姉妹チート

和希

文字の大きさ
16 / 535

それぞれの花

しおりを挟む
(1)

「ふぅ~」

 湯舟に浸かってのんびりする。
 銭湯っていいね。
 足を延ばして肩までつかる。

「となり良いか?」
「僕もいいかな?」

 学と酒井君がやってきた。
 5年生組は5人だけだ。
 4年生組は泳いではしゃいでる。
 中島君はサウナに入ってる。
 大人組は大人組で集まって何か話してる。

「桐谷君のお父さんの話は聞いたらいけません!」

 母さんからの言いつけだった。
 渡辺さんは正俊君の世話をしてる。

「何一人でにやけてるんだ?」

 学に言われて現実に戻った。

「なんか重大な話してた?」

 僕が学に聞いた。

「全然話聞いてなかったんだな」

 学が呆れてる。

「どうやったらお前みたいに女心が分かるようになるんだ?って話をしてたんだよ」

 なるほど。

「学は一つ大きな勘違いをしてる」
「と、いうと?」
「僕は女心が分かるわけじゃない。翼と共鳴できるだけ」

 人の心を正確に把握するのは多分父さんくらいだ。
 その父さんですら偶にミスする。

「酒井君はどうなの?」

 酒井君に話を振ってみた。

「いや、僕にもわかりませんね。彼女どころか妹の気持ちすらわからないんですよ」

 酒井君はそう言って笑う。

「確かに女子の精神年齢は男子の2つ上は言ってると聞いたことがあるが恋の気持ちはさっぱりわからんな」

 学が言う。
 恋はまだ小学2年生。学君にべったりなんだそうだ。
 そういや3人とも妹がいるんだな。

「僕達ってみんな妹がいるよね?」
「そうだな」
「そうですね~」
「妹の扱い方ってわかる?」

 ちなみに僕にはさっぱりわからない。

「繭の面倒は祈がだいたいみてるので……」
「恋は家にいる間はずっとそばにいたがるな」
「でも空も、天音は大地がいるから手がかからないんじゃないのか?」

 そうでもないよ学君。
 4年生は飽きたのか風呂を出て行った。
 多分外に出てゲームで遊ぶ気だろう。

「どうしたお前たち。3人そろって」

 渡辺さんが来た。
 同じ質問を渡辺さんにしてみた?

「女心を知る方法?そりゃまた小学生にしては難しい問題に遭遇してるな」

 渡辺さんはそう言って笑う。

「そんな事が出来るのは俺の中ではただ一人。冬夜だけだ」

 やっぱりそうなのか?

「父さんってモテたんですか?」
「普通にしてたらモテただろうな」
「と、いうと」
「あいつには最初から愛莉さんがいた。愛莉さんだけが全てだった」

 小6の時から付き合ってたんだっけ?

「普通の男にはぜったいわからんよ。嫁の気持ちすらわからないんだから」

 渡辺さんが言う。

「その冬夜も言ってたぞ”二人でお互いのトリセツを作るしかない”ってな」
「トリセツですか……」

 学が言った。

「渡辺君、そろそろ出ようか」

 大人組が言う。

「そうだな、俺達もそろそろでよう。のぼせるぞ」

 渡辺さんが言うので僕達も風呂を出た。
 風呂を出るとやっぱりコーヒー牛乳だよね。
 買うと一気飲みする。
 ふぅ~。
 その後にアイスクリームを食べる。
 僕がアイスクリームを食べていると正俊君が渡辺さんに強請っていた。

「仕方が無いな」

 渡辺さんが買ってやる。
 満足そうに食べていた。
 それからしばらくして女性陣が出てきた。
 昼ごはんをファミレスで食べて解散になった。
 ファミレスに行くといくつかのテーブルに分かれる。
 僕のテーブルには翼、天音、水奈、大地、学の6人。
 注文をする。
 その量に大地と学は驚く。
 ご馳走になってるんだし控えめにした方なんだけど。

「お前ら一体どこにその栄養いってるんだよ?」

 水奈が言う。

「翼は間違いなく胸にいってるね。毎日見てるから気づかなかかったけど昨日水着姿みて確信した」

 天音が言った。

「そ、育ち盛りなの!」

 翼が恥ずかしそうに言う。

「でも食うだけで大きくなるものか?それなら私も頑張って食ってみるが」

 水奈が言う。

「そう言えば揉まれたら大きくなるって言ってたな。まさか善明、お前人の見てないところで……」
「そ、そんな事あるわけないよ」

 天音が言うと酒井君が言った。

「そんなに否定されると結構傷つくんだけど」

 翼が言う。

「大体天音だって大地に揉んでもらえばいいでしょ!」

 理屈がおかしいよ翼。

「うぬぬ……大地!お前他人事みたいに聞いてるんじゃねーぞ!お前が私の胸を揉めば済むだけの話なんだからな!」

 大地はジュースを吹いた。

「その理屈で言うなら私も学に揉んでもらうかな……」

 学は苦笑いしている。
 いいタイミングで注文した料理が来たようだ。
 我が家では食い物は絶対。
 3人とも黙って食べることに集中する。
 それを呆然と見ている水奈たち。
 そんなに見てもあげないよ?
 それより食べないと冷めちゃうよ?
 料理を食べ終わると家に送ってもらう。
 荷物を降ろして「ありがとうございました」と礼を言う。

「年末は無理だって言ってたな」

 渡辺さんが父さんに聞いてる。

「ごめん、さすがに出産予定日間近の愛莉残して飲みには行けない」

 父さんが申し訳なさそうに言う。

「まあ仕方ない。また落ち着いたら遊びに行こう」
「ありがとね」
「気にするな、じゃあな」

 そう言って渡辺さん達は帰っていった。
 荷物を部屋で整理するとベッドに横になる。
 
「さっき風呂場で確認したんだけどさ。美希ったら服脱いだら結構胸あるよ」

 そんなこと暴露していいのか?
 でもそんなに大きいのか……美希。

「今想像したでしょ?」

 翼はそう言って笑っていた。

「まあ、そんな事は置いておいてさ。美希から聞いたけどキスはしたんだって」
「うん」
「じゃあ、次のステップだね。また私がレクチャーしてあげようか?」
「それは無理だと思う」
「どうして?」

 僕は翼の後ろを指差した。
 翼は後ろを見る。
 翼の背後には母さんが立っていた。

「翼……ほどほどにしておかないと空の部屋に立ち入り禁止にしますよ」
「姉弟でいちゃついたらいけないの?」
「冬夜さんの気持ちも察してあげてください。小学生からそんな関係を持ったなんて知ったらどう思うか考えたことありますか?」

 母さんの言ってることはまともに見えるけど結構無茶苦茶だと思う。

「じゃあ、中学生になったらいいの?」
「……美希の気持ちも考えてあげたら?翼だって善明が妹といちゃついてるなんて知りたくないでしょ」

 ほらね、やっぱり無茶苦茶だった。

「やっぱり酒井君を攻略するしかないか」

 酒井君も大変だろうなぁ。

(2)

 私は石原家の家族の車に乗っていた。
 
「天音ちゃん楽しめた?」

 大地の母さんが聞いてきた。

「はい」

 私は返事した。

「それはよかったわ」

 会話が続かない。
 私から積極的に振ったほうがいいのだろうか?
 何を話そうか?
 無難なところから攻めてみよう。

「大地は夏休みの宿題終わった?」
「もうちょっとかな。言われた通り7月中には終わらせるよ」
「じゃあ、8月は遊べるね」
「それは大丈夫だと思う」

 8月は花火から始まってプールにカラオケ、ボーリング、ゲーセン……映画でもいいか。今度は私が選んでやろう。

「天音読書感想文どうした?」

 大地が話題を振ってきた。
 指定された本から一冊選んで読んで感想文を書く課題。
 率直に書くと「つまらん!」の5文字で終わってしまうんだけど400字詰め原稿用紙何枚以上って規定があるので適当に書くしかない。
 適当に流し読みして印象に残ったところを頭にあるだけの単語を繋ぎ合わせて書くだけの作業。

「もう終わったよ」
「ちゃんと読んだ」
「読むわけないじゃん」
「そうだよね……」

 大地は読書感想文で苦戦してるのか?
 ……まてよ?これはチャンスなんじゃないのか?

「大地、分かんないところあるなら教えてあげる。今度大地の家に遊びに行ってもいい?」

 我ながら良い攻め方だと思った。

「う、うちに来るの?」

 慌てる大地。

「何か来られたらまずい事でもあるの?大地」

 大地のお母さんが動いた。これで決まりだ。

「いや、特にないけど……」
「じゃあ、招待しなさいな。ちゃんとおもてなししてあげる」

 そう来ると思った。

「天音ちゃん、うちはお風呂も広いから大丈夫よ。2人では入れるわ」
「え、恵美!?」

 大地のお父さんが動揺してる。

「何か問題あるの?2人は恋人同士なのよ?泊ってくくらい当たり前でしょ」
「そ、それは片桐君にも許可を得た方がいいんじゃないかな……」

 大地のお父さんがそう言う前に大地のお母さんは行動してた。

「もしもし愛莉ちゃん?今度我が家に天音ちゃんを招待したいんだけど……大丈夫、うちの息子にも徹底しておくから”まだ孫は早い”って……」

 頭を抱える大地。
 大地のお母さんが電話終えるとにこりと笑った。

「これで問題ないわよね?望」
「そ、そうだね」
「そうね、私達外泊しておいた方がいいかしら?2人とも色々遠慮するだろうし」
「え、恵美まだ大地たちは小学4年生だよ?」
「馬鹿ね、望。大地がそんな真似するはずないでしょ。精々抱き合ってキスして寝るくらいよ」
「でもさすがに2人きりにするのは駄目だよ。美希を片桐君の家で2人きりにして大丈夫なの?恵美は」

 上手く切り返したように見えた大地のお父さん。

「空も美希を誘ったことはないみたい。だから私が空を誘ってみたわ」
「それで何て返ってきたの?」
「愛莉ちゃんが”小学生の間は大目に見てあげて”って」
「そ、そうなんだ……」
「小学生でも一緒に寝るくらいすると思ったんだけど違うのね」

 大地のお母さんは笑顔だった。
 大地と大地のお父さんは笑うしかなかった。
 私の家に着くと「じゃあ、いつでもいらっしゃい」と笑顔の大地のお母さん。
 こりゃ私もとっておきの下着準備するしかないな!

(3)

 うちの馬鹿もそうだけど学の父さんの運転も危なっかしいな。
 スマホを操作していても急な動作で手が滑ってしまう。
 学の母さんが注意しているが一向に聞かない。

「すまんな……」

 学が耳打ちする。
 それを見た遊が言う。

「ああ、今ひそひそ話してた!一々見せつけやがって!」
「遊!一々冷やかすんじゃない!男としてみっともないぞ!」

 学の母さんが言う。

「学はプールに行くのか?」
「いや、母さんたちが仕事で……」
「ごめんね、水奈ちゃん」

 そっか……じゃあしょうがねえな。
 けれどそれで諦める私じゃない。

「学、いいアイデア思いついたんだけど」
「ほう?どんなアイデアだ?」
「学は遊たちの面倒を見れる。私は学と一泊できるwin-winのアイデアだ」
「それはいいな、どうすればいいんだ」
「私を学の家に泊めてくれ」
「え?」
「は?」

 学と遊のリアクションが大体同じだった。

「しかし親御さんが黙ってないだろ」
「ああ、母さんなら問題ない」

 私はそう言いながら母さんに電話してた。

「もしもし母さん。今度の盆休みなんだけど……うん。サンキュー」

 私が電話を終えると学の母さんの電話が鳴る。

「もしもし神奈?……あんた大丈夫なの?……ああ、そういうことね。分かった」

 学の母さんが言う。

「神奈は実家にいるから問題ないってさ。いざとなったら誠君の親が面倒見てくれるって」
「これで問題ないよな?」
「しかし寝る場所がない」
「布団くらい予備あるわよ。学の部屋に敷いてあげる」
「それは母さんダメだろ?せめて恋の部屋に」
「粗相をするんでないよ」

 学の母さんが言った。
 私の家に着いた。
 車を降りると学たちは帰っていった。
 家に帰ると母さんが出迎えてくれる。

「亜衣から聞いたぞ。学と付き合う事になったんだって」
「うん」
「よかったな。まあ、多分父さんよりはましだろ」
「それ何の誉め言葉にもなってない」
「かもな」

 そう言って母さんは笑っていた。
 父さんが帰ってくると夕食になる。
 父さんにもその話を振る母さん。

「瑛大の息子って大丈夫なのか?神奈」
「お前よりましだって水奈も言っていたよ」
「……どこまで進んだんだ?」

 そういう事しか頭に無いのだろうか?

「キスくらいはしたよ。じゃあ、風呂行ってくる。ごちそうさま」
「まじか!」
「まあ、そのくらいするだろうな。あまり大切にしててもしょうがないだろ。心配するな、今夜はお前の相手してやるよ」

 なんだかんだ言って両親の仲はいいんだろうな。
 その証が母さんのお腹に宿っているのだから。
 私と学はいつまでいっしょにいられるだろう。
 私と学の物語はいつまで続くのだろう?
 そんなことを考えながら学が電話に出られる時間まで待っていた。
 いつもの時間きっかりにメッセージが返ってくる。

「すまんな、花火にも連れて行けそうにない。思い出を作ってやれない」
「今日作ったからいいじゃねーか」
「……ありがとう」
「それはこっちの台詞だ。ありがとな」
「ああ、それじゃお休み」
「おやすみ」

 こうして思い出を共有していくのだろう。
 いつまで続くのか、永遠を約束されているのか分からないけど、私達の物語はまだ序章でしかなかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

王様の恥かきっ娘

青の雀
恋愛
恥かきっ子とは、親が年老いてから子供ができること。 本当は、元気でおめでたいことだけど、照れ隠しで、その年齢まで夫婦の営みがあったことを物語り世間様に向けての恥をいう。 孫と同い年の王女殿下が生まれたことで巻き起こる騒動を書きます 物語は、卒業記念パーティで婚約者から婚約破棄されたところから始まります これもショートショートで書く予定です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

とっていただく責任などありません

まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、 団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。 この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!? ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。 責任を取らなければとセルフイスから、 追いかけられる羽目に。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

処理中です...