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48話 最終話
しおりを挟むジルの腕の中に、すっぽりと納まって、こんなに強く抱きしめられてる。
ここに居ろって、この場所が私の場所だって、全身で言ってくれてるみたいで、なんだか嬉しい。
嬉しくて、それを確かめるように、彼を抱きしめた。
「ジル、本当に、ここに居て良い?」
つい、甘えた口調になってしまう。
すると、ジルは腕の力をゆるめて、私を見下ろした。私も、彼を見上げる。
「ずっと、俺の傍に居ろ」
彼の瞳が私の唇へと、視線を落とす。そっと指が、私の唇に触れ、ゆっくりとした動作で、唇をなぞる。
いつの間にか、色っぽい表情のジルに見惚れる。目尻が赤くなってる。ジルの唇が、少しだけ開く。胸の高鳴りを感じながら、近づいて来る彼に合わせて目を閉じた。
優しいキスだった。
温かくて柔らかい唇。
たぶん、ジルの体の中で、1番柔らかい場所かも…なんて思えた。
唇と唇が、そっと離れてから、目を開ける。至近距離で見つめ合って、心臓がバクバクと飛び出そうな程に鼓動していた。
大好きな人との、はじめてのキス。
なんだか、とても恥ずかしくなって、下を向く。そんな私の顔を、両手で包んで持ち上げられる。
ジルは笑った。
「なんて顔をしているんだ。茹ダコみたいに真っ赤だぞ?」
「だ…って、待って、見ないで、恥ずかしい!」
「なにを恥ずかしがるんだ?もう、キス以上の事を何度もしただろう?」
「そっ、そうなんですけど…」
顔を背けようとした私の顔を、両手で包んだまま離さず、上に向けられ再度キスされる。
「んっ…」
自分からもキスしようとして、上手くできずに前歯がぶつかる。ジルはなぜか嬉しそうに笑う。満面の笑みで、オデコとオデコをくっつけて笑う。
「ミレイ。ふふっ、前歯がぶつかったぞ?」
「もぅっ、本当に恥ずかしぃ~」
恥ずかしいって言ってるのに、またジルはキスをしてくる。
おでことおでこを、擦りつけてグリグリしながら、微笑むジル。
「はぁ、好きだ。ミレイ。もっとキスしたい。」
「ん~…、んふふ、もう何回目?」
キスされたから、私からもキスをする。そしたら、またジルがキスをくれる。
「ずっと、おあずけされていたんだ。気が済むまでする。」
ふざけているみたいに、ちゅーーーっと、キスをされて、なんだかくすぐったくなる。ドキドキも止まらない。お互いに抱きしめあって、耳を撫でながらキスをして、腕をなでてからキスをして、背中を撫でながらキスをする。
たまらない気持ちになって、どう表現していいのかわからない。
「好きだ」
「うん。私も好き」
何度も何度も、キスを交わす。お互いに抱きしめあって、深呼吸する。これだけで、幸せ。私が生きて来た中で、きっと、今が一番幸せだ。そう思えた。互いの温もりを感じて、幸せに浸っていると、ゆっくりとソファーに押し倒された。
そのまま触れるだけのキス。今度は、ついばむようなキス。それから、食べられちゃうようなネットリとしたキス。服の中に手が入って来て、優しく愛撫されながらキスをする。次第に頭が、ぼーーっとしてくる。
重なった唇から、お互いの吐息が漏れはじめて、吐息が熱い。体が熱い。トロンとしたジルの目が、物凄く色っぽくて、ドキドキする。
「好きだ。ミレイ。」
ジルの声が、耳を通って、脳の奥を刺激する。
「好きだ…」
揺さぶるような声が、ドクンドクンと身体を刺激して、たまらない気持ちになる。
「…好き…私も…」
覆いかぶさるように唇が重ねられて、開いた口から舌が入りこんでくる。深いキスに、溶けてしまいそうだった。胸を下から持ち上げられるように触れて、先端を摘ままれる。
「…!」
キスをしたままで、胸の先端を刺激されながら、お尻から太ももへと手が移動してき、その瞬間、飛び跳ねるほどにビクッと腰が跳ねた。
「あんっ!」
あ、あれ?なんか、へん…。
ジルの手が、そのまま、私の腰に触れると、私は再び喘ぐ。
「はぁんっ!」
ビクビクッと、体が反応してしまう。
ジルは、その反応に目を細める。そして、また深くキスをして、胸を揉み、ショーツの中に手を入れられると指をヌルリと挿入される。その瞬間、驚くほどの電流がかけぬける。グチュグチュグチュ!と、指が膣内をこすり上げられると、瞬間に、ビクッっと背中が仰け反りギュウッっと膣内がきつく閉まる。
「んっ!!んはぁぁぁあああん!」
急激な快感に体中が痙攣して、力が入ってしまい、彼の指を締め付ける。
「あっ、あっ、あっ…ダメ!もうダメ!」
目の前がチカチカして、イッてしまったことに気がつくも、怖い位に気持ち良くて、指を抜いて欲しいのに、腰が浮いてしまい、彼の指をしっかりと締め付けて食いついてしまう体に、羞恥心でいっぱいになる。キスだけで興奮して、指だけでイってしまった。
ダメダメと言いながらも、ビクビクさせながら、淫らに体が揺れる。そんな私を、ジルは嬉しそうに眺めた。そして、再び指を動かし始めると、私の胸の先端をかじるように舐めた。
「はぁん!あぁ!ダメ!イクイクまたイク!!」
一瞬で、絶頂してしまい、自分で自分に驚く。ビクンビクンと体は痺れて、何が起きたのか分からずに、ぼうっとする。そんな私を見下ろして、彼はキスを繰り返し、余裕のない顔になっていた。
「ミレイ…すまん。おまえの、そんな姿を見たら…」
そう言いながら、ジルは我慢できない!と言わんばかりに、自分の服を力まかせに脱ぎ去り、急いでいる様子で私の大事な場所に、硬い男性器を押し付けて来た。
「はぁっ、あっ!気持ちいい…どうしよう。おかしくなっちゃう…!」
「はぁーっ……そんな誘うような目で、煽るようなことを言うな…俺がおかしくなるだろう!」
「だ、だって、もう解んない!」
私は、我慢できずに腰を浮かせて、ジルに擦りつける。ヌルヌルして、じんじんこすれて堪らない。腰が止まらなくて、恥ずかしくて泣きそうになっていると、ぐっと手でおさえられて、ジルが私の中に入って来た。
「あーっ、あっあああん!」
淫らで自分ではないような声をあげてしまう。うそみたいに気持ち良くて、そこからは必死になった。ジルも、今までとは全然違った。腰を力強く打ち付けられ、ピストンが早い。気持ち良すぎて怖くなる。激しく求められて、余裕のない彼の表情にそそられる。
「ミレイ…!ミレイ…!」
私は、声にならない声をあげて、快感に支配されていった。
好きって言って、好きって言われただけで、こんなに世界が変わった。私は、この時はじめて知ったんだ。キスの意味も、抱き合う意味も。
あんなにしていたくせに、こんなに満ち足りたセックスは初めてだった。
夜が明けて、またいつもの日常が戻って来る。
いつものように、ビシっと騎士服を着こんだジルを見て、私は不安になって彼の手を握る。
「ジル…本当に大丈夫?」
そう言うと、彼は微笑んだ。
「大丈夫だ。処理する仕事が暫くは増えるが、うまくやるから心配するな。」
ちょいちょいっと、頬を指で撫でられる。
「俺には、守りたいものがある。その為なら、何でもできる気がするんだ。」
そう言ったジルの顔は、今までで一番かっこよかった。
ジルヴィスは、体中にみなぎるエネルギーを感じていた。
この時はじめて知ったのだ。誰かを愛する気持ちが、自分を強くすることを。
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