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ネックは三成自身の人件費
ネックは三成自身の人件費
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私(三成):「はい!!……と言うわけで三成に転生しました私は今。三成の居城があります北近江の佐和山にやってまいりました。」
所員:「……ラジオのレポーターを務める若手芸人ですか?」
私(三成):「……ついて来たのですか?」
所員:「いずれお客様を元の世界に戻すことになりますので、そのまま放置。と言うわけには参りませんし。お客様にとりまして16世紀の世界と言うのは全く未知の領域であることが想定されますので、何かお困りの点がありました場合のサポート役として身の回りのお世話をさせて頂くことになっております。勿論私の姿はお客様にしか見えませんのでご安心ください。」
私(三成):「囲碁漫画の世界をイメージすれば宜しいのでしょうか?」
所員:「……囲碁漫画の世界に登場する亡霊と言うよりは、携帯用のタブレットを握りしめて将棋盤の前に座る感覚のほうがむしろ近いのかもしれません。もっとも中のソフトのレベルは定かではありませんが……。」
私(三成):「かえって不安になりますね……。」
所員:「勿論、私の意見を参考して頂きましても問題ありませんし、昼の休憩中に外出しても構いません。そこまで厳格なルールが定められているわけではありません。」
私(三成):「そこまでして頂いて何なのでありますが。……やっていくことが出来るのですか?」
所員:「ついていることにはもう1つの理由がありまして。私どももボランティアで運営しているわけではありません。お客様が希望するシチュエーションに転生させ、無事。元の世界に戻すのにもそれ相応の費用と言うモノが必要となりますし、私も霞だけで生きていくことは出来ませんので、お客様が転生されている様子を某か現金化している。と言うことは理解して頂きたいと……。」
私(三成):「映像化されている?」
所員:「どちらかと言いますと歴史の検証。将棋ついでに言いますと『感想戦』のようなことをお客様を通じ行うことにより、某かの機関より現金が発生する運びとなっています。プライバシーに関しましては、お客様御自身が既に石田三成そのものになっておりますので、特に問題は無いことかと考えております。」
私(三成):「……そうでしたね。既に三成になっているんですよね。私。」
所員:「……と言うわけで改めて関ケ原前年の石田三成に転生されたのでありますが。大抵。豊臣家から政権を簒奪しようと企む徳川家康を打倒することに執念を燃やすかたが多いのでありますが、お客様も家康の天下を何とか阻止したい。と考えられていらっしゃるのでありますが、そのアプローチの仕方が異なっているのは新しいサンプルを抽出する良い機会を頂いたと、喜ばれております。その中で、お客様の希望に『内政の充実』と言う項目がありましたので。ここで佐和山領内の内政状況について説明したいと思います。」
私(三成):「お願いします。」
所員:「当主であります石田三成はこれまで豊臣政権の中枢に居たこともありまして、これまで北近江の政治に直接関与しておりません。名代となるものが。代表的な人物としましては島左近がその任にあたっておりました。」
私(三成):「……後世、文治派。武断派と区分けされていますが、当時はまだまだ未分化。全てやらなければならない時代であったのでありますね。」
所員:「その結果でありますが、現在。佐和山領内におきまして、お客様が直接関与しなければならないな所謂『内政』にまつわる喫緊の課題はございません。」
私(三成):「……と言うことは私は、佐和山の地で。まさに隠居生活を満喫すれば良いのでありますね。」
所員:「それでも構わないかもしれませんが、少し気になる点がありまして。」
私(三成):「何でありましょうか?」
所員:「歳出に占める人件費の割合が、今後の領内経営の足枷になるのではないか?と……。」
私(三成):「確かに三成はかつて。自らの収入の半分。時には全てを投げ打って有能な武将をヘッドハンティングしましたり、秀次失脚や蒲生領削減に伴いあぶれたモノを雇い入れたりしてはおりますが。当時は人の数。それも隊を束ねることの出来る将校クラスは幾ら居ても足りない状況にありましたので。ある意味。必要経費と見なければいけないと私は思うのでありますが……。で。たとえ彼らを抱え込み続けたとしましても、今の状況であれば問題無いかと思われます。」
所員:「勿論、現状だけを見れば問題ありません。ただ今後増えることが予想される人件費。……経費がありまして……。」
私(三成):「なんでしょうか?」
所員:「……それは、お客様が転生されました石田三成御自身から発生することになる経費であります。これが現在、歳出の中に組み込まれておりません。」
私(三成):「何故でしょうか?」
所員:「三成はこれまで。佐和山の領地を治める大名であると同時に、豊臣家の官僚でもありました。しかも三成は、豊臣恩顧以外の大名との交渉窓口の役目も担っていたこともありまして。そうなりますとどうしても……付き合いと言うモノがあります故。結構なお金が必要となったわけであります。その辺りの費用はこれまで。『豊臣家の必要経費』として豊臣家から出ていたのでありましたが。今の石田三成は豊臣家からリストラされた立場。かと言いまして、今後の対家康のことを想定しますと、これまでの付き合いを辞めるわけにもまいりません。そのためのお金が今後も必要となってまいります。豊臣家からお金が出ない以上。佐和山の領内からの歳入のみでやりくりしていかなければならなくなります。勿論、当時のいくさは人の数がモノを言う世界でありますので。今の家臣団を放逐することも出来ません。」
私(三成):「で。私は何をすれば良いのでありますか?」
所員:「そのために私が居るのであります。」
所員:「……ラジオのレポーターを務める若手芸人ですか?」
私(三成):「……ついて来たのですか?」
所員:「いずれお客様を元の世界に戻すことになりますので、そのまま放置。と言うわけには参りませんし。お客様にとりまして16世紀の世界と言うのは全く未知の領域であることが想定されますので、何かお困りの点がありました場合のサポート役として身の回りのお世話をさせて頂くことになっております。勿論私の姿はお客様にしか見えませんのでご安心ください。」
私(三成):「囲碁漫画の世界をイメージすれば宜しいのでしょうか?」
所員:「……囲碁漫画の世界に登場する亡霊と言うよりは、携帯用のタブレットを握りしめて将棋盤の前に座る感覚のほうがむしろ近いのかもしれません。もっとも中のソフトのレベルは定かではありませんが……。」
私(三成):「かえって不安になりますね……。」
所員:「勿論、私の意見を参考して頂きましても問題ありませんし、昼の休憩中に外出しても構いません。そこまで厳格なルールが定められているわけではありません。」
私(三成):「そこまでして頂いて何なのでありますが。……やっていくことが出来るのですか?」
所員:「ついていることにはもう1つの理由がありまして。私どももボランティアで運営しているわけではありません。お客様が希望するシチュエーションに転生させ、無事。元の世界に戻すのにもそれ相応の費用と言うモノが必要となりますし、私も霞だけで生きていくことは出来ませんので、お客様が転生されている様子を某か現金化している。と言うことは理解して頂きたいと……。」
私(三成):「映像化されている?」
所員:「どちらかと言いますと歴史の検証。将棋ついでに言いますと『感想戦』のようなことをお客様を通じ行うことにより、某かの機関より現金が発生する運びとなっています。プライバシーに関しましては、お客様御自身が既に石田三成そのものになっておりますので、特に問題は無いことかと考えております。」
私(三成):「……そうでしたね。既に三成になっているんですよね。私。」
所員:「……と言うわけで改めて関ケ原前年の石田三成に転生されたのでありますが。大抵。豊臣家から政権を簒奪しようと企む徳川家康を打倒することに執念を燃やすかたが多いのでありますが、お客様も家康の天下を何とか阻止したい。と考えられていらっしゃるのでありますが、そのアプローチの仕方が異なっているのは新しいサンプルを抽出する良い機会を頂いたと、喜ばれております。その中で、お客様の希望に『内政の充実』と言う項目がありましたので。ここで佐和山領内の内政状況について説明したいと思います。」
私(三成):「お願いします。」
所員:「当主であります石田三成はこれまで豊臣政権の中枢に居たこともありまして、これまで北近江の政治に直接関与しておりません。名代となるものが。代表的な人物としましては島左近がその任にあたっておりました。」
私(三成):「……後世、文治派。武断派と区分けされていますが、当時はまだまだ未分化。全てやらなければならない時代であったのでありますね。」
所員:「その結果でありますが、現在。佐和山領内におきまして、お客様が直接関与しなければならないな所謂『内政』にまつわる喫緊の課題はございません。」
私(三成):「……と言うことは私は、佐和山の地で。まさに隠居生活を満喫すれば良いのでありますね。」
所員:「それでも構わないかもしれませんが、少し気になる点がありまして。」
私(三成):「何でありましょうか?」
所員:「歳出に占める人件費の割合が、今後の領内経営の足枷になるのではないか?と……。」
私(三成):「確かに三成はかつて。自らの収入の半分。時には全てを投げ打って有能な武将をヘッドハンティングしましたり、秀次失脚や蒲生領削減に伴いあぶれたモノを雇い入れたりしてはおりますが。当時は人の数。それも隊を束ねることの出来る将校クラスは幾ら居ても足りない状況にありましたので。ある意味。必要経費と見なければいけないと私は思うのでありますが……。で。たとえ彼らを抱え込み続けたとしましても、今の状況であれば問題無いかと思われます。」
所員:「勿論、現状だけを見れば問題ありません。ただ今後増えることが予想される人件費。……経費がありまして……。」
私(三成):「なんでしょうか?」
所員:「……それは、お客様が転生されました石田三成御自身から発生することになる経費であります。これが現在、歳出の中に組み込まれておりません。」
私(三成):「何故でしょうか?」
所員:「三成はこれまで。佐和山の領地を治める大名であると同時に、豊臣家の官僚でもありました。しかも三成は、豊臣恩顧以外の大名との交渉窓口の役目も担っていたこともありまして。そうなりますとどうしても……付き合いと言うモノがあります故。結構なお金が必要となったわけであります。その辺りの費用はこれまで。『豊臣家の必要経費』として豊臣家から出ていたのでありましたが。今の石田三成は豊臣家からリストラされた立場。かと言いまして、今後の対家康のことを想定しますと、これまでの付き合いを辞めるわけにもまいりません。そのためのお金が今後も必要となってまいります。豊臣家からお金が出ない以上。佐和山の領内からの歳入のみでやりくりしていかなければならなくなります。勿論、当時のいくさは人の数がモノを言う世界でありますので。今の家臣団を放逐することも出来ません。」
私(三成):「で。私は何をすれば良いのでありますか?」
所員:「そのために私が居るのであります。」
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