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4.ワタクシ、ここの従業員でフーランと言いますの~!
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「あっぶなぁ~。力のコントロールはできるんだね」
セブンスは落としてしまったカップを尻目に、急激に小さくなった丸い生物を腕で抱え込んでいた。
一方でラムネはあれこれと混乱しており、取り留めなく喋り出した。
「ご、ごめんなさい!カップを落として……、あと生き物が小さくなって、それとあの……!うぅ~…!」
「いいよ、落ち着いて。この生物は魔法体だから、今の攻撃で吹き飛んで小さくなっただけ。時間が経てば……まぁ数十年単位なんだけど、とにかく元に戻るから」
「でも、わちき……やり過ぎたみたいで……」
「平気平気。それよりラムネちゃんは採用だから。ということで、同じ職場で働く従業員と挨拶しようか。ただし今は遠出している人がいるから、その人とは後でね」
「は、はい。挨拶か……。わちき、できるかなぁ」
先程のテストとは打って変わって、ラムネは不安そうな表情で視線を落とす。
どうやら彼女からすれば、巨大隕石を破壊するより人と挨拶する方が遥かに難易度が高いらしい。
つくづく変わっている。
そう思いながらもセブンスは杖を振るい、魔法で瞬間転移する。
二人が移動した先は、ラムネが最初に目覚めた建物だ。
つまり戻ってきたわけなのだが、間髪無く制服姿の女性が駆け込んできた。
「もうセブンス店長ー!一体どこへ行っていたのですのー!」
いきなり大声を発せられたため、ラムネは一人勝手に怯えて短い悲鳴をあげた。
「ひぃっ……!」
「あら、お客様ですの?これは失礼致しましたわ。どうもいらっしゃいませ」
駆け込んできた女性はラムネの存在に気がつくと、すぐに態度を変えて店員に相応しいお辞儀をする。
その動作は洗練されているだけのみならず、気品を感じさせる風格があった。
それに、その女性店員は絵に描いたような容姿端麗であり、長い金髪がより一層美しさを引き立てている。
しかも女性の周りには小さく色とりどりの光りが漂っているので、どことなく神々しさまで感じられるのだった。
そんな美しい彼女が従業員のお手本のような対応するのだから、ラムネは思わず見惚れてしまう。
一方でセブンスは店長と呼ばれるだけあって、気さくな態度で指示を出した。
「これは丁度よかった。こちら新しく働くことになったラムネちゃんだ。まずは店内の案内を頼むよ、フーランちゃん」
セブンスにフーランと呼ばれた女性店員は、柔らかい表情で顔をあげる。
そこには新人が入ってきたという喜びが滲み出ていて、快く返事した。
「新人さんでしたの!それはとても嬉しい事ですのよ!ではでは、ラムネさんね。もうセブンス店長が言ってしまいましたけれど、ワタクシはフーランと言いますの。よろしくお願いしますのよ!」
フーランは笑顔で手を差し出し、ラムネに握手を求めた。
とても友好的で取り繕っている様子は欠片も感じられない。
ただ、肝心のラムネは恐る恐る手を出して、かなり不器用な動きと不自然な表情で握手に応えてしまう。
「よ、よろしくお願いします。フーランさん」
「ふふっ、緊張していらっしゃいますのね!でも、もうこれでワタクシとお友達ですのよ!さぁ、まずは制服に着替えますの!」
「ひゃ、ひゃい!は、ははは…。あっ、ちょっと引っ張れると……」
ラムネは握手で掴まれた手を、興奮するフーランに勢いよく引っ張られる。
そのせいで彼女は躓き、派手に転んで奇妙な悲鳴をあげた。
「ひでぶっ!?」
「あらまぁー!?ラムネさん大丈夫ですの~!?」
セブンスは落としてしまったカップを尻目に、急激に小さくなった丸い生物を腕で抱え込んでいた。
一方でラムネはあれこれと混乱しており、取り留めなく喋り出した。
「ご、ごめんなさい!カップを落として……、あと生き物が小さくなって、それとあの……!うぅ~…!」
「いいよ、落ち着いて。この生物は魔法体だから、今の攻撃で吹き飛んで小さくなっただけ。時間が経てば……まぁ数十年単位なんだけど、とにかく元に戻るから」
「でも、わちき……やり過ぎたみたいで……」
「平気平気。それよりラムネちゃんは採用だから。ということで、同じ職場で働く従業員と挨拶しようか。ただし今は遠出している人がいるから、その人とは後でね」
「は、はい。挨拶か……。わちき、できるかなぁ」
先程のテストとは打って変わって、ラムネは不安そうな表情で視線を落とす。
どうやら彼女からすれば、巨大隕石を破壊するより人と挨拶する方が遥かに難易度が高いらしい。
つくづく変わっている。
そう思いながらもセブンスは杖を振るい、魔法で瞬間転移する。
二人が移動した先は、ラムネが最初に目覚めた建物だ。
つまり戻ってきたわけなのだが、間髪無く制服姿の女性が駆け込んできた。
「もうセブンス店長ー!一体どこへ行っていたのですのー!」
いきなり大声を発せられたため、ラムネは一人勝手に怯えて短い悲鳴をあげた。
「ひぃっ……!」
「あら、お客様ですの?これは失礼致しましたわ。どうもいらっしゃいませ」
駆け込んできた女性はラムネの存在に気がつくと、すぐに態度を変えて店員に相応しいお辞儀をする。
その動作は洗練されているだけのみならず、気品を感じさせる風格があった。
それに、その女性店員は絵に描いたような容姿端麗であり、長い金髪がより一層美しさを引き立てている。
しかも女性の周りには小さく色とりどりの光りが漂っているので、どことなく神々しさまで感じられるのだった。
そんな美しい彼女が従業員のお手本のような対応するのだから、ラムネは思わず見惚れてしまう。
一方でセブンスは店長と呼ばれるだけあって、気さくな態度で指示を出した。
「これは丁度よかった。こちら新しく働くことになったラムネちゃんだ。まずは店内の案内を頼むよ、フーランちゃん」
セブンスにフーランと呼ばれた女性店員は、柔らかい表情で顔をあげる。
そこには新人が入ってきたという喜びが滲み出ていて、快く返事した。
「新人さんでしたの!それはとても嬉しい事ですのよ!ではでは、ラムネさんね。もうセブンス店長が言ってしまいましたけれど、ワタクシはフーランと言いますの。よろしくお願いしますのよ!」
フーランは笑顔で手を差し出し、ラムネに握手を求めた。
とても友好的で取り繕っている様子は欠片も感じられない。
ただ、肝心のラムネは恐る恐る手を出して、かなり不器用な動きと不自然な表情で握手に応えてしまう。
「よ、よろしくお願いします。フーランさん」
「ふふっ、緊張していらっしゃいますのね!でも、もうこれでワタクシとお友達ですのよ!さぁ、まずは制服に着替えますの!」
「ひゃ、ひゃい!は、ははは…。あっ、ちょっと引っ張れると……」
ラムネは握手で掴まれた手を、興奮するフーランに勢いよく引っ張られる。
そのせいで彼女は躓き、派手に転んで奇妙な悲鳴をあげた。
「ひでぶっ!?」
「あらまぁー!?ラムネさん大丈夫ですの~!?」
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