257 / 274
6章 変な石とその後の話
第256話 子供の悪戯と初手対応
しおりを挟む
「…………何でこんなところに?」
領主としての仕事中、机の引き出しに手をかけ、大して驚きもせずに呟いた。
内心びっくりはしているが、跳び上がる程ではないし、叫ぶほどでもない。
「どうしたんです?」
動きが停まった事に気が付いたのか、隣で仕事していたカナデが此方を覗き込む。
「いや、こんなのがね?」
応えつつ、手を触れずに目線で伝える。
「きょ?!」
カナデが結構大袈裟に悲鳴を上げて飛び退りの体勢で固まった、此処で咄嗟に一歩退けるかどうかが外歩きと鍛練出来てるかの違いだなと、変な所で評価する。
義姉のアカデとは違って、フィールドワークはせずにデスクワークばかりらしく、こう言ったモノには慣れていない様だ。
恐怖顔を浮かべてジリジリ後退るカナデをほのぼのと眺めつつ、視線を手元に戻す。
目線切った時点で飛び掛かってくる類では無いと思われるモノなので気楽なものだ。
引き出しに居たのは、手の平サイズの、遠目には白い骨のようなモノ、白い身体に毛はなく、所々に黒い模様が有る芋虫……
「お蚕様?……いや、クワコ?」
思い当たる虫は居る。
「デカいけど?」
蚕、お蚕様は人為的に産み出された極めて特殊な改良種だ、其処らに居るとも思え無い。
尚且つ大きい、繭で糸が取れるとすれば確実に儲かる。
アゲハやモンシロ、ヨトウムシみたいな繭なし蛹だったら期待外れになってしまうので、期待しすぎるのもいけないと思いつつ、脳内の変な皮算用で算盤を弾く。
「コレ、毒あるのかな?」
ヒカリ辺りの悪戯だと考えると、毒虫を持ってくる程凶悪な悪戯はしてこないはずだ。
そもそも毒虫センサーはぬーさんが念入りにしてくれるため、多分安全なはず。
「サンプルは採取しても?」
EXが反応する、蜘蛛形態のがどこからともなく湧いて出てきた。此奴らは鉱山まるごと喰わせたお陰で増殖リソースを確保出来たらしく、付いてくる分もあるが、領地内なら何処にでも居る。結構な数が居る様子だが、隠れているので目立たないし、そもそもこの類いの小蟲に注目する余裕のある人間は少ないため、実害が無い限りは放置である。
「傷は着け無い方向で」
昆虫系は傷の回復機能が弱いため、余り傷を付けたくない。
「なら出番は無い」
あっさり引き下がった。やはり針でも刺してDNAサンプルを確保するつもりだったらしい。
「私知りませんよ?」
カナデはドン引きの表情を浮かべて未だズルズル後ずさっている、普通はそうなんだろうなあと、こちらは大して驚きもせずに指先で優しく芋虫をつつく、衝撃に反応して角が出てくることもないようなので、アゲハ系の幼虫でも無い様子だ。
手のひらにのせてカナデを追いかけて遊んでも良いだろうかと、心の中の小学生が顔を出しそうになるが、泣かれても困るしと思い留まる。
「EX、灯とエリスとアカデ、全員呼び出し、集合かけて」
「了解、犯人は良いのか?」
珍しくEXが気を利かせる。
「んー、少し後でも・・・・・・? いや、纏めてで良いかな?」
余り手間は変わらない。
「了解」
EXが子機同士で通信を始める。
「叱るんですか?」
カナデが少し困り気味に聞いてくる。
「叱る・・・・・・?」
そんな選択刺有ったかな? と言う調子で首をかしげる、正直コレをどう使おうかしか考えていないし、子供が何か獲物を捕まえて「コレ見てー」って持ってきた場合の台詞は基本的に「おお、凄いなあ、何処で捕まえたんだ?」的なモノしか存在しない、最終的に「元いた場所に帰してきなさい」「食べる?」「どうお料理する?」「凄いなあよしよし」に成るかは持ってきたモノ次第だ。
流石に手のひらサイズのツツガムシ持ってきた日には「コレは危ないから駄目!」と叫ぶ羽目になったが・・・・・・
因みにそれ以降、外に行くなら蟲避けはして行きなさいと厳命する事と成った。
つつがなく生きていきたいモノである。
領主としての仕事中、机の引き出しに手をかけ、大して驚きもせずに呟いた。
内心びっくりはしているが、跳び上がる程ではないし、叫ぶほどでもない。
「どうしたんです?」
動きが停まった事に気が付いたのか、隣で仕事していたカナデが此方を覗き込む。
「いや、こんなのがね?」
応えつつ、手を触れずに目線で伝える。
「きょ?!」
カナデが結構大袈裟に悲鳴を上げて飛び退りの体勢で固まった、此処で咄嗟に一歩退けるかどうかが外歩きと鍛練出来てるかの違いだなと、変な所で評価する。
義姉のアカデとは違って、フィールドワークはせずにデスクワークばかりらしく、こう言ったモノには慣れていない様だ。
恐怖顔を浮かべてジリジリ後退るカナデをほのぼのと眺めつつ、視線を手元に戻す。
目線切った時点で飛び掛かってくる類では無いと思われるモノなので気楽なものだ。
引き出しに居たのは、手の平サイズの、遠目には白い骨のようなモノ、白い身体に毛はなく、所々に黒い模様が有る芋虫……
「お蚕様?……いや、クワコ?」
思い当たる虫は居る。
「デカいけど?」
蚕、お蚕様は人為的に産み出された極めて特殊な改良種だ、其処らに居るとも思え無い。
尚且つ大きい、繭で糸が取れるとすれば確実に儲かる。
アゲハやモンシロ、ヨトウムシみたいな繭なし蛹だったら期待外れになってしまうので、期待しすぎるのもいけないと思いつつ、脳内の変な皮算用で算盤を弾く。
「コレ、毒あるのかな?」
ヒカリ辺りの悪戯だと考えると、毒虫を持ってくる程凶悪な悪戯はしてこないはずだ。
そもそも毒虫センサーはぬーさんが念入りにしてくれるため、多分安全なはず。
「サンプルは採取しても?」
EXが反応する、蜘蛛形態のがどこからともなく湧いて出てきた。此奴らは鉱山まるごと喰わせたお陰で増殖リソースを確保出来たらしく、付いてくる分もあるが、領地内なら何処にでも居る。結構な数が居る様子だが、隠れているので目立たないし、そもそもこの類いの小蟲に注目する余裕のある人間は少ないため、実害が無い限りは放置である。
「傷は着け無い方向で」
昆虫系は傷の回復機能が弱いため、余り傷を付けたくない。
「なら出番は無い」
あっさり引き下がった。やはり針でも刺してDNAサンプルを確保するつもりだったらしい。
「私知りませんよ?」
カナデはドン引きの表情を浮かべて未だズルズル後ずさっている、普通はそうなんだろうなあと、こちらは大して驚きもせずに指先で優しく芋虫をつつく、衝撃に反応して角が出てくることもないようなので、アゲハ系の幼虫でも無い様子だ。
手のひらにのせてカナデを追いかけて遊んでも良いだろうかと、心の中の小学生が顔を出しそうになるが、泣かれても困るしと思い留まる。
「EX、灯とエリスとアカデ、全員呼び出し、集合かけて」
「了解、犯人は良いのか?」
珍しくEXが気を利かせる。
「んー、少し後でも・・・・・・? いや、纏めてで良いかな?」
余り手間は変わらない。
「了解」
EXが子機同士で通信を始める。
「叱るんですか?」
カナデが少し困り気味に聞いてくる。
「叱る・・・・・・?」
そんな選択刺有ったかな? と言う調子で首をかしげる、正直コレをどう使おうかしか考えていないし、子供が何か獲物を捕まえて「コレ見てー」って持ってきた場合の台詞は基本的に「おお、凄いなあ、何処で捕まえたんだ?」的なモノしか存在しない、最終的に「元いた場所に帰してきなさい」「食べる?」「どうお料理する?」「凄いなあよしよし」に成るかは持ってきたモノ次第だ。
流石に手のひらサイズのツツガムシ持ってきた日には「コレは危ないから駄目!」と叫ぶ羽目になったが・・・・・・
因みにそれ以降、外に行くなら蟲避けはして行きなさいと厳命する事と成った。
つつがなく生きていきたいモノである。
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
異世界から元の世界に派遣された僕は他の勇者たちとは別にのんびり暮らします【DNAの改修者ー外伝】
kujibiki
ファンタジー
異世界で第二の人生の大往生を迎えた僕は再びあの場所へ飛ばされていた。
※これは『DNAの改修者』のアフターストーリーとなります。
『DNAの改修者』を読まなくても大丈夫だとは思いますが、気になる方はご覧ください。
※表紙は生成AIで作ってみたイメージです。(シャルルが難しい…)
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
構造理解で始めるゼロからの文明開拓
TEKTO
ファンタジー
ブラック企業勤めのサラリーマン・シュウが転生したのは、人間も街も存在しない「完全未開の大陸」だった。
適当な神から与えられたのは、戦闘力ゼロ、魔法適性ゼロのゴミスキル《構造理解》。
だが、物の仕組みを「作れるレベル」で把握できるその力は、現代知識を持つ俺にとっては、最強の「文明構築ツール」だった――!
――これは、ゴミと呼ばれたスキルとガラクタと呼ばれた石で、世界を切り拓く男の物語。
ガチャで領地改革! 没落辺境を職人召喚で立て直す若き領主
雪奈 水無月
ファンタジー
魔物大侵攻《モンスター・テンペスト》で父を失い、十五歳で領主となったロイド。
荒れ果てた辺境領を支えたのは、幼馴染のメイド・リーナと執事セバス、そして領民たちだった。
十八歳になったある日、女神アウレリアから“祝福”が降り、
ロイドの中で《スキル職人ガチャ》が覚醒する。
ガチャから現れるのは、防衛・経済・流通・娯楽など、
領地再建に不可欠な各分野のエキスパートたち。
魔物被害、経済不安、流通の断絶──
没落寸前の領地に、ようやく希望の光が差し込む。
新たな仲間と共に、若き領主ロイドの“辺境再生”が始まる。
【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~
シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。
前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。
その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。
悪徳領主の息子に転生しました
アルト
ファンタジー
悪徳領主。その息子として現代っ子であった一人の青年が転生を果たす。
領民からは嫌われ、私腹を肥やす為にと過分過ぎる税を搾り取った結果、家の外に出た瞬間にその息子である『ナガレ』が領民にデカイ石を投げつけられ、意識不明の重体に。
そんな折に転生を果たすという不遇っぷり。
「ちょ、ま、死亡フラグ立ち過ぎだろおおおおお?!」
こんな状態ではいつ死ぬか分かったもんじゃない。
一刻も早い改善を……!と四苦八苦するも、転生前の人格からは末期過ぎる口調だけは受け継いでる始末。
これなんて無理ゲー??
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる