Rabbit bride 2085 第5話 流体のなるぁ

まろうど

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2 流体のなるぁ

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雑居ビルの屋上で、2人の女性が対峙している。

ウエディングドレスを着たブライドの前にいるのは、ジャージに運動靴のなるぁだった。

「ブライドと戦えるなんて最高ね。
これで、ワタシの名も上がりそう。

そうそう、ワタシが武器を持っていないことを確認して」

そう言ってなるぁは、服を脱ぎ始めた。

ブライドの目を見つめたまま、なるぁはゆっくりとジャケットを脱いでいく。

「おばさんの裸には興味ないんですけど💦」

ブライドの嫌味に笑顔を返して、なるぁはタンクトップとショートパンツになった。

そして、靴も脱いで裸足になった。

なるぁの身体は、綺麗に締まっていた。
普段から鍛錬を怠らない証拠だ。

「ごめんなさい。
やっぱり、服を畳んでいい?」

両手を合わせてお願いするなるぁ🙏

「.....お好きにどうぞ💦」

呆れ顔のブライドをよそに、なるぁは丁寧に服を畳んで、屋上の隅に置いた。

(なんかさっきまでと性格が変わったみたいだね。
kameちゃんはどう思う⁉️)

先程の強烈な殺気を放った人と人格が入れ替わったかもしれないとうさぎは思った。

(人格の入れ替えは検知してないよ、うさぎちゃん)

なるぁがブライドの前に戻ってきた。

(うさぎちゃん❓
彼女の皮膚.....なんか変だよ)

(なんか脂っぽい感じね⁉️)

(皮脂よりも、生ゴムに近いよ❓)

(生ゴム⁉️
それって.....ぬるぬるじゃなくて、べったり張り付く感じね❣️)

「お待たせしてすみません。
改めて、よろしくお願いします」

ポーカーフェイスのブライドに対して、なるぁは満面の笑みを浮かべている。

なるぁvsブライド 戦闘開始だ‼️

無造作に一歩踏み出すブライド。

落ち着いてそれを見るなるぁ。

ブライドが消えた⁉️

一瞬で相手の視界の外まで移動して、消えたように見せるブルバードの技だ。

なるぁが、ブライドが消えたことを認識した瞬間、間合いに入ったブライドの飛龍脚がなるぁのこめかみを打ち抜く。

いや....
ブライドの攻撃が避けられた。

なるぁは身体を一切動かさずに、首だけを後方に伸ばしてブライドの蹴りを避けていた。

有り得ない回避方法だ。
身体が自由に伸びるのか⁉️

間合いを取るブライド。

「ワタシはスナイパーよ。
それぐらいの動きが見えないと思って❓」

涼しげな、なるぁの表情が憎たらしい。

(動体視力よりも、あなたの回避方法がおかしいのよ💢)

ブライドは体内の気を一気に高める。

濃密な気を左の掌に集める。

掌を相手に向けると同時に、気を打ち出す。

《気攻烈波》(きこうれっぱ)

気の衝撃波を受けたなるぁが、吹き飛ばされた。

だが、空中で気を受け流したなるぁにダメージは無い。

それでいい。

空中で自由に動くことができないなるぁに向かって、ブライドが一気に間合いを詰める。

身体を捻り、威力を増したブライドの穿龍脚が、空中のなるぁのみぞおちに突き刺さった。

爪先で捉えた肝臓を、そのまま脊椎に叩き付けて破壊する技だ。

技が決まったと思うと同時に、言いようの無い違和感をブライドは感じていた。

肝臓を脊椎に叩き付けた感触が無い。

いや、脊椎がグニャと曲がって穿龍脚の威力を吸収したように感じた。

まさか⁉️

「これはいい蹴りね」

ブライドの右足をお腹に食い込ませたままのなるぁが、仁王立ちで笑っていた。

「ワタシは流体のなるぁと呼ばれているの。
自分の身体を自由に変形させられるから、そう呼ばれているのよ」

なるぁはブライドを見下して笑った。

ブライドの足が抜けない💦

足首が挟まれているだけじゃなく、べったりと接着剤に張り付いたみたいだ。

(これが生ゴムの接着力なの⁉️)

(うさぎちゃん‼️
脚を掴まれたら関節技で膝が破壊されるよ💦💦)

なるぁがブライドの足首を掴みに来た。

(まずいよ、うさぎちゃん💦💦💦)

《ライオット》

高圧放電に、ビクンッ.....となるぁの身体が痙攣した。

同時に、お腹の粘着も弱くなった。

その隙に足首を引き抜く。

なるぁから離れて、ライフルを拾うブライド。

少し遅れて、ブライドを追うなるぁ。

なるぁには、電撃の効き目も弱いようだ。

ブライドはライフルを持ったまま、ビルから飛び降りた。

今日の目的はなるぁじゃない。

彼を仕留めることが目的だ。

喫茶店からそう遠くないところに、ガルバルディがいる事は気配でわかっていた。

鋼鉄のガルバルディが通りの向こうに見えた。

落下しながらガルバルディを狙撃するブライド。

「やられた💦」

なるぁはブライドに出し抜かれたことを理解した。

ビルの手摺から身を乗り出し下を見るなるぁを、ブライドが撃ったライフル弾が襲う。

ブライドは、落下しながら2つの目標に対して狙撃していたのだ。

ガーランドを使って着地の衝撃を和らげたブライドは、ドレスの裾を翻して着地していた。

「あーぁ、しくじっちゃった💦」

鋼鉄のガルバルディの頭部に命中したライフ弾は、火花を散らして弾かれてしまった。

ライフル弾を弾き飛ばせる程の鋼鉄製の防弾装甲を、彼は皮膚の下に装備していたようだ。

なるぁの眉間にもライフル弾を撃ち込んでいたが、なるぁの顔が歪んでそれを避けていた。

おそらく、2人にダメージは無いのだろう。

なるぁは、ライフル弾の速度にも対応したようだ。

鋼鉄のガルバルディは、手で頭を押さえて走って行った。

「絶好のチャンスだったのに💢」

不満にくちびるを尖らせて、ビルの屋上を見上げるブライド。

流体のなるぁの気配は、もうそこには無かった。

「あ~ぁ.....2人とも逃げられちゃった💦」

(今回はしょうがないよ.....)

「.....うん」

青空の中を、ひとつのはぐれ雲が流れていく。

なるぁはきっと、はぐれ雲のように自由なんだろうな。
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