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6章 変な石とその後の話
第219話 死にかけ坊主
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ゴフッ! ゴフッ!!
びちゃり
ゲ・・・
何時もの様に看病していた所で、不意打ちの咳の直撃を食らってしまった、当然のようにマスクその他の防備を整えてはいたのだが、今回は防御抜けた感が有ると言うか、まともに唾液系の飛沫を被ってしまったので危ない。
少し遠くで見ていたサンも、あちゃ~と言う様な、何とも言えない表情を浮かべて居た。
「すいません、洗って来ます」
急いで退避する。
ペストの感染ルートは蚤虱(のみしらみ)が有名だが、唾液系の飛沫感染も十分強い、咳やクシャミの半径1~2mは十分な感染範囲だ。
訳が分からない物に成ると、患者の瘡蓋(かさぶた)を剥がして半年放置した物からでも感染すると言われている、元から感染力が可笑しな病気なのだ。
被害が広がらない様に気を付けつつ、服を脱ぎ、水を被って石鹸で全身を洗う、もう念入りに目玉から鼻の穴までゆすぐ様に・・・・
洗濯中の灯達の所に洗い物の追加を頼みに持って行く。
石鹸で洗えば黒死病であろうとウイルスの殺菌は可能なので石鹸による洗濯は防疫の基本となる。
因みに、中世ヨーロッパでの流行の際には逆に風呂に入ると皮膚が薄くなって病にかかりやすくなるというデマが強く成り、逆に蚤虱を増やし、患者を増やして居た。
現在この世界ではそのデマは無い様でまだ平和では有るが。
「大丈夫ですか?」
「分からん」
「今からでも薬を?」
「あくまで体内で増えてからじゃ無いと効かんと言うか、あの薬に予防の効果は無いから、現時点では発症するかしないかの様子見するしか方法が無い」
今作って居るのはあくまで抗生物質であって、予防薬(ワクチン)では無いのだ。
灯とエリスがあれこれとパニック気味に提案してくるが、基本的に発症済みの患者しか来ないので発症前の患者と言うのは逆にレア物だ、そして、発症前の患者と言うのは果てしなく扱いに困る存在だ。
「そんな気にするな、薬は発症してからで良いし、そもそも確定してる訳じゃ無いけど、暫く布団と寝室は別だな」
潜伏期間は1日から1週間程、まあ、発症する迄は暫く現場に居られるし、投薬から2週間程で順を追って復活退院して行くから、投薬を開始して1週間以上経過して、段々と快方に向かっている患者もいるので、こっちが倒れた頃には一段落している筈・・・
後日
灯視点
「和尚さんが倒れました!」
リカが青い顔をして走って来た。
「だから無理するなって!」
思わず叫んで走り出す。
サンさんが何とも言えない様子で仰向けに倒れている和尚さんの手を握って居た。
「心臓が・・・」
しんぞうが・・・?
そんなばかな?
和尚さんの首もとに触れて心臓の音を確認する。
音がしない?
うそだあ?
口の辺りに手を持って行く、呼吸も無い?
思わず力づくで服を左右に引っ張って脱がせる。
服の下の皮膚に黒い部分がぽつぽつと出来ていた。
どうやら発症済みだった様子だ、やせ我慢にしてもこの不意討ちは勘弁してほしい。
胸に耳を付けて心音を確認する。
ほらこんなにあったかくて?
「何で動いて無いんですか?!」
思わず叫んだ、心音が聞こえないのだ。
「今更一般人のフリ何て誰得なんですよ!」
思わず叫ぶ、本気で誰得だ、少なくとも私達には得する要素が無い。
「EX! 心肺蘇生! カウンターショック!」
思わず次の瞬間近くに居た蛇型のEXをむんずと掴み、和尚さんの胸にたたきつけて指示を叫ぶ。
「想定外の使用には色々保証が・・・」
「良いんです! 私が良いって言いました!!」
EXが無機質な声で警告を発するが、言い終わる前に良いからやれと半泣きで叫ぶ。
「どうなっても知らないぞ」
EXはそう答えると、平べったく形態を変えて位置を整える、通電しやすくするらしい。
「チャージ中 ハナレテイテクダサイ」
ビクン!
バタン!
和尚さんの身体が一瞬痙攣するように動き、ばたりと落ちる。
リカとロニ、サンさん、エリスちゃんが驚いた様子で息をのむ。
「チャージ中 もう一回」
EXの何時もより無機質な声が響く。
「起きてください!」
呼び戻しの声にしては色気の無い私の叫びが響き。
次の瞬間和尚さんの身体が跳ね。
和尚さんがゲホゲホと呼吸を再開した。
ふひぃ・・・・・
思わず安堵の息を吐く。
「あれ? どうした?」
先程迄の此方の大騒ぎを知らない様子で弱弱しく呟く。
「脅かさないで下さい!」
思わず抱き着いた、エリスちゃんも安心した様子で抱き着いてきた。
強く抱きしめすぎて、勢いあまって和尚さんを締め落としそうになったのは秘密だ。
そして、人を生き返らせた蛇として、EXが一種の信仰対象に成ってしまったのは
また別の話。
追伸
ペストの中期症状の一つ。一時的な心肺停止です、うっかりこのタイミングで埋められると其のままお亡くなりだったり、掘り返した挙句に吸血鬼扱いされて心臓に杭を打たれたりします。
確実にEXのこの使い方は灯しか出来ない。
AEDの使用は一分一秒を争います、付けるか付けないかは救助人が決めるのでは無く、倒れていて心音が聞こえない時点で張り付けましょう、電気ショックが要るかどうかはAEDが勝手に判断します。
セクハラだのなんだのに関しては、緊急避難の救命行動は法的に無敵と言う事で
開き直りましょう、まともな裁判官なら無罪ですので。
びちゃり
ゲ・・・
何時もの様に看病していた所で、不意打ちの咳の直撃を食らってしまった、当然のようにマスクその他の防備を整えてはいたのだが、今回は防御抜けた感が有ると言うか、まともに唾液系の飛沫を被ってしまったので危ない。
少し遠くで見ていたサンも、あちゃ~と言う様な、何とも言えない表情を浮かべて居た。
「すいません、洗って来ます」
急いで退避する。
ペストの感染ルートは蚤虱(のみしらみ)が有名だが、唾液系の飛沫感染も十分強い、咳やクシャミの半径1~2mは十分な感染範囲だ。
訳が分からない物に成ると、患者の瘡蓋(かさぶた)を剥がして半年放置した物からでも感染すると言われている、元から感染力が可笑しな病気なのだ。
被害が広がらない様に気を付けつつ、服を脱ぎ、水を被って石鹸で全身を洗う、もう念入りに目玉から鼻の穴までゆすぐ様に・・・・
洗濯中の灯達の所に洗い物の追加を頼みに持って行く。
石鹸で洗えば黒死病であろうとウイルスの殺菌は可能なので石鹸による洗濯は防疫の基本となる。
因みに、中世ヨーロッパでの流行の際には逆に風呂に入ると皮膚が薄くなって病にかかりやすくなるというデマが強く成り、逆に蚤虱を増やし、患者を増やして居た。
現在この世界ではそのデマは無い様でまだ平和では有るが。
「大丈夫ですか?」
「分からん」
「今からでも薬を?」
「あくまで体内で増えてからじゃ無いと効かんと言うか、あの薬に予防の効果は無いから、現時点では発症するかしないかの様子見するしか方法が無い」
今作って居るのはあくまで抗生物質であって、予防薬(ワクチン)では無いのだ。
灯とエリスがあれこれとパニック気味に提案してくるが、基本的に発症済みの患者しか来ないので発症前の患者と言うのは逆にレア物だ、そして、発症前の患者と言うのは果てしなく扱いに困る存在だ。
「そんな気にするな、薬は発症してからで良いし、そもそも確定してる訳じゃ無いけど、暫く布団と寝室は別だな」
潜伏期間は1日から1週間程、まあ、発症する迄は暫く現場に居られるし、投薬から2週間程で順を追って復活退院して行くから、投薬を開始して1週間以上経過して、段々と快方に向かっている患者もいるので、こっちが倒れた頃には一段落している筈・・・
後日
灯視点
「和尚さんが倒れました!」
リカが青い顔をして走って来た。
「だから無理するなって!」
思わず叫んで走り出す。
サンさんが何とも言えない様子で仰向けに倒れている和尚さんの手を握って居た。
「心臓が・・・」
しんぞうが・・・?
そんなばかな?
和尚さんの首もとに触れて心臓の音を確認する。
音がしない?
うそだあ?
口の辺りに手を持って行く、呼吸も無い?
思わず力づくで服を左右に引っ張って脱がせる。
服の下の皮膚に黒い部分がぽつぽつと出来ていた。
どうやら発症済みだった様子だ、やせ我慢にしてもこの不意討ちは勘弁してほしい。
胸に耳を付けて心音を確認する。
ほらこんなにあったかくて?
「何で動いて無いんですか?!」
思わず叫んだ、心音が聞こえないのだ。
「今更一般人のフリ何て誰得なんですよ!」
思わず叫ぶ、本気で誰得だ、少なくとも私達には得する要素が無い。
「EX! 心肺蘇生! カウンターショック!」
思わず次の瞬間近くに居た蛇型のEXをむんずと掴み、和尚さんの胸にたたきつけて指示を叫ぶ。
「想定外の使用には色々保証が・・・」
「良いんです! 私が良いって言いました!!」
EXが無機質な声で警告を発するが、言い終わる前に良いからやれと半泣きで叫ぶ。
「どうなっても知らないぞ」
EXはそう答えると、平べったく形態を変えて位置を整える、通電しやすくするらしい。
「チャージ中 ハナレテイテクダサイ」
ビクン!
バタン!
和尚さんの身体が一瞬痙攣するように動き、ばたりと落ちる。
リカとロニ、サンさん、エリスちゃんが驚いた様子で息をのむ。
「チャージ中 もう一回」
EXの何時もより無機質な声が響く。
「起きてください!」
呼び戻しの声にしては色気の無い私の叫びが響き。
次の瞬間和尚さんの身体が跳ね。
和尚さんがゲホゲホと呼吸を再開した。
ふひぃ・・・・・
思わず安堵の息を吐く。
「あれ? どうした?」
先程迄の此方の大騒ぎを知らない様子で弱弱しく呟く。
「脅かさないで下さい!」
思わず抱き着いた、エリスちゃんも安心した様子で抱き着いてきた。
強く抱きしめすぎて、勢いあまって和尚さんを締め落としそうになったのは秘密だ。
そして、人を生き返らせた蛇として、EXが一種の信仰対象に成ってしまったのは
また別の話。
追伸
ペストの中期症状の一つ。一時的な心肺停止です、うっかりこのタイミングで埋められると其のままお亡くなりだったり、掘り返した挙句に吸血鬼扱いされて心臓に杭を打たれたりします。
確実にEXのこの使い方は灯しか出来ない。
AEDの使用は一分一秒を争います、付けるか付けないかは救助人が決めるのでは無く、倒れていて心音が聞こえない時点で張り付けましょう、電気ショックが要るかどうかはAEDが勝手に判断します。
セクハラだのなんだのに関しては、緊急避難の救命行動は法的に無敵と言う事で
開き直りましょう、まともな裁判官なら無罪ですので。
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