異世界坊主の成り上がり

峯松めだか(旧かぐつち)

文字の大きさ
208 / 274
6章 変な石とその後の話

第207話 神(ネコ)と和解せよ

しおりを挟む
 準備が出来たら馬車で送迎するので、準備をお願いしますと言う事に成って、一時解散した所で、改めて作戦会議となった。
「そもそも魔法では治らんのか?」
 今更根本的な所をエリスに確認する。
「治ってたら誰も苦労しないです、病気の類には魔法は無力なんです」
 エリスが当然の知識だと言う様子で答えてくれる、少し呆れ気味だ。
「そうでも無いとこっちに声はかからんよな」
 当然なので納得する。
「所で、ペストにワクチンなんて有りましたっけ?」
 灯が怪訝な困り顔で質問してくる。
「いや、無いな、恐らく俺達から見て未来でも・・・」
 EXに意見を促す。
「その通りだな、未だにワクチンは作れていない事に成って居る」
 EXから予想通りの答えが返って来た。
「対処療法用の薬を化学合成できる?」
 ダメ元で聞いて見る。
「候補はフルオロキノロン、アミノグリコシド、テトラサイクリン系の抗菌薬か、薬物合成は流石に専門外」
 予想通りの無茶振りだったらしい。
「そもそも、EXで薬品合成出来ても、その後俺達とEX抜きで対処出来なきゃ意味無いしな」
 聖人君主な人助けをするにも無理がある。
「最終合成物質を無い物強請りするより、放線菌からクロラムフェニコールとストレプトマイシン系の抗生物質作った方が早いと思うぞ?」
 EXから次点としては最上の物質が提案された、虚空の蔵でアカシックレコードから読み込んでも薬品の原料を辿るのは結構な手間なのでコレは助かる。
「効果同定と培養に時間かかるな・・・・」
 前回の鉛を食う巨大放線菌、ケサランパサランの培養と薬品精製にも、培養と実験で数ヶ月単位だった。
「じゃあ、方法は?」
 エリスが首を傾げる。
「薬師如来のインチキドーピングと・・・・神(ネコ)と和解せよ、だな」
 何気に指差した先、ギルドの外には何故か子供達、ヒカリとイリス、ウルザを背中に乗せたまま散歩するぬーさんが居た、因みに、現在ぬーさん体高1m体長2m、体重150キロ程なので子供3人程度ではビクともしない、全員で30キロぐらいは有る筈なのだが・・・
 ぬーさんは器用に背中から落とさずに、子供達も落ちずに楽し気に器用にしがみ付いて居る・・・
 因みに、ヒカリとイリス、ウルザは二足歩行始まったばかりの2~3歳であるのだが、ぬーさんにしがみ付く分には十分と言うか、落ちた所を見た事が無い。
 少し年の離れたリーオは鳥のあーさんと一緒に寝ているのだろう、因みに、青いから「あーさん」らしい、ネーミングと言うか犯人は安定の灯である。
「って、何でこんな所に?!」
 灯とエリスがぬーさんを追いかけて走り出した。
「おかーさんだ~」
 きゃっきゃと子供達が悪気無く笑う、子供達がちゃんと靴履いて居る辺り、義母上とクリス辺りがちゃんと把握してそうだが、庭で遊んでいて其のまま出てきた類か?
「何処行くんだ?」
 聞いて見る。
「しらな~い」
「ね~」
「ねこかいぎ~」
 モフモフしてそうな伝説で魅惑なアレの名前が出て来た。
「私達もついて行っても良い?」
 当然の様に灯が食い付いた。ぬーさんは付いて来るならご自由に? と言った感じの視線を送ると、気にした様子も無く歩き出した。

 広場にはモフモフの毛玉達が集まっていた。
 現在の季節は収穫も終わった秋の良く晴れた小春日和、そろそろ上がり込む家を決める為に会議中(?)なのだろう。
 やる気無さそうににゃあにゃあ言いながら地面に転がって居るだけだが・・・
 灯と子供達が適当な仔猫を抱えて楽しそうにしている、エリスは何も其処までする物でもと言う表情をしながら別の子猫をもふもふと撫でていた。
 この地方では、寒い冬を乗り越える為に仔猫が人の家に上がり込むと言う謎の風習(?)、冬越し猫と言うイベントが有るのだ。今現在横に居るぬーさんは其のまま居ついたレアケースである。
「これで冬の行き場所とか決めてるのか?」
「なあ(そう)」
 ぬーさんは話しかけると普通に返事を返してくれる、括弧の部分はこっちの勝手な脳内補間だが、何となく話が通じている感はある。
「鼠駆除に何匹か猫手が欲しいんだが、借りて行っても良いか?」
「なあお?(ちゃんと返せよ?)」
「連れて行って良いのは?」
「ごろごろ(こいつ等)」
 ぬーさんが立ち上がって何匹か子猫を纏めて首根っこを咥えて此方に運んで来る。
 初見だと結構驚く光景だが、仔猫達は驚いた様子も無くぐてーっとぶら下がって居るので特に問題の無い運び方なのだろう。
 纏めてこっちの目の前で口を放して仔猫達を落下させる。
「おっと」
 咄嗟に下手で受け止める。
 仔猫達が腕の中に納まった、にゃーにゃーと口々に鳴いて居る。
 尚、子猫と言うには既に大きい、体長で40センチの上、重さで一匹3キロの上は有る、其れが5匹ほど、結構な重量感である。
 ぬーさんが鼠狩りに選んだだけ有って、既に結構な筋肉が有るらしく、妙な力強さを感じる。柄がバラバラなので、豹やらジャガーやら虎っぽいのやら色々だ。
「まあぉ?(大事にな?)」
「有り難う」
 驚くほど話が早かった。会話に成って居るのか怪しいのだが・・・

しおりを挟む
感想 256

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界から元の世界に派遣された僕は他の勇者たちとは別にのんびり暮らします【DNAの改修者ー外伝】

kujibiki
ファンタジー
異世界で第二の人生の大往生を迎えた僕は再びあの場所へ飛ばされていた。 ※これは『DNAの改修者』のアフターストーリーとなります。 『DNAの改修者』を読まなくても大丈夫だとは思いますが、気になる方はご覧ください。 ※表紙は生成AIで作ってみたイメージです。(シャルルが難しい…)

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

構造理解で始めるゼロからの文明開拓

TEKTO
ファンタジー
ブラック企業勤めのサラリーマン・シュウが転生したのは、人間も街も存在しない「完全未開の大陸」だった。 ​適当な神から与えられたのは、戦闘力ゼロ、魔法適性ゼロのゴミスキル《構造理解》。 だが、物の仕組みを「作れるレベル」で把握できるその力は、現代知識を持つ俺にとっては、最強の「文明構築ツール」だった――! ​――これは、ゴミと呼ばれたスキルとガラクタと呼ばれた石で、世界を切り拓く男の物語。

ガチャで領地改革! 没落辺境を職人召喚で立て直す若き領主

雪奈 水無月
ファンタジー
魔物大侵攻《モンスター・テンペスト》で父を失い、十五歳で領主となったロイド。 荒れ果てた辺境領を支えたのは、幼馴染のメイド・リーナと執事セバス、そして領民たちだった。 十八歳になったある日、女神アウレリアから“祝福”が降り、 ロイドの中で《スキル職人ガチャ》が覚醒する。 ガチャから現れるのは、防衛・経済・流通・娯楽など、 領地再建に不可欠な各分野のエキスパートたち。 魔物被害、経済不安、流通の断絶── 没落寸前の領地に、ようやく希望の光が差し込む。 新たな仲間と共に、若き領主ロイドの“辺境再生”が始まる。

【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~

シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。 前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。 その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。

悪徳領主の息子に転生しました

アルト
ファンタジー
 悪徳領主。その息子として現代っ子であった一人の青年が転生を果たす。  領民からは嫌われ、私腹を肥やす為にと過分過ぎる税を搾り取った結果、家の外に出た瞬間にその息子である『ナガレ』が領民にデカイ石を投げつけられ、意識不明の重体に。  そんな折に転生を果たすという不遇っぷり。 「ちょ、ま、死亡フラグ立ち過ぎだろおおおおお?!」  こんな状態ではいつ死ぬか分かったもんじゃない。  一刻も早い改善を……!と四苦八苦するも、転生前の人格からは末期過ぎる口調だけは受け継いでる始末。  これなんて無理ゲー??

処理中です...