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徳川家臣団は一日にしてならず
今川義元も苦心した
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私(三成):(三河復帰を果たした広忠でありますが、自らの手では無く。それも他国今川の力を借りて。でありますので、公孫瓚が怖くて袁紹の傘下に入ってしまった三国志の韓馥ではありませんが、松平は今川の保護領の扱いを受けることになります。)
所員:(今川の保護を受けつつ安祥から岡崎の間で織田との戦いを繰り広げる広忠なのでありましたが、妻の実家が織田方に付いてしまったため離婚。嫡男であるのちの家康を駿府へ送り届ける際、水先案内人を買って出た義母の父である戸田氏に裏切られ、織田家に護送された挙句。諸説ありますが、どうやら家臣の謀反に遭い。24の若さで……。と言う広忠の人生でありました。)
私(三成):(物凄く濃密な年表が出来そうでありますし、一冊の本やドラマを作るには十分過ぎる人生ではありますが……。体験したくはありませんが……。)
所員:(史実通りに行きますと、のちに太政大臣の地位が贈られることになる広忠なのでありますが……。)
私(三成):(死んでから描いた絵に億単位の値段が付けられてもな……。の心境なんでしょうね……。広忠のコメントは遺されてはいませんが……。)
所員:(当主亡き岡崎城に今川家が乗り込んで来ます。)
私(三成):(ここまでの話だけを見ますと、広忠は今川の刺客によって。のように思われるのでありますが……。)
所員:(そんな今川家が最初にやった仕事は、織田家に護送されたのちの家康を奪還することでありました。)
私(三成):(……でもそのまま駿府に送られたのでしょ?)
所員:(家臣がいつ暴徒と化すかわからない岡崎に、8歳の。三河を代表する家の嫡男を。無防備な状態で置いておくことは出来ますか?)
私(三成):(……そうですね……。)
所員:(ましてや今川は徳川とは違い、正真正銘の清和源氏の出で。しかも今川家は足利宗家の継承権を有する吉良家の分家であり、今川は関東の抑えを任させていたため駿河に常駐。そのため応仁の乱に疲弊することも無ければ、昔から地元との繋がりがあった。故に下剋上の時代にあっても生き残ることが出来たばかりで無く。三河など他国へ勢力を伸ばすことも出来た。そんな京との結びつきも強い=朝廷との付き合い方を学ぶことも出来る上。命の危険に晒されることの無い安全な駿河と、腕っぷしが全てを制する。その日の生き残りに精一杯の三河とでは。どちらがのちの家康にとって幸せなことだったのか?今川家の人間でなくとも答えは出て来ることでしょう。)
私(三成):(……でも最後は今川を裏切るんですよね。家康は……。)
所員:(……と言うことが実は義元の時にも発生していまして。それも頻繁に……。)
私(三成):(……そうなんですか……?)
所員:(これは東三河の事例なのでありますが、東三河。とりわけ南部地域には牧野氏と戸田氏が凌ぎを削っていました。駿河遠江の今川や西三河の松平。更には尾張の織田を利用しながら……。義元が今川家の家督争いを制し、武田。更には北条との関係が安定したのが1545年。家康の両親が離婚したあたりであります。翌1546年から義元は目を西へ転じ、三河攻略を本格化させることになります。この動きに乗ったのが戸田氏との争いに苦しんでいた牧野氏。今川の三河攻略に協力することの見返りに、戸田氏に奪われた。牧野氏が築城した今橋城を与えてほしい。と要望を出します。ただ今橋は、東三河の要衝であるため、欲しいのは今川も同じ。そのため今川はこの願いを拒否。その引き換えに豊川以西の戸田氏のエリアを与えますと約束。加えて牧野氏の本貫地である伊奈は勿論のこと。今川と敵対することになる長沢松平に奪われた地域も牧野氏のものに。の願いを出し、今川も了承したのでありました。)
私(三成):(今川は今橋を確保出来ればとりあえず。と言ったところでありましょうか。)
所員:(今橋がターゲットである以上、今橋城を持っている戸田氏は当然抵抗します。抵抗しますが、多勢に無勢。同時に長沢松平の退去にも成功。長沢の所領の全てではありませんが、牧野氏に与えられ。牧野氏は長沢城を守ることになるのでありました。一方、今橋城の戸田宗光は今川に降伏する形で開城。以後、宗光は今川軍の一員として活動。1554年には岡崎在城につき、250貫文の所領が義元から与えらえるのでありました。)
私(三成):(今のところ素直に動いてますね。)
所員:(戸田氏には、大きく見てもう一つの戸田氏がありまして。そのもう一つ戸田氏が駿府に送るハズであったのちの家康を尾張に売り飛ばした田原の戸田堯光。経緯が経緯でありますので、堯光が降伏するわけも無く、当然の如く今川にもその気は無く総攻撃。その後、堯光の消息を知らせる資料は、史実ではその後も残る戸田氏でありながら見つけることは出来ません。)
私(三成):(良い想像が浮かびませんね……。)
所員:(東三河を確保した今川は西三河での活動を本格化させます。と同時に織田との戦いが始まることになります。結果だけを述べますと今川の勝利。三河から織田を追い出し、広忠亡き松平を傘下に収めることになります。ここから義元の苦悩が始まるのであります。)
私(三成):(順風満帆にしか見えないのでありますが……。)
所員:(三河から織田の勢力を取り払うことが出来たと言いましても、まだ点と点を抑えている段階でありました。そのため今川は国の中央に位置する長沢城を拠点としたい。その長沢城に居るのが今川の三河攻略に協力した牧野氏。今川には逆らうことが出来ない牧野氏は泣く泣く退去。それでも所領は牧野氏のモノであったのが救いなのでありましたが、2ヶ月後。新たに長沢に在城していたもの2名が、牧野氏の所領の一部を手に入れようと駿府に居る義元のもとを訪ね横領。三河に居る今川家臣はそのことを知らず。)
私(三成):(……よくある話と言えばよくある話ではありますね……。)
所員:(話はこれで終わりません。当初、牧野氏が今川に要求したものの1つであります本貫地伊奈の復帰は叶いませんでした。理由は伊奈を領していたモノも早い段階で今川に従っていたためであります。)
私(三成):(協力者が多ければ多いほど良いのはわかりますが……。)
所員:(みんなにいい顔した結果。不信感を募らせた牧野氏は今川に対し反乱。この自暴自棄とも受け取れる反乱は、当然今川の手により鎮圧されるのでありました。牧野氏の全てでは無かったため一族滅亡とならなかったのは不幸中の幸い……。)
私(三成):(今橋改め吉田に田原。長沢や岡崎と言った拠点に今川の直臣が入り、三河の支配を強めるのでありました。)
所員:(今川の領国支配は基本的に、今川に従うことを条件にその地域に根を下ろす武士にその地域を任せると言う体制を採っていました。滅ぼして土地を奪ってしまおう。と言う姿勢は採っていません。寺社に対しても同様でありました。今川が抑えているのはあくまで拠点だけ。あとのことは地域の実情を知っている人に……。)
私(三成):(……強い今川が守ってくれているんだ。と歓迎されるように思われるのでありますが……。)
所員:(……と思われるのでありますが、先程述べました牧野氏のほか。や奥三河の奥平氏などの中に反乱を企てるモノも決して少ない数ではありませんでした。緩やかな……と言うより、ほとんど干渉されない関係であったとしましても、やはり三河のモノにとりましてて今川は、外からやって来た侵略者。相手が強いから従ってはいるけども……。同じことは遠江にも言えたことなのかもしれません。)
私(三成):(一族郎党の目ぼしい男が皆殺されてしまい、尼さんが還俗して……。)
所員:(これでは埒が明かないと義元は、駿河遠江両国を嫡男・氏真に任せ、自ら三河経営に乗り出し、彼らの不満を取り除くべく新たな領土獲得=尾張侵攻へと進むのでありました。)
私(三成):(それが……桶狭間だったんですね……。)
所員:(今川の保護を受けつつ安祥から岡崎の間で織田との戦いを繰り広げる広忠なのでありましたが、妻の実家が織田方に付いてしまったため離婚。嫡男であるのちの家康を駿府へ送り届ける際、水先案内人を買って出た義母の父である戸田氏に裏切られ、織田家に護送された挙句。諸説ありますが、どうやら家臣の謀反に遭い。24の若さで……。と言う広忠の人生でありました。)
私(三成):(物凄く濃密な年表が出来そうでありますし、一冊の本やドラマを作るには十分過ぎる人生ではありますが……。体験したくはありませんが……。)
所員:(史実通りに行きますと、のちに太政大臣の地位が贈られることになる広忠なのでありますが……。)
私(三成):(死んでから描いた絵に億単位の値段が付けられてもな……。の心境なんでしょうね……。広忠のコメントは遺されてはいませんが……。)
所員:(当主亡き岡崎城に今川家が乗り込んで来ます。)
私(三成):(ここまでの話だけを見ますと、広忠は今川の刺客によって。のように思われるのでありますが……。)
所員:(そんな今川家が最初にやった仕事は、織田家に護送されたのちの家康を奪還することでありました。)
私(三成):(……でもそのまま駿府に送られたのでしょ?)
所員:(家臣がいつ暴徒と化すかわからない岡崎に、8歳の。三河を代表する家の嫡男を。無防備な状態で置いておくことは出来ますか?)
私(三成):(……そうですね……。)
所員:(ましてや今川は徳川とは違い、正真正銘の清和源氏の出で。しかも今川家は足利宗家の継承権を有する吉良家の分家であり、今川は関東の抑えを任させていたため駿河に常駐。そのため応仁の乱に疲弊することも無ければ、昔から地元との繋がりがあった。故に下剋上の時代にあっても生き残ることが出来たばかりで無く。三河など他国へ勢力を伸ばすことも出来た。そんな京との結びつきも強い=朝廷との付き合い方を学ぶことも出来る上。命の危険に晒されることの無い安全な駿河と、腕っぷしが全てを制する。その日の生き残りに精一杯の三河とでは。どちらがのちの家康にとって幸せなことだったのか?今川家の人間でなくとも答えは出て来ることでしょう。)
私(三成):(……でも最後は今川を裏切るんですよね。家康は……。)
所員:(……と言うことが実は義元の時にも発生していまして。それも頻繁に……。)
私(三成):(……そうなんですか……?)
所員:(これは東三河の事例なのでありますが、東三河。とりわけ南部地域には牧野氏と戸田氏が凌ぎを削っていました。駿河遠江の今川や西三河の松平。更には尾張の織田を利用しながら……。義元が今川家の家督争いを制し、武田。更には北条との関係が安定したのが1545年。家康の両親が離婚したあたりであります。翌1546年から義元は目を西へ転じ、三河攻略を本格化させることになります。この動きに乗ったのが戸田氏との争いに苦しんでいた牧野氏。今川の三河攻略に協力することの見返りに、戸田氏に奪われた。牧野氏が築城した今橋城を与えてほしい。と要望を出します。ただ今橋は、東三河の要衝であるため、欲しいのは今川も同じ。そのため今川はこの願いを拒否。その引き換えに豊川以西の戸田氏のエリアを与えますと約束。加えて牧野氏の本貫地である伊奈は勿論のこと。今川と敵対することになる長沢松平に奪われた地域も牧野氏のものに。の願いを出し、今川も了承したのでありました。)
私(三成):(今川は今橋を確保出来ればとりあえず。と言ったところでありましょうか。)
所員:(今橋がターゲットである以上、今橋城を持っている戸田氏は当然抵抗します。抵抗しますが、多勢に無勢。同時に長沢松平の退去にも成功。長沢の所領の全てではありませんが、牧野氏に与えられ。牧野氏は長沢城を守ることになるのでありました。一方、今橋城の戸田宗光は今川に降伏する形で開城。以後、宗光は今川軍の一員として活動。1554年には岡崎在城につき、250貫文の所領が義元から与えらえるのでありました。)
私(三成):(今のところ素直に動いてますね。)
所員:(戸田氏には、大きく見てもう一つの戸田氏がありまして。そのもう一つ戸田氏が駿府に送るハズであったのちの家康を尾張に売り飛ばした田原の戸田堯光。経緯が経緯でありますので、堯光が降伏するわけも無く、当然の如く今川にもその気は無く総攻撃。その後、堯光の消息を知らせる資料は、史実ではその後も残る戸田氏でありながら見つけることは出来ません。)
私(三成):(良い想像が浮かびませんね……。)
所員:(東三河を確保した今川は西三河での活動を本格化させます。と同時に織田との戦いが始まることになります。結果だけを述べますと今川の勝利。三河から織田を追い出し、広忠亡き松平を傘下に収めることになります。ここから義元の苦悩が始まるのであります。)
私(三成):(順風満帆にしか見えないのでありますが……。)
所員:(三河から織田の勢力を取り払うことが出来たと言いましても、まだ点と点を抑えている段階でありました。そのため今川は国の中央に位置する長沢城を拠点としたい。その長沢城に居るのが今川の三河攻略に協力した牧野氏。今川には逆らうことが出来ない牧野氏は泣く泣く退去。それでも所領は牧野氏のモノであったのが救いなのでありましたが、2ヶ月後。新たに長沢に在城していたもの2名が、牧野氏の所領の一部を手に入れようと駿府に居る義元のもとを訪ね横領。三河に居る今川家臣はそのことを知らず。)
私(三成):(……よくある話と言えばよくある話ではありますね……。)
所員:(話はこれで終わりません。当初、牧野氏が今川に要求したものの1つであります本貫地伊奈の復帰は叶いませんでした。理由は伊奈を領していたモノも早い段階で今川に従っていたためであります。)
私(三成):(協力者が多ければ多いほど良いのはわかりますが……。)
所員:(みんなにいい顔した結果。不信感を募らせた牧野氏は今川に対し反乱。この自暴自棄とも受け取れる反乱は、当然今川の手により鎮圧されるのでありました。牧野氏の全てでは無かったため一族滅亡とならなかったのは不幸中の幸い……。)
私(三成):(今橋改め吉田に田原。長沢や岡崎と言った拠点に今川の直臣が入り、三河の支配を強めるのでありました。)
所員:(今川の領国支配は基本的に、今川に従うことを条件にその地域に根を下ろす武士にその地域を任せると言う体制を採っていました。滅ぼして土地を奪ってしまおう。と言う姿勢は採っていません。寺社に対しても同様でありました。今川が抑えているのはあくまで拠点だけ。あとのことは地域の実情を知っている人に……。)
私(三成):(……強い今川が守ってくれているんだ。と歓迎されるように思われるのでありますが……。)
所員:(……と思われるのでありますが、先程述べました牧野氏のほか。や奥三河の奥平氏などの中に反乱を企てるモノも決して少ない数ではありませんでした。緩やかな……と言うより、ほとんど干渉されない関係であったとしましても、やはり三河のモノにとりましてて今川は、外からやって来た侵略者。相手が強いから従ってはいるけども……。同じことは遠江にも言えたことなのかもしれません。)
私(三成):(一族郎党の目ぼしい男が皆殺されてしまい、尼さんが還俗して……。)
所員:(これでは埒が明かないと義元は、駿河遠江両国を嫡男・氏真に任せ、自ら三河経営に乗り出し、彼らの不満を取り除くべく新たな領土獲得=尾張侵攻へと進むのでありました。)
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