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1stSEASON
彼女は優等生
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「冬夜くーん!!」
毎朝恒例の行事だ。
愛莉の大声で目を覚ます。
そしてお決まりの言葉を返す。
「部屋に入るときはノックしろっていったろ」
「だってノックしても返事ないんだもん」
未だに寝間着姿の俺に対してちゃんと制服を着て準備が出来てる愛莉。
「……着替えるから下にいろよ」
「は~い……摩耶さーん!冬夜君起きたよー」
どたどたと階段を降りながら母さんをよんでいる。
母さんも止めろよ……
僕はため息をついてのろのろと着替えを始める。
着替えている間に自己紹介をしよう。
僕の名前は片桐冬夜。
ごく普通の中学生だ。
得意分野はないけど不得意もない。
広く浅くって感じ。
趣味は……特にない。
と、いうか趣味の時間を愛莉が作ってくれない。
やりたい事もないんだけど。
毎朝やってくる女子の名前は遠坂愛莉。
容姿端麗成績優秀大抵の事は完ぺきにこなす。
完全無欠の少女だ。
多少性格に難があるが。
それは見てたら分かるだろう。
さて、着替え終わった。
あとは荷物を……って時間がやばい!
時計は8時を回っていた。
適当に鞄に詰め込み急いで部屋を出る。
「あ、降りて来たー」
リビングでくつろぐ愛莉を急かす。
「急がないと遅刻だぞ!」
「大丈夫だよあと24分あるから5分くらいは余裕あるよ。いつも通り。摩耶さん紅茶ご馳走様でしたー」
「はーい、愛莉ちゃん気を付けてねー」
そんな会話を聞きながら僕は玄関で靴ひもを結んでいた。
結び終える頃に愛莉が玄関にやってくる。
「急げよ」
「だから大丈夫だってば~」
こんな会話もほぼ毎日の事だ。
「そんなに慌てなくても間に合うってば~」
駆け足で登校する僕に悠々とついてくる愛莉。
「あと15分あるんだよ~」
時計を見ながら後ろをついてくる愛莉。
「なんでそんなに余裕なんだよ」
「いつも通りやん」
いつでもマイペースな愛莉に根負けして歩くことにした。
「なんでそんなに毎日慌ててるの?間に合うように冬夜君の家に行ってるのに」
「なんでいつもぎりぎりにうちに来るんだよ!」
「だってギリギリまで寝てないと気が済まない性分なんだろうなあって……」
「そんなわけないだろ!」
「じゃあ、もっと早めに行った方がいい?」
「……同じ来るならそうしてくれ」
そんな会話をしながらいつの間にか俺の左手を愛莉の右手が握っている。
「離せよ!」
手を振りほどくと、愛莉の叫び声がする。
「ええ~、だって付き合ってるんだしいいじゃない!」
「大声で言うなよ!秘密だって言ったろ!?」
周りの登校中の生徒がいっせいにこっちを見ている。
不釣り合いなカップル。
そう思ってるに違いない。
そう思われるのが嫌だから、秘密にしているんだ。
「……いつも思うんだけど、なんで秘密なの?」
「……面倒だからだよ」
「私と付き合ってるのってそんなに面倒なの?」
今にも泣き出しそうだ。
「そうじゃなくて!!」
「よう!冬夜。今日も仲がいいねぇ!」
そう言って背中をたたいてきたのは友人の多田誠。
「そんなんじゃねーよ」
そう言った瞬間愛莉の顔が寂し気になった。
学校がある日ほぼ毎日起こる出来事だから気にしない。
後でちょっと優しい言葉をかけてやればいい。
学校以外の場所で!
「もう誰もが知ってることだぜいい加減白状しろよ」
キーンコーンカーンコーン
「あ、予鈴だ」
愛莉が言った。
「冬夜君、そろそろ行かないと」
「急ごうぜ冬夜!」
そうして二人は校門をくぐる。
僕も後を追う。
いつもの朝の出来事だった。
ここまでは……。
毎朝恒例の行事だ。
愛莉の大声で目を覚ます。
そしてお決まりの言葉を返す。
「部屋に入るときはノックしろっていったろ」
「だってノックしても返事ないんだもん」
未だに寝間着姿の俺に対してちゃんと制服を着て準備が出来てる愛莉。
「……着替えるから下にいろよ」
「は~い……摩耶さーん!冬夜君起きたよー」
どたどたと階段を降りながら母さんをよんでいる。
母さんも止めろよ……
僕はため息をついてのろのろと着替えを始める。
着替えている間に自己紹介をしよう。
僕の名前は片桐冬夜。
ごく普通の中学生だ。
得意分野はないけど不得意もない。
広く浅くって感じ。
趣味は……特にない。
と、いうか趣味の時間を愛莉が作ってくれない。
やりたい事もないんだけど。
毎朝やってくる女子の名前は遠坂愛莉。
容姿端麗成績優秀大抵の事は完ぺきにこなす。
完全無欠の少女だ。
多少性格に難があるが。
それは見てたら分かるだろう。
さて、着替え終わった。
あとは荷物を……って時間がやばい!
時計は8時を回っていた。
適当に鞄に詰め込み急いで部屋を出る。
「あ、降りて来たー」
リビングでくつろぐ愛莉を急かす。
「急がないと遅刻だぞ!」
「大丈夫だよあと24分あるから5分くらいは余裕あるよ。いつも通り。摩耶さん紅茶ご馳走様でしたー」
「はーい、愛莉ちゃん気を付けてねー」
そんな会話を聞きながら僕は玄関で靴ひもを結んでいた。
結び終える頃に愛莉が玄関にやってくる。
「急げよ」
「だから大丈夫だってば~」
こんな会話もほぼ毎日の事だ。
「そんなに慌てなくても間に合うってば~」
駆け足で登校する僕に悠々とついてくる愛莉。
「あと15分あるんだよ~」
時計を見ながら後ろをついてくる愛莉。
「なんでそんなに余裕なんだよ」
「いつも通りやん」
いつでもマイペースな愛莉に根負けして歩くことにした。
「なんでそんなに毎日慌ててるの?間に合うように冬夜君の家に行ってるのに」
「なんでいつもぎりぎりにうちに来るんだよ!」
「だってギリギリまで寝てないと気が済まない性分なんだろうなあって……」
「そんなわけないだろ!」
「じゃあ、もっと早めに行った方がいい?」
「……同じ来るならそうしてくれ」
そんな会話をしながらいつの間にか俺の左手を愛莉の右手が握っている。
「離せよ!」
手を振りほどくと、愛莉の叫び声がする。
「ええ~、だって付き合ってるんだしいいじゃない!」
「大声で言うなよ!秘密だって言ったろ!?」
周りの登校中の生徒がいっせいにこっちを見ている。
不釣り合いなカップル。
そう思ってるに違いない。
そう思われるのが嫌だから、秘密にしているんだ。
「……いつも思うんだけど、なんで秘密なの?」
「……面倒だからだよ」
「私と付き合ってるのってそんなに面倒なの?」
今にも泣き出しそうだ。
「そうじゃなくて!!」
「よう!冬夜。今日も仲がいいねぇ!」
そう言って背中をたたいてきたのは友人の多田誠。
「そんなんじゃねーよ」
そう言った瞬間愛莉の顔が寂し気になった。
学校がある日ほぼ毎日起こる出来事だから気にしない。
後でちょっと優しい言葉をかけてやればいい。
学校以外の場所で!
「もう誰もが知ってることだぜいい加減白状しろよ」
キーンコーンカーンコーン
「あ、予鈴だ」
愛莉が言った。
「冬夜君、そろそろ行かないと」
「急ごうぜ冬夜!」
そうして二人は校門をくぐる。
僕も後を追う。
いつもの朝の出来事だった。
ここまでは……。
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