私はヒロインではありません。

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私はヒロインではありません

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「ティアどうかわたくしとお結婚してくれませんか?」

この国の第二王子が、膝をつき、ほほを染める少女に、片膝をつき、手を伸ばす。


「よろこんで」

ほほを染めた令嬢が、王子が差し出す手をつかみ、笑みを浮かべる。



「あの二人前から、お似合いだと思っていましたわ」


「やっと結ばれましたわね」



周りの者たちはその二人の、お似合いな雰囲気に賛美の言葉を贈る。




〈つらい〉



〈どうして〉




その二人を見つめて、そう思った令嬢がいることも知らずに




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