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火村

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22歴代最高将軍秀忠の知略

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「くっ!」左近

「ああぁ・・死んだぁ・・三成」

「さぁ帰ろう帰ろう」



別人・・三成様ではなかった・・

うまく影武者を立てて逃れたか。



「・・・急ごう上田に!」左近



この処刑が早まったのも、

きっと早く上田に行けと教えてくれてるはず・・



「家康を奪還される前に・・」左近



当然奪い返しに来る・・どんな手を使ってでも。



後の事は三成様に任せよう・・

私は未来へ帰るために上田に。



そしてこの場所には・・



「左近殿・・」大谷

「わっ!!!!」左近



大谷も居たのだ。



「心臓止まるかと思いましたよ」左近

「ははは、ごめんごめん」大谷



だが好都合・・



「一緒に上田に行きましょう」左近

「勿論っ」大谷



てか一緒じゃないと無理~

家康の首に刃物突きつけながらじゃないと怖いもん。

殺すぞ~!殺すぞ~近づけばぁ!ってね。



「・・・左近殿、上田まであっさり行けます」忍び

「むぬ?」左近



左近お付の忍びが・・



「上田まで徳川勢は居りませぬ」忍び

「・・・・・・・罠ではないか?」左近



そう思えてしまうが・・

上田に向かいだせば・・



「・・・チョコチョコと見張りは居ますね」左近

「もうぅやだぁ・・いつ襲われるか・・」大谷



だがこちらには人質の家康がいる。

いざとなれば首元に刀を突きつければいい。



だが徳川側であろう見張りや忍びの影はあれど、

こちらを監視してるだけ・・

いや、あわよくば警備しているような・・



そして長旅にもなれば聞かずにはおれない事も・・



「大谷殿・・なぜ関ヶ原には・・」左近



来なかったのですか!?

貴方の忠臣も必死に貴方の権威を守ろうと・・



「私は・・・」大谷



矛盾しているかもしれませんが・・



「生きたい。・・・この・・」大谷



戦国で。





「かっ!帰らないのですか!?未来に!」左近

「最後に・・・」大谷



上田に行くのも・・

未来へと旅立って行くあの子に会いたい・・



「残って戦うのですか!」左近



これから起こる冬の陣、夏の陣と!?



「・・・根っからの戦国人ですから」大谷

「染まりすぎですよ!戦国に!」左近



戦国マニアだとは聞いていたが、残るなんて・・

せっかく帰れる手段を手に入れたのに・・



「・・・・・・・」左近

「・・聞かなかった事にして」大谷



だが・・



「・・・真田さん、大谷さんの事好きだと思いますよ」左近



大谷さんが現れて変わっていった真田

未来人は私が居るが、近い年齢では大谷さんだけだった。



「ははっナイナイっ。あははは・・・」大谷



俺は好きだけど、

俺なんて、これといった物も持ってない男だし。



「・・・・見えてきましたね」左近

「うおっ!!!とんでもない大軍!」大谷

「ふむ。」家康



ふふ・・バカ息子め、分かっておるではないか。

だがやりすぎじゃ。ワシを奪い返す為に全軍用意しおって。



「ふふ・・まぁよい。わはははは」家康

「・・・上田に入ります」左近

「こ・・怖ぇ・・」大谷



上田城を過ぎた向こう側に布陣する徳川勢。

迎え入れるつもりだ。

大谷、左近、そして家康を・・



「大谷ぃ!!!左近!!!!」真田

「おおおおー!真田ちゃん!!」大谷

「ふぅ・・疲れたでござる」左近



まず何から話せば・・



「バシっ!!!!」

「遅ぇえんだよ!何やってんだ!」真田

「痛いっ痛い!」大谷



かなり強めの肩パンだ。



そして・・・



「ん!?」真田

「・・・・う・・うむっ!我輩がっ・・!」家康



真田ちゃんが俺たちが連れてきた家康と目が合い・・



「ドムッ!!」

「がぱぁああ!!!」家康



ぼ・・・ボディーブローっすか!?いきなり!?



「黙ってろクソが!」真田

「っ!ぇっ・・おっ・・っ・・っ」家康



うわぁ・・息出来てないし・・モロ入ったんだ・・



「ねぇ、どうしたらいい?どう思う?この状況を?」真田

「う・・うん。まず、かわいそうだとは思わないの?」大谷



ゲホゲホいってる爺さん(家康)見てさ・・

マジ歴史に残したいわ。家康ワンパンで沈めた女って。



「みんな死ぬのかな・・・」真田



・・恐いのだ真田ちゃんも・・

この圧倒的軍勢に囲まれ続けた上田城。



「大谷殿、左近殿・・当上田城は・・」家臣



真田ちゃんの家臣がやって来て・・



「残り兵量は10日持てばいいかと・・」家臣

「ふむ・・戦うならもう今しかないか・・」左近

「そうかぁ・・」大谷



もう切羽詰まってる上田城。

守り切れる体力はもうない・・

全滅を免れる為には強行突破で逃げるしか・・



「・・・・・真田殿」左近

「ん?」真田



私が無常になって言います・・



「忘れましょうっこの戦国を!」左近

「・・・・・・・・」真田



そう・・帰れるのだ・・

いや、逃げれるのだ未来に。



「う・・うん・・」真田



私も帰りたいし、帰れるのは分かってる。

だけど最後にこの戦国に情が・・



「殿っ我らの事は気にせずに!」家臣

「あ・・知ってるの?」大谷



家康を殺して大きな歴史変換をすれば大きな穴が開き、

そこから・・



「生まれ育った故郷に!」家臣

「ん?なんでござるか?その話?」家臣



(・・何人かしか言ってないのか・・)大谷



事情を知ってる家臣と知らぬ家臣。



「・・・・・・・・・」真田



本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

せめて関ヶ原が勝ってれば・・



私達が帰った後のここはきっと地獄だろう・・

あっという間に敗れ、

そして大阪の冬と夏も敗北し・・



「秀頼様が、かわいそうで・・」真田



まだあんなに小さいのに・・

未来から来た私達を厚く召し抱えてくれた秀頼様。



「チラっ・・」

「・・・・・・」左近

「あは・・あははは・・・」大谷



大谷殿を方を見ずにはおれなかった。

最後まで言わないつもりなのか残ると?



だが・・



「使者が参りました!!!」家臣

「・・まぁそうだろう」真田



家康を上田城に入っていくのを確認してるのだ。

当然無傷での返還を考える徳川軍。



「殿っ!家康返還で我が上田は助かるはずです!」家臣

「もう限界です上田の士気も!和睦を!」家臣

「後の戦で勝てば!」



まぁ、そうなるだろう。

当然向こうもそのつもりだろう。



「くく・・早く使者を迎え入れろ!帰るぞ!」家康



くく・・小娘(真田)だけは忘れないぞクソが!

これから起こる戦いで徹底的に攻めてやるわ!



「渡さんぞ!クソ使者に伝えろ!」真田

「なっ!?」家康



ひっくり返す気か!関ヶ原を!

ワシを殺して首を上げ・・



「無理じゃ!」家康



たとえここで我が首を取ろうとも、

すでに家康の影武者がいる。



「影武者を殺した・・で終わるだけでしょ」大谷

「でしょうね。」左近



くっ・・・



「頼もうぉおおおおお!」使者



頼むっ・・バカ息子よ・・

下手な家臣ではなく、

知略に優れ、弁も立つ大物・・最高の使者を・・



「誰が来たって追い返せ!」真田

「ですが、名のある武将に非礼は・・」家臣



徳川家臣で言えば・・

本多忠勝・榊原康政・井伊直政などの超大物だと、

さすがに門前払いなど・・



その頃バカ息子は・・



「ふふ・・」バカ息子

「恐いでござる殿は・・」

「なんたる・・・」



天才だこの秀忠は・・

きっと歴代最高の将軍になるだろう・・



上田城に送った使者・・

最高の知・・





「頼もうぅおおおおおお!」三成



「うわぁあああああ!すげえの来たぁああああ!!」大谷

「みっ!三成さんっ!!!」真田

「殿ぉ!!!!」左近



「ぶはっ!」家康



さすがじゃ・・我が息子よ!



さぁ・・戦の始まりじゃ。
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