勇者パーティーを追放された俺は辺境の地で魔王に拾われて後継者として育てられる~魔王から教わった美学でメロメロにしてスローライフを満喫する~

一ノ瀬 彩音

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全員が口を揃えて言うことは一緒だったが、なぜか皆が俺を怪しく思っていないような感じで俺に接してきている。
そこでふとある考えに至る。
(まさか、これって俺が作った設定なのか?)
ただ、そうすると色々と辻妻が合ってしまう。
そもそも、どうして俺がこの世界に呼ばれたのかというと、俺は元々は地球で生活していた普通の高校生だったはずだ。
だけどある日突然、神様と名乗る人物が目の前に現れた。
彼は俺を異界へ送るのでその代わりに願いを叶えてあげると言った。
だから俺は言ったのだ。
俺の事を、元の世界の人達の記憶の中から消してくれ。
それから俺はこの世界に来たのだ。
最初は困惑したが、次第に慣れていき、気づけば一年が経っていた。
そして俺はある事に気がついた。
「そういえば俺達ってデートしたことあったか?」
いつも俺の部屋で一緒に過ごしていた。
だから改めて出掛けるとなると緊張する。
いや、もしかしたら既に付き合っているとか思われてるかもしれないな。
そう思った俺は、周囲を見渡してみる。
案の定、こちらを伺うような視線を感じた。
そんな中で、一人だけ俺に近づいてくる人物がいる。
それはアリアだ。
彼女は俺の方を見ると笑顔で話しかけてくる。
「ねえ、ちょっと話があるんだけど」
俺は頷くと、彼女と一緒に部屋を出ることにした。
そこでちょうど近くを通りがかったメイドに声をかける。
すると快く引き受けてくれた。
そうして俺たちは、二人きりで話をするために場所を移動するのだった。
私はリュートと共に部屋を出ていくと、人気のない場所へと移動していく。
途中、何人かとすれ違ったが、特に何も言われなかった。
どうやら怪しまれてはいないようだ。
そのまま、私たちは建物の外に出る。
外へ出ると、日が沈み始めていた。
周囲には人の気配は無い。
おそらく、私達を気遣ってくれたのだろう。
ありがたいことだ。
私達は近くのベンチに腰掛けると、話を始めるのだった。
最初に口を開いたのは俺だった。
「なあ、アリア、お前は本当にアリアなんだよな?」
俺が尋ねると、アリアはキョトンとした顔で答える。
「当たり前じゃない、何を言っているのよ、あなたは?」
俺は少し考えてから、さらに質問してみることにする。
「じゃあ、俺と初めて出会った時のことを覚えているか?
ほら、お前が俺と出会った時に道に迷っていただろう?
その時に俺はお前に声をかけたんだ。
覚えてるよな? アリアは俺の言葉を聞いて驚いていた。
だが、俺は構わずに続けた。
俺がそう言うと、アリアは恥ずかしそうに俯いてしまう。
だが、それも束の間のことで、アリアはすぐに顔を上げると笑顔を浮かべる。
今度は俺が驚いた顔をする番だった。
そこには先ほどまでの弱々しいアリアではなく、いつもの元気で明るいアリアがいたからだ。
どうやら、俺が思っている以上にアリアは強い女の子のようだ。
俺は感心していると、いつの間にかアリアが俺の顔を見ていた。
どうかしたのかと首を傾げていると、彼女は急に笑い出した。
「ふふっ、やっぱりおかしいわ!」
突然のことに戸惑っていると、彼女はさらに言葉を続ける。
その表情は先程までとは違い、とても楽しそうだ。
(あれ?こんな子だったっけ)
そう思うほど彼女は生き生きとしているように見えた。
いやむしろこれが本来の姿なのかもしれない。
(だったら……)
もう少しだけ楽しませてあげようかなと思った俺は彼女に笑いかけた。
それを見た彼女は一瞬驚いた顔をした後、嬉しそうな表情を浮かべると、俺の手を掴んで引っ張って行くのだった……
(あっ、これヤバいかも)
そう思っても後の祭りであった……
(はぁ……)
溜息をつくと、隣にいた彼女が心配そうにこちらを見てきた。
彼女はシオンの妹のシルフィというらしい。
「大丈夫?」
彼女に聞かれても返事する気になれなかった。
今はそっとしておいて欲しいというのが本音であった。
そんな様子を察したのか、それ以上は何も言ってこなかった。
しばらくすると部屋の入り口がノックされた。
入ってきたのは先程、自分をここまで案内してくれた少女であった。
確か名前はミレイといったはずだ。
彼女は部屋の中に入るとこちらまでやってくると、いきなり頭を下げてくる。
何事かと思って驚いていると、彼女が口を開く。
「先ほどは申し訳ございませんでした」
そう言って謝罪してくるが一体なんのことだろうかと思っていると、続けて説明をしてくれる。
どうやら自分が怒っていると思ったらしい。
確かに怒っていないといえば嘘になるのかもしれないが、そこまで気にしてはいない。
(それよりも気になることがあるしな)
気になったことは他にもある。
先程の戦闘のことだ。
(彼女は魔法を使っていた)
しかも強力な魔法をだ。
(あの魔法が使えるなら戦力として申し分ないかもしれない)
だが、それだけで決めるわけにはいかない。
(それに彼女の実力はまだ未知数だ)
もしかすると自分達を騙そうとしている可能性だってあるのだ。
(もう少し様子を見てから判断した方がいいな)
そう考えた自分は彼女に声をかける。
「気にしなくていいよ」
そう言って微笑みかける。
すると彼女は安心したように胸を撫で下ろすと、お礼を言ってくる。
その後、お互いに自己紹介を済ませるが名前を聞いた瞬間、思わず驚いてしまった。
(この子が魔王の娘だとは……)
驚きながらも、平静を装って会話を続けることにする。
すると、彼女の方から話しかけてきた。
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