18 / 31
#18
しおりを挟む
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!無理無理無理無理むりぃ~!!!」
茶のダンジョンB2階層ーー開始1分で、ポピィは絶望の淵に立っていたーー。
「何この緑のおじさんの群れーー!怖すぎるんだけど!?しかもなんでユウキさんは襲われずに私ばっかり狙われるの~?ねぇどうして!教えてユウキさん!怖いよ~!!」
「な~にがおじさんだ、ゴブリンも見た事ねぇのか?」
鬼鬼と言われて罪悪感を感じ始めたのか、スライムを抱えて預かるユウキ。
しかし言われた分はしっかりやり返すとでも言うように、鬼らしくポピィの援護をせずにただ傍観しているーー。
「へっーー初級魔術である〝潜伏〟スキルを使えば一敵から補足されにくくあるーー常識だぜ?」
「きゅいゆい~(卑怯者~)」
抱えるスライムにジト目されながらも、潜伏を解く気配の無いユウキ。
ゴブリンどころか魔物さえ普段見ることのなかったポピィには、少々酷なものがあった。
「これがゴブリン!?ゴブリンってもっと小さく無かったっけ!?わたしの見た絵本では膝丈くらいしかサイズ無かったよーー?」
自身と対して身長差の無いゴブリンを相手に、ただひたすらに逃げ惑うポピィ。
その様子をケラケラと笑いながら、ユウキはポピィに問いかける。
「そもそもお前ーーあれだけお師匠の前で〝やってみせます!〟って啖呵切ってたじゃねぇか?短剣持ってるんだから戦えよ?」
「短剣ーー!」
ポピィは腰に手を携え、短剣を抜くそぶりを見せるーーと、
「無理無理無理無理無理無理無理無理ーー!!絶対無理~!!」
ふと後方に見えてしまった緑のおじさんーーもといゴブリンの群れを前に、涙目ながらただひたすらに逃げ惑うポピィであったーー。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「御前様、本当によろしかったので?」
オールバックの騎士の男ーーグレイスが、黄金の髪の女性ーーカーヴェラに問いかける。
「何がだい?」
カーヴェラは眼鏡をかけて本を読んでいる。
別に特段視力が悪いわけでは無いが、眼鏡をつけて本を読むと集中できるらしい。
「ユウキにポピィを任せてーー確かに適任だとは思いますが、いくらなんでも時期尚早では?」
パタンッーーと本を閉じ、カーヴェラはグレイスの方へ椅子の方角を向ける。
「確かに……な。君の言うことは理解できる。だが、こ・れ・で・い・い・ーー。確かに今回ポピィが成長するのは大切な事だが、それと同様に今回はあ・る・大・切・な・事・がもう一つテーマになっているのだよーー」
カーヴェラは髪と同色の、黄金の瞳をグレイスに向ける。お淑やかで、穏やかな美しいその瞳を向けられれば誰でも思わず緊張してしまうだろう。
「ご……御前様ーー?」
「……………ぶっーー!」
案の定緊張で固まってしまったグレイスに向けて、クスクスと笑い出すカーヴェラ。
「わ、笑い事ではありませんーー!全くもう……貴女という人は……それで、もう一つのテーマとは一体なんなのですか?」
赤面した表情で取り乱すグレイスに、また笑い出しながらも、一息ついてカーヴェラは続ける。
「あいつはーーユウキは、心・に・傷・を・負・っ・て・い・る・ーー。だから、それを癒してあげたいんだ」
「っーー!」
思い当たる節があるのか、真剣な表情を取り戻すグレイス。
「わたしや、お前。ドロシーにアシュリー……この屋敷にいる奴じゃあ、おそらくあいつの〝心の傷〟は治せないーー。あいつが傷ついている事を知っている奴じゃあ、ダメなんだ……」
どこか悲しげに、寂しげに、虚空を見つめるように、カーヴェラは続ける。
「今のあいつに必要なのは、気遣って優しく接してやれる奴でも、無神経に傷つける奴でも無い……、何も知らないーーけれど、誰に対しても優しく接してやれる奴。あいつが傷ついていることを知らずに、知らず知らずのうちにあいつを癒してやれる奴ーーそう言う奴なんだ。だから、今回ユウキはポピィにーー、ポピィはユウキに、互いに必要なものを与え合えるあいつらで行かせる事がベストだと考えたーー。ポピィが、あいつに何が起こったのかを知る前にな……」
独白したカーヴェラのーー、心の内を前に絶句するグレイス。
「あいつは……ユウキはまた、立ち直る事ができるでしょうか?ーー」
手を挙げ、お手上げというようにふるふるとクビを振るカーヴェラ。
「さあな……エリがいてくれれば心強いんだけどーーて言ってもあいつがいたら余計にまた閉じこもるだろうな。エリは心配性だからーー。まぁ、今回はポピィを信じるしか無いさーー」
きっとあいつならなんとかしてくれるーー。
《伝説の魔法使い》の新人への期待は、思ったよりも大きいものだったーー。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ぜぇ……ハァ……ぜぇ……ハァ……ここなら大丈夫でしょう!!」
高台を取り、ギリギリゴブリンが登ってこれない所に登り立つポピィ。
対してゴブリンは、ポピィの真下で群れをなしてぎゃいぎゃいと騒いでいたーー。
「お前いい加減戦えよな、いつまで経っても帰れないじゃんーー」
「うぅ~うるさいうるさい!ユウキさんは強いからいいかも知らないけどわたしはモンスターと戦った事なんて無いんですよ!ちゃんと覚悟をしてから殺生に挑まねばーー」
はぁ~、と集中力を高めるポピィーー。
「ハァ~……こりゃまた時間がかかるなーー」
ユウキが寝転んで様子見をしようとした……その瞬間ーー。
「あ、しまっーー」
足を踏み外し、武器を構えたゴブリンの群れの中に落下するポピィ。
「っーーやべぇ!!ポピィーー!!」
潜伏を解いて、ダッーーとゴブリンの元へと走り出すユウキ。
しかし、距離がありすぎるため、間に合わない。
(しまったーー!なんで油断してたんだ!あいつはまだ素人……戦えるわけ無いのにーー!)
ボトッ、とゴブリンの群れの中心に落下してポピィは気づく。
死だーー。もう何度も味わった、あの気配ーー。
死神がべっとりとまとわりつくような恐怖感……。
「あ……ああ、わたし……」
目を白黒するばかりで、体が言うことを聞かない。
「ポピィーーー!!!」
「ニィーー」
ゴブリンの群れがポピィに襲いかかるーー。
(またわたしはーー何もできないのだろうか?)
『ねえちゃん!』
唄ーー。
『ポピィーー!』
ヒュイーー。
『まぁ……せいぜい頑張りなさい』
アシュリーさんーー。
『ポピィ殿なら、きっとできる』
グレイスさんーー。
『我が友よーー武運をいのるぞ……!』
ドロシーさんーー。
『ハァ……しゃあねぇなあ……』
ユウキさんーー。
『『ポピィーー強く生きるのよ(生きるんだぞ)』』
父さん……母さん……
それに…………
『大丈夫さーー。君は、天・に・愛されているーー』
カーヴェラさんーー!!!
「わたしはまだ、ここで死ねないーー!!」
ギリッーーと、歯噛みし、短剣を取り出すポピィ。
その刹那ーー。
シュババババババッーー
「「「ギュエエエエエエッッッ」」」
何が起こったのかーー。
一瞬でおよそ15匹程の群れのゴブリンを切り裂き、倒したのだーー。
討伐ランクEランクーーされど、一体ならばだ。
これだけの数であればB~Aランク相当の脅威度に相当するゴブリンの数を、ただの一度も戦った事の無いただの鍛・冶・師・が倒したのだーー。
「ポ……ポピィーー」
正直ユウキすらも、かなりポピィの命が危うい状況だと思っていた。
ただひたすらに、間に合えとーーそれだけが、唯一ポピィを助けられる道だと、藁をもすがる思いで走っていたのだ。
それがどうだろうか?
たった一人で立ち向かい、たった一人で倒し切るその〝勇気と覚悟とその強さ〟を持った、目の前にいる赤い髪の少女。
気づけばそこには、ゴブリンの返り血で赤く染まったポピィのーー剣・士・の姿がそこにあったーー。
茶のダンジョンB2階層ーー開始1分で、ポピィは絶望の淵に立っていたーー。
「何この緑のおじさんの群れーー!怖すぎるんだけど!?しかもなんでユウキさんは襲われずに私ばっかり狙われるの~?ねぇどうして!教えてユウキさん!怖いよ~!!」
「な~にがおじさんだ、ゴブリンも見た事ねぇのか?」
鬼鬼と言われて罪悪感を感じ始めたのか、スライムを抱えて預かるユウキ。
しかし言われた分はしっかりやり返すとでも言うように、鬼らしくポピィの援護をせずにただ傍観しているーー。
「へっーー初級魔術である〝潜伏〟スキルを使えば一敵から補足されにくくあるーー常識だぜ?」
「きゅいゆい~(卑怯者~)」
抱えるスライムにジト目されながらも、潜伏を解く気配の無いユウキ。
ゴブリンどころか魔物さえ普段見ることのなかったポピィには、少々酷なものがあった。
「これがゴブリン!?ゴブリンってもっと小さく無かったっけ!?わたしの見た絵本では膝丈くらいしかサイズ無かったよーー?」
自身と対して身長差の無いゴブリンを相手に、ただひたすらに逃げ惑うポピィ。
その様子をケラケラと笑いながら、ユウキはポピィに問いかける。
「そもそもお前ーーあれだけお師匠の前で〝やってみせます!〟って啖呵切ってたじゃねぇか?短剣持ってるんだから戦えよ?」
「短剣ーー!」
ポピィは腰に手を携え、短剣を抜くそぶりを見せるーーと、
「無理無理無理無理無理無理無理無理ーー!!絶対無理~!!」
ふと後方に見えてしまった緑のおじさんーーもといゴブリンの群れを前に、涙目ながらただひたすらに逃げ惑うポピィであったーー。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「御前様、本当によろしかったので?」
オールバックの騎士の男ーーグレイスが、黄金の髪の女性ーーカーヴェラに問いかける。
「何がだい?」
カーヴェラは眼鏡をかけて本を読んでいる。
別に特段視力が悪いわけでは無いが、眼鏡をつけて本を読むと集中できるらしい。
「ユウキにポピィを任せてーー確かに適任だとは思いますが、いくらなんでも時期尚早では?」
パタンッーーと本を閉じ、カーヴェラはグレイスの方へ椅子の方角を向ける。
「確かに……な。君の言うことは理解できる。だが、こ・れ・で・い・い・ーー。確かに今回ポピィが成長するのは大切な事だが、それと同様に今回はあ・る・大・切・な・事・がもう一つテーマになっているのだよーー」
カーヴェラは髪と同色の、黄金の瞳をグレイスに向ける。お淑やかで、穏やかな美しいその瞳を向けられれば誰でも思わず緊張してしまうだろう。
「ご……御前様ーー?」
「……………ぶっーー!」
案の定緊張で固まってしまったグレイスに向けて、クスクスと笑い出すカーヴェラ。
「わ、笑い事ではありませんーー!全くもう……貴女という人は……それで、もう一つのテーマとは一体なんなのですか?」
赤面した表情で取り乱すグレイスに、また笑い出しながらも、一息ついてカーヴェラは続ける。
「あいつはーーユウキは、心・に・傷・を・負・っ・て・い・る・ーー。だから、それを癒してあげたいんだ」
「っーー!」
思い当たる節があるのか、真剣な表情を取り戻すグレイス。
「わたしや、お前。ドロシーにアシュリー……この屋敷にいる奴じゃあ、おそらくあいつの〝心の傷〟は治せないーー。あいつが傷ついている事を知っている奴じゃあ、ダメなんだ……」
どこか悲しげに、寂しげに、虚空を見つめるように、カーヴェラは続ける。
「今のあいつに必要なのは、気遣って優しく接してやれる奴でも、無神経に傷つける奴でも無い……、何も知らないーーけれど、誰に対しても優しく接してやれる奴。あいつが傷ついていることを知らずに、知らず知らずのうちにあいつを癒してやれる奴ーーそう言う奴なんだ。だから、今回ユウキはポピィにーー、ポピィはユウキに、互いに必要なものを与え合えるあいつらで行かせる事がベストだと考えたーー。ポピィが、あいつに何が起こったのかを知る前にな……」
独白したカーヴェラのーー、心の内を前に絶句するグレイス。
「あいつは……ユウキはまた、立ち直る事ができるでしょうか?ーー」
手を挙げ、お手上げというようにふるふるとクビを振るカーヴェラ。
「さあな……エリがいてくれれば心強いんだけどーーて言ってもあいつがいたら余計にまた閉じこもるだろうな。エリは心配性だからーー。まぁ、今回はポピィを信じるしか無いさーー」
きっとあいつならなんとかしてくれるーー。
《伝説の魔法使い》の新人への期待は、思ったよりも大きいものだったーー。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ぜぇ……ハァ……ぜぇ……ハァ……ここなら大丈夫でしょう!!」
高台を取り、ギリギリゴブリンが登ってこれない所に登り立つポピィ。
対してゴブリンは、ポピィの真下で群れをなしてぎゃいぎゃいと騒いでいたーー。
「お前いい加減戦えよな、いつまで経っても帰れないじゃんーー」
「うぅ~うるさいうるさい!ユウキさんは強いからいいかも知らないけどわたしはモンスターと戦った事なんて無いんですよ!ちゃんと覚悟をしてから殺生に挑まねばーー」
はぁ~、と集中力を高めるポピィーー。
「ハァ~……こりゃまた時間がかかるなーー」
ユウキが寝転んで様子見をしようとした……その瞬間ーー。
「あ、しまっーー」
足を踏み外し、武器を構えたゴブリンの群れの中に落下するポピィ。
「っーーやべぇ!!ポピィーー!!」
潜伏を解いて、ダッーーとゴブリンの元へと走り出すユウキ。
しかし、距離がありすぎるため、間に合わない。
(しまったーー!なんで油断してたんだ!あいつはまだ素人……戦えるわけ無いのにーー!)
ボトッ、とゴブリンの群れの中心に落下してポピィは気づく。
死だーー。もう何度も味わった、あの気配ーー。
死神がべっとりとまとわりつくような恐怖感……。
「あ……ああ、わたし……」
目を白黒するばかりで、体が言うことを聞かない。
「ポピィーーー!!!」
「ニィーー」
ゴブリンの群れがポピィに襲いかかるーー。
(またわたしはーー何もできないのだろうか?)
『ねえちゃん!』
唄ーー。
『ポピィーー!』
ヒュイーー。
『まぁ……せいぜい頑張りなさい』
アシュリーさんーー。
『ポピィ殿なら、きっとできる』
グレイスさんーー。
『我が友よーー武運をいのるぞ……!』
ドロシーさんーー。
『ハァ……しゃあねぇなあ……』
ユウキさんーー。
『『ポピィーー強く生きるのよ(生きるんだぞ)』』
父さん……母さん……
それに…………
『大丈夫さーー。君は、天・に・愛されているーー』
カーヴェラさんーー!!!
「わたしはまだ、ここで死ねないーー!!」
ギリッーーと、歯噛みし、短剣を取り出すポピィ。
その刹那ーー。
シュババババババッーー
「「「ギュエエエエエエッッッ」」」
何が起こったのかーー。
一瞬でおよそ15匹程の群れのゴブリンを切り裂き、倒したのだーー。
討伐ランクEランクーーされど、一体ならばだ。
これだけの数であればB~Aランク相当の脅威度に相当するゴブリンの数を、ただの一度も戦った事の無いただの鍛・冶・師・が倒したのだーー。
「ポ……ポピィーー」
正直ユウキすらも、かなりポピィの命が危うい状況だと思っていた。
ただひたすらに、間に合えとーーそれだけが、唯一ポピィを助けられる道だと、藁をもすがる思いで走っていたのだ。
それがどうだろうか?
たった一人で立ち向かい、たった一人で倒し切るその〝勇気と覚悟とその強さ〟を持った、目の前にいる赤い髪の少女。
気づけばそこには、ゴブリンの返り血で赤く染まったポピィのーー剣・士・の姿がそこにあったーー。
41
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします
雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました!
(書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です)
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める
自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。
その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。
異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。
定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
神様の人選ミスで死んじゃった!? 異世界で授けられた万能ボックスでいざスローライフ冒険!
さかき原枝都は
ファンタジー
光と影が交錯する世界で、希望と調和を求めて進む冒険者たちの物語
会社員として平凡な日々を送っていた七樹陽介は、神様のミスによって突然の死を迎える。そして異世界で新たな人生を送ることを提案された彼は、万能アイテムボックスという特別な力を手に冒険を始める。 平穏な村で新たな絆を築きながら、自分の居場所を見つける陽介。しかし、彼の前には隠された力や使命、そして未知なる冒険が待ち受ける! 「万能ボックス」の謎と仲間たちとの絆が交差するこの物語は、笑いあり、感動ありの異世界スローライフファンタジー。陽介が紡ぐ第二の人生、その行く先には何が待っているのか——?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる