暗殺者からの成り上がり 

ケン・G

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王都治安維持部隊

クガンの過去

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ピンク色の花が周囲の木々に咲いていた。風によって花びらが舞う。花びらを追っていくと俺の生まれた街が一望できた。
東方地区、いや王国内随一の港湾都市ベツィア。
王国一の商都、東の真珠街、天下の台所、まあとりあえず色んな名前で呼ばれていた。
毎日巨大な商船が入り乱れ、物と人、金が集まり街のそこかしこで巨額の富が動く商談が開かれる、今日も金を求める亡者が闊歩する華やかな大通り。
だが繁栄した街から少し離れればその栄華のおこぼれをもらおうとする貧民達が蠢く地区が広がる。
そんな二つの顔を持った街に俺は住んでた。
小さい頃は楽しかった。親父は規模は小さいけど商売人をやっていて安定はしてなかったけどそれなりに暮らしていた。
やがて戦争が始まって貿易は少なくなった。理由はよく分からない。更に食料や金属、布なんかは軍が持って行ったのは覚えている。
しばらくして、親父は消えた。
その時のことはよく覚えていない。でも記憶にあるのは泣いている母だけだ。
初めは戦争に駆り出されたのだと思っていた。けど戦争が終わり戦死をしても貰える報奨金はいつまで経っても無い。
親父は腹を括って兵士になる訳でもなく家族を守る為働くでもなく逃げた。
母は客を取って俺を育てたがやがて病気を貰い死んだ。その時俺はまだ十四だった。
どうしようかと思った、けど幸いこの街には男の仕事は腐るほどあった。
船の荷の積み下ろしの労働者として働き始めた。十六にもなれば仕組みがわかってきた。
どの手配師も案内所もかなりピンハネしているという事に気づき馬鹿らしくなった。
周りの大人はこんなの馬鹿らしく無いのか、と疑問に思ったが手配師にはマフィアがついていた。文句を言った奴はボコボコにされて逆に金を取られていた。
世の中はうまく回っているんじゃ無い、回せる奴が回してるんだ、そう気付いて辞めた。

「おい、クガン、起きてんのか?」

「おお」

家に一人居た俺は声に向かって返す。

「入るぞ」

と言った後栗色の頭の少年が一人入ってきた。奴の名前はガム。元同僚の現相棒。

「もう時間か?ガム」

「そうだよ、寝ぼけてんのか?」

時計を見る。まだまだ時間には余裕がある様に思えた。

「まだじゃねぇか……ま、とりあえず一服さしてよ」

煙草を取り出し口を加えようとしたがガムに止められた。

「いきながら吸えよ、いいか?俺らは下っ端だ、早く行って損はねぇ」

「へいへい」

俺達は家を出た。煙草をふかしながら街を歩く。この辺りは中流階級と貧困階級の間ぐらいの町だが俺の家はボロい。
親父が居なくなってからろくに修理もしていないからだ。
そんな町を抜けて大通りに出た。脇道に入りしばらくすると酒場がひしめく通りに出る。
店はほとんど閉まっているが中にはちらほら営業中の店もある。
道には何人かの酔っぱらいが座り込んでいる。酔っ払いは見るからに浮浪者で鋭い視線をした盗人達も無視だ。
俺達はとある酒場に入った。

「おはようございます」

「おはようございます」

まずは大声で挨拶を済ませる。
店は数人の男達が酒を飲んだりトランプをしたりして、何人かがこちらに手を振った。

「おい、ガム、クガン、こっちこいよ」

声のする方は奥。目をやると一人の男がソファに座っていた。両隣には女もいる。
この男は俺たち二人の兄貴にして泣く子も黙るギャングのNo.2であるトカイだ。

「はい、何ですか?」

トカイに近づき、ガムが尋ねた。

「お前らどっちかこいつの相手」

と顎で左の女を指す。

「で、もう一人はハットね……つってもクガンか」

ハット、この街に住む動物解体業者だ。トカイの知り合いで時々手伝い要員を欲していた。横目でガムを見ると眉をひそめてジッと俺を見ていた。思わずため息をついてしまう。

「わかりました、行ってきます」

俺はトカイにそう言った後出口に向かった。
ガムを見ると笑いながらも小さく頭を下げていた。少しムカつきながらも外へ出た。
憂鬱な気分になりながら煙草に火をつける。
ハットの仕事はできればやりたく無い。それは文字通り解体なのだ。
この街には何でも集まる。それは動物も例外では無い。周辺の村のハンターが仕留めた猪から辺境の珍獣、果ては海外からの見たことの無い猛獣まで様々だ。戦争前はガシス帝国から魔物が来ることもあったらしい……
しかし中には各国で狩猟や捕獲、国外流通が厳重に禁止されたやばいモノもある。
大体が超希少種や宗教的に崇められる神獣たちだ。そう言った商品達は裏のブラックマーケットへと流れる。
その商売と商品を仕入れているのがトカイであり商品の加工をしているのがハットなのだ。
解体場に着いた。中に入ると大きな牙の生えた白い巨大な猪の死体をいじる白髪混じりの男、ハットがいた。

「おはようございます、ハットさん」

「おう、いきなり悪りぃな」

挨拶を済ませ、猪を見る。間近で見ると白い毛は綺麗で大きな牙は存在感がある。

「凄いだろ?パルカル教の大神、シルバーボア」

「へぇ、どっか宗教の神様なんすね……どおりで、なんてゆうか、綺麗ですね」

パスカル教とかゆうのは全く知らないが確かに神秘的ではあった。死体でこれなのだから生きていたら崇拝したくなるのかもしれない。

「ま、俺からすりゃあただの白いシシだわなぁ」

とシルバーボアの目玉を突きながら笑うハットを見ていると顔も知らないパスカル教徒に同情したくなってしまった。

「血と肝は抜いてあるからよ、とりあえず皮と牙剥ぎ取って肉はそんまま売っちまうから」

「ああ、はい、わかりました」

俺は作業に取り掛かった。ハットと協力して牙を取り毛皮を剥ぎ取った所で昼食となった。ハットは俺に外食一食分ほどの金を渡しどこかへ行ってしまった。
手を洗うと街へと出た。といっても行くところは決まっている。
血と獣臭が着いた今の俺は店には入れない。
入れないことも無いが迷惑だろう、その辺の分別はハットに嫌という程教えられた。
解体場近くのパン屋。
近づくと店主が俺に気付いた様で手を上げた。それは気付いたから近づくなの合図だ。
しばらくして老婆が紙包を持ってきた。老婆に金を渡してそれを受け取る。それを持って作業場へと戻った。
紙包の中にはサンドウィッチが入っていた。
たまごサンド、ハムサンド一つづつ。
俺も図太くなったな、と思いながらたまごサンドを口に運ぶ。初めてきた時はしばらく肉が食えなかった。ガムは吐きまくっていたし血抜きの時は半ばパニックになっていた。
そんな俺も今では死体を前にして飯を食える。人間じゃなくなっていく様な感覚にほんの少しだけ恐怖を感じた。

「おう、飯は食ったか?」

「はい」

「じゃ、はじめっか」

午後の作業が始まった。
死体を解体し、肉をわけ簡単に塩をつける。
途中から肉屋が荷馬車で行き来し出した。ちなみにこの肉屋もトカイの息がかかっており燻製なり塩漬けにした後は神獣シルバーボアの肉としてブラックマーケットへ流すのだ。
夕暮れ時には全ての作業は終了していた。
俺はは外に出て煙草を吹かしていた。解体場の近くは居住区域という事もあり日の入りとともに人は少なくなる。
今日は肝取りと血抜きがなくて良かった。
もしそれをしたら一週間は血の匂いが取れなかった。

「おい、クガン、晩飯、食ってくよな」

ハットに話しかけられた。

「もちろんですよ」

笑顔で答えた。
解体場のど真ん中。数時間前にシルバーボアの死骸があった場所に簡易式の七輪が置かれていた。すぐそばには無数の肉。それは今日解体した商品の物だ。

「まあ、座れよ」

七輪を囲むようにして置かれた二つの椅子。椅子の上には皿とフォークが置かれていた。
椅子に座る。この仕事はグロいし汚いし臭いし誰もやりたがらない。
けど俺はやる。仕事だからって言うのもあるけど、やっぱりご褒美があるからだ。

「油乗ってんな」

ハットはそう言いながら白い霜が降りた肉を網に乗せていく。

「まあ、流石神獣ですね」

「バチあたんぞ?」

そんな不謹慎な会話をしながら肉が焼けるのを待つ。ハットは塩を振ったりしていた。
そして裏返し、両面が茶色になった。

「食えんぞ?」

「じゃあ、いただきます」

焼けた肉にタレをかけ、口に運ぶ。上質な油、肉汁、タレが混ざり、舌を刺激した。
猪肉より弾力があるが硬いわけではない。
少しの力で弾み、肉汁を惜しみなく吐き出す。美食と言うある種本能的な刺激に体全体が喜んでいる様だった。

「ほれ、これ飲むか?」

ハットはビール瓶を差し出して来た。礼を言って受け取りコルクの栓を抜くと口に流し込んだ。
ビールの苦味と炭酸がが油を中和し、口内を浄化する。
そしてまた肉を放り込んだ。


「なあ、ギャングなんかやめて俺の弟子にならないか?トカイには俺が話しつけてやる」

肉を食べ終え一服しているとハットが話しかけて来た。
ギャングで命を張って上を目指す。それは聞こえは良いが茨の道だ。いつ死ぬかわからないし、生き残ったとしても上に上がれるとは限らない。
それならば完全に真っ白とは言えないがハットの元で肉屋をするのもいいんじゃないかと一瞬、思ってしまった。

「それも良いかも、しれませんね」

俺は濁しながら立ち上がった。

「お前がその気なら、いつでも言えよ?」

ハットに挨拶をしてから金をもらい解体場を出た。















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