異世界坊主の成り上がり

峯松めだか(旧かぐつち)

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6章 変な石とその後の話

第267話 番外 舞台裏、邪神の仕込み、ペットの一種

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「炭素系生物は高温及び低温にも弱いため、発生と育成には環境を整えてやる必要があります」
 一種の概念空間の中で、立ち並ぶ面々、三千世界の神々にセールストークで語りかけていた。


「今回は分かりやすく恒星系で考えましょう」
 虚空に出された自分の指先に、恒星とそれに付随する惑星群が再現される。
「二重連恒星やブラックホール、超磁力惑星(マグネーター)等々、上級創造神と成るほど、複雑怪奇で芸術的な機動と性質の星を組み合わせ、コレは又芸術的に猟奇的で冒涜的な環境と、それに付随して適応した芸術的な生態系を作り上げますが、今回は分かりやすい生態系を作りましょう」
 そもそも恒星系とそれに付随した惑星系を作った場合、ある程度勝手に生命が発生したりするし、しなかったりもする、神とも成れば気が長く、周囲の環境や管理に関して無関心なモノも多いが、剰りにも暇なため、ちょこまかと動く有機生物というのは、観察するにも手を入れるにしても良い暇つぶしになるのだ。信仰してくれると力を増すと言うが、本来の神にとっては信者など、そもそも居ても居なくても余り変わりは無い、基本的に独立、孤立した存在であり食料すら必要としない意識だけの上位存在である神にとっては、手元で生きている生物など、何処まで行ってもアクアリウムやテラリウムの魚か蛙、タンクメイト程度の存在である。
「複雑怪奇で愉快な生態系を、破綻無く循環する世界を作り上げるというのが腕の見せ所でもある訳です」
 下手な神は、自分で作ることを面倒くさがり、他神の管理する世界から色々と導入してみたは良いが、環境の違いを考慮せずに適応させられず、即死ないし数分数日、数年程度の瞬きのような時間で絶滅させてしまうモノなので、完成品を持ち込むというのも想像以上に難しい。
 そこぞの星系の人類種や神々の間で最近流行の異世界転移などは、ソレなりに上手くいった例である、持ってきた時点で死んだ位は良くあることなのだから。
 そもそも始まりは宇宙のチリからだ、初手でチリをかき集めて螺旋状に回せば、物理法則に従い、勝手に斑(むら)が出来、数十億年後には勝手に星と成る。
 後は生命居住可能領域(ハビタブルゾーン)に丁度良い星が有り、材料があれば、其処に勝手に生命が湧く、急ぎたい場合、別宇宙から生体細胞や微子物を混ぜ込んだ彗星をぶつければ完璧だ。
 億年単位も有ればソレなりに楽しい生態系が出来上がるだろう。
 この恒星系の寿命はエントロピーの法則的に1000億年程、ソレなりに発生から繁栄、絶滅まで色々と楽しめることだろう。
因みに何故有機系生物を薦めているのかというと、その方が動きがあって楽しいからだ。鉱物系、無機物、珪素系生物なんかは基本自分で動くようなことは粗無いため、見ていて余り面白く無いのだ、時々動いた痕跡を見つけて、ああ、動いたんだな? 程度の感想しか出てこない。何が楽しいのか。
 やはり弱い癖に小さな事に一喜一憂しながら、滅びの道を突き進む様な、矛盾している歪な有機生物こそが見ていて楽しい、そんな訳で、そんな愉快な生き物の種(たね)を、この星にも置いて行ってしまおう。
 そういう訳で、適当に選んだ現地の神への説明もそこそこに、生態系も何も出来ていない、出来かけの惑星に有機物入りの巨大氷塊、彗星を叩き込んだ。
 同意は如何したと言われそうだが、そもそもこの星系の神々は未だ自我形成の前なので、説明自体がただの自己満足だ、細かい事は良いのです。

 そこそこ大きな中身が吹き出し、二つの月を形成する。

 さて、どんな生き物が生まれるだろう?

 数億年後の後日、例の星での神が発生した生き物に肩入れしすぎて行き詰まり、仏の連中に泣きついたらしい、中々楽しんでいるようで何よりだ。


 追伸
 そんな訳で、プロローグ時点でミナミヌマエビ扱いの回収です、このLVの星系管理人としての神にとってはその程度の扱い、存在次元が違うけど、ソレなりには目をかけているから、全滅したらちょっぴり悲しいので、ちょっとした肩入れ程度、その結果が和尚達です。
 この構造も含めて知り、悟った上で、何が如何していようと、自分で折り合いをつけて生きていくと言うのを悟りと呼ぶ感じなのが、作者の中での設定です。
 総ては自分の持ちよう次第ってのが仏教的な内面思考。そっから総ては繋がってるからって亜空間論法で宇宙の真理まで自分の内から伸ばせたら完璧ですね。
 対して何があろうと神様の仕業になるのがキリスト教的な外面思考と。
 創造の主とは違う存在が神的なモノとしてアレコレしてて、言うほど人類を見てくれてないってのはコズミックホラーに成るらしいですが、言うほど怖いでしょうかっていうのが日ノ本人と言うか作者の感覚。
 日ノ本神仏習合的には何処にでも神は居るけど、基本無関心で言うほど干渉してくれないですし。
 脱線しますが、あっちで葛(かずら)がずーっと干渉してるのは、あくまで人の世で産まれた神で、その立ち位置の神だからです、一種の身内補正。
 この星の生態系が似てしまったのは、結局例の無謀さんが材料持ち込みで色々仕込んだせい、ヤツには距離も時間も関係ありませんから。
 で、何でこんな訳わかんないヤツに葛があれだけ強気に出られているのかというと、今居る次元に干渉するには、自分と同じ次元に降りてくる必要がある為、完全な上位者視点では余り面白く無いと適度に力を抜いているので、同じ次元でなら幾らでも戦えるから。最終兵器の大物専用自動迎撃装置、祢々切丸(ねねきりまる)呼ばない程度には余裕綽々です。補足すると祢々切丸は小狐丸打った三条宗近作の化け物みたいな大太刀です、持ち主無しで勝手にターゲット決めて飛んでった逸話持ち。
 そしてこんな事を言ったら、この作品もクトルー系に成ってしまったというびっくりのオチが付きました。
 いや、兄弟作品がアレだったんだからある意味順当?
 星の寿命に関しては太陽が100億年と言うことでソレを参照、恒星の寿命は大きさ次第ですので、一律ではないです、大きくなるほど短く、小さくなるほど寿命が長くなるらしいですが、ご注意を。
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