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二人だけの問答
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――正徳寺の本堂。そこで二人の男が話し合っていた。
側近や護衛を交えずに、二人だけで。
「それで婿殿。そなたは尾張国を統一した後、どうするつもりか?」
美濃国の大名、斉藤利政の問いを正面に座っている尾張国の小大名、織田信長は少しじらすように間をためてから笑った。
「半国も満たない領土しかない俺に問う質問ではないな」
「婿殿ならばすぐに半国は盗れる。そうすれば一国などすぐだ」
「過大評価……いや、過分な評価をありがたいと言っておこう」
まるで煙に巻くようなことを言ったものの、目の前の男――怪人と評すべき武将を欺くなどできないと、信長は確信していた。
まむしと誰が言い表したのかは知らないが、そのたとえは的確と言えるだろう。こちらを品定めするように見る瞳は一切の油断が無い。若い頃は美男子だったことが分かるような顔立ちをしているが、老獪という言葉が自然と浮かんでくる表情でもあった。
「まあ獲る算段をついてはいるが、それでも年数がかかるだろう」
「ほう。随分と謙虚だな」
「織田弾正忠家は家格が低い。何にしても大義名分が必要なのだ」
「ほう。婿殿は名目を大事にしているのだな。ははは」
利政は一笑に付したが、同時に大義名分を重んじる信長はなかなか狡猾だなと評価した。
大義名分による支配の利点は語るまでもない。それに主君を追放した利政は美濃国の城主や国人衆の信頼を得られているとは言いがたい。もしも自分が信長と同じ立場であれば、同様のことを目指しただろうと利政は内心思った。
「それで舅殿。俺を呼びつけた理由を教えてもらえないか?」
「大事な娘を嫁がせた男の顔を拝みたいのは、父親としては当然ではないか?」
「白々しいことを言うな。本当のことを言ってくだされ」
利政は実に悪そうな顔で信長に微笑んだ。
「あの平手政秀が死んだ真相が知りたくてな」
「……爺やの?」
「あの優れた男が何故死んだのか。無論、諫死ではないだろう?」
信長の心中を抉る問いだった。まだ癒えていない傷に塩をすり込むような行為だった。
対して信長はあくまでも冷静だった。
「それは答えられぬ。爺やとの約束ゆえ」
「約束? ……武士の意地か?」
「情けとも言う。まあいずれにせよ舅殿には関係の無い話だ」
そう打ち切っておいて「だが爺やのことを気にかけていたとは意外ですな」と言う。
「爺やは確かに優秀であったが、抜きん出た者ではなかった」
「それはどうかな? あの者の口車に乗ってわしは織田弾正忠家と同盟を結ぶこととなった。この美濃のまむしがだ」
利政は大仰に肩を竦めた。本人は威厳を込めたつもりだろうが、少しばかり滑稽に見えて、信長は逆に面白く思えた。
「なあ婿殿。わしはあの男を高く買っていたのだよ」
「草葉の陰で爺やは喜んでいるだろうな」
「同時に甘い男だとも分かる。婿殿の――平手の一族への対応を見るとな」
やはりこの男、油断ならないなと信長は警戒を強めたが、そんなことはおくびに出さずに、にこりと笑った。
「俺は死人との約束は絶対に破らん」
「ほう? それは珍しいな」
「だから、親父や爺やとの約束は遵守するつもりだ」
すると利政は「ならば、わしが死んだ後の約束ならば守るということか?」と問う。
信長は「無論だ」と内容を聞くことなく頷いた。
「話が早いな。もし無茶な要求であったならば、いかがする?」
「そんなことは考えぬ」
「ははは。小気味いいな」
利政はにこやかな顔を真面目なものへと変えた。
「わしの息子、高政に跡を譲ろうと思っている。しかし、あやつは――」
「反目していると?」
「ずばりそうだ。自分が土岐頼芸の息子だと吹き込まれて信じている」
信長は敢えて真偽を問わなかった。
利政は「もしも、あやつが道を誤ったのなら」と顔を曇らせた。
「婿殿の手で止めてほしい。もしくは美濃国を盗ってほしいのだ」
「……美濃国を獲る」
「ああ。尾張国の経済力、そして美濃国の地の利があれば京に上洛することも可能だ」
信長は首肯した。様々な観点から考えても、利政の言っていることに間違いは無かった。
「分かった。約束は守ろう」
「ありがたい。ところで婿殿は天下を望むか?」
「それは望んでいる。幼き頃からずっと」
「まあ『隴を得て蜀を望む』ような発想ではないとは思うが、その心は?」
信長はふざける素振りを見せず、心から思っていることを言う。
「俺は面白いことが好きだ。そしてこの世には面白いことが溢れていると信じている。だが、その面白いことができない者もいる。それは面白くない」
貧困や戦乱、あるいはしがらみでできぬ者たち。
信長の脳裏には路傍の物乞いや戦場の死体、加えて竹千代の姿が浮かんだ。
「近頃、一向宗などが来世に救いを求める教えを広めている。それは面白くない。現世はつまらないと説いているのと一緒だ」
「…………」
「まずは日の本を大きな国としてまとめる。貧困や戦乱のない太平の世で、面白いことをたくさん作り民に広める。そうなれば日の本は豊かで平和で面白いことが溢れ返るだろう」
利政は「言うのは易いがな」と言いつつ、その考えに惹かれていた。
「面白きことを作り、面白き世にする。それを作ったら何をする」
「知れたこと。一緒に楽しむのだ。毎日面白おかしく暮らす。戦のことで思い煩うこともなく、政務は後継者に押し付ければいい」
すると利政は「後継者と言ったな」と素早く指摘した。
「帰蝶との間に子ができたとは聞いておらんが」
「励んではいるが、なかなか子が宿らん。俺に原因があるのかもしれん」
「はっきりと帰蝶に問題があると言え」
利政は甘い男だと苦笑した。
「土岐頼純と婚姻させたときも、子ができなかった。おそらくそうなのだろう」
「……俺は正室を変えるつもりはない」
「情に絆されたのか? まあいい、ならば側室を持て。娘はその程度で拗ねる女ではない」
信長は慎重に「考えておく」と答えた。彼も考えてはいたのだが、どうにも決断ができなかった。
その様子から、本当に身内に甘い――否、まむしの娘を『身内』と見なす度量の深さを評価するべきだろう。利政はそう考えた。
「舅殿。今度は俺から聞いていいか?」
「ああ、いいだろう。何でも聞くがいい」
「舅殿は何のために、美濃国の国主に成り上がった?」
利政は虚を突かれた顔に一瞬だけなったが、次のときには「考えたことがないな」と答えた。
「良い暮らしがしたい。もしくは人から尊敬されたい。それは誰しも考えることだが、わしの場合はそれらを考えなかった」
「では何ゆえ、まむしと言われるまで成り上がり続けた? 生涯に渡って戦い続けた?」
「……初めは羨望からかもしれん」
美濃のまむしは尾張のうつけに言う。
「他人の物が欲しいと思うことは、婿殿にはあるか?」
信長は平手五郎右衛門の名馬を思い出して「ある」と答えた。
「わしはその欲が強かった。他人の所有物を盗りたいと常々考えていた。戦国乱世でなければ泥棒になっていただろうな」
「なるほど。戦国乱世であったから、国盗りを成し遂げられたわけか」
「然り。わしは大きなものでも小さなものでも、何でも欲しがる。その欲が抑制できたのは、ここ五年のことだな」
始まりは欲しいという欲求からだった。
生まれながら、物には不自由しなかった信長には理解できないが、それでもその欲に従う心は、面白いものを優先する自分に似ていると感じた。
「婿殿。先ほど『隴を得て蜀を望む』とわしは言ったが、まさしく人の欲は際限ないものだ。人間全てが背負う業だ」
利政は信長に助言した。何の見返りも無く助言をするなど、彼を知る者は皆驚くであろう行為だった。
「人に土地や銭だけを与えるだけでは、従いも付き添いもしない」
「……では何を与えればいい?」
「それ以上の価値があるものだ。そしてその価値を作るのは婿殿だ」
信長は「つまり、主君が認めた価値を家臣に与えろと?」と問う。
「ああ。たとえば最新鋭の鉄砲ややんごとなきお方が好む茶器などが当たるのかもしれん」
「鉄砲や茶器か」
「わしならば茶器にする。土さえあればいくらでも作れるからな」
信長の中に、少し閃きのようなものが生まれた。
それが形となる前に信長は利政に頭を下げた。
「良いことを聞いた。礼を言う」
「礼など要らん。わしが望むことはただ一つ」
利政は満足そうに頷いた。
「婿殿が自身の夢を叶えることだ。わしもそれが面白く思えた」
側近や護衛を交えずに、二人だけで。
「それで婿殿。そなたは尾張国を統一した後、どうするつもりか?」
美濃国の大名、斉藤利政の問いを正面に座っている尾張国の小大名、織田信長は少しじらすように間をためてから笑った。
「半国も満たない領土しかない俺に問う質問ではないな」
「婿殿ならばすぐに半国は盗れる。そうすれば一国などすぐだ」
「過大評価……いや、過分な評価をありがたいと言っておこう」
まるで煙に巻くようなことを言ったものの、目の前の男――怪人と評すべき武将を欺くなどできないと、信長は確信していた。
まむしと誰が言い表したのかは知らないが、そのたとえは的確と言えるだろう。こちらを品定めするように見る瞳は一切の油断が無い。若い頃は美男子だったことが分かるような顔立ちをしているが、老獪という言葉が自然と浮かんでくる表情でもあった。
「まあ獲る算段をついてはいるが、それでも年数がかかるだろう」
「ほう。随分と謙虚だな」
「織田弾正忠家は家格が低い。何にしても大義名分が必要なのだ」
「ほう。婿殿は名目を大事にしているのだな。ははは」
利政は一笑に付したが、同時に大義名分を重んじる信長はなかなか狡猾だなと評価した。
大義名分による支配の利点は語るまでもない。それに主君を追放した利政は美濃国の城主や国人衆の信頼を得られているとは言いがたい。もしも自分が信長と同じ立場であれば、同様のことを目指しただろうと利政は内心思った。
「それで舅殿。俺を呼びつけた理由を教えてもらえないか?」
「大事な娘を嫁がせた男の顔を拝みたいのは、父親としては当然ではないか?」
「白々しいことを言うな。本当のことを言ってくだされ」
利政は実に悪そうな顔で信長に微笑んだ。
「あの平手政秀が死んだ真相が知りたくてな」
「……爺やの?」
「あの優れた男が何故死んだのか。無論、諫死ではないだろう?」
信長の心中を抉る問いだった。まだ癒えていない傷に塩をすり込むような行為だった。
対して信長はあくまでも冷静だった。
「それは答えられぬ。爺やとの約束ゆえ」
「約束? ……武士の意地か?」
「情けとも言う。まあいずれにせよ舅殿には関係の無い話だ」
そう打ち切っておいて「だが爺やのことを気にかけていたとは意外ですな」と言う。
「爺やは確かに優秀であったが、抜きん出た者ではなかった」
「それはどうかな? あの者の口車に乗ってわしは織田弾正忠家と同盟を結ぶこととなった。この美濃のまむしがだ」
利政は大仰に肩を竦めた。本人は威厳を込めたつもりだろうが、少しばかり滑稽に見えて、信長は逆に面白く思えた。
「なあ婿殿。わしはあの男を高く買っていたのだよ」
「草葉の陰で爺やは喜んでいるだろうな」
「同時に甘い男だとも分かる。婿殿の――平手の一族への対応を見るとな」
やはりこの男、油断ならないなと信長は警戒を強めたが、そんなことはおくびに出さずに、にこりと笑った。
「俺は死人との約束は絶対に破らん」
「ほう? それは珍しいな」
「だから、親父や爺やとの約束は遵守するつもりだ」
すると利政は「ならば、わしが死んだ後の約束ならば守るということか?」と問う。
信長は「無論だ」と内容を聞くことなく頷いた。
「話が早いな。もし無茶な要求であったならば、いかがする?」
「そんなことは考えぬ」
「ははは。小気味いいな」
利政はにこやかな顔を真面目なものへと変えた。
「わしの息子、高政に跡を譲ろうと思っている。しかし、あやつは――」
「反目していると?」
「ずばりそうだ。自分が土岐頼芸の息子だと吹き込まれて信じている」
信長は敢えて真偽を問わなかった。
利政は「もしも、あやつが道を誤ったのなら」と顔を曇らせた。
「婿殿の手で止めてほしい。もしくは美濃国を盗ってほしいのだ」
「……美濃国を獲る」
「ああ。尾張国の経済力、そして美濃国の地の利があれば京に上洛することも可能だ」
信長は首肯した。様々な観点から考えても、利政の言っていることに間違いは無かった。
「分かった。約束は守ろう」
「ありがたい。ところで婿殿は天下を望むか?」
「それは望んでいる。幼き頃からずっと」
「まあ『隴を得て蜀を望む』ような発想ではないとは思うが、その心は?」
信長はふざける素振りを見せず、心から思っていることを言う。
「俺は面白いことが好きだ。そしてこの世には面白いことが溢れていると信じている。だが、その面白いことができない者もいる。それは面白くない」
貧困や戦乱、あるいはしがらみでできぬ者たち。
信長の脳裏には路傍の物乞いや戦場の死体、加えて竹千代の姿が浮かんだ。
「近頃、一向宗などが来世に救いを求める教えを広めている。それは面白くない。現世はつまらないと説いているのと一緒だ」
「…………」
「まずは日の本を大きな国としてまとめる。貧困や戦乱のない太平の世で、面白いことをたくさん作り民に広める。そうなれば日の本は豊かで平和で面白いことが溢れ返るだろう」
利政は「言うのは易いがな」と言いつつ、その考えに惹かれていた。
「面白きことを作り、面白き世にする。それを作ったら何をする」
「知れたこと。一緒に楽しむのだ。毎日面白おかしく暮らす。戦のことで思い煩うこともなく、政務は後継者に押し付ければいい」
すると利政は「後継者と言ったな」と素早く指摘した。
「帰蝶との間に子ができたとは聞いておらんが」
「励んではいるが、なかなか子が宿らん。俺に原因があるのかもしれん」
「はっきりと帰蝶に問題があると言え」
利政は甘い男だと苦笑した。
「土岐頼純と婚姻させたときも、子ができなかった。おそらくそうなのだろう」
「……俺は正室を変えるつもりはない」
「情に絆されたのか? まあいい、ならば側室を持て。娘はその程度で拗ねる女ではない」
信長は慎重に「考えておく」と答えた。彼も考えてはいたのだが、どうにも決断ができなかった。
その様子から、本当に身内に甘い――否、まむしの娘を『身内』と見なす度量の深さを評価するべきだろう。利政はそう考えた。
「舅殿。今度は俺から聞いていいか?」
「ああ、いいだろう。何でも聞くがいい」
「舅殿は何のために、美濃国の国主に成り上がった?」
利政は虚を突かれた顔に一瞬だけなったが、次のときには「考えたことがないな」と答えた。
「良い暮らしがしたい。もしくは人から尊敬されたい。それは誰しも考えることだが、わしの場合はそれらを考えなかった」
「では何ゆえ、まむしと言われるまで成り上がり続けた? 生涯に渡って戦い続けた?」
「……初めは羨望からかもしれん」
美濃のまむしは尾張のうつけに言う。
「他人の物が欲しいと思うことは、婿殿にはあるか?」
信長は平手五郎右衛門の名馬を思い出して「ある」と答えた。
「わしはその欲が強かった。他人の所有物を盗りたいと常々考えていた。戦国乱世でなければ泥棒になっていただろうな」
「なるほど。戦国乱世であったから、国盗りを成し遂げられたわけか」
「然り。わしは大きなものでも小さなものでも、何でも欲しがる。その欲が抑制できたのは、ここ五年のことだな」
始まりは欲しいという欲求からだった。
生まれながら、物には不自由しなかった信長には理解できないが、それでもその欲に従う心は、面白いものを優先する自分に似ていると感じた。
「婿殿。先ほど『隴を得て蜀を望む』とわしは言ったが、まさしく人の欲は際限ないものだ。人間全てが背負う業だ」
利政は信長に助言した。何の見返りも無く助言をするなど、彼を知る者は皆驚くであろう行為だった。
「人に土地や銭だけを与えるだけでは、従いも付き添いもしない」
「……では何を与えればいい?」
「それ以上の価値があるものだ。そしてその価値を作るのは婿殿だ」
信長は「つまり、主君が認めた価値を家臣に与えろと?」と問う。
「ああ。たとえば最新鋭の鉄砲ややんごとなきお方が好む茶器などが当たるのかもしれん」
「鉄砲や茶器か」
「わしならば茶器にする。土さえあればいくらでも作れるからな」
信長の中に、少し閃きのようなものが生まれた。
それが形となる前に信長は利政に頭を下げた。
「良いことを聞いた。礼を言う」
「礼など要らん。わしが望むことはただ一つ」
利政は満足そうに頷いた。
「婿殿が自身の夢を叶えることだ。わしもそれが面白く思えた」
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