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第2章 灰色の帳に包まれて
9.演じ切る覚悟
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司の言葉によって社の扉が開いたあと、ユクミはまず彼の体を癒そうとした。しかしどれほど力を注ぎこんでも全く手ごたえがない。奇妙に思ったユクミは、司の体に魂がいないのだと気が付いた。
慌てて目を転じ、彼岸へ旅立とうとしていた司の魂を中空に見つける。妖力で捕らえて体へ戻し、定着させたものの、司は目を覚まさない。
(戻すのが遅かった? それとも、方法が違った?)
ユクミは力の使い方を本能で理解しているが、実際に使った回数は少ない。司の魂を体へ戻したのだって正しい形で力を使えたと自分では思っているが、本当は間違えていた可能性だってあるのだ。
(このまま起きなかったらどうしよう……)
不安にかられながらもユクミは司の体を社の中へ入れた。人間程度の重さを持つのは妖の血を引くユクミにとって造作もなかったが、背の差があるので抱え上げるのには少し難儀した。
一度も使っていない布団を敷いて司を寝かせる。この社にはユクミのための着物しか用意されていないので司に合いそうなものはない。それでも血と泥にまみれた物を着ているよりは裸の方がまだ良いだろうと考えて履物と服を脱がせ始めた。上半身だけは裸にできたが、下半身の服は腰に巻かれた細い革の構造が良く分からなくて、残念ながら脱がせられなかった。
部屋の隅には綺麗な水がこんこんと湧き出す甕がある。用意した何枚かの新しい手ぬぐいを浸して絞り、ユクミは汚れた司の体を拭いてやる。もしかすると水の冷たさで目を覚ますかもしれないと思ったが、やはり司は何の反応も示さなかった。
気落ちしながらユクミは盥に水を張り、先ほど脱がせた司の服を洗う。司が目を覚ましたとき服が綺麗になっていたら喜んでくれるだろうと思ったのだ。その想像は楽しかったが、実際に洗ってみると付着したばかりの泥はともかく、時間が経った血はあまり落ちてくれない。泣きそうな気持ちでうつむいたとき、ユクミは自分の身なりに気が付いた。『約束の者』を迎えるために着替えたはずの着物は泥で茶色く染まっていた。それはまるでユクミが「役立たず」である証拠のように思えて気分を更に落ち込ませた。
着物を洗う気持ちにはなれなかった。汚れた着物を部屋の隅に置いたユクミは箪笥から別の着物を取り出す。新しい着物は汚した着物によく似たものを選んだ。これは司がユクミの着物を見ていた可能性を考えての選択だ。まったく違う着物を着ていたら、目を覚ました司がユクミのことを初対面だと思うかもしれない。
着替えを終えて司の元へ戻るときには少し期待したが、やはり瞼は閉じられたままだった。寂しい気持ちで彼を見つめるうち、ユクミは司の首に目を留める。ここには指の跡のような、歯型のような、不思議な傷があった。
しばらく傷を見ていたユクミはふと思い立ち、箪笥から真新しい襦袢を取り出した。次に籠の中の裁縫道具から鋏を持ち出して襦袢の身頃を細く裂き、司の首に巻いてやる。もう血が出ることはないと分かっていても、首の傷は晒しておくにはあまりにも痛々しく、あまりにも哀れだった。
こうしてユクミにできることは終わってしまった。あとは大きな冷たい手を取って撫でさすり、妖力を与えながら何度も「司」と呼び掛ける程度だ。意味はないかもしれないが、ユクミは他に何をすればいいのか思いつかなかった。
(早く目を覚ませ、司……)
ユクミは『約束の者』の助けとなるためにこの地で数百年の時を重ねた。『約束の者』の頼みを聞くのがユクミの果たすべき使命だ。
だというのにユクミは『約束の者』である司を見捨てようとした。彼がもう駄目だと分かったときにすぐ諦めてしまったのだ。諦めずもっと早く呼びかけていれば司は死人とならなかったのではないか。この気持ちは「逃げなければ母を助けられたのではないか」という後悔によく似ている。
だから司が目を覚ましたとき、ユクミがどれほど嬉しかったか。この気持ちは他の誰にも絶対に分からない。
ユクミは、今の自分を受け入れてくれた司を失うのが怖い。死よりもずっとずっと孤独の方が怖い。だから卑怯だと分かっていても本当のことを言わず『司が思う通りのユクミ』を演じようと決めた。
――広い縄張りを持ち、入り込む隠邪を排除し続けた狐の妖は、あるとき先の見えない戦いを続けることが疎ましくなった。新たな世界を作って隠棲することに決めたが、自身の力を必要とする者が来たのなら手助けをしようと考え、祓邪師たちにだけひっそりと居場所を伝えた。
これが司と一緒にいるときの『ユクミ』だ。
妖を母に、人間を父に持ち、妖からは声をかけてもらえず、人間には爪弾きにされる。寂しくて寂しくて毎日一人で泣いていた、半端な妖、半端な人間。そんな存在なのだと知られてはいけない。
(知られたらきっと、司に嫌われる)
それにユクミはあの頃だって隠邪と戦っていた。今は数百年の時を経て、もっと大きな力を手に入れている。司が倒そうと考えている隠邪がどのくらいの力かは知らないが、きっと倒せる。司の手助けが必ずできる。
(大丈夫。私は、やれる)
決意も新たにしたとき、司の声がした。
「ところでユクミ。俺がここへ来てどのくらい経った?」
問われてユクミは小さく首を傾げる。
「五日というところだ」
「結構経ったんだな。じゃあ急いで戻って、やるべきことをやるか」
「私も行くからな!」
司はわずかに悩んだようだったが、結局は頷いた。
「分かったよ。一緒に行こう。……ところで、俺の服はどこにある?」
「向こう」
箪笥の上をユクミが指し示すと、歩み寄った司は「お」と声を上げる。
「洗ってくれたのか」
「一応は。……泥は大体落ちたけど、血は綺麗にならなかった。ごめん」
「いや、泥だけでも助かるよ。確かにあのまま外を歩いたらマズイもんな。ありがとう」
彼の声は喜びを含んでいたので、ユクミの気持ちは少し明るくなった。
「本当は下も洗いたかったんだが、腰のやつをどうやって外せばいいのか分からなかったんだ」
「腰の? って、ベルトか」
言いながら身支度を始めた司は“べると”を緩め、服の裾を押し込む。
「とりあえず上がちゃんとなってれば、帰るか買うかするまではなんとか誤魔化せるだろ。でも……そうか、ベルトな。なるほど、そういうことか……」
納得した様子の司の声には安堵もあるように思える。だが、先ほどの喜びを含んだ声とは様子が違っていてユクミは戸惑った。
「……服を洗ってほしくなかったのか?」
「え? ああ、ごめん、違う。洗ってくれたことには感謝してるんだ。ただその……全裸はさすがに問題があるからな、と……」
「問題? どんな?」
「そうだなあ……まあ、見た目が犯罪っぽいというか……」
司はそれきり黙ってしまったので、ユクミは結局なにが問題だったのか良く分からなかった。
慌てて目を転じ、彼岸へ旅立とうとしていた司の魂を中空に見つける。妖力で捕らえて体へ戻し、定着させたものの、司は目を覚まさない。
(戻すのが遅かった? それとも、方法が違った?)
ユクミは力の使い方を本能で理解しているが、実際に使った回数は少ない。司の魂を体へ戻したのだって正しい形で力を使えたと自分では思っているが、本当は間違えていた可能性だってあるのだ。
(このまま起きなかったらどうしよう……)
不安にかられながらもユクミは司の体を社の中へ入れた。人間程度の重さを持つのは妖の血を引くユクミにとって造作もなかったが、背の差があるので抱え上げるのには少し難儀した。
一度も使っていない布団を敷いて司を寝かせる。この社にはユクミのための着物しか用意されていないので司に合いそうなものはない。それでも血と泥にまみれた物を着ているよりは裸の方がまだ良いだろうと考えて履物と服を脱がせ始めた。上半身だけは裸にできたが、下半身の服は腰に巻かれた細い革の構造が良く分からなくて、残念ながら脱がせられなかった。
部屋の隅には綺麗な水がこんこんと湧き出す甕がある。用意した何枚かの新しい手ぬぐいを浸して絞り、ユクミは汚れた司の体を拭いてやる。もしかすると水の冷たさで目を覚ますかもしれないと思ったが、やはり司は何の反応も示さなかった。
気落ちしながらユクミは盥に水を張り、先ほど脱がせた司の服を洗う。司が目を覚ましたとき服が綺麗になっていたら喜んでくれるだろうと思ったのだ。その想像は楽しかったが、実際に洗ってみると付着したばかりの泥はともかく、時間が経った血はあまり落ちてくれない。泣きそうな気持ちでうつむいたとき、ユクミは自分の身なりに気が付いた。『約束の者』を迎えるために着替えたはずの着物は泥で茶色く染まっていた。それはまるでユクミが「役立たず」である証拠のように思えて気分を更に落ち込ませた。
着物を洗う気持ちにはなれなかった。汚れた着物を部屋の隅に置いたユクミは箪笥から別の着物を取り出す。新しい着物は汚した着物によく似たものを選んだ。これは司がユクミの着物を見ていた可能性を考えての選択だ。まったく違う着物を着ていたら、目を覚ました司がユクミのことを初対面だと思うかもしれない。
着替えを終えて司の元へ戻るときには少し期待したが、やはり瞼は閉じられたままだった。寂しい気持ちで彼を見つめるうち、ユクミは司の首に目を留める。ここには指の跡のような、歯型のような、不思議な傷があった。
しばらく傷を見ていたユクミはふと思い立ち、箪笥から真新しい襦袢を取り出した。次に籠の中の裁縫道具から鋏を持ち出して襦袢の身頃を細く裂き、司の首に巻いてやる。もう血が出ることはないと分かっていても、首の傷は晒しておくにはあまりにも痛々しく、あまりにも哀れだった。
こうしてユクミにできることは終わってしまった。あとは大きな冷たい手を取って撫でさすり、妖力を与えながら何度も「司」と呼び掛ける程度だ。意味はないかもしれないが、ユクミは他に何をすればいいのか思いつかなかった。
(早く目を覚ませ、司……)
ユクミは『約束の者』の助けとなるためにこの地で数百年の時を重ねた。『約束の者』の頼みを聞くのがユクミの果たすべき使命だ。
だというのにユクミは『約束の者』である司を見捨てようとした。彼がもう駄目だと分かったときにすぐ諦めてしまったのだ。諦めずもっと早く呼びかけていれば司は死人とならなかったのではないか。この気持ちは「逃げなければ母を助けられたのではないか」という後悔によく似ている。
だから司が目を覚ましたとき、ユクミがどれほど嬉しかったか。この気持ちは他の誰にも絶対に分からない。
ユクミは、今の自分を受け入れてくれた司を失うのが怖い。死よりもずっとずっと孤独の方が怖い。だから卑怯だと分かっていても本当のことを言わず『司が思う通りのユクミ』を演じようと決めた。
――広い縄張りを持ち、入り込む隠邪を排除し続けた狐の妖は、あるとき先の見えない戦いを続けることが疎ましくなった。新たな世界を作って隠棲することに決めたが、自身の力を必要とする者が来たのなら手助けをしようと考え、祓邪師たちにだけひっそりと居場所を伝えた。
これが司と一緒にいるときの『ユクミ』だ。
妖を母に、人間を父に持ち、妖からは声をかけてもらえず、人間には爪弾きにされる。寂しくて寂しくて毎日一人で泣いていた、半端な妖、半端な人間。そんな存在なのだと知られてはいけない。
(知られたらきっと、司に嫌われる)
それにユクミはあの頃だって隠邪と戦っていた。今は数百年の時を経て、もっと大きな力を手に入れている。司が倒そうと考えている隠邪がどのくらいの力かは知らないが、きっと倒せる。司の手助けが必ずできる。
(大丈夫。私は、やれる)
決意も新たにしたとき、司の声がした。
「ところでユクミ。俺がここへ来てどのくらい経った?」
問われてユクミは小さく首を傾げる。
「五日というところだ」
「結構経ったんだな。じゃあ急いで戻って、やるべきことをやるか」
「私も行くからな!」
司はわずかに悩んだようだったが、結局は頷いた。
「分かったよ。一緒に行こう。……ところで、俺の服はどこにある?」
「向こう」
箪笥の上をユクミが指し示すと、歩み寄った司は「お」と声を上げる。
「洗ってくれたのか」
「一応は。……泥は大体落ちたけど、血は綺麗にならなかった。ごめん」
「いや、泥だけでも助かるよ。確かにあのまま外を歩いたらマズイもんな。ありがとう」
彼の声は喜びを含んでいたので、ユクミの気持ちは少し明るくなった。
「本当は下も洗いたかったんだが、腰のやつをどうやって外せばいいのか分からなかったんだ」
「腰の? って、ベルトか」
言いながら身支度を始めた司は“べると”を緩め、服の裾を押し込む。
「とりあえず上がちゃんとなってれば、帰るか買うかするまではなんとか誤魔化せるだろ。でも……そうか、ベルトな。なるほど、そういうことか……」
納得した様子の司の声には安堵もあるように思える。だが、先ほどの喜びを含んだ声とは様子が違っていてユクミは戸惑った。
「……服を洗ってほしくなかったのか?」
「え? ああ、ごめん、違う。洗ってくれたことには感謝してるんだ。ただその……全裸はさすがに問題があるからな、と……」
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「そうだなあ……まあ、見た目が犯罪っぽいというか……」
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