅ……」
この三人が乗る宇宙船はドイツ製の戦車、レオパルト2A7である。
岐阜の自衛隊施設で拾ったものだ。
戦闘の最中に敵の攻撃によって見知らぬ星へと飛ばされてしまった。
色々あって宇宙でも走れるようにとA7+をベースに改造し、最強の宇宙戦車レオパルト2Ad+として生まれ変わったのだ。
そんなこんなで地球へ帰ろうと宇宙を放浪しているのだが……
詳しい経緯は前作を読めば分かるが、長いので別に読む必要はない。
今回はふらりと立ち寄った、とある惑星でのお話……
「タメツグ様っ」
「今度は何?」
「近くに人の住めそうな星があるです。低次元ワープ空間でも3時間程度なのです。ですです」
「ほんとかスイちゃん!? そこに行こうぜ、いいだろ為次? じゃ決まりな」
勝手に決めてしまう正秀。
為次も砲塔バスケットが不満の声で騒がしいままではイライラがマックスになってしまう。
「はぁ…… まぁ補給もあるし仕方ないか……」
二つ返事で同意するのであった。
「やったぜ! スイちゃんっ」
「はいなのです」
「出口はちゃんと確認しといてよ」
ワープアウト先が星の中だったり、ブラックホールの中では堪ったものではない。
為次は念を押しといた。
「ワームホールを使うから大丈夫です。3分で着くのです」
「え? こんなとこでモノポールドライブを起動すんの?」
「はいです。魔道機関とか色々出力最大、各種シールドも展開…… 起動っ。ポチなのです」
「ちょ、適当過ぎんでしょっ!」
「ワームホール生成…… ささっ為次様、行くのです」
「もぅ、はいはい……」
前方に開いた亜空間への入り口。
戦車は吸い込まれるようにと向かう。
一瞬の眩しい光りと共に現宙域は静けさを取り戻すのだった。
※ ※ ※ ※ ※
―― 何処かの惑星
惑星付近にホールアウトしたレオパルト2は上空400キロの衛星軌道上にて青い星を見降ろしていた。
「窒素77パーセント、酸素21パーセント、その他に二酸化炭素やアルゴン等です。海面大気圧は1.1キログラム、重力1.03Gです。ノーマルシールド及びナノマシンの設定変更は不要です」
スイは目の前に浮かぶスクリーンを確認しながら報告をした。
「人間も居るみたいだぜ、なっスイちゃん」
「はい、文明を持ったヒューマンタイプが確認できます。文明レベル20プラスです」
「宇宙人が居るとは言ってもねぇ、地球でいう20世紀後半ってレベルかぁ……」
「不満なのか? 為次は」
「目新しい技術も無さそうだし、魔法も無いみたいだし、さっさと食料を貰ってマサとスイを散歩させなきゃ」
「なんだと! 俺はお前の犬じゃねぇ!」
「スイはタメツグ様の犬になりたいのです! ここで首輪を買って行きましょう!」
「買わないから……」
皆は惑星表面を観測していた。
いきなり降りるのは何が有るのかも分からないので、さすがにマズイ。
安全第一である。
スイの見つけた星は文明を持った人間が生息しており、環境も地球と似ていた。
陸地面積はやや狭く、表面全体の13パーセントといったところで赤道付近に集中している。
自転周期は32.3時間。
恒星は太陽よりも2倍程大きく、地軸は公転軌道に対してほぼ垂直。
毎日が常夏の島といった感じであろう。
「まあいいや、降りるとこでも探そう。紛争地域でもあればいいけど」
などと言う為次は戦争が好きな分けではない。
こちら側の提供できる物としては戦力が手っ取り早いのだ。
星の住人が持つ通貨、又はそれに類する物を持ち合わせていないから……
「何処も至って平和に暮らしてるのです」
「そうだねー」
「別に喧嘩売らなくていいだろ、スイちゃんの薬でも売ろうぜ」
正秀の言う薬とはヒールポーションのことである。
実に万能な薬で腕とかもげても生えてくる代物だ。
しかも、適当な液体にスイが魔法でヒールを付与するだけで簡単に作れる。
「まあ、それでいいか。んじゃ怪我人探しっと」
……………
………
…
しばらく降下ポイントに適した場所を探していた。
数箇所の候補が決まったので、後は候補を絞るだけだ。
ある程度の人が暮らしていて、街の近くに戦車を隠せる場所が好ましい。
その時であった……
スイが何かを見つけたらしい。
「はう? タメツグ様ぁ、魔力反応があるのです」
「え? マジ? どこ?」
「ここです」
と、自分の見ている画面を二人に送る。
「ほんとだ、なんだろ?」
「この星にも魔法使いが居るのか?」
「魔力の存在はありますが、使用している形跡は今の所ここだけみたいなのです」
「うん。スキャンしてみよう」
魔力反応があるポイントをスキャン映像で拡大してみる。
すると、そこには1人の女性が変な怪物と戦っているのが確認できた。
女性はフリフリのミニスカートに胸元までしかないピッチリしたベアトップ姿で装飾やリボンを付けた可愛らしい衣装を着ている。
ピンクのツインテールに手に握られているマジカルススティックと合わせて、魔法少女そのものであった。
「うお、魔法少女発見」
「だな」
「です」
対する怪物は全身緑色の筋肉ムチムチの人体に頭だけ蛙だ。
少々気持ち悪い。
「対戦相手は蛙怪人ですな」
「だな」
「です」
見ていると、蛙怪人が長い舌をビチビチと鞭のように使い攻撃している。
だが、魔法少女は嘲笑うかのように笑みを浮かべ容易に避けている。
その内に舌攻撃の隙きを付くとスティックから光りの玉が発射され、命中すると蛙怪人は爆発してしまった。
ポーズを決め何やら喋った魔法少女は、近くで空中をフラフラしていた小さな生き物と共に颯爽と去って行くのであった。
「ああ…… 蛙男が死んじゃった」
と言う為次は爆発に乗じて地下へと逃げる1人の老人を見逃さなかった。
「あの娘は何を言ってたんだろうな?」
正秀は訊いたが音声を取得したところで言葉は分からない。
なので今は無音で映像だけを見ていた。
「言語の取得をしまですか?」
「おう、頼むぜスイちゃん」
「はいです」
言語の取得……
その言語を使用している観測可能な地域全土をスキャンして、人々の会話を解析する。
取得できた言語はパッケージされた情報としてマインドジェネレーターへと送られ、登録者は自由に取り出して使用することができるのだ。
尚、マインドジェネレーターとは……
と、その前に搭乗員の体について説明しなければならない。
彼らは体内にナノマシンと呼ばれる小さなロボットを無数に宿し、常にベストなコンディションを保っている。
細胞分裂の際に起こるコピーミスを無くし、テロメアやモータリンなど細胞劣化となる要因を排除する。
またウイルスや細菌など体に有害となる物を攻撃し排除する。
病気や怪我も治してくれる完璧な生命維持装置なのだ。
これによって設定された若さを保ち、健康な状態で永遠の命を有するのであった。
更に凄いのが、ナノマシンは人の潜在能力を引き出してもくれる。
スイが魔法を使える能力も、その恩恵なのだ。
正秀と為次は魔法こそ使えないが気功を使うことができ、それぞれは属性を持つ。
正秀が爆発属性であり為次が炎属性となっている。
属性は魔法のように具現化させて使えるし、属する耐性もあるので意外と便利だ。
しかも正秀に至っては肉体まで強化されており、愛用の大剣を片手でも自在に操れる程なのだ。
そんな万能なナノマシンであるが、1つだけ欠点があった。
それは記憶を常に維持してしまうことである。
記憶が増えてくると脳が暴走してしまい、人間は発狂してしまう。
そこで開発されたのが前述のマインドジェネレーターである。
登録されたナノマシンと通信を行い、記憶のバックアップをすることによって脳の安定化をする。
つまり永遠の命とマインドジェネレーターはセットになるのだ。
この技術を応用することによって、マインドジェネレーターへ入れた情報を脳へインストールすることができる。
言語情報ならば知らない言葉でも覚えることが可能となる分けだ。
「言語解析終了まで後3時間です」
「降下ポイントは決まったね」
為次はニヤリとしながら言った。
「街中に降りるのか?」
「あそこの公園みたいな場所…… 地下を見ると面白いよ……」
為次に言われ地下のスキャン映像を確認する二人。
そこには広大な地下施設が映し出されているのであった……
直径約30万光年にも及ぶ巨大な渦巻銀河である。
宇宙において生命を育む星々は珍しくはない。
命は数多の星で生まれ…… そして死んでゆく……
その銀河で今。
場違いとしか思えない一両の戦車が三人の搭乗員を乗せ宇宙を彷徨っていた……
「なぁ! いつになったら着くんだよっ。このお菓子も食べ飽きたんだぜ!」
スティック状の携帯食を摘みながら不満を漏らす男。
彼の名は水谷 正秀。
背も高く女には不自由しないであろうと思える顔立ちだ。
白いシャツとテーラージャケットを長くしたような上着にスラックスをカーゴパンツっぽくしたのを着ている。
車長兼砲手担当である。
正義感に溢れ大剣とヒーローをこよなく愛する。
自身も変身することによって赤いスーツに身を包み大剣マスター水谷マンへと変身するのだ!
「スイもお尻が痛いのです。どうにかならないのでしょうかぁ……」
正秀に合わせるように不満を運転手にぶつけている小柄な少女。
彼女の名はスイと言い名字とかは特に無い。
水の惑星アクアで買われて行動を共にする奴隷である。
服装はといえば浴衣みたいな感じの裾丈の短いミニ着物にオーバーニー足袋である。
しかも着物はノースリーブで首の所で掛けているだけなので背中も大きく開いてセクシーだ。
車内での担当は装填手。
彼女は魔法を物質に付与することができる魔法少女なのだ。
正秀同様に変身することが可能であるが、重厚な兵器を背負い厳つい見た目の武装を身に付ける。
変身した姿は魔法少女とは程遠い。
「あーもー、うるさいな。次の座標が決まるまで外で遊んでてよっ」
運転席でコンソールパネルを操作しながら二人を車外へと追いやろうとしている男。
彼の名は山崎 為次。
運転手であり、奴隷を買ってしまった張本人。
少し長めの髪に整った顔立ちをした男性である。
上下セットの少し大きめな黒のスウェットに黒のパーカーを羽織っている。
目つきは悪いものの、この様な時代でなければ街でナンパでもしていただろうと言う感じだ。
「もう一人で遊ぶのも飽きたんだぜ」
と、正秀の愚痴が続く。
「じゃあ、スイと遊んでれば」
「スイはタメツグ様と遊びたいのです」
「俺が遊んでたらいつまで経っても着かないでしょ。目的の星まで後6日位だから我慢してよ」
「なんだって!? まだそんなにあるのかよ…… もっと早くならないのか?」
「これでも急いでんの! 銀河の中でカッ飛ばせる分け無いでしょ」
「イヤだーっ、イヤだーっ、もう我慢の限界なんだぜぇ」
「お尻が痛いのですー! 無重力にしてほしいですー!」
「あー…… もぅ……」
この三人が乗る宇宙船はドイツ製の戦車、レオパルト2A7である。
岐阜の自衛隊施設で拾ったものだ。
戦闘の最中に敵の攻撃によって見知らぬ星へと飛ばされてしまった。
色々あって宇宙でも走れるようにとA7+をベースに改造し、最強の宇宙戦車レオパルト2Ad+として生まれ変わったのだ。
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詳しい経緯は前作を読めば分かるが、長いので別に読む必要はない。
今回はふらりと立ち寄った、とある惑星でのお話……
「タメツグ様っ」
「今度は何?」
「近くに人の住めそうな星があるです。低次元ワープ空間でも3時間程度なのです。ですです」
「ほんとかスイちゃん!? そこに行こうぜ、いいだろ為次? じゃ決まりな」
勝手に決めてしまう正秀。
為次も砲塔バスケットが不満の声で騒がしいままではイライラがマックスになってしまう。
「はぁ…… まぁ補給もあるし仕方ないか……」
二つ返事で同意するのであった。
「やったぜ! スイちゃんっ」
「はいなのです」
「出口はちゃんと確認しといてよ」
ワープアウト先が星の中だったり、ブラックホールの中では堪ったものではない。
為次は念を押しといた。
「ワームホールを使うから大丈夫です。3分で着くのです」
「え? こんなとこでモノポールドライブを起動すんの?」
「はいです。魔道機関とか色々出力最大、各種シールドも展開…… 起動っ。ポチなのです」
「ちょ、適当過ぎんでしょっ!」
「ワームホール生成…… ささっ為次様、行くのです」
「もぅ、はいはい……」
前方に開いた亜空間への入り口。
戦車は吸い込まれるようにと向かう。
一瞬の眩しい光りと共に現宙域は静けさを取り戻すのだった。
※ ※ ※ ※ ※
―― 何処かの惑星
惑星付近にホールアウトしたレオパルト2は上空400キロの衛星軌道上にて青い星を見降ろしていた。
「窒素77パーセント、酸素21パーセント、その他に二酸化炭素やアルゴン等です。海面大気圧は1.1キログラム、重力1.03Gです。ノーマルシールド及びナノマシンの設定変更は不要です」
スイは目の前に浮かぶスクリーンを確認しながら報告をした。
「人間も居るみたいだぜ、なっスイちゃん」
「はい、文明を持ったヒューマンタイプが確認できます。文明レベル20プラスです」
「宇宙人が居るとは言ってもねぇ、地球でいう20世紀後半ってレベルかぁ……」
「不満なのか? 為次は」
「目新しい技術も無さそうだし、魔法も無いみたいだし、さっさと食料を貰ってマサとスイを散歩させなきゃ」
「なんだと! 俺はお前の犬じゃねぇ!」
「スイはタメツグ様の犬になりたいのです! ここで首輪を買って行きましょう!」
「買わないから……」
皆は惑星表面を観測していた。
いきなり降りるのは何が有るのかも分からないので、さすがにマズイ。
安全第一である。
スイの見つけた星は文明を持った人間が生息しており、環境も地球と似ていた。
陸地面積はやや狭く、表面全体の13パーセントといったところで赤道付近に集中している。
自転周期は32.3時間。
恒星は太陽よりも2倍程大きく、地軸は公転軌道に対してほぼ垂直。
毎日が常夏の島といった感じであろう。
「まあいいや、降りるとこでも探そう。紛争地域でもあればいいけど」
などと言う為次は戦争が好きな分けではない。
こちら側の提供できる物としては戦力が手っ取り早いのだ。
星の住人が持つ通貨、又はそれに類する物を持ち合わせていないから……
「何処も至って平和に暮らしてるのです」
「そうだねー」
「別に喧嘩売らなくていいだろ、スイちゃんの薬でも売ろうぜ」
正秀の言う薬とはヒールポーションのことである。
実に万能な薬で腕とかもげても生えてくる代物だ。
しかも、適当な液体にスイが魔法でヒールを付与するだけで簡単に作れる。
「まあ、それでいいか。んじゃ怪我人探しっと」
……………
………
…
しばらく降下ポイントに適した場所を探していた。
数箇所の候補が決まったので、後は候補を絞るだけだ。
ある程度の人が暮らしていて、街の近くに戦車を隠せる場所が好ましい。
その時であった……
スイが何かを見つけたらしい。
「はう? タメツグ様ぁ、魔力反応があるのです」
「え? マジ? どこ?」
「ここです」
と、自分の見ている画面を二人に送る。
「ほんとだ、なんだろ?」
「この星にも魔法使いが居るのか?」
「魔力の存在はありますが、使用している形跡は今の所ここだけみたいなのです」
「うん。スキャンしてみよう」
魔力反応があるポイントをスキャン映像で拡大してみる。
すると、そこには1人の女性が変な怪物と戦っているのが確認できた。
女性はフリフリのミニスカートに胸元までしかないピッチリしたベアトップ姿で装飾やリボンを付けた可愛らしい衣装を着ている。
ピンクのツインテールに手に握られているマジカルススティックと合わせて、魔法少女そのものであった。
「うお、魔法少女発見」
「だな」
「です」
対する怪物は全身緑色の筋肉ムチムチの人体に頭だけ蛙だ。
少々気持ち悪い。
「対戦相手は蛙怪人ですな」
「だな」
「です」
見ていると、蛙怪人が長い舌をビチビチと鞭のように使い攻撃している。
だが、魔法少女は嘲笑うかのように笑みを浮かべ容易に避けている。
その内に舌攻撃の隙きを付くとスティックから光りの玉が発射され、命中すると蛙怪人は爆発してしまった。
ポーズを決め何やら喋った魔法少女は、近くで空中をフラフラしていた小さな生き物と共に颯爽と去って行くのであった。
「ああ…… 蛙男が死んじゃった」
と言う為次は爆発に乗じて地下へと逃げる1人の老人を見逃さなかった。
「あの娘は何を言ってたんだろうな?」
正秀は訊いたが音声を取得したところで言葉は分からない。
なので今は無音で映像だけを見ていた。
「言語の取得をしまですか?」
「おう、頼むぜスイちゃん」
「はいです」
言語の取得……
その言語を使用している観測可能な地域全土をスキャンして、人々の会話を解析する。
取得できた言語はパッケージされた情報としてマインドジェネレーターへと送られ、登録者は自由に取り出して使用することができるのだ。
尚、マインドジェネレーターとは……
と、その前に搭乗員の体について説明しなければならない。
彼らは体内にナノマシンと呼ばれる小さなロボットを無数に宿し、常にベストなコンディションを保っている。
細胞分裂の際に起こるコピーミスを無くし、テロメアやモータリンなど細胞劣化となる要因を排除する。
またウイルスや細菌など体に有害となる物を攻撃し排除する。
病気や怪我も治してくれる完璧な生命維持装置なのだ。
これによって設定された若さを保ち、健康な状態で永遠の命を有するのであった。
更に凄いのが、ナノマシンは人の潜在能力を引き出してもくれる。
スイが魔法を使える能力も、その恩恵なのだ。
正秀と為次は魔法こそ使えないが気功を使うことができ、それぞれは属性を持つ。
正秀が爆発属性であり為次が炎属性となっている。
属性は魔法のように具現化させて使えるし、属する耐性もあるので意外と便利だ。
しかも正秀に至っては肉体まで強化されており、愛用の大剣を片手でも自在に操れる程なのだ。
そんな万能なナノマシンであるが、1つだけ欠点があった。
それは記憶を常に維持してしまうことである。
記憶が増えてくると脳が暴走してしまい、人間は発狂してしまう。
そこで開発されたのが前述のマインドジェネレーターである。
登録されたナノマシンと通信を行い、記憶のバックアップをすることによって脳の安定化をする。
つまり永遠の命とマインドジェネレーターはセットになるのだ。
この技術を応用することによって、マインドジェネレーターへ入れた情報を脳へインストールすることができる。
言語情報ならば知らない言葉でも覚えることが可能となる分けだ。
「言語解析終了まで後3時間です」
「降下ポイントは決まったね」
為次はニヤリとしながら言った。
「街中に降りるのか?」
「あそこの公園みたいな場所…… 地下を見ると面白いよ……」
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