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6章 変な石とその後の話
第245話 小麦酒と変なフラグ
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先ず発酵用の酵母菌は火落ち菌や納豆菌なんかの雑菌系に対して微妙に弱い為、使用する器具やら容器は全て熱湯消毒の上で挑む事。
ワイン何かだと雑味こそが本体だと色々雑なのだが、ビールや日本酒では色々厳しいのだ。いや、納豆菌は総てを破壊するのだが、しかも熱湯消毒では死滅しないという、食品製造では絶望の権化だ、此方で納豆は未だ確認されていないのが救いと言えば救いか。
そんな前置きは置いておいて、ビールの醸造に行こう。
小麦を流水で洗った後に、そのまま流水に浸けて数日間放置。
芽が出た小麦を乾燥させて粉にする。芽が出た段階で糖化は完了して居るので、後は酵母菌で酒にするだけ。
その発芽小麦の粉を水に投入して、ひと煮立ちさせて溶かしながら、ここで風味づけのハーブ、今回はホップが見つからなかったので、乾燥させたキスゲのつぼみを投入。
冷ましてからアルコール発酵の為の酵母菌、干し葡萄から培養した酵母種を投入する。
初期発酵は数日程度。ここでは泡の出が強いのでまだ蓋は閉めない。
後は樽の蓋を緩めに締めて2ヶ月程度、冬場の寒い気温を利用して、0℃位の低温発酵で放置すれば……
その内炭酸ガスの圧力限界で樽の蓋が飛んで出来上がりを教えてくれると言う流れで。
そんな訳で、出来上がり。
樽から小さなグラスに移して光に透かして見る。
まあまあ悪く無い小麦の黄金色、琥珀色と言ったほうが良いだろうか。
泡もちゃんと立ってグラスの上面を覆っている。
今回は炭酸ガス補充システムを組んでいないので濾過していない天然炭酸、若干濁りがある低温発酵のラガービールだ。
因みに、炭で活性炭フィルターを組んで濾過すれば濁りも取れて透明に成るのだが、炭酸が抜けてしまうと食感が変わってしまうので、今回濾過は腐造してしまった時の保険と言うことにしておく。
「先ずは毒味、いただきます」
造った本人の責任としての毒味で先ず一口、思った以上に思った通りの味だった。腐造になってなくて良かった。
「大丈夫そうだ、どうぞ」
「いただきます」
何だかんだ灯も乗り気な様子なので渡してみる、意気揚々と味見に一口飲む、やはりというか何というか、困った様子で顔をしかめた。
「やっぱり苦いですね、私には解りません」
「まあ、ビールが苦いは誰もが通る道だな、しゃあない」
灯が飲みかけのグラスを此方に押しつけて来たので、素直に受け取り、又一口飲む。
「うん、大体こんなもんだな?」
彼方の記憶に有る懐かしいビールに近いと思う、此方に来てから数年単位で飲んでいないので味の記憶としては若干遠いが、其れでも有る意味ソウルフードとも言えるビールだ、忘れる程弱い存在感では無い。
副原料はほぼ無しで雑味少なめのラガービールだ、爽やかな苦みと、少し弱めの炭酸が舌と喉を刺激する。
残念な点が有るとしたら現在地、飲む場所か。冬場の酒蔵でよく冷えた出来立ての蔵出しビールを試飲するというのは中々の酔狂だ。
「そんな訳でどうぞ」
新しいグラスに試飲用のビールを注ぎ直してカナデに渡す。
カナデは両手で神妙に受け取って、掲げるように光に透かして色を見る。
うっとりという様子で目を細めた、こう言った時にソーダガラスの無色透明なグラスはよく映える、因みにソーダは草木灰で生成ている。
「いただきます」
「めしあがれ」
カナデのつぶやきに返す、何だかんだ文化侵略が進んで来た。
おっかなびっくり、ワクワクした様子で慎重に一口飲んで、少しびっくりした様子で目を丸くした。
「本当に苦いお酒何ですね?」
少し不思議そうに確認してくる。
「はい、苦味と炭酸で胃腸を整えて食欲を増進させて、油っこい料理とか塩っ辛い料理何かに合わせる食前酒の類です、口には合いました?」
「ちょっと待って下さい、もうちょっと飲んでから……」
そう言って二口目を入れる。
「純粋に苦いお酒って言うのは初めてです、美味しいですけど……」
若干語尾を濁している。
「まあ、売れるかは商人次第だし、売れ残ったらコレを蒸留して又別のお酒にするだけだから」
未だ手札は有ると示して置く。腐造して酢にしない限りは焼酎でもウイスキーでも何とでも成るのだ。
「コレって他にはどんな飲み方が有るんです?」
カナデの目がキラキラしていた。
追伸
お酒は二十歳になってから。
自分でお酒を造った場合、人にのませると密造酒であれこれ面倒なことになるのでご注意を。
ワイン何かだと雑味こそが本体だと色々雑なのだが、ビールや日本酒では色々厳しいのだ。いや、納豆菌は総てを破壊するのだが、しかも熱湯消毒では死滅しないという、食品製造では絶望の権化だ、此方で納豆は未だ確認されていないのが救いと言えば救いか。
そんな前置きは置いておいて、ビールの醸造に行こう。
小麦を流水で洗った後に、そのまま流水に浸けて数日間放置。
芽が出た小麦を乾燥させて粉にする。芽が出た段階で糖化は完了して居るので、後は酵母菌で酒にするだけ。
その発芽小麦の粉を水に投入して、ひと煮立ちさせて溶かしながら、ここで風味づけのハーブ、今回はホップが見つからなかったので、乾燥させたキスゲのつぼみを投入。
冷ましてからアルコール発酵の為の酵母菌、干し葡萄から培養した酵母種を投入する。
初期発酵は数日程度。ここでは泡の出が強いのでまだ蓋は閉めない。
後は樽の蓋を緩めに締めて2ヶ月程度、冬場の寒い気温を利用して、0℃位の低温発酵で放置すれば……
その内炭酸ガスの圧力限界で樽の蓋が飛んで出来上がりを教えてくれると言う流れで。
そんな訳で、出来上がり。
樽から小さなグラスに移して光に透かして見る。
まあまあ悪く無い小麦の黄金色、琥珀色と言ったほうが良いだろうか。
泡もちゃんと立ってグラスの上面を覆っている。
今回は炭酸ガス補充システムを組んでいないので濾過していない天然炭酸、若干濁りがある低温発酵のラガービールだ。
因みに、炭で活性炭フィルターを組んで濾過すれば濁りも取れて透明に成るのだが、炭酸が抜けてしまうと食感が変わってしまうので、今回濾過は腐造してしまった時の保険と言うことにしておく。
「先ずは毒味、いただきます」
造った本人の責任としての毒味で先ず一口、思った以上に思った通りの味だった。腐造になってなくて良かった。
「大丈夫そうだ、どうぞ」
「いただきます」
何だかんだ灯も乗り気な様子なので渡してみる、意気揚々と味見に一口飲む、やはりというか何というか、困った様子で顔をしかめた。
「やっぱり苦いですね、私には解りません」
「まあ、ビールが苦いは誰もが通る道だな、しゃあない」
灯が飲みかけのグラスを此方に押しつけて来たので、素直に受け取り、又一口飲む。
「うん、大体こんなもんだな?」
彼方の記憶に有る懐かしいビールに近いと思う、此方に来てから数年単位で飲んでいないので味の記憶としては若干遠いが、其れでも有る意味ソウルフードとも言えるビールだ、忘れる程弱い存在感では無い。
副原料はほぼ無しで雑味少なめのラガービールだ、爽やかな苦みと、少し弱めの炭酸が舌と喉を刺激する。
残念な点が有るとしたら現在地、飲む場所か。冬場の酒蔵でよく冷えた出来立ての蔵出しビールを試飲するというのは中々の酔狂だ。
「そんな訳でどうぞ」
新しいグラスに試飲用のビールを注ぎ直してカナデに渡す。
カナデは両手で神妙に受け取って、掲げるように光に透かして色を見る。
うっとりという様子で目を細めた、こう言った時にソーダガラスの無色透明なグラスはよく映える、因みにソーダは草木灰で生成ている。
「いただきます」
「めしあがれ」
カナデのつぶやきに返す、何だかんだ文化侵略が進んで来た。
おっかなびっくり、ワクワクした様子で慎重に一口飲んで、少しびっくりした様子で目を丸くした。
「本当に苦いお酒何ですね?」
少し不思議そうに確認してくる。
「はい、苦味と炭酸で胃腸を整えて食欲を増進させて、油っこい料理とか塩っ辛い料理何かに合わせる食前酒の類です、口には合いました?」
「ちょっと待って下さい、もうちょっと飲んでから……」
そう言って二口目を入れる。
「純粋に苦いお酒って言うのは初めてです、美味しいですけど……」
若干語尾を濁している。
「まあ、売れるかは商人次第だし、売れ残ったらコレを蒸留して又別のお酒にするだけだから」
未だ手札は有ると示して置く。腐造して酢にしない限りは焼酎でもウイスキーでも何とでも成るのだ。
「コレって他にはどんな飲み方が有るんです?」
カナデの目がキラキラしていた。
追伸
お酒は二十歳になってから。
自分でお酒を造った場合、人にのませると密造酒であれこれ面倒なことになるのでご注意を。
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