旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。

俣彦

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強いてあげるとするならば……

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 真田幸隆の話を聞いて現状を整理すると、現状。基本的には史実の通りとなっている。ただ史実と異なるものが2つある。1つは幸隆が村上義清の家臣となっていて、幸隆もしくは幸隆の一族の旧領エリアを管轄する立場となっている。ただ幸隆が武田を離れ。村上の家臣となった理由は定かではない。抜け落ちている。そしてもう1つが……。



私「(婿投げをされたあとの私……。その後、500年近くの記憶が無い。いや違う。婿投げのあと私は500年近い時を戻されてしまっている。村上義清に代わって……。これは現実に起こっている出来事なのか。もしかすると私は……病院のベットの上で生死の境を彷徨っているのかもしれない……。今起こっている状況が夢であって欲しいと思っているのであるが……現実を知るのも怖い……。とりあえず今は、バグとなっている幸隆の歴史の辻褄を合わせなければならない……。)」



私(村上義清)「幸隆よ。」

真田幸隆「はい。」

私(村上義清)「板垣信方のもとでやり甲斐を感じ働いていたお前が何の理由もなしに私の誘いに乗ることなんて無いであろう。」

真田幸隆「そうでありますね……。」



 真田幸隆は私になる前の村上義清の誘いにより、武田から村上に鞍替えしたようだ。



私(村上義清)「遠慮は要らぬ。申してみよ。」

真田幸隆「強いてあげるとするならば……武田晴信による諏訪への対応に不安を感じたからであります。」

私(村上義清)「危険ないくさの最前線に立たされることのことか?」

真田幸隆「いえ。それにつきましては仕方ありませぬ。彼らは武田に征服された立場でありますので。」



 いくさのみならず。争いごとに負け。新たに従うことになったものに待っている次なる仕事はいつの世も変わらず汚れ仕事。



真田幸隆「不安を覚えることになったのはむしろ彼ら。諏訪の衆がかつて従っていた諏訪頼重など一族に対する武田の対応にあります。」



 武田晴信は諏訪侵攻後。当主諏訪頼重に対し『降伏するなら命を助ける』ことを条件に開城させたのち、忙殺。その後、甲斐にいる頼重の幼子をチラつかせながら諏訪の衆を鼓舞。板垣信方のもと目覚ましい活躍をみせる。頼重の子が成人し、諏訪に戻って来る日を指折り数えながら……。そんなある日。



真田幸隆「武田晴信は諏訪の娘を側室とし、彼らの間に男の子が誕生しました。」



 同じ諏訪頼重の血を継ぐ男の子が2人。ひとりは武田晴信の血も受け継ぐ男の子で、もうひとりは晴信の妹の子ではあるが晴信の血は受け継いでいない男の子。諏訪の当主の枠はただ1つ。選ばれるのは当然……。
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