異世界坊主の成り上がり

峯松めだか(旧かぐつち)

文字の大きさ
11 / 274
1章 山男のサバイバル

襲撃しよう

しおりを挟む
 いくつか運ばれてきた簀巻きは集落の中心の広場らしいところで荷ほどきされていた、簀巻きが解かれても逃げないようにロープで縛ってある、結構知能高いな、あいつらの装備皮製品やら金属機有るけど自分達で使ってるのか?そうだったら下手に手を出すと死ぬな、罠の設置までする奴だったら俺だけだと死ぬ、あいつら夜行性なのか昼行性なのかなのかもわからんけど、罠鑑定も夜やると死ぬし、安全第一では時間と人手が足りん、そんな事を考えているうちに荷ほどきが終わったらしい、男二人に女一人、遠目だが骨格で何となくの判別である、男をひっくり返して吊るして、あ。

「見ない方がいいぞ。」

 そう言って目をふさごうと抱き着いたところで吊るされた男は首を斬られた、あれは効率よく美味しく血抜きする方法だ、男は純粋に食料とされるらしい、バケツのようなもので血を受けてその血を飲んでいる、アフリカの原住民が家畜殺す時の流れだ・・・、効率よくあっという間に腑分けされていく、男二人はあっという間に肉にされてしまった、女は一人そのまま残されている、だがこれ、次があるパターンだ・・、そんなことを考えついてしまったところで実際に一回りでかいのが出てきた、どうするのかと思ったら女を担いで比較的大きい建物に引っ込んだ、そこは効率よく輪姦じゃないのかと安心しつつ、この集落壊滅させる算段を考え始めた、目をふさぎ損ねた灯はそのまま見てしまったらしく又固まっている。

「あれ、皆殺しで良いんだよな?」

 灯はびくりとこちらを振り返りかくかくと頷いた。



 石を投げて茂みの中に誘い込んで少しずつ数を削る。獲物は最初に拾ったこん棒と靴で十分らしい、敵の数は上から見た分で60匹ぐらいか、ある程度、半分以上削れたら嬉しいが、金属製品や服のような端切れも補充できる、自前のナイフもこれなら今回はぎ取った分で代替わりできそうだが、ナイフというよりは鉈のような鈍らばっかりだった、それでも無いよりはいいし、問題なく使える、あの人斬ってたナイフは切れそうなのだが、10匹ほどつぶしたしたところで見回りが来なくなった、あんまり減らなかったか。

 火おこしをして端切れと獣油を混ぜて巻き付けて松明を作る、昼間から火責めは効果が薄いかもしれないが、集落の周辺に移動しながら適当にばらまいて歩く、燃え広がってきたのを確認しつつ、例の大きい建物に乗り込む、お楽しみ中だった・・例のでかいのよりさらにでかいのが腰を振っている、そんなものに気を取られた所で横から攻撃が飛んできた、こいつはホブゴブリンであっちはキングと言った所か、ファーストアタック取られたのが痛いな、二匹同時に来られても困るので逃げる、大分燃え広がったのかさっき出てこなかった奴らがぎゃーぎゃーと騒いでいる、おかげでこっちが囲まれない、扉から出たところで振り向きざまに首元に鉈を叩き込む、ホブは即死はしなかったようなのでもう一度振りかぶって叩き込むと動かなくなった、これでこの中に居るのはあのキングだけだか、覗き込もうとしたところで槍が出てきた、思わず仰け反ってかわす、後ろに下がって逃げたところで追いかけるように出てきた、太陽の下でキングの体がはっきりと見える、身長は2m強、ホブは1.5m程度で、通常は1m程度の小人だが、これは固そうだ・・攻略手順を考えてげんなりする、ぶおんと横なぎに槍が振るわれた、咄嗟に下がって距離を取ろうとしたところでキングの槍が伸びた。咄嗟に鉈で受け止める、ってこいつ槍術できるのか、振っている最中に手を緩めると遠心力で持ち手の位置がずれて当たり判定が伸びるのだ、距離取ると更に伸びかねないので、懐に踏み込まないと余計に不味い、左手にナイフも構え、キングが槍を振りきった動作に合わせて懐に飛び込む、キングの口角が上がった気がした、槍を手放して掴みにかかってくる、咄嗟に左手のナイフでキングの脇腹を引っ掻きつつ横を抜ける、浅い・・・皮一枚、相手の筋肉が多すぎてナイフが入らない、毒にイチイの種塗っておいたけど、効くのかな?

 相手は槍を悠々と持ち直して構えた、こっちからの追撃も問題ないということだろう、これはちょっときつそうな・・



 相手の攻撃を鉈でそらしつつ左のナイフで浅く傷をつけるのを繰り返す、暫くすると相手も焦れてきたようだ、動きも雑になってきている、だからと言って懐に飛び込むと掴まれて死にそうだし、このまま長引くと今は混乱しているが戻ってきた小さい奴らに囲まれかねない、この毒はそこまで即効性は無いので一旦逃げよう、そんなことを考えているうちに大ぶりな攻撃の隙間で体勢が崩れ顔のラインが開いた、咄嗟に目玉にナイフを突き刺して離脱する、ぎゃあとキングが悲鳴を上げる、槍を落とし無くした目玉を抑えてうずくまる、こうなると意外と追撃しにくいが、キングが落としていた槍を拾い無防備な首にたたきつけた、ぎゃあという様子で背筋が伸びる、上がった顔の残った目玉めがけて槍を突き刺す、打ち漏らすと追いかけてきそうなので念入りに脳の中をかき混ぜるようにぐるりと回す、ビクンと一瞬跳ねて動かなくなった、止め刺し完了・・・。刺さった槍を引き抜いてぐるりと回して血糊を飛ばす、持った時にはちょっと重かったが慣れたのか大した重さを感じない、さて、残り物をどうにかするか・・・視界の端に居たゴブリンを追いかけはじめた。



 視界に見える分は大体潰したが、最初に見た分より大分少ない、森の中に逃げられたか、こうなると追撃は無理だ。早々に追撃を諦め、空いている家に入って物を物色する、金属製の鍋ゲット、刃物類もある程度補充できたのでこれで生活には困らない。さて、ここで一夜明かすと多分帰ってきたやつらに寝込み襲われるな、逃げるか。





 集落から離脱して森の中に入り呼び出すと灯が出てきた。

「無事?」

「どうにか・・・」

 横にはさっきの少女が灯の肩を借りて立っている、立っているのも辛そうだ。

「それならよかった、ちょい逃げるぞ。」

 そう言って少女を背負って走り出す、灯はそのまま走ってもらう、しばらく走ったところでやっと一息ついた、灯も立ち止まり、俺も少女を下ろしてため息をつく。

「ここまでくれば多少は安心か?」

 お互いゼイゼイと息が上がっている、人一人担いで走るのはさすがに疲れた、逃げ道途中で荷物も無事回収できた、気が付くともう暗い時間だ、これ以上は移動できないのでツェルトと焚火を作って夕食を食べる、狼の肉はまだあったので大丈夫だ、ビタミンのことはこの際気にしない。

「はいどうぞ。」

 串に刺して焼いた肉を渡す、自分でも先に一口食べて見せる、毒物ではないというアピールだ、少女は食欲なさそうに小さく齧っていたが、段々と食が進んでいく、食べ終えたのか落ち着くとボロボロと泣き出した、まあそんなもんだろう。

 俺と灯は顔を見合わせて苦笑して、自分の分も食い終えて、少女が泣き止むのを待った。
しおりを挟む
感想 256

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界から元の世界に派遣された僕は他の勇者たちとは別にのんびり暮らします【DNAの改修者ー外伝】

kujibiki
ファンタジー
異世界で第二の人生の大往生を迎えた僕は再びあの場所へ飛ばされていた。 ※これは『DNAの改修者』のアフターストーリーとなります。 『DNAの改修者』を読まなくても大丈夫だとは思いますが、気になる方はご覧ください。 ※表紙は生成AIで作ってみたイメージです。(シャルルが難しい…)

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

構造理解で始めるゼロからの文明開拓

TEKTO
ファンタジー
ブラック企業勤めのサラリーマン・シュウが転生したのは、人間も街も存在しない「完全未開の大陸」だった。 ​適当な神から与えられたのは、戦闘力ゼロ、魔法適性ゼロのゴミスキル《構造理解》。 だが、物の仕組みを「作れるレベル」で把握できるその力は、現代知識を持つ俺にとっては、最強の「文明構築ツール」だった――! ​――これは、ゴミと呼ばれたスキルとガラクタと呼ばれた石で、世界を切り拓く男の物語。

ガチャで領地改革! 没落辺境を職人召喚で立て直す若き領主

雪奈 水無月
ファンタジー
魔物大侵攻《モンスター・テンペスト》で父を失い、十五歳で領主となったロイド。 荒れ果てた辺境領を支えたのは、幼馴染のメイド・リーナと執事セバス、そして領民たちだった。 十八歳になったある日、女神アウレリアから“祝福”が降り、 ロイドの中で《スキル職人ガチャ》が覚醒する。 ガチャから現れるのは、防衛・経済・流通・娯楽など、 領地再建に不可欠な各分野のエキスパートたち。 魔物被害、経済不安、流通の断絶── 没落寸前の領地に、ようやく希望の光が差し込む。 新たな仲間と共に、若き領主ロイドの“辺境再生”が始まる。

【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~

シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。 前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。 その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。

悪徳領主の息子に転生しました

アルト
ファンタジー
 悪徳領主。その息子として現代っ子であった一人の青年が転生を果たす。  領民からは嫌われ、私腹を肥やす為にと過分過ぎる税を搾り取った結果、家の外に出た瞬間にその息子である『ナガレ』が領民にデカイ石を投げつけられ、意識不明の重体に。  そんな折に転生を果たすという不遇っぷり。 「ちょ、ま、死亡フラグ立ち過ぎだろおおおおお?!」  こんな状態ではいつ死ぬか分かったもんじゃない。  一刻も早い改善を……!と四苦八苦するも、転生前の人格からは末期過ぎる口調だけは受け継いでる始末。  これなんて無理ゲー??

処理中です...