旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。

俣彦

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真田幸隆「以前我らが武田晴信と戦う前。殿が考えた願望がございましたね。」

私(村上義清)「あぁ。河越城の北条氏康のような戦い方をしたいと思っていた。」



 河越城救援に向かった北条氏康は、8000の兵力を4つに分け、1つ目の隊が敵方に突っ込み突き抜けた後、2つ目の隊が乱入し、2つ目の隊のあとを3つ目の隊が襲い掛かる。再び三度1つ目。2つ目。3つ目と繰り返していく。残された4つ目の隊は全体が見える位置に待機し、状況に応じて加勢ないし退却の合図を出す役目を担い、河越城の救出に成功したのでありました。この方式を村上義清は組み込みたいと考えていたのでありましたが、当時北信濃の一部しか所領が無かった村上義清にとって、隊を複数に分けるだけの兵力を持ってはいませんでした。



真田幸隆「現在我らは信濃の大半と三河の一部を治める勢力に成長しました。当時とは比べ物にならない兵の数を抱え込むことが出来るようになりました。隊を複数に分けることも容易となっています。加えて、各隊を束ねることの出来る人材も育っています。今回、私は東側の備えのため参加することが出来ません。虎綱も三河から離れることは出来ません。しかし問題ありません。殿が考えた戦いを実行に移すことが出来る状況にあります。」

私(村上義清)「1つ目の隊が俺になる……。ド経験のあるものとなると国清の家臣たちだな……。」

真田幸隆「国清様も今回……。」

私(村上義清)「実質的な総大将として出陣することになるから……。あいつにそのいくさの経験が無いから出来るだけ(経験者を国清隊に)預けなければならないのではあるが、こっちが全員未経験で一番隊はきついな……。」

真田幸隆「そのあたりにつきましては殿にお任せします。」

私(村上義清)「わかった。俺と国清両方が機能するよう再編する。」



 首尾よく信長隊を混乱させることに成功した村上義清。



私(村上義清)「次の隊を誰に委ねるか?」

真田幸隆「物見の部隊を用意するか否かで変わって来ますが、殿のお考えは?」

私(村上義清)「俺のところに信長が食いついて来れば、岩村城を囲っている織田の家臣は確実に信長に向かって来ることが目に見えておるし、兵の規模については美濃に入る段階で掴むことが出来ていることを考えると専門の物見は必要ない。そして何より一回りでかたをつけたい。出来ることなら2周目からは信長に向かって来る織田の家臣が合流することが出来ないようにするために用いたいと考えておる。」

真田幸隆「そうなりますと1周目で信長を仕留める必要がありますね?」

私(村上義清)「そうだな。」

真田幸隆「となると2番手は繋ぎでは無く、信長本隊を壊滅させなければなりませぬ。」

私(村上義清)「そうなるな。」

真田幸隆「でしたら殿の次は彼しかいません。」
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