Rabbit bride 2085 第5話 流体のなるぁ

まろうど

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プロローグ

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銃撃音と悲鳴が街の喧騒を掻き消していた。

宝石店に押し入った強盗が、たまたま別件で近くにいた刑事に見つかり立て篭っているのだ。

刑事は応援を呼んだが、強盗達は素早く民間人の退路を断ち、物陰に隠れさせることで刑事達の動きを制限した。

強盗は、逃げ遅れた民間人を狙い銃を乱射して、刑事達の動きを民間人の避難に集中させている。

オートの拳銃を持った刑事が2人。

SMG(サブマシンガン)を持った強盗は3人のようだ。

強盗達は連携して動き、刑事達に反撃させる隙を作らせない。

おそらく、強盗達は戦闘用AI強化アプリを不法ダウンロードしているのだろう。

最近は、この手のアプリを使った犯罪が増加している。

軍隊並みの連携と判断で逃げ遅れた民間人を効果的に使っている。

刑事が応戦しているが、強盗達とは火力が違い過ぎた。

応援はまだ着かない。

車の影にうずくまっている女性がいた。

刑事から、僅か数メートルの位置にいる。

強盗は車と地面の隙間に着弾を集中させた。

地面に反射した銃弾が、向こうの壁に着弾した。

女性の悲鳴が上がる。

強盗は、わざと女性に当てないようだ。

車の影に隠れている女性を助けるために、飛び出した刑事を仕留めるつもりなのだろう。

それが分かっていても、刑事は女性を守る行動を取る。

「援護しろ」

50代に見えるの刑事が、女性の悲鳴に耐え切れず走り出した。

刑事は自分が盾となり、もっと頑丈な壁の影に逃げ遅れた女性を移動させるつもりらしい。

若い刑事が援護射撃をするが、2丁のSMGの銃撃に隠れる事しかできない。

....この女性だけでも、必ず避難させる。

SMGの発射音が聞こえた。

民間人の女性を抱え上げた刑事の背中に、SMGの銃弾が浴びせられた。

「先輩!!」

若い刑事の叫び声に、先輩刑事は自らの死期を悟った。

....あとは任せた。

《ガーランド》

空中に無数の火花が散った。

ガーランドで銃弾を防いだブライドが、衝撃を抑え切れず刑事のところに弾き飛ばされた。

刑事は背中を押されるように、壁の影に飛び込んだ。

...何があったのか?

刑事が見上げると、そこにはパールホワイトのウエディングドレスに身を包んだ、美少女の姿があった。

「ブライドさん」

「犯人はわたしが対応するから、お二人は民間人の避難をお願いします。

もし、応援が到着しても、銃は使わないでください」

光学迷彩で身を隠したブライドが、建物に進入して行った。

間もなく、現れるブライド。

「犯人は電撃で気絶させています」

確保に向かう若い刑事。

「ありがとう、ブライドさん」

「国民を守るのも私の仕事ですから」

ブライドの凛とした立ち姿が、とても美しかった。

「そういえば、私は....先代のブライドの事件に関わっているようなのですが.....おそらく、記憶を消されたようなんです」

刑事は、いつになく真面目な顔でブライドに話しかけた。

「刑事の記憶を消すって事は、国家絡みの事件って事なんでしょうね」

少し考え込むブライド。

「なら、後日ここに来て」

と、地図に載っていないある場所を教えた。

「私も聞きたい事があるの❣️
この男に見覚えない」

ブライドは、刑事の電脳に直接画像を送った。

「この男なら見たことがあります」

「じゃあ、データをいただきます❣️」

刑事の電脳に勝手に入って情報を得るブライド。

「そんなこともできるんですか?」

驚く刑事にブライドは、

「以前、一緒にいた時に栞を挟んでおいたんです。

さすがに刑事の電脳に侵入するには、ちょっと時間がかかりましたけど💕」

笑顔のブライドに、刑事は見惚れることしか出来なかった。
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