能覚人

ミライ164

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〜第一章〜

お参り

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 ~5日目~

 俺は今、札律次神社に来ていた。神頼みとは、落ちぶれたものだ。そもそもこの世界に神なんているのか?そう疑問を、思いつつ神社を後にするのだった。

 しかし、鳥居をくぐろうとした瞬間

 「あれ?」

 目の前に鳥居・・・。なんともないと思いつつ、もう一度鳥居をくぐる。だめだ。また鳥居。

 俺は、このループを20回繰り返したところで、

 「待てよ?もしかして。」

 そう言い、俺は振り向くと・・・。やっぱり。狛犬が1匹いなくなっていた。『札律次魔の7伝承』のうちの1つ、

 時空歪み・狛犬

 その狛犬は、毎日神社に座り人々を見守る。ただし、気に入った人物がいると時空の歪みに閉じ込めてしまう。帰る方法はない。閉じ込められたものは、時が進まず空腹にもならない。まさに不老不死となりうる。そして、次世代の神となる。

 昔、こういう伝承を聞いたことがある。てことは、ここは元いた世界と似たようで違うのか・・・。さてどうやって出ようかな?しかし狛犬は何処に行ったんだ?1匹はいるけど、多分違う。でも待てよ?何かこの伝承おかしくないか?もしかしたら・・・試してみる価値はあるな。でもこの世界で、能力は使えるのか?

 その時。

 「貴様。この世界の真理に辿り着いてしまったか。」
 
 何処かから、声が聞こえてくる。俺は後ろに振り向いた。鳥居の上に狛犬が座っていた?いや、あれは・・・。

 「どうした?この姿が気に入らんのか?」

 狛犬ではなく、紛れもない人が立っていた。

 「どういうことだ?どうして閉じ込める?」

 「それは、貴様に神になってもらうからだ。」

 神に?ふざけんなよ。そんなものになるはけないだろ。

 「嫌だと言ったら?」

 「力尽くでねじ伏せる。しかし、今の貴様は能力が使えない。どうしたものか?」

 確かにそうだ。どうやって勝とう?

 「考えてる暇はないんじゃない?」

 「!?」

 後ろから声が聞こえてきた。まさか、瞬間移動系能力!

 「ぐはぁ」

 200回は叩かれた。しかし不老不死というだけで痛みだけしか感じない。

 「もう諦めなよ。君には勝ち目なんてないんだから。」

 確かに。しかし俺は諦めの悪い男だ。こんなところで蹲ってて、小春を助けることなんてできないんだよ!

 「じゃあこれで、君の心をへし折るね。もう君は立ち直れない。僕のいうとうり神になってもらうよ!!」

 その時、背後から強烈な痛みが・・・
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