魔術師長様はご機嫌ななめ

鷹月 檻

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第五章

10 愛の交歓

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 談話室を出るとそのまま寝室に連れて行かれた。
寝台の上に放り投げられて、布団に沈む。
レイジェス様が勢いよく私に覆いかぶさり、キスをした。
舌を入れながら、空に文字を書き、消毒する。
しゅわしゅわと弾ける様なキスは久しぶりだった。
唇が離れたあと両手で私の顔を包み、とても苦しそうに私を見る。

「この身体が焼けそうだ……!」

 私はレイジェス様の首に両腕を絡めて、自分から唇を重ねた。大人の唇を割って、私の小さい舌がレイジェス様の中に入れられると、彼はそれを優しく吸った。
唇を離すとレイジェス様は自分の上唇を舌で舐めた。眉間には皺が寄っている。
久しぶりに会ったのに、怒っているレイジェス様に悲しくなって、涙目になった。

「怒っちゃいや……」
「怒っている訳では無い……」
「でも、怖い顔してる」
「それは、……君の体の隅々まで触れたと言われればな、理性も飛ぶ。だが、怒っている訳では無い。嫉妬しているだけだ」
「……」

 レイジェス様はそう言うと、ドレスのスカートを捲し上げた。私の下半身が彼の目の前に晒される。私の足を開き左足に軽く乗ると、右の足をゆっくり持ち上げた。右の足裏が寝台の天蓋を向く。

「私が重くないか?」
「大丈夫」

 重くないけど、ショーツを見られてるのが気になっていた。

「これは装飾下着では無いな? いつもあれを着るようにと言いつけておいたはずだが?」
「朝、急いでいて、早くお屋敷に戻りたくって。時間短縮で神呪で着てしまいました。ドレスも今日は神呪です」
「それが本当に神呪なら、解除すれば消えるな?」
「疑ってるの?」
「……解除しろ」

『リィリィベファジション!』

 神呪を唱えると私は真っ裸になってしまった。靴下さえ消えている。

「何故……アメシストのペンダントが外されている?」
「あっ!」

 過去に行った時に、セバスや他の人に反応しない様にと外していたのを、そのままずっと忘れていた。そうだよ、あれがあれば、『混沌の狭間』で起きた、いくつかの事件も防げたはずなのに! どうして思いつかなかったんだろう!?

「作動したのか?」
「してないっ! してないからっ!」

 私はレイジェス様に足に乗っかられたまま、空間収納からペンダントを出して見せた。
レイジェス様はペンダントを確認したあとサイドテーブルの上に置いた。
眉間にはずっと皺が寄っている。

「私が言いたいことは分かるか?」
「……他の者に体を触れさせるな……とか?」
「いいや、違う」

 レイジェス様の言いたい事を考えてみたけど、叱り言葉しか思い浮かばなかった。
でも、さっきの言葉で違うと言われたから、そうじゃないんだろうなと思う。

「君が居なかったのはたった五日だ」

 私は頷いた。レイジェス様からしたら『たった五日』だけど、私からしたら、もう二月ふたつきも会っていない。ずっと会いたかった。寂しかった。足に乗るレイジェス様の重みでさえ、心地良いと感じる。

「なのに、君の事ばかり考え寂しくなっていた」

 私も過去から戻れたら、すぐお屋敷に帰りたくなってた。貴方に会いたくて。

「リア、君を愛してる」

 レイジェス様が言いたかったのは叱りの言葉じゃなかった。

「私が死ぬまで、生を共にし、片時も離れず、ずっと一緒に居たいと思ったのは、君だけだ、アリア……」

 私は両腕をレイジェス様に広げた。

「……わたくしも、レイジェス様と一緒にいたい!」

 レイジェス様が私に覆いかぶさり抱きしめると、彼の乗っている太ももに硬い物が当たった。

「あっ、……硬くなってる」

 私がそれに軽く触れると、彼はローブもズボンも下着も全て脱いで寝台の外に放った。久しぶりにレイジェス様の美しい身体を見て、私は見とれてため息が出た。

「……レイジェス様、綺麗……」

 レイジェス様は髪を掻き揚げて、呆れた様に言った。

「本当に君は変わっているな? 美しいのは何度も言っているが君だ。そして何人もの男が君を狙っている。お願いだ、きちんと自覚して自衛してくれ」
「……はい」
「こちらで愛したい……良いか?」

 指が菊を撫でていた。
私もレイジェス様を感じたかった。頷くと彼は空間収納からゼリーを出して指に少し取った。それを菊の周りに付けてマッサージをする。

「アズライル様にここは許していない様だな?」
「父神様に? そんな事しないから」
「だが、アズライル様は君を愛している様だが?」
「それは、わたくしが娘だから……」

 一瞬、父神様にお風呂で秘所を弄られた事を思い出して頭を左右に振った。

「心当たりがありそうだな? アリア」

 言われて顔がカッと熱くなった。

「違う、違うからっ!」
「私にはどう違うか分からないが?」

 まだ小さな乳房を揉みしだかれて、乳首を軽く噛まれた。
指はマッサージを続けられている。

「……感じたのか? アズライル様の事が好きか?」

 乳首を長い舌先で突く様に舐められて吸われ、甘い吐息が出た。

「ん、ふぅ」

 指が菊から蕾に移動してゆっくりと撫で回されると、身体が痺れたようにぴくぴくと動く。

「私の事を好きな様に、アズライル様の事を好きなのか?」
「レイジェス様と父神様は違う!」
「どう違う……? どちらも男だ」

 そう言われて、蕾を弄られてぼぅっとしている状態で考える。
男って言われても、父神様を男として見た事なんて無いよ。
イケメン、綺麗だなとか思うけど、それは客観的に見て言ってるわけだし。
蕾を弄られて気持ち良くなってきて、段々何も考えられなくなってきた。

「こういう事、したいって思うのは……レイジェス様だけだから」
「こういう事とは?」
「裸で、二人で気持ちよい事をするの……」
「だが、君の様子を見て考えるに、アズライル様に弄られても感じたんじゃないのか?」

 凄く意地悪そうな顔をして私にキスをした。絡まる舌、口の端から唾液が垂れる。

「意地悪、言わないで……」
「意地悪? 私は真実が知りたいだけだ。感じたんだな?」
「体を洗う時に少し。でも変な気分だった」
「変な気分?」
「酷く違和感を感じたの。こういう事をしていいのは父神様じゃないって」
「気持ちが良かったのにか?」

 私は頷いた。

「私とは違和感を感じないのか?」
「感じないです。だって、レイジェス様の事、大好きだもん」
「アズライル様も好きなんだろう?」
「父神様だから、当然です」
「リア、君はアズライル様と私の事を好きだと言っているが、その差は分かっているのか?」

 レイジェス様は私のおでこの生え際を撫でながら聞いた。

「いくら何でも分かりますっ! 言葉で説明しろと言われたら、凄く難しくて出来ないけど」
「弄られ、気持ちが良くなって、そのまま私が致す様な事をアズライル様に許す気になったりはしないのか?」
「だから、違和感を感じるんですってば、なのにそんな事出来ないよ。だからすぐミドルキュアを掛けてました。そういう時って父神様は魅了されてるから」
「そうか」

 彼がそのまま蕾を弄っていると、愛液がつぅっと、割れ目に沿って下に垂れて行った。

「溢れている」
「ずっと、レイジェス様に弄られたかったから」

 レイジェス様は体をずらして私の蕾を舌でころころと遊び出した。菊周りを丁寧にマッサージしたあとそこに指を入れる。

「あ、ごめんなさい、レイジェス様、中を空にするのを忘れていました」
「よいよい」

 気にするでもなく、そのまま指を出し入れして菊を拡げて行った。

「何だかあちらに行く前より、酷く中が狭くきつい様に感じる。痛くは無いか?」
「少しきつく感じるけど、大丈夫」

 蕾を舌で舐め回されて吸い上げられて、久しぶりの快感に体が震えた。
絶頂の波が押し寄せてくると自然に声が出た。

「ふっ、ぁっ、ああっ、いきそう! いっちゃうっ、レイジェス様っ」
「ああ、先にイクといい」
「ぁっ、ん、ぁああああっ!!」

 じわっと広がる愛液。それが垂れてお股がびしょ濡れで気持ち悪い。
レイジェス様が空間収納からサイラスの帽子を出しているのを見て驚いた。

「そんなの使った事無いのに」
「さすがに綺麗にしていない中に入れて病気になっては、リアにも迷惑を掛ける事になるからな」
「だったら、今から綺麗にしてきます。少し待って」
「私は今すぐ致したい」
「じゃあ、わたくしからも言わせて頂きますけど」
「何だ?」
「そのまましたいです。レイジェス様その物を感じたい。だから……ちょっと待って」

 自分で言ってて恥ずかしくなった。
レイジェス様が頷いたので、私は急いでガウンを羽織って花畑に行った。私が帰ったからか、いつも用意してくれている場所に湯があった。冷めててぬるいけど、リリーかサーシャのどちらかが用意してくれていたんだと思う。助かりました、感謝です。
中を空にして寝室に戻ると、レイジェス様は目を閉じて横になっていた。
ガウンを脱いで寝台に上がり、レイジェス様に話し掛ける。

「……寝ちゃった?」
「いや、起きている」

 布団を捲って中に私を入れようとしたので、私はレイジェス様の体に乗った。
つつっと下の方に下がると視線を感じた。

「何をする気だ?」
「え? 先程して頂いたので、わたくしもしようかなと?」

 にっこり笑うとレイジェス様の顔が赤く染まった。

「君はそんな事をしなくていい!」
「どうして? わたくしだってレイジェス様に気持ち良くなって欲しいのに?」
「恥ずかし気も無く、そんな事を言う淑女レディはいないぞ?」
「じゃあ、淑女レディなんかじゃなくていいもん」

 私はレイジェス様を無視して、それを両手で持って上下に優しく動かした。そうしながら舌先で軽く舐める。
亀頭の先から雫が染み出して丸く玉を作っている。それを口の中に含んでちゅうっと吸った。
レイジェス様の呼吸が少し荒くなって、両手で陰茎を扱く動きを早くした。亀頭はちゅっちゅと吸い込んだまま、その顔を見ると、私を見ていた。
私は亀頭から口を離した。ちゅぽんという音と共に陰茎はぷるんと動いて直立した。
それを、レイジェス様によく見える様に、目一杯舌を出して根元から舐め上げた。
血管が浮いてるそれは、私がゆっくり舐め上げているとぴくりと動いた。
亀頭の先まで行って、また口に含み激しく両手を動かした。頭も一緒に上下させて動かすと、レイジェス様が私の頭を撫でた。

「待てっ、……そんなにしては、出てしまう」

 私が構わず続けるとレイジェス様は両手で私の頭を掴んだ。

「くっ、……うっ、リア、だめだ、……イクっ! 射精るっ!!」

 私は陰茎から両手を離さず、お口も離さなかった。
口の中にレイジェス様の精液が出されて、苦味が広がった。

「すぐここに出せ!」

 半身を起こして手の平を差し出すレイジェス様の顔を見上げて、口の中を開けて見せた。それからごくりと喉を鳴らして飲み込むと、レイジェス様は驚いた顔をした。

「前より苦くないの。何かしたの? レイジェス様?」

 レイジェス様は口を手で覆い、私から目線をずらした。

「ほ、本当に苦くないのか……?」
「少し苦いし、しょっぱい感じはするけど、前よりは全然? これなら飲めちゃう」
「だから、淑女レディがそんな事を言う物ではないと、言っただろうが」
「先程、淑女レディじゃなくていいもん、ってわたくしも言いました」

 私はドンッ! とレイジェス様の胸を両手で押して、寝台に沈めた。

「……何を」

 すっと立って、空間収納から潤滑ゼリーを出して、お股と菊の周りにたっぷり塗った。レイジェス様を見下ろすと先程射精したばかりだというのに、もう陰茎は上を向いてそそり立っていた。
私はその上にそっと腰を下ろす。陰茎は寝かせて、その茎の上を股で擦る。
ぬるっとした感触にぷるっと肩が震えた。
腰を前後に動かしながら、自分の指で後ろの穴を揉み解し指を2本挿入してゆっくり開く。だいぶ柔らかくなって拡がった。
前かがみになってお尻をちょっと上げる、レイジェス様の物を右手で掴んで後ろから挿入した。

「んっ、はぁ、はぁ、」

 まだ先しか入ってない。
体を下にずらして、もっと奥まで挿入るようにしたら、体が裂けそうな位痛かった。

『ヒール!』

「……痛いのか?」
「ヒールしたから大丈夫です」

 レイジェス様は体を起こして寝台のヘッドボードに体を預けた。
私は陰茎を挿入したまま立ち膝になった。

「ほら、見て? ここまでしか挿入らないけど、ちゃんと入ってる」
「ああ」

 レイジェス様が私に顔を寄せてゆっくりキスをすると、それは一層膨らんだ様に感じた。私はレイジェス様の両手を取って指を絡めた。立ち膝からしゃがんだ状態にすると体を上下に動かして陰茎を擦り上げる様にした。
だいぶ慣れてきたけど、苦しくて顔が歪む。

「ふっ、んぅぅっ、くっ、 ふぅっ」

 レイジェス様が私の背に手をやり、後ろに倒し、抱え込むようにして私を自分の体の下に位置変えした。

「もういい、私が動く」
「はっ、はい……」

 たぶん、私に気を使ってくれているんだろう。レイジェス様はゆっくりと腰を動かして私の反応を楽しんでいた。
でも、興奮しているのか、呼吸は荒い。

「はっ、はっ、リア、君は私を愛しているな?」
「……はい。ふっ、んっ!」
「うっ、君は私だけの物だ」
「んっ、……はい、わたくしは貴方だけの物です。んんっ、ああぁっ!」
「誓え……、私を裏切らないと!」
「誓いなんて無くても、わっ、わたくしは裏切らないです!」
「誓え! 自分の父に! 私を裏切らないと!」

 レイジェス様の動きはどんどん早くなって、私を突き上げる様になっていた。
奥に彼自身の物が突き刺さる様に食い込むと、痛みと快感が共に広がって行く。
突き上げ過ぎて体が上にずれると、引っ張って元の位置に戻された。
体が動かないように、両肩を押さえ込む様に抱きしめられて苦しかった。
レイジェス様は私と離れている間、不安だったんだろうと思う。

「誓います。もし、レイジェス様が、わたくしが貴方を裏切ったと思うなら、わたくしを殺して下さい……。裏切ったと思われてずっと生きているより、死んだ方がましです」
「……」

 押さえ込まれて苦しいけど、レイジェス様の重みはとても心地よくて、彼が『君は私の物だ』と言うのと同じくらい、私も『貴方は私の物』と思っていた。
激しく腰を振られると、子宮の奥の入り口近くの腸壁に当たるせいか、凄く感じてしまった。

「んっ、ぃいいっ、そこぉっ!」
「はっ、ふっ、ふっ」

 レイジェス様が私の口を唇で塞いだ。
舌を絡めて吸うと、言った。

「中に、君の中で達したい、くっ、はっ、射精るっ!」
「ふっああ、んぁああああっ!」

 舌を絡めたまま、二人同時に達した。
私の口の端からは涎がたらりと垂れて、レイジェス様はそれを親指で拭いてくれた。
アクアウォッシュして貰い、まったりしてるとインターホンが鳴った。

「姫様、旦那様、昼食の時間ですが、いかがなされますか?」

 この声はリリーだ。
レイジェス様は椅子に掛けてあるガウンを羽織ってインターホンに出た。

「いや、昼食はいらない、暫く声を掛けないで欲しい。そうだな、3刻程あとに声を掛けてくれ」
「承知しました」

 レイジェス様はガウンをぽいっと放り出すと、裸のまま寝台に潜った。
私の顔を見て微笑を浮かべる。
ぎゅっとレイジェス様に抱きつくと、どくどくと心臓の音がした。
まだお昼だというのに、私達は愛の交歓をし、お互いが居ない間何をしていたかとか、混沌の狭間で起きた色々な事や、他愛も無い話をして過ごした。

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