私の恋人はイケメン妖なので、あなた達とは次元が違います!

つきの

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最終話

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今私は律と一緒に私の実家に向かっている。
夏休みもあと数日。
久しぶりに実家に帰ろうと思ってお母さんに電話したら、もうすぐ祭りがあるから行きたい人誘ってみたらと言われ、速攻で律にお願いした。

「今から私の実家に行くけど、お母さんに変なこと言わないでよね。」

「変なこと?例えばどんな事だ?」

「妖だとか、長く生きてるとか!知られたら変な人って思われちゃうよ?」

「今までも特に変な事なんてしてこなかったろ。妖といってもお前らと何ら変わらん。ただ長生きしているといった程度だ。後は耳と尻尾が生えてる事くらいか。」

「それ一番ダメじゃん。まぁ律は人間に化けるの上手いから大丈夫か。」

「あぁ、問題ない。」


こうして実家に着いたんだけど、出迎えてくれたお母さんが律を見るなり、

「あら~!誘ってくる子、てっきり香奈ちゃんだと思ってたのに、いつの間に彼氏なんて!
もうやだぁ教えてよ!それならもっとおしゃれしたのに!ごめんなさいね、こんな恰好で!嫌だわぁ。」

すごいテンションで捲し立ててきた。

「…別にお母さんがおしゃれしようと何も変わらないから大丈夫だよ。」

とにかく、早く家に上げて。そう言おうとしたら、

「はじめまして母上殿、律と申します。
あなたの娘殿をいずれは娶るつもりですので、今後ともよろしくお願いします。」

「…へ?」

「まぁっ!」

「?」

「め、めとる!?律、それって結婚…の事だよね?」

「他に何がある?するだろ、結婚。」

「ひぇあ⁈」

結婚の事まで考えてたの⁈
私、16歳にして結婚相手が出来たって事!?


「まぁまぁまぁ!姫ったらついに王子様を見つけたのね!こんなにカッコいい将来の旦那様なんて、鼻が高いわぁ!
えぇ、こちらこそよろしくお願いね、律くん!姫は可愛いでしょう?」

「はい。俺には姫しかいないと思っています。」

「やぁだ!『姫』だなんて!そんなイケボで呼んで貰えてるなんて羨ましいわぁ~」

「…お母さん……イケボなんて言葉知ってたんだね。」

それから私達はやっと家に上げてもらった。
この家にはもともと私とお母さんの2人暮らし。

私にお父さんはもういない。小さい頃事故で死んでしまった。
でも明るすぎるくらいのお母さんがいたからそんなに寂しいなんて思うことは無かった。


「…お父さん、ただいま。なんかね、私もびっくりしたんだけど、結婚相手が出来ちゃった。でも安心してね。ちゃんと私を見てくれてるし、頼れる人だから大丈夫だよ。」

仏壇の遺影に手を合わせる。
ちゃんとお父さんにも報告しないと。

「父上殿か。」

「うん。私が5歳の時に交通事故でね。」

「そうか。」

「よし。お父さんにも伝えたし。律、浴衣に着替えよう!お母さんが着付けてくれるって。」

「あぁ。」


こうして私は予想だにしてなかった結婚報告を終えて、目的の夏祭りへと向かうのだった。
まだ会場までは歩くけど、チラホラと浴衣の子たちがいる。

「浴衣、似合ってるな。可愛い。」

「そう?ありがとう!律も相変わらずカッコいいよ!やっぱり和服姿は似合うね。」

「お前もそうしてると姫様のようだな。」

「えー、こんなお姫様なんていないでしょ。」

「俺だけの姫であればそれでいいだろ。さぁ手を貸せ。そろそろ人も増える。逸れるといけないからな。」

逸れないようにと、律が手を差し伸べてくれる。

「うん。」

私はその大きくてあったかい手をとった。



❇︎❇︎❇︎


「わぁ、人がいっぱい!屋台もたくさんあるよ!」

「まずは何か食うか。何を食べたい?」

「えっと、たこ焼きに、はしまきでしょ。焼きそばもいいな。あ、お団子もある!」

「…そんなに食べられるか?」

「余裕!だって律も食べるでしょ?」

「そうだな。」


私達はたくさん買っては分け合いながら食べた。
それからは屋台を回ったり、射的でぬいぐるみを取ったり、クジで要らない物引いちゃったり、とにかく2人で思いっきり楽しんだ。



「もうすぐ花火だよ。どこから見ようか?」

「それならいい所がある。こっちだ。」

そう言われて案内されたのは近くの小高い丘。

「こんな所よく知ってたね。来たことあるの?」

「どれだけ生きてると思ってる。ここの花火は400年前からあったからな。まぁ、これだけ大規模になったのはつい最近だが。」

「へぇ、そうなんだ!ここからならよく見れそうだね。」

「いや、ここじゃない。とっておきは上だ。」

「上?」
周りには大きな木しかない。
まさか…。

「行くぞ。」
そう言うと律は私を抱き上げた。

「えっ!?もしかして登るの⁈」

「あそこが一番よく見えるんだよ。」

そして凄い跳躍で枝を駆け上り、木の一番上まで来た。

「ここに座れ。」

「これ、大丈夫?折れたりしない?」

「大丈夫だ。それよりほら、あっちを見ろ。」

「え?」
その示された方を見ると、


ヒュルルーーーー…

ドンッ!!


「っわ、凄ーい!おっきい!!」

地上から見上げるより遥かに大きな花火が目の前の夜空に咲き乱れている。

「ここからの眺めは最高だろう?」

「うん!」

私達はしばらくその花火の美しさに魅入られていた。

「ねぇ、律。これからもずっと、私と一緒にいてくれる?」

「もちろんだ。俺はお前の側から離れないからな。」

「うん。絶対離さないでね。」

「あぁ。」

「私、幸せだよ。こうして律と出会えて、これからも律とたくさん思い出を作っていけるなんて。」

「俺もだ。お前を娶ってしばらくしたら、また家族も増えるだろうしな。そうなればもっと忙しくなるぞ。」

「望むところよ!たくさん思い出作ってやるわ!」

「それは楽しみだな。」



「ねぇ、名前を呼んで?」

「…姫、愛している。」

「私も。律を愛してる!」


こうして、私の初恋は実りに実ったのだった。
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