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第五章
19 セントクロノス孤児院後編【残酷描写あり】 エリザベス視点
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厨房の水がめを満たした後、貰ったチーズを部屋で食べて、その後はひたすら眠った。一日食事抜きと言ってたから、昼食も夕食も自分には関係がないし。
ノエルは私が眠ってつまらなかったらしくて、外に遊びに行った。
で、寝てたら、水をぶっかけられた。
水をかけたのは凄く顔が不細工な女の子だった。
まず注目してしまったのは太い眉だった。目は細くて瞼に肉が付いていて、鼻は大きくどすんと顔の中心に居座っている。鼻から両頬にはそばかすが沢山あった。
唇は肉厚で突き出していた。たぶん、出っ歯のせいだろう。
「わ~! 濡れちゃったね! 早くそのドレス脱がなきゃ! ああ、一着しか持ってないのか~!」
「ニセモノ姫様可哀想~!」
2人もこの狭い部屋に入って来て、窮屈過ぎる。女王様らしき不細工な女の子とその取り巻きがひとり。うざいったらありゃしないわ。
『エア!』
私が呪文を唱えると濡れたドレスはすぐに乾いた。
「馬鹿みたい。あなた、顔が不細工なだけじゃなくて、心も醜いのね。わたくしは美しい者が好きなの。近寄らないで頂戴」
「何ですって!?」
「不細工を不細工と言ってどこが悪いの? 寝ているわたくしに水を掛けるのも常識が無いと思ったけど、美的感覚も常識が無いのかしら?」
私がそう言うと、部屋のドアが開いて、中に入って来たのはノエルだった。
女王様はノエルが部屋に入って来たのも気にせず、私を引っ叩いた。
たぶん、シスターシビルがこの子達にいつも平手打ちをしているんだろう、この子達は平気で人を平手打ちする。
「えっ!? 何、どうしたの?、やめなよブリアナ!!」
ノエルが驚いてブリアナを止めに入った。
「こいつが生意気過ぎるんだよ! 私の事、不細工って馬鹿にしやがって!」
「だからって、暴力はダメだよ!」
「あんた、誰の味方なんだよ!」
取り巻きのひとりがノエルに言った。
「私は皆の味方だよ? 皆ケンカしちゃ嫌だよ、仲良くしよ?」
「ノエルうざいっ!」
ブリアナはノエルの足を蹴って、蹲った所をさらに足蹴りした。
「止めなさいよ! ノエルは関係ないでしょ!」
「何、あんたたちお友達なわけ? 仲良しなんだ? こんな偽物なお姫様と? ねぇノエル? どうなの?」
「エリーは悪くないよ! 皆、エリーの事誤解してるんだよ!」
「止めなさいよっ!」
ブリアナがまたノエルを足で蹴ったのが我慢出来なかった。私はブリアナに突進して顔を引っ叩いて、髪の毛を引っ張ってやった。
「痛いぃぃ! 何すんのよっ! この馬鹿女!」
「うるさいわよ! あんたみたいなブス見た事ないわ! よく生きてその顔が晒せるわね!」
「うっせぇんだよおおおおおおっ!」
ブリアナに脛を蹴られて、私の何かがプチッっと切れた。
「あなたが先に手を出したのよ? 分かってるわよね?」
『ファイア!』
私が手を向けるとブリアナともう一人の髪に火が付いた。
「あははは! 燃えろ! 燃えろ! 汚らわしい平民が、このわたくしに手を上げるなんて……! 燃え尽きなさい!」
「「ぎゃあああああっ!! 熱いいいぃぃぃ!!」」
2人は火を消すために頭を叩きながら部屋を出て行った。
一階が大騒ぎになっている。
「大丈夫……ノエル?」
「うん、エリーは?」
「これくらい平気」
『ヒール!』
私は自分とノエルにヒールした。
「凄い! 痛いの無くなっちゃった! ありがとう」
「こちらこそ、ありがとう。庇ってくれたのに、巻き込んじゃってごめんなさい」
「悪いのはブリアナでしょ? よくわかんないけど」
「うん」
すぐに私の部屋のドアがノックされて、現れたのはプレイステッド侯爵様だった。
「エリザベス、君とちゃんと話がしたい。二階の院長室まで来てくれ」
「待って、院長様! エリーは悪くないよ! 私を助けてくれた!」
「ノエル……君は部屋にいなさい」
ノエルはしぶしぶ部屋の中に戻った。
私はプレイステッド侯爵様の後を付いて行った。
一階は大騒ぎで、皆が私を白い目で見て睨む。
ここに私の味方はいない。皆敵ばっかり。
二階の院長室に着くと、応接セットの個人椅子を勧められ座った。テーブルを挟んでプレイステッド侯爵様も座る。
「今朝、君の実の御両親に会って来た。君の身元引受人になって欲しいとお願いしたがダメだった。生活が苦しいそうだ」
「実の両親なんて、いたのね。ねぇ、その人達は生活が苦しいって、平民なの?」
「いや、子爵家の方だよ。だが、領地も狭く、商会の経営もしていない。荘園の収入だけで暮らしているそうだ」
「そう」
「……だから、君はずっとここで生活をしなくてはいけない」
真面目な顔で言われた。
「このままの状態では君はここで生活出来ない。考え方を変えるんだ!」
「あの不細工で愚かな子達のようになれと?」
「そんな言い方は良くない。もっと別の言い方があるだろう? それに、君は魔法を使ったそうだね? それで攻撃したと聞いた。今回は髪が燃えただけで怪我は無かった様だが、もし怪我をしていたら、君は罪人として番所に連れて行かれるぞ」
「ヒールをすればいいじゃない? それに、わたくしの身分はまだ貴族ですわ? 貴族は平民に何をしても捕まりません」
「今はな」
「もとはと言えば、あの子達が愚かな事をするからいけないのよ」
プレイステッド侯爵様は怒りを抑えながら膝に拳を握っていた。
「君は、自分が人を傷つけたという自覚や罪悪感は無いのかっ!?」
「『平民は人ではありません獣です』と、前にも言ったでしょ? 獣を殺すのに何の躊躇いがあると言うの?」
ため息をしたあと、侯爵様は小声で『どうしたらいいんだ……』と呟いた。
「わたくし、自分のお屋敷に帰りたいです。邪魔だと言うなら、どうか……わたくしを屋敷に帰して?」
「あんな乱暴されたのに、帰りたいんですか?」
「乱暴? 乱暴なんてされてないわ! ただ、地下室に閉じ込められただけ。何もされてない。体だって弄られてもいない。わたくしは清いままよ?」
「地下室に閉じ込めるのも虐待ですよ?」
「じゃあ、食事をくれないのは? 頬を叩かれるのは? 虐待じゃないの?」
「虐待ですね」
「ここのシスターシビルにされたわ。食事も殆ど食べてない。孤児院の方がお父様よりもわたくしを虐待してるわよ!」
「シスターシビルが? まさか?」
「ノエルに聞いたらいいわ。あの子は優しくしてくれるし、嘘も付かない」
「ノエルに……」
「わたくしを屋敷に帰して、お願い。帰りたいの!」
「暫く検討させて下さい」
私は自分の言いたいことだけ言うと部屋に戻った。そのあと、ノエルがシスターメグに呼ばれて行ったので、きっと話を色々聞かれてるんだなと思った。
お腹はすいてたけど、食欲も無いし、私はそのまま朝まで寝た。
三日目の朝。
ノエルは朝のお祈りで私を起こさなかった。私もお祈りなんてしたくないし。
ただ、だらだらしてた。お祈りの時間で誰もいないからか、全体的に静かだった。祈りの時間じゃなければ誰かの話し声がいつも聞こえているのに。
目を瞑って考えていた。
ここを抜け出そうかと。
昨日、プレイステッド侯爵様に屋敷に帰りたいと言ったら、考えると言ったけど、一体いつまで? 正直待つのが苦痛だった。
ここに居る人たちは私の事を傷つけようとしか考えていない。こんな中で私は我慢出来るんだろうか? 昨日だって殺しそうになった。
そんな事を考えていると部屋の外で男の子の声が聞こえた。
お祈りの時間なはずなのに?
「まだ寝てる、おら、入れよ」
「やめようよ、ディック! 僕、シスターシビルに怒られるの嫌だよ!」
「怒られねぇよ!」
私は寝台から起きて立ち上がった。
「あなた達何しにここへ? 男子は地下に来ちゃいけない決まりよね?」
「何しに? ってナニをしにきましたー! 貴族の女のあれに突っ込みたいと思って!」
「!」
ディックと呼ばれた少年が軽く言う。子分はおろおろしていた。
私が警戒しているとじりじりと私に近寄ってくる。
「下がりなさい! あなた怖くないの? わたくしは魔法が使えるのよ?」
「へっ! 使えやしないよ。お前、あの女達の髪燃やしただけだろ? ただの脅しじゃねぇか。怖いのはそっちだろ?」
「わたくしを普通の女の子と思わない方が身の為よ? 忠告はしたわよ?」
その時だった、部屋のドアが開いてノエルが入って来た。
「お祈りさぼちゃった~」
「ノエル逃げて!」
「え?」
ディックがノエルを捕まえて、持っていた紐で両手首を縛った。
「お前も足の方縛れ!」
「やめなさい!」
ノエルを床に寝かせてその喉に果物ナイフを当てた。
「俺、ノエルでいいわ。エリザベス、お前じゃなくて。こいつ、可愛いし」
「えっ、ディックずるいよ! ノエルはずっと僕が目をつけてたんだよ!」
「何を言ってるの! 止めなさい! ノエルから離れなさいよ!」
「いいからエリザベス、お前は黙って友達が犯されるのを見てろ!」
ディックが場所を変われと子分に言い、ノエルの足元に行くと、すぐにワンピースを捲り上げた。ショーツが露になり、それも剥ぎ取られ投げ捨てられた。
ディックはズボンと一緒に下着を脱いで自分の陰茎を出した。
恐怖で歪むノエルの顔。
子分はナイフを持ってノエルに頬に当てていた。
私は怒りで一杯になった。
私にいやがらせをするのならまだわかる。だけど、ノエルまで……。
「死ぬまで後悔しなさい」
『エアカッター!』
手のひらをディックに向けて唱えた呪文は、刃となってその陰茎を切り落とした。
ぽてっ、と小さな音と共に、一物が床に落ちた瞬間、ディックの股間から大量の血飛沫が飛び散った。
それを見ていた子分が持っていたナイフを落とした。
「ぎゃああああ!! い、痛てぇえええっ!! 俺の、俺のちんちんがああっ!!」
私は3人にゆっくり近づく。ディックも子分も後ずさった。
拾ったナイフでノエルを縛ってる紐を切った。
「くそっ! くそっ! 黙ってやられてたまるかあああっ!」
ディックが私に突進してきた。
『エアガード!』
そして、風の盾で吹き飛ばされた。
『エアカッター』
静かに言って、ディックの耳を切り落とした。
「ぎゃああああっ! 痛い、痛いぃぃぃ!」
切れた耳はぽとりと落ちて、頭から血がどんどん流れる。
「止血しないと、大変よ? ディック、だっけ?」
「うるせぇ!」
「橘や耳を失くしても、まだ反省できないのね」
『エアカッター』
ディックのもうひとつの耳もスパッと切れてぽとりと落ちた。
切れた部分からブシュー! っと血飛沫が飛び出す。
「へぇ、結構派手に血飛沫って飛び出すのね」
「お前悪魔かよ! 痛てぇっ! いてぇええよっ! ダン! 仇だ! 俺の仇を取れ!」
子分のダンはすっかり私に怯えてる様だった。
でも念のためだ。
「ダン、他人の言う事なんか、聞くもんじゃなかったと後悔させてあげる」
『エアカッター』
ダンの小指が切り落とされた。赤い血がどくどくと流れる。
「ぎゃあああっ!! 痛ぇえええっ!」
「二人とも早く止血した方がいいわよ?」
私は二人を放置してノエルに話しかけた。
「大丈夫? ノエル?」
「うん、でも、ディックもダンも痛そうだね」
「痛い目見たほうが反省するわよ。部屋が血生臭くて嫌になっちゃうわね」
「図書室に行く? 二階だけど」
「あら、落ち着けそう。いいわね、行きましょう」
「うん」
私とノエルは二人を部屋に放置して図書室に行った。
図書室に行く途中にプレイステッド侯爵様に会ったので、ノエルがディックとダンの事を話した。私の事を始終かばってくれていた。
私は二人を放置して一人で図書室に行った。
狭い部屋で蔵書もあまり無い。だけど、窓際の椅子に座ると緩い日差しが当たってとても落ち着けた。
一階がまた大騒ぎになっていた。侯爵様がいるならヒールして終了だろう。
だけど、切れた指も耳も性器も元には戻らない。
馬鹿な事をしたあの子達の代償は大きい。また呼ばれて説教されるかも……と思ったら憂鬱だった。
図書室には昼過ぎまでいた。
途中シスターメグが私に来た手紙を二通持ってきた。
シエラ様とアリア様だった。
今は寝台でその手紙を寝転がって読んでいる。
シエラ様はなるべく、事件に触れないようにしながらも、孤児院に行くことになった事が、自分がエルサレム侯爵様に言ってしまったからだと、謝罪する言葉も書いてあった。そして、平民と過ごすのは大変だと思うけど、頑張ってと励ましの言葉が書いてあった。
アリア様からの手紙は、孤児院に興味津々の様で遊びに行きたい、みたいな事が書いてあってげんなりした。本当にあの方は空気が読めない。
こんな所にいる私を、貴女なんかに見られなくないわよ! 分かりなさいよ! と大声で叫びたくなった。
ここにいると一日が凄く無駄に感じる。
いつもだったら、学校に通ったり、ダンスの練習や楽器の練習とか、マナー講習とか、沢山あるのに。
買い物も楽しい、ドレスや宝石を選んだり、好みの家具を揃えたり。
でも、此処に持ってこれたのはこのドレス一枚だけ。こんな生活耐えられない。
もし、私がお屋敷に戻れたとして、お父様は? 罪人になれば『貴族落ち』になってしまう。
私は頭を振った。お父様はそこまで悪人じゃない。
ただ、自分の娘と交合いたいという変態なだけだ。もし、お父様の罪が濡れ衣で、お父様もまた屋敷に戻ってきたら?
『花嫁』にすると言っていたお父様は本気だった。だから、私を地下室に閉じ込めた。でも、暴力なんて振るわなかった。食事だっていつもと変わらない美味しい物を地下室まで運ばせた。不自由なんてした事が無い。
私が屋敷に帰って、お父様もお屋敷に戻ったら……。
『花嫁』を断ったら、私はどうなるんだろう? それをまだ聞いてなかった。実の両親の所に追いやられるのかしら? でも実の両親は私の引取りを、貧しいからという理由で拒否した。血が繋がっているのに。
……もう、他に誰がいると言うの? 私に。
私にはお父様しかいなかった。実の父じゃないけど、私を愛してくれたのはお父様とお兄様達だけだった。だから、あの家族が本当の家族だと思ってた。
信じていたそれが、偽物だったなんて。
横に向くと涙が一滴零れた。
『花嫁』になっても、良いんじゃないかと思った。
私の事を一生愛して、一生守ってくれるなら。
だって、今までの生活を失うのは嫌だった。こんな所に来るまで、自分が幸せで何の苦も無い生活をしているなんて、思ってもみなかった。
もし、お父様が罪に問われず、お屋敷に戻ってくる事が出来たなら、私は『花嫁』になろう。そう、決心して眠った。
ここに来て四日目。
眠っていた私の顔色が悪かったらしく、ノエルが声を掛けて来た。
「エリー? エリー! 大丈夫? 食事行こう? お腹すいてるんでしょ?」
「わたくし、昨日もシスターシビルに食事抜きって言われたわ。明日も明後日もって」
「あれはシスターシビルが意地になってるだけだよ。謝ったらごはんくれるよ?」
「謝る? 嫌よ。わたくしは悪くないわ?」
「エリーの意地っ張り」
「心配してくれてありがとう、ノエル」
私はそう言って目を閉じた。体がだるかった。
しばらくすると誰かが私を抱き上げていた。目を開くとそれはプレイステッド侯爵様だった。
「ノエルが君が熱があると言って私を呼びに来た。君を二階の保健室に連れて行く。そこでゆっくり休むといい」
「……はい」
暫く眠っていた。
気が付くと窓から風がふわりと吹いていた。額には濡れたタオルが乗せられて、私に寄り掛かって寝ているノエルがいた。
「ノエル、起きて、わたくしの風邪が移ってしまうわ?」
「……んん。エリー起きたんだ」
ノエルは私の額にぱっと手を当てた。
「ああ、だいぶ下がったね~」
「ええ、楽になった。貴女のおかげよ」
「エリーは私と話すときは素直なのに……」
ガラッと音がして、保健室の引き戸が開いて、プレイステッド侯爵様が一枚の紙を持って現れた。
「あなたを屋敷に帰します。それに当たっての書類です。自分の意思で帰ると、ここに書いてサインして下さい。今日城に提出すれば、明日には帰れます」
「わかりました」
私は起きて、机の上でそれを書いてサインして渡した。侯爵様はそれを持って城へ向かった。
「エリー、お屋敷に戻っちゃうんだね……」
「わたくしはここでは生きて行けないわ。問題ばかり起こしてるもの」
「エリーが悪いわけじゃないよ。私の事、助けてくれたもん」
「あの子達、どうなったの?」
「耳無しディック、指無しダンって呼ばれてる! おかしいよね! あははっ」
「あれを切られた事は皆知らないのかしら?」
「院長様が男の沽券に関わる事だから皆に言うなって、私に言った」
「まぁ、でも、あれじゃあ、大人になる楽しみがひとつ減ったわね」
「そうだね! 根元からスパって切れてたもんね! 使い物にならないよ! あははっ」
二人で笑っていると、シスターメグがおかゆを持って来てくれた。ちゃんとシスターシビルの許可も取っているらしい。
「シスターシビル、反省したのかなぁ?」
「違うわよ。私が屋敷に帰ることになったから、訴えられるのが怖いんでしょ?」
シスターメグはおかゆを置くとすぐに行ってしまった。
私は久しぶりの食事をした。一緒に水もあったので、水もごくりと飲み干した。
明日になれば、屋敷に帰れる。そう思うとほっとした。
「院長様が、今日はここで寝ていいよって言ってた。お部屋に戻らないでここで寝る? 明日の朝まで」
「ええ、日の入る所が、やっぱり良い。地下室は日が当たらないから気分まで沈むわ」
ノエルは今日の昼食当番で、もう行かなきゃと部屋から出て行った。
私は最後の一日を保健室で過ごした。
ノエルは私が眠ってつまらなかったらしくて、外に遊びに行った。
で、寝てたら、水をぶっかけられた。
水をかけたのは凄く顔が不細工な女の子だった。
まず注目してしまったのは太い眉だった。目は細くて瞼に肉が付いていて、鼻は大きくどすんと顔の中心に居座っている。鼻から両頬にはそばかすが沢山あった。
唇は肉厚で突き出していた。たぶん、出っ歯のせいだろう。
「わ~! 濡れちゃったね! 早くそのドレス脱がなきゃ! ああ、一着しか持ってないのか~!」
「ニセモノ姫様可哀想~!」
2人もこの狭い部屋に入って来て、窮屈過ぎる。女王様らしき不細工な女の子とその取り巻きがひとり。うざいったらありゃしないわ。
『エア!』
私が呪文を唱えると濡れたドレスはすぐに乾いた。
「馬鹿みたい。あなた、顔が不細工なだけじゃなくて、心も醜いのね。わたくしは美しい者が好きなの。近寄らないで頂戴」
「何ですって!?」
「不細工を不細工と言ってどこが悪いの? 寝ているわたくしに水を掛けるのも常識が無いと思ったけど、美的感覚も常識が無いのかしら?」
私がそう言うと、部屋のドアが開いて、中に入って来たのはノエルだった。
女王様はノエルが部屋に入って来たのも気にせず、私を引っ叩いた。
たぶん、シスターシビルがこの子達にいつも平手打ちをしているんだろう、この子達は平気で人を平手打ちする。
「えっ!? 何、どうしたの?、やめなよブリアナ!!」
ノエルが驚いてブリアナを止めに入った。
「こいつが生意気過ぎるんだよ! 私の事、不細工って馬鹿にしやがって!」
「だからって、暴力はダメだよ!」
「あんた、誰の味方なんだよ!」
取り巻きのひとりがノエルに言った。
「私は皆の味方だよ? 皆ケンカしちゃ嫌だよ、仲良くしよ?」
「ノエルうざいっ!」
ブリアナはノエルの足を蹴って、蹲った所をさらに足蹴りした。
「止めなさいよ! ノエルは関係ないでしょ!」
「何、あんたたちお友達なわけ? 仲良しなんだ? こんな偽物なお姫様と? ねぇノエル? どうなの?」
「エリーは悪くないよ! 皆、エリーの事誤解してるんだよ!」
「止めなさいよっ!」
ブリアナがまたノエルを足で蹴ったのが我慢出来なかった。私はブリアナに突進して顔を引っ叩いて、髪の毛を引っ張ってやった。
「痛いぃぃ! 何すんのよっ! この馬鹿女!」
「うるさいわよ! あんたみたいなブス見た事ないわ! よく生きてその顔が晒せるわね!」
「うっせぇんだよおおおおおおっ!」
ブリアナに脛を蹴られて、私の何かがプチッっと切れた。
「あなたが先に手を出したのよ? 分かってるわよね?」
『ファイア!』
私が手を向けるとブリアナともう一人の髪に火が付いた。
「あははは! 燃えろ! 燃えろ! 汚らわしい平民が、このわたくしに手を上げるなんて……! 燃え尽きなさい!」
「「ぎゃあああああっ!! 熱いいいぃぃぃ!!」」
2人は火を消すために頭を叩きながら部屋を出て行った。
一階が大騒ぎになっている。
「大丈夫……ノエル?」
「うん、エリーは?」
「これくらい平気」
『ヒール!』
私は自分とノエルにヒールした。
「凄い! 痛いの無くなっちゃった! ありがとう」
「こちらこそ、ありがとう。庇ってくれたのに、巻き込んじゃってごめんなさい」
「悪いのはブリアナでしょ? よくわかんないけど」
「うん」
すぐに私の部屋のドアがノックされて、現れたのはプレイステッド侯爵様だった。
「エリザベス、君とちゃんと話がしたい。二階の院長室まで来てくれ」
「待って、院長様! エリーは悪くないよ! 私を助けてくれた!」
「ノエル……君は部屋にいなさい」
ノエルはしぶしぶ部屋の中に戻った。
私はプレイステッド侯爵様の後を付いて行った。
一階は大騒ぎで、皆が私を白い目で見て睨む。
ここに私の味方はいない。皆敵ばっかり。
二階の院長室に着くと、応接セットの個人椅子を勧められ座った。テーブルを挟んでプレイステッド侯爵様も座る。
「今朝、君の実の御両親に会って来た。君の身元引受人になって欲しいとお願いしたがダメだった。生活が苦しいそうだ」
「実の両親なんて、いたのね。ねぇ、その人達は生活が苦しいって、平民なの?」
「いや、子爵家の方だよ。だが、領地も狭く、商会の経営もしていない。荘園の収入だけで暮らしているそうだ」
「そう」
「……だから、君はずっとここで生活をしなくてはいけない」
真面目な顔で言われた。
「このままの状態では君はここで生活出来ない。考え方を変えるんだ!」
「あの不細工で愚かな子達のようになれと?」
「そんな言い方は良くない。もっと別の言い方があるだろう? それに、君は魔法を使ったそうだね? それで攻撃したと聞いた。今回は髪が燃えただけで怪我は無かった様だが、もし怪我をしていたら、君は罪人として番所に連れて行かれるぞ」
「ヒールをすればいいじゃない? それに、わたくしの身分はまだ貴族ですわ? 貴族は平民に何をしても捕まりません」
「今はな」
「もとはと言えば、あの子達が愚かな事をするからいけないのよ」
プレイステッド侯爵様は怒りを抑えながら膝に拳を握っていた。
「君は、自分が人を傷つけたという自覚や罪悪感は無いのかっ!?」
「『平民は人ではありません獣です』と、前にも言ったでしょ? 獣を殺すのに何の躊躇いがあると言うの?」
ため息をしたあと、侯爵様は小声で『どうしたらいいんだ……』と呟いた。
「わたくし、自分のお屋敷に帰りたいです。邪魔だと言うなら、どうか……わたくしを屋敷に帰して?」
「あんな乱暴されたのに、帰りたいんですか?」
「乱暴? 乱暴なんてされてないわ! ただ、地下室に閉じ込められただけ。何もされてない。体だって弄られてもいない。わたくしは清いままよ?」
「地下室に閉じ込めるのも虐待ですよ?」
「じゃあ、食事をくれないのは? 頬を叩かれるのは? 虐待じゃないの?」
「虐待ですね」
「ここのシスターシビルにされたわ。食事も殆ど食べてない。孤児院の方がお父様よりもわたくしを虐待してるわよ!」
「シスターシビルが? まさか?」
「ノエルに聞いたらいいわ。あの子は優しくしてくれるし、嘘も付かない」
「ノエルに……」
「わたくしを屋敷に帰して、お願い。帰りたいの!」
「暫く検討させて下さい」
私は自分の言いたいことだけ言うと部屋に戻った。そのあと、ノエルがシスターメグに呼ばれて行ったので、きっと話を色々聞かれてるんだなと思った。
お腹はすいてたけど、食欲も無いし、私はそのまま朝まで寝た。
三日目の朝。
ノエルは朝のお祈りで私を起こさなかった。私もお祈りなんてしたくないし。
ただ、だらだらしてた。お祈りの時間で誰もいないからか、全体的に静かだった。祈りの時間じゃなければ誰かの話し声がいつも聞こえているのに。
目を瞑って考えていた。
ここを抜け出そうかと。
昨日、プレイステッド侯爵様に屋敷に帰りたいと言ったら、考えると言ったけど、一体いつまで? 正直待つのが苦痛だった。
ここに居る人たちは私の事を傷つけようとしか考えていない。こんな中で私は我慢出来るんだろうか? 昨日だって殺しそうになった。
そんな事を考えていると部屋の外で男の子の声が聞こえた。
お祈りの時間なはずなのに?
「まだ寝てる、おら、入れよ」
「やめようよ、ディック! 僕、シスターシビルに怒られるの嫌だよ!」
「怒られねぇよ!」
私は寝台から起きて立ち上がった。
「あなた達何しにここへ? 男子は地下に来ちゃいけない決まりよね?」
「何しに? ってナニをしにきましたー! 貴族の女のあれに突っ込みたいと思って!」
「!」
ディックと呼ばれた少年が軽く言う。子分はおろおろしていた。
私が警戒しているとじりじりと私に近寄ってくる。
「下がりなさい! あなた怖くないの? わたくしは魔法が使えるのよ?」
「へっ! 使えやしないよ。お前、あの女達の髪燃やしただけだろ? ただの脅しじゃねぇか。怖いのはそっちだろ?」
「わたくしを普通の女の子と思わない方が身の為よ? 忠告はしたわよ?」
その時だった、部屋のドアが開いてノエルが入って来た。
「お祈りさぼちゃった~」
「ノエル逃げて!」
「え?」
ディックがノエルを捕まえて、持っていた紐で両手首を縛った。
「お前も足の方縛れ!」
「やめなさい!」
ノエルを床に寝かせてその喉に果物ナイフを当てた。
「俺、ノエルでいいわ。エリザベス、お前じゃなくて。こいつ、可愛いし」
「えっ、ディックずるいよ! ノエルはずっと僕が目をつけてたんだよ!」
「何を言ってるの! 止めなさい! ノエルから離れなさいよ!」
「いいからエリザベス、お前は黙って友達が犯されるのを見てろ!」
ディックが場所を変われと子分に言い、ノエルの足元に行くと、すぐにワンピースを捲り上げた。ショーツが露になり、それも剥ぎ取られ投げ捨てられた。
ディックはズボンと一緒に下着を脱いで自分の陰茎を出した。
恐怖で歪むノエルの顔。
子分はナイフを持ってノエルに頬に当てていた。
私は怒りで一杯になった。
私にいやがらせをするのならまだわかる。だけど、ノエルまで……。
「死ぬまで後悔しなさい」
『エアカッター!』
手のひらをディックに向けて唱えた呪文は、刃となってその陰茎を切り落とした。
ぽてっ、と小さな音と共に、一物が床に落ちた瞬間、ディックの股間から大量の血飛沫が飛び散った。
それを見ていた子分が持っていたナイフを落とした。
「ぎゃああああ!! い、痛てぇえええっ!! 俺の、俺のちんちんがああっ!!」
私は3人にゆっくり近づく。ディックも子分も後ずさった。
拾ったナイフでノエルを縛ってる紐を切った。
「くそっ! くそっ! 黙ってやられてたまるかあああっ!」
ディックが私に突進してきた。
『エアガード!』
そして、風の盾で吹き飛ばされた。
『エアカッター』
静かに言って、ディックの耳を切り落とした。
「ぎゃああああっ! 痛い、痛いぃぃぃ!」
切れた耳はぽとりと落ちて、頭から血がどんどん流れる。
「止血しないと、大変よ? ディック、だっけ?」
「うるせぇ!」
「橘や耳を失くしても、まだ反省できないのね」
『エアカッター』
ディックのもうひとつの耳もスパッと切れてぽとりと落ちた。
切れた部分からブシュー! っと血飛沫が飛び出す。
「へぇ、結構派手に血飛沫って飛び出すのね」
「お前悪魔かよ! 痛てぇっ! いてぇええよっ! ダン! 仇だ! 俺の仇を取れ!」
子分のダンはすっかり私に怯えてる様だった。
でも念のためだ。
「ダン、他人の言う事なんか、聞くもんじゃなかったと後悔させてあげる」
『エアカッター』
ダンの小指が切り落とされた。赤い血がどくどくと流れる。
「ぎゃあああっ!! 痛ぇえええっ!」
「二人とも早く止血した方がいいわよ?」
私は二人を放置してノエルに話しかけた。
「大丈夫? ノエル?」
「うん、でも、ディックもダンも痛そうだね」
「痛い目見たほうが反省するわよ。部屋が血生臭くて嫌になっちゃうわね」
「図書室に行く? 二階だけど」
「あら、落ち着けそう。いいわね、行きましょう」
「うん」
私とノエルは二人を部屋に放置して図書室に行った。
図書室に行く途中にプレイステッド侯爵様に会ったので、ノエルがディックとダンの事を話した。私の事を始終かばってくれていた。
私は二人を放置して一人で図書室に行った。
狭い部屋で蔵書もあまり無い。だけど、窓際の椅子に座ると緩い日差しが当たってとても落ち着けた。
一階がまた大騒ぎになっていた。侯爵様がいるならヒールして終了だろう。
だけど、切れた指も耳も性器も元には戻らない。
馬鹿な事をしたあの子達の代償は大きい。また呼ばれて説教されるかも……と思ったら憂鬱だった。
図書室には昼過ぎまでいた。
途中シスターメグが私に来た手紙を二通持ってきた。
シエラ様とアリア様だった。
今は寝台でその手紙を寝転がって読んでいる。
シエラ様はなるべく、事件に触れないようにしながらも、孤児院に行くことになった事が、自分がエルサレム侯爵様に言ってしまったからだと、謝罪する言葉も書いてあった。そして、平民と過ごすのは大変だと思うけど、頑張ってと励ましの言葉が書いてあった。
アリア様からの手紙は、孤児院に興味津々の様で遊びに行きたい、みたいな事が書いてあってげんなりした。本当にあの方は空気が読めない。
こんな所にいる私を、貴女なんかに見られなくないわよ! 分かりなさいよ! と大声で叫びたくなった。
ここにいると一日が凄く無駄に感じる。
いつもだったら、学校に通ったり、ダンスの練習や楽器の練習とか、マナー講習とか、沢山あるのに。
買い物も楽しい、ドレスや宝石を選んだり、好みの家具を揃えたり。
でも、此処に持ってこれたのはこのドレス一枚だけ。こんな生活耐えられない。
もし、私がお屋敷に戻れたとして、お父様は? 罪人になれば『貴族落ち』になってしまう。
私は頭を振った。お父様はそこまで悪人じゃない。
ただ、自分の娘と交合いたいという変態なだけだ。もし、お父様の罪が濡れ衣で、お父様もまた屋敷に戻ってきたら?
『花嫁』にすると言っていたお父様は本気だった。だから、私を地下室に閉じ込めた。でも、暴力なんて振るわなかった。食事だっていつもと変わらない美味しい物を地下室まで運ばせた。不自由なんてした事が無い。
私が屋敷に帰って、お父様もお屋敷に戻ったら……。
『花嫁』を断ったら、私はどうなるんだろう? それをまだ聞いてなかった。実の両親の所に追いやられるのかしら? でも実の両親は私の引取りを、貧しいからという理由で拒否した。血が繋がっているのに。
……もう、他に誰がいると言うの? 私に。
私にはお父様しかいなかった。実の父じゃないけど、私を愛してくれたのはお父様とお兄様達だけだった。だから、あの家族が本当の家族だと思ってた。
信じていたそれが、偽物だったなんて。
横に向くと涙が一滴零れた。
『花嫁』になっても、良いんじゃないかと思った。
私の事を一生愛して、一生守ってくれるなら。
だって、今までの生活を失うのは嫌だった。こんな所に来るまで、自分が幸せで何の苦も無い生活をしているなんて、思ってもみなかった。
もし、お父様が罪に問われず、お屋敷に戻ってくる事が出来たなら、私は『花嫁』になろう。そう、決心して眠った。
ここに来て四日目。
眠っていた私の顔色が悪かったらしく、ノエルが声を掛けて来た。
「エリー? エリー! 大丈夫? 食事行こう? お腹すいてるんでしょ?」
「わたくし、昨日もシスターシビルに食事抜きって言われたわ。明日も明後日もって」
「あれはシスターシビルが意地になってるだけだよ。謝ったらごはんくれるよ?」
「謝る? 嫌よ。わたくしは悪くないわ?」
「エリーの意地っ張り」
「心配してくれてありがとう、ノエル」
私はそう言って目を閉じた。体がだるかった。
しばらくすると誰かが私を抱き上げていた。目を開くとそれはプレイステッド侯爵様だった。
「ノエルが君が熱があると言って私を呼びに来た。君を二階の保健室に連れて行く。そこでゆっくり休むといい」
「……はい」
暫く眠っていた。
気が付くと窓から風がふわりと吹いていた。額には濡れたタオルが乗せられて、私に寄り掛かって寝ているノエルがいた。
「ノエル、起きて、わたくしの風邪が移ってしまうわ?」
「……んん。エリー起きたんだ」
ノエルは私の額にぱっと手を当てた。
「ああ、だいぶ下がったね~」
「ええ、楽になった。貴女のおかげよ」
「エリーは私と話すときは素直なのに……」
ガラッと音がして、保健室の引き戸が開いて、プレイステッド侯爵様が一枚の紙を持って現れた。
「あなたを屋敷に帰します。それに当たっての書類です。自分の意思で帰ると、ここに書いてサインして下さい。今日城に提出すれば、明日には帰れます」
「わかりました」
私は起きて、机の上でそれを書いてサインして渡した。侯爵様はそれを持って城へ向かった。
「エリー、お屋敷に戻っちゃうんだね……」
「わたくしはここでは生きて行けないわ。問題ばかり起こしてるもの」
「エリーが悪いわけじゃないよ。私の事、助けてくれたもん」
「あの子達、どうなったの?」
「耳無しディック、指無しダンって呼ばれてる! おかしいよね! あははっ」
「あれを切られた事は皆知らないのかしら?」
「院長様が男の沽券に関わる事だから皆に言うなって、私に言った」
「まぁ、でも、あれじゃあ、大人になる楽しみがひとつ減ったわね」
「そうだね! 根元からスパって切れてたもんね! 使い物にならないよ! あははっ」
二人で笑っていると、シスターメグがおかゆを持って来てくれた。ちゃんとシスターシビルの許可も取っているらしい。
「シスターシビル、反省したのかなぁ?」
「違うわよ。私が屋敷に帰ることになったから、訴えられるのが怖いんでしょ?」
シスターメグはおかゆを置くとすぐに行ってしまった。
私は久しぶりの食事をした。一緒に水もあったので、水もごくりと飲み干した。
明日になれば、屋敷に帰れる。そう思うとほっとした。
「院長様が、今日はここで寝ていいよって言ってた。お部屋に戻らないでここで寝る? 明日の朝まで」
「ええ、日の入る所が、やっぱり良い。地下室は日が当たらないから気分まで沈むわ」
ノエルは今日の昼食当番で、もう行かなきゃと部屋から出て行った。
私は最後の一日を保健室で過ごした。
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