315 / 625
修復
しおりを挟む
鹿狩りと称したり、念仏踊りを駆使してなど城を乗っ取るためには手段を選ばなかった戦国の世。そんな中、
「境目付近の木を伐り出したい。」
との織田信長からの要請。大型重機や運搬車両など無い時代であるため、多くの人が村上義清との境に展開することになります。これは本当に木を伐り出すためなのかそれとも……。
私(村上義清)「うちに入り込んで来て、咎めた事を口実にいくさに持ち込もうとかしていないよな?」
春日虎綱「流石にいくさをしたばかりでありますので、信長がうちの怖さを忘れてはいないでしょう。加えて今彼が目的としているのは稲葉山城であります。わざわざ斎藤と手を組むことが出来る位置に居る殿と今事を構えるような真似はしないでしょう。勿論、(東濃は)係争事になっている場所のすぐ傍にありますので警戒を怠ることはありません。攻めて来るのでありましたらそれ相応の対応を執るまでであります。」
私(村上義清)「目的は聞いているか?」
春日虎綱「これは佐久間(信盛)からの話でありますが、信長から砦の修復を命じられたそうであります。そのため木材を調達しなければならない。その適当な場所がうちとの境目付近にしかないとのことであります。」
私(村上義清)「どこの砦を直そうとしているのだ?」
春日虎綱「機密情報でありますので教えていただくことは出来ませんでした。ただうちを狙ってのものであっては困りますので調べましたところ、墨俣の砦を直そうとしているようであります。」
墨俣は尾張と美濃を分ける境川など複数の河川が合流する場所で鎌倉街道が通り、宿場町も形成された交通の要地でこの時、墨俣を抑えていたのは織田信長。
春日虎綱「信長が攻略を目指している稲葉山にも近く、斎藤の協力者が多く存在しかつ大きな勢力を誇る西美濃の国人衆に睨みを利かせるためにもここに大量の兵が駐屯することが出来るようにしたいようであります。」
私(村上義清)「(西美濃の有力者の一人)安藤の(稲葉山)乗っ取りを見て改修を決めたのかもしれないな?」
春日虎綱「一枚岩では無いことがわかってしまいましたからね。」
私(村上義清)「うちは……。」
春日虎綱「うちはそもそも誰も殿を信用していませんから殿に失望することはありません。心配無用であります。」
私(村上義清)「……ありがとう……。」
春日虎綱「まぁ殿の場合。何か用があったら現地に来てくれますから助かっています。普通こう言う時、こっちが呼び出されるものでありますので。そうそう信長の要請を認めることで宜しいでしょうか?」
私(村上義清)「構わん。ただ一応境目に展開するのであるから、こちらも警戒の兵を出すことは伝えておいてくれ。」
春日虎綱「わかりました。」
「境目付近の木を伐り出したい。」
との織田信長からの要請。大型重機や運搬車両など無い時代であるため、多くの人が村上義清との境に展開することになります。これは本当に木を伐り出すためなのかそれとも……。
私(村上義清)「うちに入り込んで来て、咎めた事を口実にいくさに持ち込もうとかしていないよな?」
春日虎綱「流石にいくさをしたばかりでありますので、信長がうちの怖さを忘れてはいないでしょう。加えて今彼が目的としているのは稲葉山城であります。わざわざ斎藤と手を組むことが出来る位置に居る殿と今事を構えるような真似はしないでしょう。勿論、(東濃は)係争事になっている場所のすぐ傍にありますので警戒を怠ることはありません。攻めて来るのでありましたらそれ相応の対応を執るまでであります。」
私(村上義清)「目的は聞いているか?」
春日虎綱「これは佐久間(信盛)からの話でありますが、信長から砦の修復を命じられたそうであります。そのため木材を調達しなければならない。その適当な場所がうちとの境目付近にしかないとのことであります。」
私(村上義清)「どこの砦を直そうとしているのだ?」
春日虎綱「機密情報でありますので教えていただくことは出来ませんでした。ただうちを狙ってのものであっては困りますので調べましたところ、墨俣の砦を直そうとしているようであります。」
墨俣は尾張と美濃を分ける境川など複数の河川が合流する場所で鎌倉街道が通り、宿場町も形成された交通の要地でこの時、墨俣を抑えていたのは織田信長。
春日虎綱「信長が攻略を目指している稲葉山にも近く、斎藤の協力者が多く存在しかつ大きな勢力を誇る西美濃の国人衆に睨みを利かせるためにもここに大量の兵が駐屯することが出来るようにしたいようであります。」
私(村上義清)「(西美濃の有力者の一人)安藤の(稲葉山)乗っ取りを見て改修を決めたのかもしれないな?」
春日虎綱「一枚岩では無いことがわかってしまいましたからね。」
私(村上義清)「うちは……。」
春日虎綱「うちはそもそも誰も殿を信用していませんから殿に失望することはありません。心配無用であります。」
私(村上義清)「……ありがとう……。」
春日虎綱「まぁ殿の場合。何か用があったら現地に来てくれますから助かっています。普通こう言う時、こっちが呼び出されるものでありますので。そうそう信長の要請を認めることで宜しいでしょうか?」
私(村上義清)「構わん。ただ一応境目に展開するのであるから、こちらも警戒の兵を出すことは伝えておいてくれ。」
春日虎綱「わかりました。」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
転生 上杉謙信の弟 兄に殺されたくないので全力を尽くします!
克全
ファンタジー
上杉謙信の弟に転生したウェブ仮想戦記作家は、四兄の上杉謙信や長兄の長尾晴景に殺されないように動く。特に黒滝城主の黒田秀忠の叛乱によって次兄や三兄と一緒に殺されないように知恵を絞る。一切の自重をせすに前世の知識を使って農業改革に産業改革、軍事改革を行って日本を統一にまい進する。
勇者の隣に住んでいただけの村人の話。
カモミール
ファンタジー
とある村に住んでいた英雄にあこがれて勇者を目指すレオという少年がいた。
だが、勇者に選ばれたのはレオの幼馴染である少女ソフィだった。
その事実にレオは打ちのめされ、自堕落な生活を送ることになる。
だがそんなある日、勇者となったソフィが死んだという知らせが届き…?
才能のない村びとである少年が、幼馴染で、好きな人でもあった勇者の少女を救うために勇気を出す物語。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる