勇者パーティーを追放された俺は辺境の地で魔王に拾われて後継者として育てられる~魔王から教わった美学でメロメロにしてスローライフを満喫する~

一ノ瀬 彩音

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それもかなりのボリュームがありそうだということが見ただけでわかるほどだった。
それを見た瞬間に俺の腹が鳴ったような気がしたがきっと気のせいだろうと信じることにしたのだ。
注文を済ませてからしばらく待つことになったのだが、その間に雑談をしていたこともあって退屈することはなかったように思う。
やがて運ばれてきた料理を食べている時も話題は尽きなかったし楽しい時間を過ごせたと思っている。
食事を終えた後は宿に戻ることになったわけだが、その際にお土産としてお菓子を買って帰ることにしたのだった。
部屋に戻ると、そのままベッドに横になった。
(疲れたなぁ……)
そう思いながら目を閉じると、そのまま眠りについてしまったのだった。
翌朝、目が覚めると既に起きていたアリアと目が合った。
彼女は微笑みながら挨拶してくる。
俺もそれに返すように挨拶をすると、身支度を整えて朝食を食べに向かった。
食堂に着くとすでにみんな揃っていたので挨拶をしてから席に座った。
今日の予定を確認すると、特に何もすることがなかったので街を散策することになった。
最初は全員で行動していたのだが、途中で二手に分かれることになったので俺とアリア、そしてルミナスさんの三人で行動する事になった。
「どこに行きましょうか?」
と聞かれたので少し考えた後で答えることにした。
(うーん、そうだな……)
少し悩んだ後で思いついた場所があったのでそこへ向かうことにした。
そこは街外れにある小さな公園だった。
周囲に人影はなく静かな空間が広がっている。
俺たちはベンチに腰掛けると、のんびりとした時間を過ごすことにした。
風が頬を撫でていく感触が心地よい。
空を見上げると雲一つない青空が広がっていた。
その光景を見ていると自然と心が安らいでいくのを感じた。
ふと隣を見ると、そこには同じように空を眺めている少女の姿があった。
彼女の横顔はとても美しく、まるで絵画に描かれた天使のようだと思ったほどだ。
「綺麗だね……」
思わず呟いてしまうほどに見惚れてしまっていたのだろう。
それを聞いた少女はこちらを振り向くと不思議そうな顔をしたあとで微笑んだあとこう言った。
「そうだね……」
そう言って微笑む彼女の表情はとても可愛らしく見えた気がした。
そんな彼女を見つめているうちに鼓動が激しくなっていくのを感じると同時に顔が熱くなるのを感じていた。
そんなことを考えているうちにいつの間にか時間が過ぎていったらしく、気がつくと夕方になっていたので
そろそろ帰ろうという話になり帰路につくことにした。
帰り道では他愛もない話をしながら歩いていたのだが、その間ずっと手を繋いだままだったせいか妙に意識してしまい
会話が途切れがちになってしまったような気がする。
だがそれでも不思議と嫌な感じはしなかったしむしろ心地良さすら感じていたくらいだ。
そうして歩いているうちにいつの間にか宿屋まで戻ってきていたのだが、
部屋に入るとすぐに寝てしまったため結局ほとんど会話をすることなく終わってしまったのである。
翌日、目を覚ますと隣には既に誰もいなかったため、先に起きてどこかに行ったのかもしれないと思い慌てて着替えて
部屋を出ると、隣の部屋の前に立っていたアリアと鉢合わせることになったのだった。
「おはようございます!」
元気よく挨拶されて一瞬戸惑ってしまったもののどうにか平静を装って返事をすることに成功したのだった。
それから二人で朝食を食べた後、部屋に戻ってくると、突然扉がノックされたかと思うと、外から声が聞こえてきた。
「私です、入ってもいいですか?」
声の主はどうやらニーナのようだった。
断る理由もないので招き入れることにして扉を開けると、そこには予想通りの人物が立っていた。
しかし、その様子が少しおかしいことに気が付いた俺は首を傾げながら問いかけることにした。
「どうかしたのか? なんだか元気がないみたいだけど……」
すると、彼女は俯きがちになりながら答えた。
「いえ、なんでもないんです……ただちょっと気になることがあって……」
そう言いながら顔を上げた彼女の表情は暗く沈んでいるように見えたため心配になって声をかけようとしたところで、
それを遮るようにして彼女が口を開いた。
「あの、ひとつお聞きしてもよろしいですか?」
その言葉に頷くと、続けて問いかけてきた。
「あなたは本当にあのお方ではないのですか?」
その問いかけにどう答えればいいのかわからず黙り込んでしまう。
その様子を黙って見つめていた彼女は、やがて諦めたようにため息をつくと言った。
「わかりました、もう結構です」
それだけ言うと部屋から出て行ってしまった。残された俺は呆然と立ち尽くしていたが、しばらくすると我に返り、
急いで追いかけることにした。
外に出ると、少し離れた場所に彼女の後ろ姿を見つけたので走って追いかけようとしたが、
その前に立ち止まって振り向いた彼女と目が合ってしまった。
気まずい雰囲気が流れる中、最初に沈黙を破ったのは彼女の方からだった。
「ごめんなさい、急に変なことを聞いてしまって……」
申し訳なさそうに頭を下げる姿を見て、逆に申し訳なくなってしまった俺は咄嗟に謝罪の言葉を口にしていた。
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