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「何故ですか!?」
納得できないとばかりに尋ねると、彼は真剣な表情で答えた。
「お前は勇者パーティーの一員だっただろう? だから駄目だ」
それを聞いてガックリと肩を落とす俺を見て父が慌てる様子が見えた気がしたが、今の俺にはどうでもいいことだった。
何故なら俺には他にやることがあるからだ。
「父さん、俺帰りたい」
そう訴える俺を困った様子で見つめる父だったが、やがて諦めたのか許してくれた。
「仕方ない奴め、いいだろう少しだけだぞ」
「ありがとう父さん!」
満面の笑みを浮かべて礼を言うと、その場を後にした。
その後、こっそり抜け出して村に戻ったものの、案の定すぐに見つかって連れ戻されてしまった。
そこで告げられた言葉は意外なものだった。
なんと母が会いに来ているというのだ。
これには驚きを隠せなかった。
なぜなら母は数年前に家を出て以来一度も帰って来ていないのだ。
そんな母に一体何の用があるというのだろうか?
「リュート、元気だった?」
そう言って微笑む母の姿を見て涙が出そうになる。
「母さんこそ、元気にしてた?」
そう尋ねると、彼女は笑顔で答える。
「ええ、もちろんよ」
久しぶりに見るその姿は相変わらず美しく、見惚れてしまうほどだった。
そんな彼女が突然頭を下げたかと思うと、次の瞬間、衝撃的な事を言ってきた。
「お願い、私と一緒に来てちょうだい」
突然の申し出に驚いたが、それ以上に嬉しかった。
だって、それはつまり、また一緒に暮らせるという事なのだから。
「如何して?」
「魔王軍に居るのでしょ、人として間違っているわ」
そう言う彼女に僕は言った。
「そうだね、でも今更戻れる訳ないよ」
すると、彼女は悲しそうな表情を浮かべると言った。
「いいえ戻るのよ、貴方は私の子なんだから」
ああそうか、そういう事だったのか。
ようやく分かったよ、今まで俺のために色々してくれたんだね。
でも、それももう終わりにしようと思うんだ。
僕は決意を固めると彼女を睨みつけて言った。
「お断りします」
「なっ! どうしてよ!」
予想外の反応だったのか狼狽える彼女の姿を見ながら続ける。
「もう、俺は、勇者パーティーにあこがれていたリュートじゃないよ、魔王の子だからね」
その言葉を聞いた途端、彼女の顔が青ざめていくのが分かった。
そんな彼女に追い打ちをかけるように言葉を続ける。
「それにね、勇者に入りたいのなら、なっていいよ……ただし、敵として相対した時は、母さんでも殺すから」
その言葉を聞いた瞬間、彼女の顔が恐怖で染まるのが見えた。
それを見届けてから背を向けると、そのまま歩き出す。
もうここには用はない。
(さよなら、お母さん)
心の中で別れを告げると、再び歩き始めるのだった。
一方その頃……
リュートがいなくなった後の部屋では……
「ごめんなさい、失敗したみたいです」
そこのカーテンに奥には一人の男性が立っていた。
「勇者パーティーの裏切り者め、ただで済むと思うなよ、リュート」
それは同じパーティーメンバーだった、今では勇者と呼ばれている、アイルだった。
「ただいま」
疲れた顔で俺は魔王城に帰って来た。
(ああー、やっと終わった)
そんな事を考えながら歩いていると、不意に声をかけられた。
「あら? お早いお帰りですわね」
そう言って笑う彼女を見た俺はため息を漏らす。
(よりによって何でこいつなんだ?)
そう思った矢先、その考えが顔に出てしまったのか、目の前の少女が言った。
「なんですのその顔は? 失礼にも程がありますわよ!」
そう言って怒る少女を無視していると、彼女はさらに怒り出した。
「無視するんじゃありませんわよ!」
そんな様子を見ていた他の仲間達が笑う声が聞こえる。
「ああ、リース、リュートに嫌われた」
そう言って揶揄うリシアに向かって少女は叫ぶ。
「嫌ってませんわよ!」
そんなやりとりを見ていたらなんだか馬鹿らしくなってきたので、帰る事にした。
「それじゃ、また明日」
そう言うとさっさと立ち去ることにする。
そんな俺の背中を見つめながらリシアがポツリと呟く。
「本当に可愛くないわねぇ」
そんなリシアの言葉に同意しつつ俺も帰ろうとすると、今度はクロードに呼び止められた。
「待て、リュート、話がある」
そう言われたので足を止めると、クロードは言った。
「実はだな、一部の者が、お前が勇者パーティーと密会していたという噂を流していてだな、その、済まないが、今から言う所に一人で行って欲しい」
クロードが申し訳なさそうに言ってくるのを見て、俺は頷いた。
「わかったよ、父さん」
それだけ言うと、クロードは安心したような表情を浮かべていた。
それを見て思う。
(やっぱりこの人は優しい人なんだな)
俺は魔王城を出て、クロードに言われた場所に向かうことにした。
そこは森の奥にある小さな家だった。
俺は意を決して中に入ると、そこには一人の男がいた。
男は俺を見ると立ち上がり、自己紹介をしてきた。
「初めまして、私はアベルと申します」
「俺は、リュートです」
俺が名乗ると、彼女はにっこりと微笑むと
「では始めましょう、魔王の子よ」
家に挙げられて戸惑う。
壁にかけられた鞭や何に使うものかすらわからない剣など、恐怖を引き立てるのには、十分だった。
「何を?」
「あら、お父様から聞いていませんか? 貴方の罪を流しましょう、リュート様」
後ずさると誰かにぶつかった。
「止めて、やだ」
振り返り抱き着けば苦笑される。
「お前にそんな一面があったとは、父さんは嬉しいな」
その声色にぞっとする。
「あら、お早いお付きで驚いたよ、もう少し、後から来ると思ったのにな」
「そんな、お前に任せてやれるか、男性泣かすのが好きな変態に我が子の躾なんてさせれないだろう? 出ていろ」
「おお、怖い、まぁ、リュート様、頑張ってね」
ウインクをしながら去っていく彼を見送った後で父が言う。
「さてと、これで邪魔者はいなくなったな」
そう言って近付いてくる父を見ながら思った。
(ああ、死ぬんだな)
と、そんな俺を見て父は言う。
納得できないとばかりに尋ねると、彼は真剣な表情で答えた。
「お前は勇者パーティーの一員だっただろう? だから駄目だ」
それを聞いてガックリと肩を落とす俺を見て父が慌てる様子が見えた気がしたが、今の俺にはどうでもいいことだった。
何故なら俺には他にやることがあるからだ。
「父さん、俺帰りたい」
そう訴える俺を困った様子で見つめる父だったが、やがて諦めたのか許してくれた。
「仕方ない奴め、いいだろう少しだけだぞ」
「ありがとう父さん!」
満面の笑みを浮かべて礼を言うと、その場を後にした。
その後、こっそり抜け出して村に戻ったものの、案の定すぐに見つかって連れ戻されてしまった。
そこで告げられた言葉は意外なものだった。
なんと母が会いに来ているというのだ。
これには驚きを隠せなかった。
なぜなら母は数年前に家を出て以来一度も帰って来ていないのだ。
そんな母に一体何の用があるというのだろうか?
「リュート、元気だった?」
そう言って微笑む母の姿を見て涙が出そうになる。
「母さんこそ、元気にしてた?」
そう尋ねると、彼女は笑顔で答える。
「ええ、もちろんよ」
久しぶりに見るその姿は相変わらず美しく、見惚れてしまうほどだった。
そんな彼女が突然頭を下げたかと思うと、次の瞬間、衝撃的な事を言ってきた。
「お願い、私と一緒に来てちょうだい」
突然の申し出に驚いたが、それ以上に嬉しかった。
だって、それはつまり、また一緒に暮らせるという事なのだから。
「如何して?」
「魔王軍に居るのでしょ、人として間違っているわ」
そう言う彼女に僕は言った。
「そうだね、でも今更戻れる訳ないよ」
すると、彼女は悲しそうな表情を浮かべると言った。
「いいえ戻るのよ、貴方は私の子なんだから」
ああそうか、そういう事だったのか。
ようやく分かったよ、今まで俺のために色々してくれたんだね。
でも、それももう終わりにしようと思うんだ。
僕は決意を固めると彼女を睨みつけて言った。
「お断りします」
「なっ! どうしてよ!」
予想外の反応だったのか狼狽える彼女の姿を見ながら続ける。
「もう、俺は、勇者パーティーにあこがれていたリュートじゃないよ、魔王の子だからね」
その言葉を聞いた途端、彼女の顔が青ざめていくのが分かった。
そんな彼女に追い打ちをかけるように言葉を続ける。
「それにね、勇者に入りたいのなら、なっていいよ……ただし、敵として相対した時は、母さんでも殺すから」
その言葉を聞いた瞬間、彼女の顔が恐怖で染まるのが見えた。
それを見届けてから背を向けると、そのまま歩き出す。
もうここには用はない。
(さよなら、お母さん)
心の中で別れを告げると、再び歩き始めるのだった。
一方その頃……
リュートがいなくなった後の部屋では……
「ごめんなさい、失敗したみたいです」
そこのカーテンに奥には一人の男性が立っていた。
「勇者パーティーの裏切り者め、ただで済むと思うなよ、リュート」
それは同じパーティーメンバーだった、今では勇者と呼ばれている、アイルだった。
「ただいま」
疲れた顔で俺は魔王城に帰って来た。
(ああー、やっと終わった)
そんな事を考えながら歩いていると、不意に声をかけられた。
「あら? お早いお帰りですわね」
そう言って笑う彼女を見た俺はため息を漏らす。
(よりによって何でこいつなんだ?)
そう思った矢先、その考えが顔に出てしまったのか、目の前の少女が言った。
「なんですのその顔は? 失礼にも程がありますわよ!」
そう言って怒る少女を無視していると、彼女はさらに怒り出した。
「無視するんじゃありませんわよ!」
そんな様子を見ていた他の仲間達が笑う声が聞こえる。
「ああ、リース、リュートに嫌われた」
そう言って揶揄うリシアに向かって少女は叫ぶ。
「嫌ってませんわよ!」
そんなやりとりを見ていたらなんだか馬鹿らしくなってきたので、帰る事にした。
「それじゃ、また明日」
そう言うとさっさと立ち去ることにする。
そんな俺の背中を見つめながらリシアがポツリと呟く。
「本当に可愛くないわねぇ」
そんなリシアの言葉に同意しつつ俺も帰ろうとすると、今度はクロードに呼び止められた。
「待て、リュート、話がある」
そう言われたので足を止めると、クロードは言った。
「実はだな、一部の者が、お前が勇者パーティーと密会していたという噂を流していてだな、その、済まないが、今から言う所に一人で行って欲しい」
クロードが申し訳なさそうに言ってくるのを見て、俺は頷いた。
「わかったよ、父さん」
それだけ言うと、クロードは安心したような表情を浮かべていた。
それを見て思う。
(やっぱりこの人は優しい人なんだな)
俺は魔王城を出て、クロードに言われた場所に向かうことにした。
そこは森の奥にある小さな家だった。
俺は意を決して中に入ると、そこには一人の男がいた。
男は俺を見ると立ち上がり、自己紹介をしてきた。
「初めまして、私はアベルと申します」
「俺は、リュートです」
俺が名乗ると、彼女はにっこりと微笑むと
「では始めましょう、魔王の子よ」
家に挙げられて戸惑う。
壁にかけられた鞭や何に使うものかすらわからない剣など、恐怖を引き立てるのには、十分だった。
「何を?」
「あら、お父様から聞いていませんか? 貴方の罪を流しましょう、リュート様」
後ずさると誰かにぶつかった。
「止めて、やだ」
振り返り抱き着けば苦笑される。
「お前にそんな一面があったとは、父さんは嬉しいな」
その声色にぞっとする。
「あら、お早いお付きで驚いたよ、もう少し、後から来ると思ったのにな」
「そんな、お前に任せてやれるか、男性泣かすのが好きな変態に我が子の躾なんてさせれないだろう? 出ていろ」
「おお、怖い、まぁ、リュート様、頑張ってね」
ウインクをしながら去っていく彼を見送った後で父が言う。
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