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3章 活躍する坊主
武器屋にて 槍の受け取り(時系列56話後、買い物と石鹸の辺り)
しおりを挟む「出来てますか?」
武器屋に入って店主に声をかける。
「おう、ちゃんと作ってあるぞ、これで良いか?」
指定通りの十字槍が出てきた、良い輝きだ。
「はい、合ってます。」
「棒の方をよこせ、留め具の部分を加工してやる。」
穂先の根元の穴には出っ張りと留め具の穴が有るが、棒の方はただの棒なのでそんな加工は付いて居なかった。
手元に持って居た棒を、お願いしますと預ける。
店主は受け取ると、カツンカツンと鏨で溝を掘っていき、足踏み式のドリルで穴をあける。穂先をはめるとぴたりとハマった。
「これで良いか?」
出来上がった槍を渡して来る。
受け取って付け外しを試してみる、目釘を抜いて穂先の根元を掴んで回すと外れると言う事らしい、当然だが組み換えは少し手間だな。
「わかってるとは思うが、こういう物は組み換え前提だと壊れるからな、気をつけろよ?」
「わかってます。」
「一応鞘も作ってあるから、持ち歩くときはこれに入れて置け。」
鞘も付いて居た、ちゃんと留め具も付いて居るので事故ることは無さそうだ。
「言うまでも無いが、重心バランスは変わるから間違えるなよ?」
「はい。」
「どうせだからこれも買っていかないか?」
デンと重量武器が出てきた、片斧で戦斧を兼ねるウォーハンマーだった。
「流石に其れは方向性が違うのでは?」
「良いから振ってみてくれ。」
取り合えず受け取って。裏にでて振り回してみる、流石に重い、最低でも先の部分が20~30キロは在りそうで、柄の部分は木製なので重心バランスは完全に先端である。
重さに合わせて遠心力で振り回す。流石に止めると腰をやりそうなので振りぬく。
一撃の重さの関係で、前回のドラゴンゾンビの時なら骨を砕くのに使えたかもしれないが。
「流石に重いです。」
ハンマー戦闘は流石に技数が足りない、遠心力と重量による振り下ろしと薙ぎ払いだけでは流石に戦えない。当たれば死ぬが、遅いので相手の動きを先読みして当たる位置に振りぬかなくてはならない、こう言った重量武器は本当に脳筋では扱えないのだ。
若しくは頭の根元を持っての柄の部分での突き技である。地味だが・・・
そんなフルプレートメイル相手に出番が有るか怪しいと言うか、そういう時あるのか?
装甲生物やトレント辺り?大型甲殻類?
「そんなこと言うな、お前なら使えそうだと言う事で悪乗りして作ったんだが、この辺で使えるのがお前だけだ。他の奴らでは持ち上がりすらしない。」
「そんなもん前回来ただけの俺名指しで作ってどうするんですか。」
「知らん、ロマン武器を作るのは武器屋の趣味だ。さっきの見る限り使えるんだから大丈夫だろう?」
「そんな趣味に巻き込まれても・・・」
「ドラゴンゾンビの骨も砕けるぞ?」
予想外のセリフが出てきた。極秘じゃなかったのか?
「ギルマス黙ってろって・・・」
「あいつとは古い付き合いだから俺には筒抜けだ。」
「はあ・・」
取り合えずため息を付いて置く。
「置きっぱなしでも死蔵在庫になるから安くしといてやる。」
「どれぐらい安いんです?」
値段だけ聞いてみようか、と言う様子でエリスが混ざってきた。灯は我関せずと言う様子で他の武器を手に取って確認している。
「金貨1枚にしておいてやる。ほぼ材料費だ。」
「分かりました、買います。」
問題無いらしい。無駄使いと怒られるかと思ったが、まあ選択肢が増えるのは良い事か。
ギルド証から金貨を取り出して払う。
「毎度、又面白いの作ってやるから。」
にやりと店の親父が笑った、この親父、損はしてないなと納得した。
武器屋視点
無事悪乗りで作った重量武器が売れてほっとした。
結局ここいらで一番の力自慢を誇っていた深紅の翼のサイクが持ち上げられるだけで振りぬけなかったのだ、あの和尚以外振り抜けなかったのは伊達では無い。
丁度出来上がった時に店に来たので試しに持たせてみたのだが、使い物に成らなかった。
ちなみに作った俺自身も振れない事も無い程度なのでやりすぎたとは思っている。
それはそうと、あの少女、一人で何でもかんでも持ち上げていたが、あの棚に置いて有ったのは重量物で。易々と持ち上がるじゃない筈だが、見た目よりも力が有るのだろうか?
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