能覚人

ミライ164

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〜第五章〜

乱走

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 まだまだ、距離は十二分にあった。

 ただ、長らく戦闘はしていない。相手は、戦力を失ったか?それとも・・・、

 その疑問も、すぐに晴れた。

 「俺たちの正体に気がついてるなら、俺たちが誰かも分かるよな?」

 「炎・・・か。」

 炎、黒闇闇で言う黒だ。

 つまり・・・、こいつらは炎爛火ということだ。

 「何で、炎爛火がここにいるんだ?」

 「簡単な話さ、遺伝子研究をしているのをサポートしてるのが、うちのボスだからだ。目的は言えないが、お前は必要になるらしい。ここで、お前を捕獲する。」

 3人か・・・、残り2人は護衛に回っているのか?

 何にせよ、小春がいない今、ボスの側近3人を相手にするのはキツすぎる。

 何とかして、合流しないと・・・。

 「あいつは来ないぞ?」

 !?

 「おや、名前を言わないと分からないのか?小春だったか?アレはちょろいよな、肉声を変えて帝の真似して電話したら、のこのことやってくるなんてな。」

 「なに!?」

 まずい、まずいぞ。あいつがいないと、俺に勝ち目はない。策を練ろ、考えろ、考えるんだ・・・。

 そうだ、これでやってやる。

 天眼の加護を展開し、相手の呼吸を読む。筋肉の変形から、次の動きを予測し相手の攻撃を・・・!?

 この予測は、瞬間移動系の能力には効かない。そんな時の、予測の加護だ。でも、今の攻撃は読めなかった。なぜだ?

 「加護の複数使用は、能力を劣らせる。これも、研究の成果だ。常人の人間が持てる加護は、どう頑張っても2つが限界。つまり、予測が遅れたということだ。分かったか?」

 そんなことがあったのか、それにしてもどういうことなんだ?あの加速・・・、強化系の能力でもなさそうだし・・・。

 そうか、熱で筋肉を柔らかくして柔軟性を高め、一気に加速したのか。そうなると、厄介だな。天眼の加護で、能素の動きまで読むと俺への負担が大きくなってしまう。一体どうすれば・・・。

 でも、減無の呪いで体力も減らないし、もしかしたら・・・。

 『強制作動』

 多少無茶だが、やるしかない。

 負担をなくす。これは『減無』の『無』しか使わない。熟語を分解し、単独の意味をなさせるには、かなりの時間がかかる。

 今回の場合は、半分。つまり、5分程度。それだけ持ち堪えねば、勝利は厳しいだろう。

 稼いでやるよ、この5分。この短時間に、全力を出さずして持ち堪えるには・・・、逃げるが勝ちだ!

 円状に回り続ける。向かいから来た場合、その攻撃を避けて走る。これの繰り返しをして、絶対に5分。持たせてやる!
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