女神なんかじゃない

月野さと

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39話 アーサーのルーツ2

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 ゴードンは、話を聞き終わると、お茶を一口飲んだ。
「・・・なるほど。」
「指輪以外の物で、何か取引できるものは・・・」
 サラが、うーんと頭を抱えるのを、表情なく見つめてゴードンが言う。
「サラ様、真珠はそこまで必要ですか?」
「え・・・」
 ゴードンは、お茶をテーブルの上に置く。
「私は、サラ様には、このまま女神の力を失わずにいることを望みます。竜の言うことは分かりますが、所詮は人の世です。」
 なんとも、ゴードンさんらしい意見だった。
「いやいや、女神なんて存在は、絶対に争いの種になるよ。女神じゃなくて、アーサーの妃として立てるように頑張るから!」

「・・・・私には解りませんね。」
 しらっと、返事を返される。
「陛下にご相談された方が良いでしょう。ただ」
 少しの間のあと、ケロッと言う
「女神の指輪は、陛下が大事にしていたものではありません。」
 サラの指にある、指輪を見つめる。
「え?」
「陛下の母上であるマルグレーテ様は、聖女であるご自分を疎んでいた。聖女の証である指輪は、彼女を縛るものでしか無かったのです。陛下はそう思っていたはずです。」

「・・・あの、もう一つ聞いていいですか?」
「はい。」
「アーサーの父親は誰なんでしょう?それと今のガルーダ王は親戚だということですよね?」
 ゴードンは、眉をピクリを動かす。
「それは違います。」
「え?」
「マルグレーテ様は王族だったので、陛下が当時の王家の血をひいていることに間違いはありません。しかし、現王のガルーダ王は、当時の王族を皆殺しにしました。」
 ぞくりと、背筋に冷たいものが走る。
「・・・・・皆殺し・・・?」
 ゴードンは、たんたんと話をする。
「ウォステリアが戦争に勝ち、マルグレーテ様を奪った後、ガルーダは謀反を起こした現王に滅ぼされたのです。現ガルーダ王は、以前から王位を狙っていたと聞き及んでいます。」

  ・・・アーサーの血の繋がった家族は、今の王に全員殺されている?

 頭がくらくらしてくる。


 女神の指輪を見つめる。
「・・・・アーサーと話がしたいの。」
 ゴードンは、首を振る。
「本日は、陛下のお時間は夜しかありません。晩餐会後です。」

 だよね~と、うなだれる。


 ゴードンさんが、部屋を出て行ってからも、頭を抱えて天井を仰ぐ。

 このまま。
 本当にこのままで良い?

 国を左右するという女神の力。神の力。
 この世界は今まで、この女神様関連で、争ってきたのではないか?

 個人的に言えば、私自身、狙われる恐怖から逃れるという利点もある。でも、この力を失ったら、私は誰からも必要とされなくなる・・・それでも構わない。 
 彼は、アーサーは、この世界の平和を望んでいる。
 それなら、私がすることは1つだ。



 ガチャリと部屋の扉を開ける。

「どうかされましたか?」
 部屋の扉に張り付いている騎士団の団員に、声をかけられる。
 うーーん、もはや、どちらが見張られているのか謎だ。
 自分から動くのを諦めて、お願いすることにした。

「お願いがあります。それと、騎士団長を呼んで頂けますか?」
 

 暫くしてから、アモン騎士団長が入ってきた。
 そして、テルマさんも入室してきた。

「サラ様。ガルーダ王と話がしたいと伺いました。」
 真剣な顔の2人に、こちらも真剣に話す。

「はい。どうしても話がしたいのです。陛下はお忙しいので、騎士団に護衛をお願いしたいの。」
 今を逃したら、女神の真珠は二度と手に入らないかもしれない。
 1人で行っては無謀すぎるし。ダメって言われると思うけど、でも!!

「・・・解りました。」
 アモンは了承した。
 あれ?いいの?
 サラは、ちょっとだけ拍子抜けする。
 アモンは、爽やかに笑って言った。 
「私が同行しましょう。」
 騎士団長自ら、護衛してくれることになった。

 
 それならばと、数名の騎士たちが護衛として一緒に来てくれた。
 その中には、クリスも居て、心強かった。

 廊下を歩いて行く間、アモン団長は言った。
「もしも、危険と判断した時は・・・ご理解ください。」
「・・はい。」
 とは言っても、敵国の城内で何かしてくるとは、考えにくいけどね。彼が言っているのは、警戒するにし過ぎは無いということだろう。


 そうして、ガルーダ王の居る部屋の前まで、とうとう来てしまった。



  
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