27 / 625
絶望
しおりを挟む
板垣信方らが山内上杉の援軍を破った翌日。水の手が断たれる中、10日にも及ぶ武田晴信の城攻めに耐えて来た志賀城の兵は、援兵の到来を今か今かと待っていました。やがて東の空が白み始め。かがり火が無くとも周りを視認できるようになった城兵たちはそこで。前日までには無かった。城の外の光景を目にするのでありました。
『あれはなんだ!?』
城兵らが見つけたのは整然と並べられた無数の円い物体。信越国境に阻まれ、なかなか姿を見せなかったお日様が徐々に徐々に顔を出し始め、これまで黒一色であった円い物体に様々なコントラストが映し出されるようになったその時、彼らが目にしたもの。それは数千にも及ぶ人の首。板垣信方らが小田井原に留まった理由。それは……。
真田幸隆「討ち取った山内上杉の兵の首を刈り取るためでありました。」
最初。あまりに現実離れした光景に何が何だかわからなかった城内でありましたが。武田晴信による包囲は続いている。と言うことは、ここに並べられた首は武田方の兵ではない。……となるとここに並べられた幾千にも及ぶ首の持ち主は……。
私(村上義清)「援軍として向かうはずであった山内上杉の兵。」
1944年ナチスドイツにより収容されたユダヤ人の中で、1つの噂が流れました。
『クリスマスになれば解放される。』
これを頼みに日々を生きていくもクリスマスには解放されず。その後どうなったのか。ここから新年を迎えるまでの一週間の間に、これまでには無かった数のかたがたがお亡くなりになられた。病気が流行ったわけでもなければ、いつも以上に刑の執行が行われたわけでもない……。
『クリスマスには戻れる。その日までは……。』
と言う希望を抱いてしまったがため、その希望が絶たれたことが原因と言われています。
真田幸隆「全ての望みが絶たれた城兵の士気は著しく低下。3日後。武田晴信は総攻撃を仕掛け、翌日。城主笠原清繁と先に城に入っていた山内上杉家臣高田憲頼が討ち取られ、志賀城は落城しました。武田の勢いは収まらず晴信は碓氷峠を越え、上野へと兵を進めます。」
私(村上義清)「憲政は北条と武田に挟み撃ちされる格好になった……。」
真田幸隆「見方を変えれば我らと山内上杉とで武田を挟むことになったとも言えますが。」
私(村上義清)「本気で言ってるのか。」
真田幸隆「山内上杉次第ですね……。」
私(村上義清)「お前が先陣となって武田晴信に突っ込むか?」
真田幸隆「うちは専守防衛を国是にしております故。」
私(村上義清)「前。お前に『甲斐を奪え』と言われたように思うのであるが……。このままだと憲政は持ちこたえることは出来ないぞ。」
真田幸隆「はい。ただ晴信もさすがに指し過ぎでありました。上野まで主力を進めてしまいましたため、本国である甲斐との距離が離れ過ぎてしまいました。その隙を狙うものがおりまして……。」
私(村上義清)「同盟関係にある北条と今川は無いとなると……。諏訪を狙う高遠?」
真田幸隆「担がれる神輿は彼になりますが、主力となったのは小笠原。この報を受けた晴信は急ぎ上野から兵を引き、諏訪へと向かったのでありました。」
『あれはなんだ!?』
城兵らが見つけたのは整然と並べられた無数の円い物体。信越国境に阻まれ、なかなか姿を見せなかったお日様が徐々に徐々に顔を出し始め、これまで黒一色であった円い物体に様々なコントラストが映し出されるようになったその時、彼らが目にしたもの。それは数千にも及ぶ人の首。板垣信方らが小田井原に留まった理由。それは……。
真田幸隆「討ち取った山内上杉の兵の首を刈り取るためでありました。」
最初。あまりに現実離れした光景に何が何だかわからなかった城内でありましたが。武田晴信による包囲は続いている。と言うことは、ここに並べられた首は武田方の兵ではない。……となるとここに並べられた幾千にも及ぶ首の持ち主は……。
私(村上義清)「援軍として向かうはずであった山内上杉の兵。」
1944年ナチスドイツにより収容されたユダヤ人の中で、1つの噂が流れました。
『クリスマスになれば解放される。』
これを頼みに日々を生きていくもクリスマスには解放されず。その後どうなったのか。ここから新年を迎えるまでの一週間の間に、これまでには無かった数のかたがたがお亡くなりになられた。病気が流行ったわけでもなければ、いつも以上に刑の執行が行われたわけでもない……。
『クリスマスには戻れる。その日までは……。』
と言う希望を抱いてしまったがため、その希望が絶たれたことが原因と言われています。
真田幸隆「全ての望みが絶たれた城兵の士気は著しく低下。3日後。武田晴信は総攻撃を仕掛け、翌日。城主笠原清繁と先に城に入っていた山内上杉家臣高田憲頼が討ち取られ、志賀城は落城しました。武田の勢いは収まらず晴信は碓氷峠を越え、上野へと兵を進めます。」
私(村上義清)「憲政は北条と武田に挟み撃ちされる格好になった……。」
真田幸隆「見方を変えれば我らと山内上杉とで武田を挟むことになったとも言えますが。」
私(村上義清)「本気で言ってるのか。」
真田幸隆「山内上杉次第ですね……。」
私(村上義清)「お前が先陣となって武田晴信に突っ込むか?」
真田幸隆「うちは専守防衛を国是にしております故。」
私(村上義清)「前。お前に『甲斐を奪え』と言われたように思うのであるが……。このままだと憲政は持ちこたえることは出来ないぞ。」
真田幸隆「はい。ただ晴信もさすがに指し過ぎでありました。上野まで主力を進めてしまいましたため、本国である甲斐との距離が離れ過ぎてしまいました。その隙を狙うものがおりまして……。」
私(村上義清)「同盟関係にある北条と今川は無いとなると……。諏訪を狙う高遠?」
真田幸隆「担がれる神輿は彼になりますが、主力となったのは小笠原。この報を受けた晴信は急ぎ上野から兵を引き、諏訪へと向かったのでありました。」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜
犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中に呆然と佇んでいた。
馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出したのだ。前世、日本伝統が子供の頃から大好きで、小中高大共に伝統に関わるクラブや学部に入り、卒業後はお世話になった大学教授の秘書となり、伝統のために毎日走り回っていたが、旅先の講演の合間、教授と2人で歩道を歩いていると、暴走車が突っ込んできたので、彼女は教授を助けるも、そのまま跳ね飛ばされてしまい、死を迎えてしまう。
享年は25歳。
周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっている。
25歳の精神だからこそ、これが何を意味しているのかに気づき、ショックを受ける。
大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。
崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり
イミヅカ
ファンタジー
ハートとお気に入り登録、ぜひぜひお願いいたします!
↓簡単なあらすじは''もっと見る''へ!↓
ここは、剣と魔法の異世界グリム。
……その大陸の真ん中らへんにある、荒野広がるだけの平和なスラガン地方。
近辺の大都市に新しい冒険者ギルド本部が出来たことで、辺境の町バッファロー冒険者ギルド支部は無名のままどんどん寂れていった。
そんな所に見習い冒険者のナガレという青年が足を踏み入れる。
無名なナガレと崖っぷちのギルド。おまけに巨悪の陰謀がスラガン地方を襲う。ナガレと仲間たちを待ち受けている物とは……?
チートスキルも最強ヒロインも女神の加護も何もナシ⁉︎ ハーレムなんて夢のまた夢、無双もできない弱小冒険者たちの成長ストーリー!
努力と友情で、逆境跳ね除け成り上がれ!
(この小説では数字が漢字表記になっています。縦読みで読んでいただけると幸いです!)
中条景泰に転生した私。場所は魚津。目の前には織田の大軍。当主も越後に去り、後は死を待つばかり。今日は天正10年の6月2日……ん!?
俣彦
ファンタジー
ふとした切っ掛けで戦国武将に転生。
しかし場所は魚津城で目の前には織田の大軍。
当主上杉景勝も去り絶望的な状況。
皆が死を覚悟し準備に取り掛かっている中、
暦を見ると今日は天正10年の6月2日。
ダンジョン学園サブカル同好会の日常
くずもち
ファンタジー
ダンジョンを攻略する人材を育成する学校、竜桜学園に入学した主人公綿貫 鐘太郎(ワタヌキ カネタロウ)はサブカル同好会に所属し、気の合う仲間達とまったりと平和な日常を過ごしていた。しかしそんな心地のいい時間は長くは続かなかった。
まったく貢献度のない同好会が部室を持っているのはどうなのか?と生徒会から同好会解散を打診されたのだ。
しかしそれは困るワタヌキ達は部室と同好会を守るため、ある条件を持ちかけた。
一週間以内に学園のため、学園に貢献できる成果を提出することになったワタヌキは秘策として同好会のメンバーに彼の秘密を打ちあけることにした。
異世界に転生した社畜は調合師としてのんびりと生きていく。~ただの生産職だと思っていたら、結構ヤバい職でした~
夢宮
ファンタジー
台風が接近していて避難勧告が出されているにも関わらず出勤させられていた社畜──渡部与一《わたべよいち》。
雨で視界が悪いなか、信号無視をした車との接触事故で命を落としてしまう。
女神に即断即決で異世界転生を決められ、パパっと送り出されてしまうのだが、幸いなことに女神の気遣いによって職業とスキルを手に入れる──生産職の『調合師』という職業とそのスキルを。
異世界に転生してからふたりの少女に助けられ、港町へと向かい、物語は動き始める。
調合師としての立場を知り、それを利用しようとする者に悩まされながらも生きていく。
そんな与一ののんびりしたくてものんびりできない異世界生活が今、始まる。
※2話から登場人物の描写に入りますので、のんびりと読んでいただけたらなと思います。
※サブタイトル追加しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる