2 / 18
2話 子供拾ったんだが…
しおりを挟む
街の近くまで来ると、ざわざわと音が聞こえてきた。良かった。人がいるようだ。
とりあえず、この世界について知らなければならないな。
その街には大きな門から入ることができた。
周りを見渡すと昔映画で観たことある、中世ヨーロッパのような街並みが広がっていた。
このおかしな状況にも慣れてきたのか、俺は少し高揚していた。
俺は、街に入ってすぐ見つけたおっさんに話しかけてみた。
ものすごく厳ついおっさんであったが、俺は見た目で判断などはしない。前世では見た目は良くてもクズみたいな奴は腐るほどいた。
なんとなくこの人は親切そうだ。
「すみません、俺、遠くから来ていろいろと教えて欲しいんですけど?」
「おう、そうか。それなら、ギルドに行くと良いぞ」
この世界にはこの街にはギルドという場所があるらしい。人々はそこで仕事を探すそうだ。おっさんはギルドの場所を教えてくれた。
「おっさん、ありがとな」
親切なおっさん礼を言い、早速ギルドに向かおうとしたがおっさんに引き止められた。
「お前、金は持ってるのか?」
金か。
俺はポケットを調べてみたが何も入ってなかった。
一文なしだ。
おっさんによると、ギルドに登録するにはお金が必要となるそうだ。
さあ、どうしたものか。
「貸しといてやるよ、出世払いで返してくれ」
「恩に着る。この借りは必ずかえす」
おっさんから渡された袋には銀貨が十枚入っている。
この世界での価値は分からないが、ギルドに行けば色々とわかるだろう。
街並みや活気づいた人々の往来に胸を躍らせながら、しばらく歩く。
ん?
ふと、建物と建物の間に青い何かが動いたような気がした。
あれはなんだ?
少し気になり路地裏に入ると、少女がゴミ箱を漁っていた。
さっき目に入った青色はその子の長い髪の毛の色であった。
「何やってんだ。お腹空いてるのか?」
「…うん」
「お兄ちゃんが、なんか食べさせてあげようか?」
…コクン
その子は、心配そうな顔で頷く。
こんなところで一人でいるなんて、親はいないのだろうか。
とりあえず何か食べさせてあげなければならないと思い、その子を連れて食べ物の屋台を探す。
「…あれが良い」
その子は、うまそうな匂いが辺りに漂っている屋台を指差した。
よし、あれを買おう。
俺は、焼き鳥を二本買い一本をその子に渡すと、さっきまでは想像もできない、おひさまのような笑顔になった。
「あ…ありがとう、パパ!」
「……パパ?」
食べ物で釣ったみたいになってしまってないか?
仕方がない。親が見つかるまで俺が父親代わりとしてこのこの面倒を見るしかないな。
そういえば、この子の名前もまだ知らなかったな。
「俺の名前は海斗だ。君は?」
「レインだよ」
レイン…良い名前だ。
レインのためにもまず俺は仕事を探さなければならないと思い、再びギルドを目指した。
とりあえず、この世界について知らなければならないな。
その街には大きな門から入ることができた。
周りを見渡すと昔映画で観たことある、中世ヨーロッパのような街並みが広がっていた。
このおかしな状況にも慣れてきたのか、俺は少し高揚していた。
俺は、街に入ってすぐ見つけたおっさんに話しかけてみた。
ものすごく厳ついおっさんであったが、俺は見た目で判断などはしない。前世では見た目は良くてもクズみたいな奴は腐るほどいた。
なんとなくこの人は親切そうだ。
「すみません、俺、遠くから来ていろいろと教えて欲しいんですけど?」
「おう、そうか。それなら、ギルドに行くと良いぞ」
この世界にはこの街にはギルドという場所があるらしい。人々はそこで仕事を探すそうだ。おっさんはギルドの場所を教えてくれた。
「おっさん、ありがとな」
親切なおっさん礼を言い、早速ギルドに向かおうとしたがおっさんに引き止められた。
「お前、金は持ってるのか?」
金か。
俺はポケットを調べてみたが何も入ってなかった。
一文なしだ。
おっさんによると、ギルドに登録するにはお金が必要となるそうだ。
さあ、どうしたものか。
「貸しといてやるよ、出世払いで返してくれ」
「恩に着る。この借りは必ずかえす」
おっさんから渡された袋には銀貨が十枚入っている。
この世界での価値は分からないが、ギルドに行けば色々とわかるだろう。
街並みや活気づいた人々の往来に胸を躍らせながら、しばらく歩く。
ん?
ふと、建物と建物の間に青い何かが動いたような気がした。
あれはなんだ?
少し気になり路地裏に入ると、少女がゴミ箱を漁っていた。
さっき目に入った青色はその子の長い髪の毛の色であった。
「何やってんだ。お腹空いてるのか?」
「…うん」
「お兄ちゃんが、なんか食べさせてあげようか?」
…コクン
その子は、心配そうな顔で頷く。
こんなところで一人でいるなんて、親はいないのだろうか。
とりあえず何か食べさせてあげなければならないと思い、その子を連れて食べ物の屋台を探す。
「…あれが良い」
その子は、うまそうな匂いが辺りに漂っている屋台を指差した。
よし、あれを買おう。
俺は、焼き鳥を二本買い一本をその子に渡すと、さっきまでは想像もできない、おひさまのような笑顔になった。
「あ…ありがとう、パパ!」
「……パパ?」
食べ物で釣ったみたいになってしまってないか?
仕方がない。親が見つかるまで俺が父親代わりとしてこのこの面倒を見るしかないな。
そういえば、この子の名前もまだ知らなかったな。
「俺の名前は海斗だ。君は?」
「レインだよ」
レイン…良い名前だ。
レインのためにもまず俺は仕事を探さなければならないと思い、再びギルドを目指した。
0
あなたにおすすめの小説
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
異世界帰りの少年は現実世界で冒険者になる
家高菜
ファンタジー
ある日突然、異世界に勇者として召喚された平凡な中学生の小鳥遊優人。
召喚者は優人を含めた5人の勇者に魔王討伐を依頼してきて、優人たちは魔王討伐を引き受ける。
多くの人々の助けを借り4年の月日を経て魔王討伐を成し遂げた優人たちは、なんとか元の世界に帰還を果たした。
しかし優人が帰還した世界には元々は無かったはずのダンジョンと、ダンジョンを探索するのを生業とする冒険者という職業が存在していた。
何故かダンジョンを探索する冒険者を育成する『冒険者育成学園』に入学することになった優人は、新たな仲間と共に冒険に身を投じるのであった。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる