いきなり突き付けられた人生の選択! 公爵令嬢?おじさん勇者?それとも第3の人生?巡り巡って…

kitahara

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それでも…食い下がります

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相手に会う。


この要求に対してその秀麗なお顔の眉間が顰められると幾分固めな口調できっぱりと(無理だ)と言う。

 「申し訳ありません。規約上本来相対する魂ではありませんので…会うことはできないかと思われます」

 無理かぁ…。
まあ相対する…出会うはずもそれこそすれ違う事さえない者同士だものね。
では。

 「じゃあ、せめて話を…。話をすることは出来ませんか?」


 食い下がってみた。
夢とは言え人生がかかっているのです。
食い下がらずにいられようか。
 解らないこと言いたいことは言わないと先へは進めません。
ここまで来たら最終的な事(ラストが気になります)が知りたいです。

 「話…ですか?」

なかなかの食い下がりようと思わぬ要求だったのか一旦言葉を切ると思案されているようです。


 「そうですねぇ…変則ではありますが…あちらの世界に行かれましたら魔法がありますのでレベルを上げて行けばいつか声だけならできるようになるかもしれませんね。」

できるようになるかもですか…。
今は無理なのですね。
それ以上を望むこともできないと?
それでもないよりはまし?
希望が持てます…か…?で?
魔法って?

 聞いたことのない言葉が出てきましたが…

「はい。こちらでは超常現象というようなものでしょうか…。あちらの世界での未知なる力です」


 未知なる力…超常現象。
 未知なる…成程。
なんとなく意味することが解りました。
そんな力にものすごく心当たりがあるのですが…

「えっと…このような?ものでしょうか?」

 見せた方が早いので。
 試しにポッと手のひらからろうそく程の火を出してみた。


 「ほう…これは。すごいですね…こちらの世界ではほとんどいないはずですが…やはり勇者という存在は…」

 目の前で火が出たことに少し驚いたようで。
何気に呟いたその最後の言葉に…

えっ?勇者?
その言葉に反応したわたしに対して慌てて。

 「いいえ…失礼しました」

 思わず口から漏らしてしまったのか…否定されました。

いやいやまってまって。

勇者? 今はっきり勇者って言いましたよね。
勇者って…。
勇者ってなんなんですかー?





 
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