393 / 625
近江の家康
しおりを挟む
私(村上義清)「浅井長政との関係もあるからな……。」
浅井長政は近江北部一帯を勢力下に治める人物。近江南部の六角との争いに敗れた父久政が、六角の傘下に収まってしまった事を善しと思わなかった当時の賢政。今の長政とその重臣達は久政を琵琶湖内の竹生島に追放し、隠居を強要。家督を継いだ賢政は、六角氏と決別を宣言すると同時に六角より押し付けられた妻と離縁。これに怒り、兵を挙げた六角義賢を退けた賢政は、こちらも六角から押し付けられていた「賢」の字を棄て、長政と名を改めたのでありました。
この後長政は、六角氏の内輪揉めに乗じ勢力を拡げ、愛知川以北の琵琶湖東部を治めるまでに成長したのでありました。この成長ぶりを眺めていたのが織田信長。
真田幸隆「ちょうど信長が美濃を伺っていた時期と重なりますね。」
私(村上義清)「力関係を見れば、当然(濃尾2国を治める)信長の方に分があるのではあるが、今後の上洛を視野に入れた場合、長政を介入した方が良いと考えたのであろう。」
信長は自らの妹を嫁がせる事により、浅井長政との同盟は成立。近江北部の安全を確保する事に成功したのでありました。
真田幸隆「ただ同盟を結ぶだけでありましたら、そこまで厚遇する必要は無いように思われるのでありますが……。」
私(村上義清)「京への障害となる(近江南部の)六角を知る。実際に戦って来た長政の情報が欲しかった事。今後の京との行き来。それも多くの兵を擁してともなれば、信長が大事に思う人物を嫁がせでもしない限り、相手も納得しないであろうからな。」
その後、織田信長は六角を破り、将軍足利義昭を無事京に送り届ける事に成功したのでありました。
真田幸隆「……となりますと殿。」
私(村上義清)「何か気になる事があるのか?」
真田幸隆「信長にとって長政は、六角を倒すための情報源として必要であった。そして六角を打ち破る事が出来ました。将軍様や天皇様を保護する事により、天下に信長の名を轟かせる事が出来ました。昨年、伊勢を平定する事により、長政領内を通らずに京への道を確保する事が出来ました。となりますと……信長にとって長政はもはや用済み。今回長政は信長と共に兵を動かしていますか?」
私(村上義清)「動かしてはおらぬ。」
真田幸隆「(長政が)越前のすぐ南を治めているにもかかわらず。」
私(村上義清)「そうだな。」
真田幸隆「美濃から越前に通じる最短路に長政が居るにもかかわらず。」
私(村上義清)「……これにはな。信長の配慮が隠されておってな……。」
浅井長政は近江北部一帯を勢力下に治める人物。近江南部の六角との争いに敗れた父久政が、六角の傘下に収まってしまった事を善しと思わなかった当時の賢政。今の長政とその重臣達は久政を琵琶湖内の竹生島に追放し、隠居を強要。家督を継いだ賢政は、六角氏と決別を宣言すると同時に六角より押し付けられた妻と離縁。これに怒り、兵を挙げた六角義賢を退けた賢政は、こちらも六角から押し付けられていた「賢」の字を棄て、長政と名を改めたのでありました。
この後長政は、六角氏の内輪揉めに乗じ勢力を拡げ、愛知川以北の琵琶湖東部を治めるまでに成長したのでありました。この成長ぶりを眺めていたのが織田信長。
真田幸隆「ちょうど信長が美濃を伺っていた時期と重なりますね。」
私(村上義清)「力関係を見れば、当然(濃尾2国を治める)信長の方に分があるのではあるが、今後の上洛を視野に入れた場合、長政を介入した方が良いと考えたのであろう。」
信長は自らの妹を嫁がせる事により、浅井長政との同盟は成立。近江北部の安全を確保する事に成功したのでありました。
真田幸隆「ただ同盟を結ぶだけでありましたら、そこまで厚遇する必要は無いように思われるのでありますが……。」
私(村上義清)「京への障害となる(近江南部の)六角を知る。実際に戦って来た長政の情報が欲しかった事。今後の京との行き来。それも多くの兵を擁してともなれば、信長が大事に思う人物を嫁がせでもしない限り、相手も納得しないであろうからな。」
その後、織田信長は六角を破り、将軍足利義昭を無事京に送り届ける事に成功したのでありました。
真田幸隆「……となりますと殿。」
私(村上義清)「何か気になる事があるのか?」
真田幸隆「信長にとって長政は、六角を倒すための情報源として必要であった。そして六角を打ち破る事が出来ました。将軍様や天皇様を保護する事により、天下に信長の名を轟かせる事が出来ました。昨年、伊勢を平定する事により、長政領内を通らずに京への道を確保する事が出来ました。となりますと……信長にとって長政はもはや用済み。今回長政は信長と共に兵を動かしていますか?」
私(村上義清)「動かしてはおらぬ。」
真田幸隆「(長政が)越前のすぐ南を治めているにもかかわらず。」
私(村上義清)「そうだな。」
真田幸隆「美濃から越前に通じる最短路に長政が居るにもかかわらず。」
私(村上義清)「……これにはな。信長の配慮が隠されておってな……。」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
ダンジョン学園サブカル同好会の日常
くずもち
ファンタジー
ダンジョンを攻略する人材を育成する学校、竜桜学園に入学した主人公綿貫 鐘太郎(ワタヌキ カネタロウ)はサブカル同好会に所属し、気の合う仲間達とまったりと平和な日常を過ごしていた。しかしそんな心地のいい時間は長くは続かなかった。
まったく貢献度のない同好会が部室を持っているのはどうなのか?と生徒会から同好会解散を打診されたのだ。
しかしそれは困るワタヌキ達は部室と同好会を守るため、ある条件を持ちかけた。
一週間以内に学園のため、学園に貢献できる成果を提出することになったワタヌキは秘策として同好会のメンバーに彼の秘密を打ちあけることにした。
中条景泰に転生した私。場所は魚津。目の前には織田の大軍。当主も越後に去り、後は死を待つばかり。今日は天正10年の6月2日……ん!?
俣彦
ファンタジー
ふとした切っ掛けで戦国武将に転生。
しかし場所は魚津城で目の前には織田の大軍。
当主上杉景勝も去り絶望的な状況。
皆が死を覚悟し準備に取り掛かっている中、
暦を見ると今日は天正10年の6月2日。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?
猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」
「え?なんて?」
私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。
彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。
私が聖女であることが、どれほど重要なことか。
聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。
―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。
前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる