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元気な不整脈
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お母さんの新しい腕時計「あっぷるうぉっち」は脈拍も分かるらしいわ。
時計のハートの絵がトクン、トクンと点滅しているのよ。
脈拍は心臓の動きとリンクしているらしいから、その腕時計を見ると心臓の動きも分かるんですって。
時計で心臓の動きが分かるなんて面白いわね。
お母さんは「おさんかいほう」から帰ってきてから、なんだか調子が悪そう。
時々、動けなくなってしまうの。
そんなときには、きまって時計のハートの絵がすごく早く点滅しているわ。
点滅が落ち着いた速さになり、しばらくしたら、お母さんはまた動けるようになるんだけど……とってもきつそうで心配だわ。
心配したお姉ちゃんが病院の予約を取って、病院にお母さんを連れて行ってくれたの。
お医者様は「大丈夫」って、軽く流したらしいのだけど……
お母さん……普段からちょっと、痛みにオーバーリアクションなところがあるから、お母さんのオーバーリアクションに慣れている先生だと、あまりお母さんの訴えを真剣に受け取ってもらえなかったらしいの。
でも、「あっぷるうぉっち」に脈拍の不自然さが出ていると言ったら、「大変だ!」って、すぐに信じてくれたらしいわ。
なんだかなぁ……って、感じね。
さすが三種の神器の一つというところかしら?
「あっぷるうぉっち」はお医者様の信頼も抜群ね!
お母さんの主治医の先生はすぐに心臓の専門医を紹介してくれたわ。
翌日にはその紹介してもらった病院に、今度はお兄ちゃんがお母さんを連れて行ったの。
お母さんは自分で車の運転はできるのだけど、
「運転中に発作が起きると危ないから!」
って、お兄ちゃんもお姉ちゃんも車の事故をとても心配しているみたいね。
お母さんの病気は「元気な不整脈」らしいわ。
病気なのに元気って、おかしなことね。
貴方もそう思わない?
なんでも、発作時にエコーとやらで診ると心臓の表面のあちこちで花火の火花が散るように見えるんですって!
その花火の火花のような発作はとても勢いがよくて、だから「元気な不整脈」ということらしいわ。
その「元気な不整脈」、勢いよく火花が散る時には、脈拍が一分間に百六十回にもなるらしいの。
百六十回なら……わたしと同じぐらいの脈拍になるということね。
わたしはちっとも辛くはないけれど、人間のお母さんには動けなくなるくらい大変なことなの。
そんなに辛いのに、お薬をだしてもらえなかったんですって!
どういうこと?
わたしは注射も点滴もされているのに……
あんなに辛そうにしているお母さんに注射も点滴も薬も無いなんて!!
心臓のお医者様が言うには
「「元気な不整脈」は簡単に薬で隠れちゃうからダメです!」
……!
納得がいかなかったお母さんはごねにごねて、弱い効き目の薬を処方してもらったそう。
当然よね。
なんとか体の辛さをとって欲しくて病院に行くんだから、楽にしてもらわないとね。
心臓のお医者様に行ったのに、今度は手術ができる病院を紹介されて、また数日後には違う病院に行かなきゃいけないみたい。
コレがタライ回しかしら?
人間の病院はとにかく沢山あるものね。
そして、その病院に行く前には、せっかく処方してもらった弱い効き目の薬も二、三日は飲まないで下さいと注意を受けたそう。
……次の病院に行くニ、三日前って……薬を服用できる日はなさそうね。
心臓のお医者様の見立てでは、心臓を焼く処置が必要になるだろう……って!
なんてこと!!
治療のために心臓を焼くなんて!!!
人間は恐ろしいことをするものね!
お母さんはわたしが死んでしまうんじゃないかって、ずいぶん、心配していたけれど、お母さんのほうが死んでしまうんじゃないかって心配だわ。
お母さんの「元気な不整脈」が落ち着いて、無事に元気になりますように。
時計のハートの絵がトクン、トクンと点滅しているのよ。
脈拍は心臓の動きとリンクしているらしいから、その腕時計を見ると心臓の動きも分かるんですって。
時計で心臓の動きが分かるなんて面白いわね。
お母さんは「おさんかいほう」から帰ってきてから、なんだか調子が悪そう。
時々、動けなくなってしまうの。
そんなときには、きまって時計のハートの絵がすごく早く点滅しているわ。
点滅が落ち着いた速さになり、しばらくしたら、お母さんはまた動けるようになるんだけど……とってもきつそうで心配だわ。
心配したお姉ちゃんが病院の予約を取って、病院にお母さんを連れて行ってくれたの。
お医者様は「大丈夫」って、軽く流したらしいのだけど……
お母さん……普段からちょっと、痛みにオーバーリアクションなところがあるから、お母さんのオーバーリアクションに慣れている先生だと、あまりお母さんの訴えを真剣に受け取ってもらえなかったらしいの。
でも、「あっぷるうぉっち」に脈拍の不自然さが出ていると言ったら、「大変だ!」って、すぐに信じてくれたらしいわ。
なんだかなぁ……って、感じね。
さすが三種の神器の一つというところかしら?
「あっぷるうぉっち」はお医者様の信頼も抜群ね!
お母さんの主治医の先生はすぐに心臓の専門医を紹介してくれたわ。
翌日にはその紹介してもらった病院に、今度はお兄ちゃんがお母さんを連れて行ったの。
お母さんは自分で車の運転はできるのだけど、
「運転中に発作が起きると危ないから!」
って、お兄ちゃんもお姉ちゃんも車の事故をとても心配しているみたいね。
お母さんの病気は「元気な不整脈」らしいわ。
病気なのに元気って、おかしなことね。
貴方もそう思わない?
なんでも、発作時にエコーとやらで診ると心臓の表面のあちこちで花火の火花が散るように見えるんですって!
その花火の火花のような発作はとても勢いがよくて、だから「元気な不整脈」ということらしいわ。
その「元気な不整脈」、勢いよく火花が散る時には、脈拍が一分間に百六十回にもなるらしいの。
百六十回なら……わたしと同じぐらいの脈拍になるということね。
わたしはちっとも辛くはないけれど、人間のお母さんには動けなくなるくらい大変なことなの。
そんなに辛いのに、お薬をだしてもらえなかったんですって!
どういうこと?
わたしは注射も点滴もされているのに……
あんなに辛そうにしているお母さんに注射も点滴も薬も無いなんて!!
心臓のお医者様が言うには
「「元気な不整脈」は簡単に薬で隠れちゃうからダメです!」
……!
納得がいかなかったお母さんはごねにごねて、弱い効き目の薬を処方してもらったそう。
当然よね。
なんとか体の辛さをとって欲しくて病院に行くんだから、楽にしてもらわないとね。
心臓のお医者様に行ったのに、今度は手術ができる病院を紹介されて、また数日後には違う病院に行かなきゃいけないみたい。
コレがタライ回しかしら?
人間の病院はとにかく沢山あるものね。
そして、その病院に行く前には、せっかく処方してもらった弱い効き目の薬も二、三日は飲まないで下さいと注意を受けたそう。
……次の病院に行くニ、三日前って……薬を服用できる日はなさそうね。
心臓のお医者様の見立てでは、心臓を焼く処置が必要になるだろう……って!
なんてこと!!
治療のために心臓を焼くなんて!!!
人間は恐ろしいことをするものね!
お母さんはわたしが死んでしまうんじゃないかって、ずいぶん、心配していたけれど、お母さんのほうが死んでしまうんじゃないかって心配だわ。
お母さんの「元気な不整脈」が落ち着いて、無事に元気になりますように。
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