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7話 朝が怖い
ナナオは、そう言って俺のペニスを誘うように握ってきた。俺はナナオに身体を洗ってもらったことで、勃起していたらしい。
「いいの?」
「うん……幸彦くん……いつでもいいよ」
ナナオは、そう言って俺の上にまたがってきた。俺の泡と、ナナオの泡で、滑りそうになるが、それが逆にぬるぬるして気持ちよかった。
「んんっ……あっ……っ」
ナナオの穴は、ぬるぬるになっていた。俺のペニスを挿れると、風呂に入っているような安心感であたたかく包み込んでくれた。
「んっ……あっ……あっ」
「挿れただけでそんな可愛い顔しちゃうんだ、ほんとにエッチな身体だね」
「……え、ぼ、僕っ……むひょうじょ……で、っ」
「見てみなよ」
俺は、ナナオの顎を持ち上げて自分は首を傾げるように横にずれて、正面の鏡を見るように促した。
「えっ……っ」
ナナオは、自分の顔を鏡で見て呆然としている様子だった。
「ナナオ、この顔のどこが無表情なんだ?」
「……うそ」
ナナオは、信じられないというように大きく目を見開くと俺の背中に隠れるように顔を背けた。
「ナナオ、どうした?」
「ずっと……」
「うん」
背中をさすってやると、またナナオはぴくんと身体を震わせた。
「ずっと、無表情で、可愛げがないってっ……言われてきたから」
「それって、前の……?」
「うんっ……前の、ご主人様に……」
俺は、ナナオから「ご主人様」という言葉を聞いてもやっとした。ナナオには、前のご主人がいて、俺が初めてじゃない……。
「あっ……やっ、ゆ、幸彦くんっ……」
「こんなに可愛いナナオを、前の“ご主人様”はどうやって可愛がってたの?」
俺は、ナナオを思いきり突き上げた。恥ずかしそうに身体を逸らそうとするナナオの腰をがっちり掴んで逃げられないようにする。
「ナナオ、答えて」
「あっ……んっ……まえ……のっ、んっ」
「うん」
何度も何度も、俺は嫉妬できるような身分じゃないのに、ナナオを運よく拾っただけなのに、こんなに可愛いナナオを、俺が初めてじゃないことが悔しかった。
「ま、まえの……、ごしゅじんさまっ、はっ……ぼくっ……つかえないからっ……すぐっ……せっくす……されずに、すてられた……よ……っ」
「え?」
「はあっ……んっ、僕のこと、こうして抱いてくれたのは……っ、幸彦くんが、はじめて、だよっ……ぼくっ、欠陥品で勃たないしっ……」
「俺が初めて?」
「んっ……んんっ……うんっ……♡」
俺は、それを聞いて可愛すぎて頭を掴んでキスをした。柔らかい唇。夢みたいに気持ちよくて、俺は風呂でまた果ててしまった。
「……はあっ……はあっ……」
「……ゆきひこくっ……あっ……あっ……中で、びくびく……っしてる……、も、でそう?なの?」
「……うん、いい?またイって……」
「うんっ……おねがい……ゆきひこくんっ……ちょうだい、っ……ぼくのっ、中にいっぱい……っ、ゆきひこくんのっ、せーしっ……ちょうだいっ……!」
また可愛すぎるナナオのおねだりで、俺は射精してしまった。ナナオの中に。俺は誰かに射精することなんて、今後の人生で一度もないと思っていた。俺の精子を愛おしそうに自分の柔らかそうなお腹をさすりながら受け入れていくナナオを見て、愛おしさが溢れた。
願わくば、こうやって一生ナナオと繋がっていたい。ナナオとセックスして生活していきたい。ぐったりした俺の身体をナナオが優しく抱き留めてくれた。
「やすむ?」
「休もうか、ナナオ。布団行こう、一緒に」
「うん……」
俺は、快感と多幸感を身体いっぱいにめぐらせながら、ナナオと一緒に布団に入った。いつも布団に入る時は、鬱々とした気持ちになる。
部屋がそもそも汚いのだ。片づける気力が起きない。キッチンは掃除するのが面倒くさくて調理しなくてもいいものを食べることにしたが、生活する場所に関しては、脱ぎっぱなしの服や、下着、ペットボトルなどが薄暗い部屋に乱雑に散らばっていた。布団と座椅子にはかろうじて足の踏み場はあるが、そんな場所で6月の蒸し暑い中眠るのは悪夢を毎日見るのに十分だった。
ああ、起きたらもう二度と目覚めなければいいのにって。死にたくはない、死ぬのは怖い、何度もやってみたけれど、自分の命を絶つ、ということはできなかった。普段の生活の中で、コンビニのバイトをしていても、全然関係のないお客さんが笑っているのを見て、俺のことを見て笑っているんじゃないか、たまたま俺のことをじっと見つめている男子高校生を、「俺のことをゲイだと心を読んでいるんじゃないか」とか。
俺はそんなことをずっと考えながら、全てに恐れながら生活している。布団に入ると、ふと足元に何かがいるんじゃないかという気持ちになるし、こんな毎日が続くくらいなら死んだ方がマシだと思うし、夢には何度も俺がゲイだと笑われ、不登校になる前の日のことが、当たり前のように現れる。
映画のシアタールームで自分の恥部をその映画館にいる人全員で視聴し、笑い、あざけり、馬鹿にしているような気持ちになり、そんな地獄をたっぷり味わった後目を覚ますのだ。死ぬのは怖いが、死にたい。でもできないから、せめて朝この布団の中で目覚めなければいいのにと願う。でも、そんな願いは朝日と共に叶わないと知り、憂鬱と頭痛に悩まされながら身体を起こす。
ああ、また朝が来たと。
「……あれ」
目を覚ますと、すっかり暗くなっていた。カーテンが空いている。
「よ、夜……あ、え?嘘、やばい!何時だ!?」
「いいの?」
「うん……幸彦くん……いつでもいいよ」
ナナオは、そう言って俺の上にまたがってきた。俺の泡と、ナナオの泡で、滑りそうになるが、それが逆にぬるぬるして気持ちよかった。
「んんっ……あっ……っ」
ナナオの穴は、ぬるぬるになっていた。俺のペニスを挿れると、風呂に入っているような安心感であたたかく包み込んでくれた。
「んっ……あっ……あっ」
「挿れただけでそんな可愛い顔しちゃうんだ、ほんとにエッチな身体だね」
「……え、ぼ、僕っ……むひょうじょ……で、っ」
「見てみなよ」
俺は、ナナオの顎を持ち上げて自分は首を傾げるように横にずれて、正面の鏡を見るように促した。
「えっ……っ」
ナナオは、自分の顔を鏡で見て呆然としている様子だった。
「ナナオ、この顔のどこが無表情なんだ?」
「……うそ」
ナナオは、信じられないというように大きく目を見開くと俺の背中に隠れるように顔を背けた。
「ナナオ、どうした?」
「ずっと……」
「うん」
背中をさすってやると、またナナオはぴくんと身体を震わせた。
「ずっと、無表情で、可愛げがないってっ……言われてきたから」
「それって、前の……?」
「うんっ……前の、ご主人様に……」
俺は、ナナオから「ご主人様」という言葉を聞いてもやっとした。ナナオには、前のご主人がいて、俺が初めてじゃない……。
「あっ……やっ、ゆ、幸彦くんっ……」
「こんなに可愛いナナオを、前の“ご主人様”はどうやって可愛がってたの?」
俺は、ナナオを思いきり突き上げた。恥ずかしそうに身体を逸らそうとするナナオの腰をがっちり掴んで逃げられないようにする。
「ナナオ、答えて」
「あっ……んっ……まえ……のっ、んっ」
「うん」
何度も何度も、俺は嫉妬できるような身分じゃないのに、ナナオを運よく拾っただけなのに、こんなに可愛いナナオを、俺が初めてじゃないことが悔しかった。
「ま、まえの……、ごしゅじんさまっ、はっ……ぼくっ……つかえないからっ……すぐっ……せっくす……されずに、すてられた……よ……っ」
「え?」
「はあっ……んっ、僕のこと、こうして抱いてくれたのは……っ、幸彦くんが、はじめて、だよっ……ぼくっ、欠陥品で勃たないしっ……」
「俺が初めて?」
「んっ……んんっ……うんっ……♡」
俺は、それを聞いて可愛すぎて頭を掴んでキスをした。柔らかい唇。夢みたいに気持ちよくて、俺は風呂でまた果ててしまった。
「……はあっ……はあっ……」
「……ゆきひこくっ……あっ……あっ……中で、びくびく……っしてる……、も、でそう?なの?」
「……うん、いい?またイって……」
「うんっ……おねがい……ゆきひこくんっ……ちょうだい、っ……ぼくのっ、中にいっぱい……っ、ゆきひこくんのっ、せーしっ……ちょうだいっ……!」
また可愛すぎるナナオのおねだりで、俺は射精してしまった。ナナオの中に。俺は誰かに射精することなんて、今後の人生で一度もないと思っていた。俺の精子を愛おしそうに自分の柔らかそうなお腹をさすりながら受け入れていくナナオを見て、愛おしさが溢れた。
願わくば、こうやって一生ナナオと繋がっていたい。ナナオとセックスして生活していきたい。ぐったりした俺の身体をナナオが優しく抱き留めてくれた。
「やすむ?」
「休もうか、ナナオ。布団行こう、一緒に」
「うん……」
俺は、快感と多幸感を身体いっぱいにめぐらせながら、ナナオと一緒に布団に入った。いつも布団に入る時は、鬱々とした気持ちになる。
部屋がそもそも汚いのだ。片づける気力が起きない。キッチンは掃除するのが面倒くさくて調理しなくてもいいものを食べることにしたが、生活する場所に関しては、脱ぎっぱなしの服や、下着、ペットボトルなどが薄暗い部屋に乱雑に散らばっていた。布団と座椅子にはかろうじて足の踏み場はあるが、そんな場所で6月の蒸し暑い中眠るのは悪夢を毎日見るのに十分だった。
ああ、起きたらもう二度と目覚めなければいいのにって。死にたくはない、死ぬのは怖い、何度もやってみたけれど、自分の命を絶つ、ということはできなかった。普段の生活の中で、コンビニのバイトをしていても、全然関係のないお客さんが笑っているのを見て、俺のことを見て笑っているんじゃないか、たまたま俺のことをじっと見つめている男子高校生を、「俺のことをゲイだと心を読んでいるんじゃないか」とか。
俺はそんなことをずっと考えながら、全てに恐れながら生活している。布団に入ると、ふと足元に何かがいるんじゃないかという気持ちになるし、こんな毎日が続くくらいなら死んだ方がマシだと思うし、夢には何度も俺がゲイだと笑われ、不登校になる前の日のことが、当たり前のように現れる。
映画のシアタールームで自分の恥部をその映画館にいる人全員で視聴し、笑い、あざけり、馬鹿にしているような気持ちになり、そんな地獄をたっぷり味わった後目を覚ますのだ。死ぬのは怖いが、死にたい。でもできないから、せめて朝この布団の中で目覚めなければいいのにと願う。でも、そんな願いは朝日と共に叶わないと知り、憂鬱と頭痛に悩まされながら身体を起こす。
ああ、また朝が来たと。
「……あれ」
目を覚ますと、すっかり暗くなっていた。カーテンが空いている。
「よ、夜……あ、え?嘘、やばい!何時だ!?」
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