44 / 299
ディーヴァ
20
しおりを挟む
「お姫様と交換らしいです……」
『何故そこまで奏に執着を……王族なら誰でもいい筈だ』
犬と呼ばれた青年は顔を曇らせる。譜王がそれを見て言った。
『何か知っているのか』
「はい……ラドさんが、彼女はシガシィヴァイリオンテス。ディーヴァ族の神であると」
『な、何だと!?』
え、神? いきなり宗教の話?
奏が分かっていない顔をしていたので、譜王が説明する。
『この世に存在する種族達はイダと言う力を持っている。その力を種族の中で最も多く所有している者を我々は神と呼び、その呼び名を呼ぶ。君がディーヴァの中で最も秀でた神・シガシィヴァイリオンテスと呼ばれる存在らしいんだ』
「そ、そんな訳。私が……神って」
『KTBが執着する理由に納得がいく』
そうよね。ミドノだけじゃなくKTBがしつこく追いかけてくる理由がない。王族たちが保護されているから、今までは捕獲に失敗したら諦めてたってことだもの。
『そしてもう一つ問題がある』
「え? 問題って?」
奏が尋ねると、譜王が掌を見せてくる。その上には、サイコロくらいのサイズの機械が存在していた。なんだこれ。
『発信機だ。ディヴァート・ウェザの場所がKTBにバレてしまった』
「そんな……」
私のせいで。私が気づかなかったから。
『ミドノの仕業だろう。君と接触して敵対しているのは奴だけだからな』
譜王がそう言うと、犬と呼ばれた青年の通信機が鳴り、応答する。
「どうした―――――――……何だって!? ふ、譜王様、KTBがこちらに向かっていると!」
そんな、そんな。ど、どうしたらいいの。私の、私の責任だ。
『奏、気にするな。俺達もお前を保護した時気付くべきだった。シーファ、俺たちは臨戦体勢をとる! KTBは全勢力を持ってして奏を手に入れようとする筈だ! こちらも手加減は一切しないぞ!!』
そう言い放つ譜王を見て、犬と呼ばれた青年――シーファは緊張した顔を弛める。
「譜王様」
『あの人の代わりは俺がする。みんなに伝えて、一般市民には避難をさせろ』
「――承知しましたッ!!」
シーファは緊張した面持ちに戻り、奏と譜王は屋上へ向かい、王族たちと合流する。
一般市民の避難を終え、待機していると、KTBの戦闘機に周囲を埋め尽くされる。空中都市は防御に特化してており、戦闘機達を撃ち払い、地上へと叩き落としていくが切りがなかった。
〘南東上空に敵機体7機。こちらは機体GH4機で迎撃してください〙
〔西上空に敵15機。最新兵器EBで撃ち落とせ〕
[敵機体60機程度、学園都市周囲に展開されたぜ。大砲で全て滅多撃ちにしろ]
〖東、北上空に70機接近した。高出力光線で焼き払いなさい〗
譜王と共に王族達も指揮を執る。寧ろ彼らの方が譜王より上手く指示を出していた。
しかし、この空中都市の迎撃と浮遊の肝である操縦室へ、一機の戦闘機が壁を恐れず躊躇いなく突っ込んできた。壁は粉砕され、建物の中に機体が突っ込む。
糸王がそれを見て走り出し、皆で彼に任せると決め、自分たちは指示に徹底する。
奏達には見えなかったが、突っ込んだ戦闘機から降りてきたのはミドノであった。
ミドノは空中都市に到着してから鳴り続ける通信機に出て、返事をする。
「着いたぜ」
操縦席にいる姫存軍の隊員たちを銃で撃ち殺していく。
〖シガシィヴァイリオンテスのことは僕に任せていてくれ〗
「それだけはねぇよ。俺が殺す。作戦通り動いてくれなきゃ困るぜ……」
〖困った奴だね。でもお前に指図される筋合いはないよ〗
「手を出したら殺すからな」
ミドノは最後の一人を憎々しげに睨みつけながら撃ち殺す。
〖お前に僕が殺せるかな?〗
「とにかく作戦通りにやれ」
フッと銃口から出る煙を揺らして遊び、片手を開けるために銃をしまう。
〖お前次第だよ〗
「クソ野郎」
ミドノはブツッと通信を切り、自由になった両手で、操縦席に座りキーボードを両手指でばらばらと叩く。
そして操縦室の中心の台に向かい、そこへ嵌められている装飾品を指で握って取り除いた。引っ張るとじゃらららと鎖が台の穴から出てくる。
アイル・トーン・ブルーの宝石のネックレスだった。
「これが空中都市の要か」
ズシンと地面が縦に揺れ、瞬間、ミドノの身体が宙に浮く。天井に背中を打ちつけ、一瞬肺の空気を吐き出し、咳き込む。
ミドノは天井を這って戦闘機に乗り込み、脱出を試みる。
奏や譜王達は、屋上の草木や柵に掴まっていた。
避難を済ませた一般市民は空中都市の地下にいる。地下の皆が天井に身体を触れさせ下から上に登る空気の圧を感じていた。
それだけで、空中都市が落下しているのだと皆が理解した。
空中都市は地面に接触すると次々と轟音を鳴らし、町中の建物を崩壊させた。中心部の学舎はほかのどの建物よりも頑丈で無事だった。一部の無事である建物の上に、姫存軍の隊員たちが配置される。
奏は、地上の光景を見て、立ち尽くしていた。
空中都市は、地に堕ちた。
『何故そこまで奏に執着を……王族なら誰でもいい筈だ』
犬と呼ばれた青年は顔を曇らせる。譜王がそれを見て言った。
『何か知っているのか』
「はい……ラドさんが、彼女はシガシィヴァイリオンテス。ディーヴァ族の神であると」
『な、何だと!?』
え、神? いきなり宗教の話?
奏が分かっていない顔をしていたので、譜王が説明する。
『この世に存在する種族達はイダと言う力を持っている。その力を種族の中で最も多く所有している者を我々は神と呼び、その呼び名を呼ぶ。君がディーヴァの中で最も秀でた神・シガシィヴァイリオンテスと呼ばれる存在らしいんだ』
「そ、そんな訳。私が……神って」
『KTBが執着する理由に納得がいく』
そうよね。ミドノだけじゃなくKTBがしつこく追いかけてくる理由がない。王族たちが保護されているから、今までは捕獲に失敗したら諦めてたってことだもの。
『そしてもう一つ問題がある』
「え? 問題って?」
奏が尋ねると、譜王が掌を見せてくる。その上には、サイコロくらいのサイズの機械が存在していた。なんだこれ。
『発信機だ。ディヴァート・ウェザの場所がKTBにバレてしまった』
「そんな……」
私のせいで。私が気づかなかったから。
『ミドノの仕業だろう。君と接触して敵対しているのは奴だけだからな』
譜王がそう言うと、犬と呼ばれた青年の通信機が鳴り、応答する。
「どうした―――――――……何だって!? ふ、譜王様、KTBがこちらに向かっていると!」
そんな、そんな。ど、どうしたらいいの。私の、私の責任だ。
『奏、気にするな。俺達もお前を保護した時気付くべきだった。シーファ、俺たちは臨戦体勢をとる! KTBは全勢力を持ってして奏を手に入れようとする筈だ! こちらも手加減は一切しないぞ!!』
そう言い放つ譜王を見て、犬と呼ばれた青年――シーファは緊張した顔を弛める。
「譜王様」
『あの人の代わりは俺がする。みんなに伝えて、一般市民には避難をさせろ』
「――承知しましたッ!!」
シーファは緊張した面持ちに戻り、奏と譜王は屋上へ向かい、王族たちと合流する。
一般市民の避難を終え、待機していると、KTBの戦闘機に周囲を埋め尽くされる。空中都市は防御に特化してており、戦闘機達を撃ち払い、地上へと叩き落としていくが切りがなかった。
〘南東上空に敵機体7機。こちらは機体GH4機で迎撃してください〙
〔西上空に敵15機。最新兵器EBで撃ち落とせ〕
[敵機体60機程度、学園都市周囲に展開されたぜ。大砲で全て滅多撃ちにしろ]
〖東、北上空に70機接近した。高出力光線で焼き払いなさい〗
譜王と共に王族達も指揮を執る。寧ろ彼らの方が譜王より上手く指示を出していた。
しかし、この空中都市の迎撃と浮遊の肝である操縦室へ、一機の戦闘機が壁を恐れず躊躇いなく突っ込んできた。壁は粉砕され、建物の中に機体が突っ込む。
糸王がそれを見て走り出し、皆で彼に任せると決め、自分たちは指示に徹底する。
奏達には見えなかったが、突っ込んだ戦闘機から降りてきたのはミドノであった。
ミドノは空中都市に到着してから鳴り続ける通信機に出て、返事をする。
「着いたぜ」
操縦席にいる姫存軍の隊員たちを銃で撃ち殺していく。
〖シガシィヴァイリオンテスのことは僕に任せていてくれ〗
「それだけはねぇよ。俺が殺す。作戦通り動いてくれなきゃ困るぜ……」
〖困った奴だね。でもお前に指図される筋合いはないよ〗
「手を出したら殺すからな」
ミドノは最後の一人を憎々しげに睨みつけながら撃ち殺す。
〖お前に僕が殺せるかな?〗
「とにかく作戦通りにやれ」
フッと銃口から出る煙を揺らして遊び、片手を開けるために銃をしまう。
〖お前次第だよ〗
「クソ野郎」
ミドノはブツッと通信を切り、自由になった両手で、操縦席に座りキーボードを両手指でばらばらと叩く。
そして操縦室の中心の台に向かい、そこへ嵌められている装飾品を指で握って取り除いた。引っ張るとじゃらららと鎖が台の穴から出てくる。
アイル・トーン・ブルーの宝石のネックレスだった。
「これが空中都市の要か」
ズシンと地面が縦に揺れ、瞬間、ミドノの身体が宙に浮く。天井に背中を打ちつけ、一瞬肺の空気を吐き出し、咳き込む。
ミドノは天井を這って戦闘機に乗り込み、脱出を試みる。
奏や譜王達は、屋上の草木や柵に掴まっていた。
避難を済ませた一般市民は空中都市の地下にいる。地下の皆が天井に身体を触れさせ下から上に登る空気の圧を感じていた。
それだけで、空中都市が落下しているのだと皆が理解した。
空中都市は地面に接触すると次々と轟音を鳴らし、町中の建物を崩壊させた。中心部の学舎はほかのどの建物よりも頑丈で無事だった。一部の無事である建物の上に、姫存軍の隊員たちが配置される。
奏は、地上の光景を見て、立ち尽くしていた。
空中都市は、地に堕ちた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる