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「まぁそれはともかく。何としてもあの男の思惑通りに事が進まないと良いんだけど……」
と呟くのだった。
それから数日後の事。エリザベッタの元に王命が届いた。その内容は先日国王陛下と情を交わし合ったエリザベッタに対してのものだった。
その内容によると今夜は舞踏会が開かれるらしい。そこで国王陛下が是非エリザベッタをエスコートしたいと申し出たというのでエリザベッタは参加する事にした。その報告をしたところで何故か姉上は目を輝かせて喜んでいたが……。
「さて……と。行きますか」
そう言うと部屋を出ていきエリザベッタはドレスへと着替える。鏡に映った自分を見ていると思わずため息が出てしまった。だって似合わないんだもん。私なんかがこういう格好をしてもいいのかなと思ってしまう。でも、行かないと怪しまれて下手したら何かと追及されて面倒事に巻き込まれかねないのでそうならないようにするために頑張ろうと決心したのである。そんな感じで準備を進めていたその時だ。扉がノックされる音がしたので出てみるとそこは弟のエリオが立っていた。
「その……良かったのですか?」
「はい。今日は予定があるのでもう向かう所です。それにこの前のお詫びもあるので、早く済ましておかないと大変な事になるかもしれませんから」
とエリザベッタは笑顔で言うと弟は何処か複雑そうな顔を浮かべながらも了承する。そうして彼は去って行った。エリザベッタは準備を終えると迎えに来た馬車に乗って会場に向かうのだった。
その後エリザベッタは王宮に到着すれば、直ぐに国王陛下の元へと連れていかれることになった。場所は前回食事を楽しんだ場所とは別の場所でのこととなる。
「あら……」
国王陛下に連れられて辿り着いた先で彼女が目にしたのは見覚えのある人間ともう一人の少年がいた。前者は国王陛下。後者はシエル王子の二人である。どうやら彼らは顔合わせの最中であり国王陛下は早速とばかりにエリザベッタを紹介してくる。
「皆、紹介するぞ。此奴こそが妾の側室となったエリザベッタだ。仲良くするように」
そう国王陛下が言うとシエルが戸惑いの声を漏らす。
「エリザベッタ様は王妃殿のお子様なのですよね。大丈夫なのでしょうか」
と彼は不安げに口にした。
「別に構わないわ。王妃さまを誘惑しようとするから痛い目に遭うのよ」
そう告げたのはエリザベッタの方であるがそれに対して国王陛下が口を挟む。彼は腕を組み余裕の態度を見せつけてきた。
「王妃め、余計な真似をしてくれるものだ。あんな馬鹿な女とは結婚すべきではなかった」
そんな彼にエリザベッタは苛つきを覚えた。
「貴様! なんて言い方を……」
国王陛下に向かってそう言った時、別のところから男が現れたのでそちらを見てみるとある人物の姿を視界に入れた途端に驚いた反応を示した彼女に対してエリザベッタは不審を抱く。
「これは国王陛下。まさか貴方ほどの人がこんな田舎臭い娘っ子などと結婚するとは意外ですね」
そんな嫌味な発言をしてくる相手に国王陛下は眉を潜めた後に相手の正体について思い至る。それは彼女にとって最大の天敵とも言える男。元婚約者でもあり今は宰相をしている男・シリル王子であった。その登場を目の当たりにしたエリザベッタは驚くと共に舌打ちを打つ。どうしてよりによって彼がこの場所に来るのかしらと思った。一方でシリルは国王陛下の姿を見て驚きの反応を示す。
と呟くのだった。
それから数日後の事。エリザベッタの元に王命が届いた。その内容は先日国王陛下と情を交わし合ったエリザベッタに対してのものだった。
その内容によると今夜は舞踏会が開かれるらしい。そこで国王陛下が是非エリザベッタをエスコートしたいと申し出たというのでエリザベッタは参加する事にした。その報告をしたところで何故か姉上は目を輝かせて喜んでいたが……。
「さて……と。行きますか」
そう言うと部屋を出ていきエリザベッタはドレスへと着替える。鏡に映った自分を見ていると思わずため息が出てしまった。だって似合わないんだもん。私なんかがこういう格好をしてもいいのかなと思ってしまう。でも、行かないと怪しまれて下手したら何かと追及されて面倒事に巻き込まれかねないのでそうならないようにするために頑張ろうと決心したのである。そんな感じで準備を進めていたその時だ。扉がノックされる音がしたので出てみるとそこは弟のエリオが立っていた。
「その……良かったのですか?」
「はい。今日は予定があるのでもう向かう所です。それにこの前のお詫びもあるので、早く済ましておかないと大変な事になるかもしれませんから」
とエリザベッタは笑顔で言うと弟は何処か複雑そうな顔を浮かべながらも了承する。そうして彼は去って行った。エリザベッタは準備を終えると迎えに来た馬車に乗って会場に向かうのだった。
その後エリザベッタは王宮に到着すれば、直ぐに国王陛下の元へと連れていかれることになった。場所は前回食事を楽しんだ場所とは別の場所でのこととなる。
「あら……」
国王陛下に連れられて辿り着いた先で彼女が目にしたのは見覚えのある人間ともう一人の少年がいた。前者は国王陛下。後者はシエル王子の二人である。どうやら彼らは顔合わせの最中であり国王陛下は早速とばかりにエリザベッタを紹介してくる。
「皆、紹介するぞ。此奴こそが妾の側室となったエリザベッタだ。仲良くするように」
そう国王陛下が言うとシエルが戸惑いの声を漏らす。
「エリザベッタ様は王妃殿のお子様なのですよね。大丈夫なのでしょうか」
と彼は不安げに口にした。
「別に構わないわ。王妃さまを誘惑しようとするから痛い目に遭うのよ」
そう告げたのはエリザベッタの方であるがそれに対して国王陛下が口を挟む。彼は腕を組み余裕の態度を見せつけてきた。
「王妃め、余計な真似をしてくれるものだ。あんな馬鹿な女とは結婚すべきではなかった」
そんな彼にエリザベッタは苛つきを覚えた。
「貴様! なんて言い方を……」
国王陛下に向かってそう言った時、別のところから男が現れたのでそちらを見てみるとある人物の姿を視界に入れた途端に驚いた反応を示した彼女に対してエリザベッタは不審を抱く。
「これは国王陛下。まさか貴方ほどの人がこんな田舎臭い娘っ子などと結婚するとは意外ですね」
そんな嫌味な発言をしてくる相手に国王陛下は眉を潜めた後に相手の正体について思い至る。それは彼女にとって最大の天敵とも言える男。元婚約者でもあり今は宰相をしている男・シリル王子であった。その登場を目の当たりにしたエリザベッタは驚くと共に舌打ちを打つ。どうしてよりによって彼がこの場所に来るのかしらと思った。一方でシリルは国王陛下の姿を見て驚きの反応を示す。
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