75 / 182
浪人生活
しおりを挟む
「ほれ。獲物を取ってきたぞ」
「いつもいつもありがとうごぜえます、前田様」
尾張国にある小さな農村で、老人に狩ってきた獣を渡す利家。
鳥やきつね、野うさぎなど様々な動物が籠に入っている。
老人は「これだけになります」と米や野菜を彼に渡した。どうやら獲物と交換するらしい。比率としては妥当なものであると傍目からも分かる。
「こっちこそ、いつもありがとうな。これでまつに美味しい飯を食わせてやれる」
「そっちの立派な猪は家に持って帰るんですか?」
渡した籠とは別に、利家の後ろには血抜きした猪が横に置かれていた。
利家は「ああ。精をつけてほしいからな」と胸を張って言う。
「この前、おふくろから味噌貰ったから、鍋でも作ろうと思っている」
「そうですか。それはよござんすねえ」
それから二三のやりとりを終えて、利家は村外れにある沢彦相恩の庵に戻った。
中から赤ん坊の声がする。思わず顔がにやける利家。
がらりと戸を開けて「今帰ったぞ!」と家に入った。
「お帰りなさい。利家」
早足で玄関にやってきたまつの腕の中には、小さな赤ん坊がいた。
利家とまつの娘、幸である。
まつの身体は幼く出産も危ぶまれたが、こうして母子ともに健康になれたのは望外の喜びだった。
「お、おい。大丈夫なのか、もう動いても?」
「何度も言っているではありませんか。私は元気ですって」
「まだ実家にいても良かったんだぞ? 親父だって引き止めてくれたじゃないか」
利家は気遣いのつもりで言ったのだが、まつは悲しげに「私と一緒にいたくないのですか?」と目を伏せて呟く。長身の利家からは角度的に見えなかったが、目が真っ黒に暗くなっていた。
「そうじゃない。お前と一緒に暮らしたいに決まっているじゃないか。でもな、お前の身体が心配なんだよ」
「……そうですか。てっきり私が邪魔になったのかと」
「ふざけんな。邪魔だと思ったことは一度も無い」
まつが利家の傍に居たがるのは、悪い虫がつかないようにするためだった。まつから見て利家は魅力的な男だったので、言いよる女がいると思ったからだ。
実際、利家は美男子だったが元かぶき者の浪人に言いよる女などあまりいない。
ましてや今は猟師のようなことをしていて、関わる女など皆無だった。
「それより猪取ってきたから飯にしようぜ。この前味噌貰ったからそれ使ってくれよ」
まつの胸中など分からない、鈍感な利家は猪を見せる。まつは「随分と立派ですね」と笑った。
「時間かかりますから、幸の面倒を見てください」
「おう。それと鉈は――」
「いつも準備しているので、大丈夫ですよ」
包丁では解体は難しいと思ったので、利家は鉈を用意しようと思って言ったが、まつは分かっていたように答えた。
何故『いつも準備』しているのか、利家は少し疑問に思ったが、幸を受け取ると一気ににやけた。
「幸は可愛いなあ。一緒に遊ぼうなあ」
「……利家。私と幸、どっちが好きなんですか?」
まつ自身、子供に嫉妬するのはお門違いだと思ったが、訊ねずにいられなかった。
ここで解答を間違えれば利家の身に危ういことが起こったが「まつは俺と幸、どっちが好きなんだ?」と問う。幸に夢中になっていて無意識に出た質問だった。
「……先に猪を運んでください」
「うん、あ、そうだな」
まつは再び幸を抱いた。
利家は本当にずるいなと思い、惚れた弱みよねとも思った。
しばらくして料理が出来上がった。血抜きの処理は終わっていたので、必要な分を切り取って鍋にする。残りの肉の解体はご飯を食べ終えてから利家がするらしい。
「美味い! おかわりくれ!」
「そんなにがっつかなくても、おかわりはありますから」
ぐつぐつと煮えた猪鍋から具をよそい、利家に手渡すまつ。
多めに作った鍋だったが、あともう少しで底が見えそうだ。
まつは「今後のことですけど」と話を振った。
「織田家に再仕官できそうですか?」
「ああ、実を言うと明日、柴田様がここに来る。何か話があるらしい」
「それはつまり……」
「想像のとおりだ」
まつはほっとして「それは良かったです」と頷いた。
「そろそろ銭が無くなりそうでしたから」
「無くなったら猟で稼いでやるよ」
「利家が強いことは分かってますけど心配です。もし熊にでも遭遇したら……」
「そしたら熊肉食べられるな」
のん気なのか豪快なのか分からない利家に思わず苦笑するまつ。
幸がぐずり始めたので、まつは自分の乳をあげようと着物をはだけた。
授乳している最中は、利家は何も話さない。気恥ずかしい気持ちが強かったからだ。
「御免! 前田様はいらっしゃいますか!」
玄関のほうから大きな声がした。
聞き覚えのある声だったので、利家は「俺が出る」とまつに言う。
「外で話すからゆっくりでいい」
「分かりました……幸、おくびなさい」
幸の背中をとんとんと叩くまつを置いて、利家は玄関に向かって戸を開けた。
そこには木下藤吉郎がいた。風の噂では小者頭から足軽組頭に出世したらしい。身なりが少しだけ綺麗になっている。
「ああ。藤吉郎。久しぶりだな。何かあったのか?」
「お久しぶりです、前田様」
「様なんて止してくれ。俺は浪人の身だ」
「いやいや、それはできませんよ。それより酒を持ってきました。良ければ」
酒瓶を利家に手渡す藤吉郎。あまり上物ではないが、その厚意は嬉しかったので「ありがとう」と礼を言う利家。
「今、まつが乳をあげているんだ。少し待ってくれ」
「いえ、長居するつもりはありません。手短にお話させてください」
「なんだ、話って」
藤吉郎は「それがしが小耳に挟んだところ」と話し出した。
「今川義元が尾張国を攻めにくるようです。近いうちに」
「……あの今川義元が?」
利家でも噂は聞いたことがある。
今川家は織田家よりも兵力があり、尾張国に野心を向けていると。
「今、殿と重臣の方々が策を練っているようですが、どうなるか……」
「ふむ。なるほどな」
「しかし、前田様が手柄を立てて復帰できる好機でもあります」
藤吉郎は利家のことを尊敬していた。
だからまた一緒に織田家で働きたいと思っていたし、そのためなら何でもすると心に決めていた。
好機という言葉を使ったのはそれが理由だった。
「前田様が今川家の敵将を討ち取れば、再仕官できるかもしれません」
「確かに、そう考えれば好機だな」
「でしょう? ですから――」
「しかし、どうやって戦に参加する? まさか勝手に出るわけにはいかないだろう?」
その言葉に藤吉郎は「そうですなあ」と同調した。
それに今の困窮した状態を見るに、具足や槍が用意できるとは思えない。
「それがしにもっと地位があれば、隊に紛れさせるのですが」
「気持ちだけ受け取っておこう。お前に迷惑はかけたくない」
「め、迷惑だなんてそんな!」
「……ありがとうな、藤吉郎」
利家はにっこりと笑って藤吉郎に感謝した。
「浪人の俺にここまで気遣ってくれて。嬉しいよ」
利家からすると、藤吉郎は自分に便宜を図っても意味はないと考えている。
しかし藤吉郎からして見れば、利家は尊敬している恩人である。
こうして会って元気付けるのは当然の行ないだった。
「水臭いことを言わんでください。それがしは好きでやっているのですから」
「それでは気が済まない。そうだな、何か俺にできることはないか?」
「うーん、実はそれがし、気になるおなごがいましてね」
「へえ。誰なんだ?」
藤吉郎は「杉原定利様の子女で、今は浅野長勝様の養女、ねね殿です」と答えた。
利家は「ああ、まつから聞いたことがある」と頷いた。
「口説くのを手伝えって言うのか?」
「いえ。もしも婚姻できたら、媒酌人を夫婦でお願いしたく……」
「なんだ。そこまで話が進んでいるのか」
「そういうわけではありませぬが、それを……」
「分かった。それまでに再仕官してみせる」
藤吉郎はにっこりと猿みたいに笑った。
「約束ですぞ!」
「ああ、約束だ!」
二人は固く両手を握り合った。
しかしこのとき、様子を見に来たまつにその場面を見られて、あらぬ誤解を受けることとなってしまった。
「いつもいつもありがとうごぜえます、前田様」
尾張国にある小さな農村で、老人に狩ってきた獣を渡す利家。
鳥やきつね、野うさぎなど様々な動物が籠に入っている。
老人は「これだけになります」と米や野菜を彼に渡した。どうやら獲物と交換するらしい。比率としては妥当なものであると傍目からも分かる。
「こっちこそ、いつもありがとうな。これでまつに美味しい飯を食わせてやれる」
「そっちの立派な猪は家に持って帰るんですか?」
渡した籠とは別に、利家の後ろには血抜きした猪が横に置かれていた。
利家は「ああ。精をつけてほしいからな」と胸を張って言う。
「この前、おふくろから味噌貰ったから、鍋でも作ろうと思っている」
「そうですか。それはよござんすねえ」
それから二三のやりとりを終えて、利家は村外れにある沢彦相恩の庵に戻った。
中から赤ん坊の声がする。思わず顔がにやける利家。
がらりと戸を開けて「今帰ったぞ!」と家に入った。
「お帰りなさい。利家」
早足で玄関にやってきたまつの腕の中には、小さな赤ん坊がいた。
利家とまつの娘、幸である。
まつの身体は幼く出産も危ぶまれたが、こうして母子ともに健康になれたのは望外の喜びだった。
「お、おい。大丈夫なのか、もう動いても?」
「何度も言っているではありませんか。私は元気ですって」
「まだ実家にいても良かったんだぞ? 親父だって引き止めてくれたじゃないか」
利家は気遣いのつもりで言ったのだが、まつは悲しげに「私と一緒にいたくないのですか?」と目を伏せて呟く。長身の利家からは角度的に見えなかったが、目が真っ黒に暗くなっていた。
「そうじゃない。お前と一緒に暮らしたいに決まっているじゃないか。でもな、お前の身体が心配なんだよ」
「……そうですか。てっきり私が邪魔になったのかと」
「ふざけんな。邪魔だと思ったことは一度も無い」
まつが利家の傍に居たがるのは、悪い虫がつかないようにするためだった。まつから見て利家は魅力的な男だったので、言いよる女がいると思ったからだ。
実際、利家は美男子だったが元かぶき者の浪人に言いよる女などあまりいない。
ましてや今は猟師のようなことをしていて、関わる女など皆無だった。
「それより猪取ってきたから飯にしようぜ。この前味噌貰ったからそれ使ってくれよ」
まつの胸中など分からない、鈍感な利家は猪を見せる。まつは「随分と立派ですね」と笑った。
「時間かかりますから、幸の面倒を見てください」
「おう。それと鉈は――」
「いつも準備しているので、大丈夫ですよ」
包丁では解体は難しいと思ったので、利家は鉈を用意しようと思って言ったが、まつは分かっていたように答えた。
何故『いつも準備』しているのか、利家は少し疑問に思ったが、幸を受け取ると一気ににやけた。
「幸は可愛いなあ。一緒に遊ぼうなあ」
「……利家。私と幸、どっちが好きなんですか?」
まつ自身、子供に嫉妬するのはお門違いだと思ったが、訊ねずにいられなかった。
ここで解答を間違えれば利家の身に危ういことが起こったが「まつは俺と幸、どっちが好きなんだ?」と問う。幸に夢中になっていて無意識に出た質問だった。
「……先に猪を運んでください」
「うん、あ、そうだな」
まつは再び幸を抱いた。
利家は本当にずるいなと思い、惚れた弱みよねとも思った。
しばらくして料理が出来上がった。血抜きの処理は終わっていたので、必要な分を切り取って鍋にする。残りの肉の解体はご飯を食べ終えてから利家がするらしい。
「美味い! おかわりくれ!」
「そんなにがっつかなくても、おかわりはありますから」
ぐつぐつと煮えた猪鍋から具をよそい、利家に手渡すまつ。
多めに作った鍋だったが、あともう少しで底が見えそうだ。
まつは「今後のことですけど」と話を振った。
「織田家に再仕官できそうですか?」
「ああ、実を言うと明日、柴田様がここに来る。何か話があるらしい」
「それはつまり……」
「想像のとおりだ」
まつはほっとして「それは良かったです」と頷いた。
「そろそろ銭が無くなりそうでしたから」
「無くなったら猟で稼いでやるよ」
「利家が強いことは分かってますけど心配です。もし熊にでも遭遇したら……」
「そしたら熊肉食べられるな」
のん気なのか豪快なのか分からない利家に思わず苦笑するまつ。
幸がぐずり始めたので、まつは自分の乳をあげようと着物をはだけた。
授乳している最中は、利家は何も話さない。気恥ずかしい気持ちが強かったからだ。
「御免! 前田様はいらっしゃいますか!」
玄関のほうから大きな声がした。
聞き覚えのある声だったので、利家は「俺が出る」とまつに言う。
「外で話すからゆっくりでいい」
「分かりました……幸、おくびなさい」
幸の背中をとんとんと叩くまつを置いて、利家は玄関に向かって戸を開けた。
そこには木下藤吉郎がいた。風の噂では小者頭から足軽組頭に出世したらしい。身なりが少しだけ綺麗になっている。
「ああ。藤吉郎。久しぶりだな。何かあったのか?」
「お久しぶりです、前田様」
「様なんて止してくれ。俺は浪人の身だ」
「いやいや、それはできませんよ。それより酒を持ってきました。良ければ」
酒瓶を利家に手渡す藤吉郎。あまり上物ではないが、その厚意は嬉しかったので「ありがとう」と礼を言う利家。
「今、まつが乳をあげているんだ。少し待ってくれ」
「いえ、長居するつもりはありません。手短にお話させてください」
「なんだ、話って」
藤吉郎は「それがしが小耳に挟んだところ」と話し出した。
「今川義元が尾張国を攻めにくるようです。近いうちに」
「……あの今川義元が?」
利家でも噂は聞いたことがある。
今川家は織田家よりも兵力があり、尾張国に野心を向けていると。
「今、殿と重臣の方々が策を練っているようですが、どうなるか……」
「ふむ。なるほどな」
「しかし、前田様が手柄を立てて復帰できる好機でもあります」
藤吉郎は利家のことを尊敬していた。
だからまた一緒に織田家で働きたいと思っていたし、そのためなら何でもすると心に決めていた。
好機という言葉を使ったのはそれが理由だった。
「前田様が今川家の敵将を討ち取れば、再仕官できるかもしれません」
「確かに、そう考えれば好機だな」
「でしょう? ですから――」
「しかし、どうやって戦に参加する? まさか勝手に出るわけにはいかないだろう?」
その言葉に藤吉郎は「そうですなあ」と同調した。
それに今の困窮した状態を見るに、具足や槍が用意できるとは思えない。
「それがしにもっと地位があれば、隊に紛れさせるのですが」
「気持ちだけ受け取っておこう。お前に迷惑はかけたくない」
「め、迷惑だなんてそんな!」
「……ありがとうな、藤吉郎」
利家はにっこりと笑って藤吉郎に感謝した。
「浪人の俺にここまで気遣ってくれて。嬉しいよ」
利家からすると、藤吉郎は自分に便宜を図っても意味はないと考えている。
しかし藤吉郎からして見れば、利家は尊敬している恩人である。
こうして会って元気付けるのは当然の行ないだった。
「水臭いことを言わんでください。それがしは好きでやっているのですから」
「それでは気が済まない。そうだな、何か俺にできることはないか?」
「うーん、実はそれがし、気になるおなごがいましてね」
「へえ。誰なんだ?」
藤吉郎は「杉原定利様の子女で、今は浅野長勝様の養女、ねね殿です」と答えた。
利家は「ああ、まつから聞いたことがある」と頷いた。
「口説くのを手伝えって言うのか?」
「いえ。もしも婚姻できたら、媒酌人を夫婦でお願いしたく……」
「なんだ。そこまで話が進んでいるのか」
「そういうわけではありませぬが、それを……」
「分かった。それまでに再仕官してみせる」
藤吉郎はにっこりと猿みたいに笑った。
「約束ですぞ!」
「ああ、約束だ!」
二人は固く両手を握り合った。
しかしこのとき、様子を見に来たまつにその場面を見られて、あらぬ誤解を受けることとなってしまった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
A級パーティから追放された俺はギルド職員になって安定した生活を手に入れる
国光
ファンタジー
A級パーティの裏方として全てを支えてきたリオン・アルディス。しかし、リーダーで幼馴染のカイルに「お荷物」として追放されてしまう。失意の中で再会したギルド受付嬢・エリナ・ランフォードに導かれ、リオンはギルド職員として新たな道を歩み始める。
持ち前の数字感覚と管理能力で次々と問題を解決し、ギルド内で頭角を現していくリオン。一方、彼を失った元パーティは内部崩壊の道を辿っていく――。
これは、支えることに誇りを持った男が、自らの価値を証明し、安定した未来を掴み取る物語。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる