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第八話 変化
しおりを挟む「もう少し分かりやすく言いましょうか?チャンスはもう無くなった……つまり、貴方は次期国王にはなれないんです。アーテル様が来たのもそういうことが理由ですよ?」
さあ、これが貴方に突きつけられた現実ですが……さて、どう動くんでしょうね?
「ははは…………そんなことで俺が諦めるとでも思ったか、アルフィア?」
「諦めないんですね……」
「弟の方が優秀なんだ。ここまでしないと負けちまうからな」
「だからといってそ・の・方・向・に走るとは思ってませんでしたよ」
バレないとでも思ってたのでしょうか。
「……お前も俺を見下すんだな」
「「「「え?」」」」
「どいつもこいつも、お前やアーテル、フィーネと俺を比べるんだ!俺はお前らと違うんだよ!」
「…………」
「何故比べる!?俺は俺なんだ!お前達や母上、父上が!早々に諦めてくれたら!俺だってこんな思いをしなくて済んだんだっ!」
「兄上……」
「うるさいっっ!お前らのせいなんだよ!!全部!!」
「………」
「お前らさえ、お前さえいなければっ!!お前なんて!お前なんてっ!殺してやるっっ!」
「ーーッ!」
黒い何かで視界を遮られると同時に私の体に痛みが走りました。視界が開け、目が明るさに慣れてきました。私の腕に何かを刺したような痕がありました。何故……と?
「「気がつくのが遅いぞ」」
頭が揺さぶられたように痛い……何か毒でも入れられたのでしょうか……?……入れられた?誰に?話しかけてきたのは誰……?
「「つまらないなあ、これだから人間は」」
つまらない?人間は?貴方は人間ではないということ?
「「さっさと起きなよ」」
そう言って鋭・い・爪・で・私を引っ掻きました。
「ーー!?」
「「やっと起きたか。遅かったね?」」
何が……起こっているのですか?周りの方々が真っ青な顔になって倒れて……?
そう思って私はティーナに急いで駆け寄りました。
「「無駄だよ。君が起きるのがあとちょっとでも早ければ良かったのにね?生憎君には僕の魔法があまり効かなかったみたいだね?」」
魔法で眷属化をしようとしているのですか……じゃあ今、ここにいるのは……魔族……?
「魔族……ですか?」
「「よく分かったね?」」
「ええ、遠目からではありますが何度か見かけたことがありますから。……ですが、貴方達はは元々魔族ではないはず。なのに何故……何故魔族に……」
殿下とメルレット嬢が魔族……いやこれは悪魔……?
何か摂取した……?もしくは契約とかでもしたのか……ですかね?
「どうやって魔族になったのですか?なんで魔族になったのですか?」
「「愚問だね」」
「愚問……?」
「「愚問だよ。だってお前らのせいだってさっきも言ったじゃないか!お前らのせいだよ?この状況の全ては」」
私がいたから……?私だって死ぬほど努力してきました。
時には毒に慣れるために毒を飲まされたのに勉強をして悪化させてしてしまったこともありました。死にかけたことだって何度もあります。
でもグリードは、グリード殿下は、命の危険に晒されたことはないはずです。
勉学ができないことも、城下に降りずに勉学をしていれば、魔術が出来ないことも、素質があるのですからサボらなければよかったのでは?そうすれば、そうすれば!こんなことにだってならなかったはずです!
なのに、責任転嫁して私たちのせいですか?
貴方のせいなのに、ですか?
……友人を悪者としたこと、許しません!!
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