旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。

俣彦

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感状

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私(村上義清)「既に後ろ盾がしっかりしている将軍候補を引きずり降ろそうと画策する。加担したら最期。勝ち切る以外生き残ることが出来なくなる危険性を孕んでいる人物から送り付けられた手紙を。持っているだけでも危険な紙を有難く保管した挙句、自力では何もすることが出来ない人物を神輿として担ぎ。自らが先頭に立って戦う。……理解することが出来ない。」

春日虎綱「そんなんだから殿に依頼が無いんですよ。」

私(村上義清)「否定はしない。ところでさ。」

春日虎綱「何でしょうか?」

私(村上義清)「うちの家臣見ていて不思議に思っていることなんだけど、……俺が書いた感状を貰って喜んでいる。場合によっては新たな所領を与えた時よりも喜んでいるのは何故だろうか?と。」

春日虎綱「人望無いですからね。」

私(村上義清)「否定はしない。となると喜んでいるのは芝居で家に帰ったら破り捨てていると解釈して良いのかな?」

春日虎綱「いえ。全て残してありますし、火の手の及ばない場所に保管しています。」

私(村上義清)「でも俺のことは。」

春日虎綱「心底軽蔑していますし、失望の毎日であります。」

私(村上義清)「……それでも感状は保管している。」

春日虎綱「保管をしているのは何も殿からだけではありません。武田時代の物もありますし、輝虎や家康。更には信長からの物も保管しています。」

私(村上義清)「結構な数にならないか?」

春日虎綱「なりますね。なりますけれどもこれが無いと困ることがありまして。」

私(村上義清)「抜き打ちで改めるようなことはしないぞ。」

春日虎綱「まぁ殿にとっての感状の意味はよくわかりました。渡すものが無い時の苦肉の策として出していることが。」

私(村上義清)「周りには言わないでね。」

春日虎綱「いえ。それで構いません。それぐらいのお気持ちでしか無い方が活用しやすいと言う物であります。」

私(村上義清)「どう言う事?」

春日虎綱「この感状が効力を発揮するのは、従うべき主君が居なくなってしまった時。今の私ですと殿が滅んだ時であります。そこで私も落命しましたら関係無いのでありますが、もし生き残ることが出来た場合、新たな主君を探さなければならなくなります。その時の助けになりますのが感状であります。仕官を目指す先は、当然村上家では無くなりますので殿以外の感状も同様。場合によってはそれ以上の効果を期待することが出来ます故、敵対した相手からの物も大事に保管しているのであります。殿も将軍様や朝廷からの御礼の手紙があるでしょう?大事にしないといけませんよ。」

私(村上義清)「うむ……。」



 一枚として貰ったことはない。
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