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初対面
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いつの間にか、家は綺麗になっていた。
イヴは「疲れているんだよ」と言っていた。
本当に疲れてたのかな、なにがあったか思い出せないしイヴも知らないみたいだった。
一日だけ休みを貰って、疲れを癒していたがイヴにいろいろしてもらっていて、ずっと遠慮していた。
それでもイヴに口の中にスプーンを強引にいれられた。
心配掛けてたから、このくらい受け入れようと食べた。
俺の世話をして騎士団の仕事をして、それだけだと思っていた。
でも、この部屋の綺麗具合を見ると、掃除も完璧だったんだと思う。
埃一つないし、まるで新築のようだ。
初めて来た時もそう思っていたなぁ、と思って懐かしくなった。
俺がさらに掃除なんてしたら余計に散らかしそうだ、夕飯の下ごしらえでもしようかな。
そう思っていたら、来客を知らせるチャイムが鳴った。
イヴには出るなと言われているから、居留守をしようとした。
でもドアの向こう側にいる人は帰る気配がなく、ドアを叩いていた。
イヴの家にいるからイヴへ用なんだろうけど、誰だろう。
ドアを開けなくても、ちょっとだけ外を覗くつもりでドアに近付いた。
「ねぇ!イヴ!いないの?エマよ!」
その名前を聞いてすぐにドアを開けた。
突然開いたから相手も驚いた顔をしていた。
目当ての人物じゃなかったからなのもあるかもしれない。
さすがに居留守を使っちゃいけない相手だって誰でも分かる。
イヴだって、この人が来るなんて想像していないだろう。
少女漫画の主役のお姫様、エマがやって来た。
周りを見ても護衛がいない、まさか一人で来たのか?
いくらイヴの家でもなにが起こるか分からないんだから危険だ。
「エマ様、こんなところに一人でいらして…危険です!」
「危険?イヴは私になにかしないわ」
「いや、イヴじゃなくて行く道とかで誰かに会ったら」
エマは俺を不審そうに見ていて、頭のてっぺんからつま先まで見つめていた。
何だろう、俺…変かな。
エプロンは燃やされたから、格好は普通だ。
袖が邪魔で腕まくりしていた袖を引っ張る。
イヴに知られたからもう腕の紋様を隠していなかった。
エマに見られたかもしれない、でもさすがに俺が魔騎士だとは思わないだろう。
「その腕…」
「あ、はは…じ、実は魔騎士に憧れてて…自分で書いて」
「魔騎士に?イヴが聖騎士なの分かって言ってるの!?魔騎士に信仰心があるのは悪者の象徴だって聞いたわ!」
エマは怒っていて俺を睨んでいる。
魔騎士に憧れていると言わなければ良かったな。
エマも聖女になるから、余計に俺が許せないだろう。
俺が誰か聞いて来たから「使用人です」と正直に答えた。
エマは漫画通りイヴに想いを寄せているみたいだし、ここで俺が恋人だなんて言ったら火に油を注ぐ事になる。
使用人なのは本当だし、これで分かってくれたらいいな。
でも、エマの目は疑いの眼差しのままだった。
「主人を呼び捨てにする使用人がいる?」
「えっ…あっ」
「本当は泥棒なんじゃないの!?」
さっき一度だけ呼び捨てにしてしまった事を後悔する。
エマは俺の腕を掴もうと伸ばしてきた。
このままエマに連行されたらまたイヴに迷惑が掛かる。
俺がいくら泥棒じゃないと言っても、証拠と呼べるものは何もない。
イヴからもらった一番街への通行のブレスレットだって泥棒扱いされている今、盗んだんだと言われたらどうしようもない。
そう考えると、俺とイヴを結ぶものって何もないんだな。
寂しいけど、仕方ない…俺は世間一般から見たらただの使用人ですらないのかもしれない。
腕を掴まれて引っ張られて、硬いものにぶつかった。
真っ赤なマントを握りしめて上を見上げた。
「何故、ここにいるんですか」
「そんな事よりイヴ!その男が可笑しな事を言うのよ!使用人だって…」
「そう言うなら使用人なんでしょう」
「使用人?でも魔騎士を信仰してるって」
「彼がエマ様に迷惑でも?」
「……え、その…」
「誰を信仰していても、エマ様に何かしたわけではないのでお気になさらず」
イヴにはっきりと言われてエマは何も言えなくなっていた。
ちょっと冷たい気がするが、イヴの顔を見ると何も言えなくなる。
エマ様や俺に顔を見せないように背けているが、近くにいる俺には見えた。
淡々と話していたから平気かと思ったけど、凄い怒ってる?
またイヴに迷惑掛けて「ごめんなさい」と謝った。
すると、頭を軽く撫でられて俺から離れた。
「メイドが探し回っていましたよ」
「うっ……」
「城までお供します」
イヴはエマと一緒に行ってしまった。
エマの腕を掴むわけにはいかないから、とっさに自分の腕を掴ませたのか。
それにしても、まさかエマが来るとは思わなかった。
お姫様のエマなら顔パスで入れたんだろうけど、エマなら家まで来なくても会えるんじゃないのか?
突然とはいえ、腕の紋様を見られてしまったな。
誤魔化せても、俺…完全に不審者扱いだったし…
足元にクロがいて、俺の様子を覗き込んでいて頭を撫でた。
クロはイヴの言った通り、何もなかったかのように戻ってきた。
良かった、本当に良かった…クロも家族だから…
今はもっと別の問題が出来た。
イヴは何処から見ていたのか分からないが、話した方が良いよな。
俺はここから出れないからイヴに頼るしか出来ない。
腕に触れると、特になにかあるというわけではないが不思議な感覚がする。
誰かにも、こうして触られた気がする…誰だっけ。
両親は知らない筈だけど、他に誰か知ってる人といえばイヴ?
ズキッと頭が痛くなって、クラクラと目眩もしてきた。
ちょっと自分の部屋で休もうと思って部屋に向かった。
部屋に入ると、机の上に書きかけの手紙が見えた。
そうだ、両親に今月分の仕送りしないと…
いくら貧困街から自由に出れるようになっても、借金が減るわけではない。
少しでも生活が楽になるように…後は元気ですかとか書いている。
返事は何度か来ていたが、ある日から全く来なくなった。
忙しいんだと思うけど、様子を見にいけないのは寂しいな。
イヴは貧困街での事があったから、俺を心配してくれているんだろうけど…あれは家族の問題だから仕方ないと思っている。
やっぱり返事がずっと来ないのは心配だな、イヴにお願いして外出許可をもらおう。
イヴが帰ってくるまで、まだ時間が掛かる…それまで待っていようと手紙の続きを書いた。
イヴは「疲れているんだよ」と言っていた。
本当に疲れてたのかな、なにがあったか思い出せないしイヴも知らないみたいだった。
一日だけ休みを貰って、疲れを癒していたがイヴにいろいろしてもらっていて、ずっと遠慮していた。
それでもイヴに口の中にスプーンを強引にいれられた。
心配掛けてたから、このくらい受け入れようと食べた。
俺の世話をして騎士団の仕事をして、それだけだと思っていた。
でも、この部屋の綺麗具合を見ると、掃除も完璧だったんだと思う。
埃一つないし、まるで新築のようだ。
初めて来た時もそう思っていたなぁ、と思って懐かしくなった。
俺がさらに掃除なんてしたら余計に散らかしそうだ、夕飯の下ごしらえでもしようかな。
そう思っていたら、来客を知らせるチャイムが鳴った。
イヴには出るなと言われているから、居留守をしようとした。
でもドアの向こう側にいる人は帰る気配がなく、ドアを叩いていた。
イヴの家にいるからイヴへ用なんだろうけど、誰だろう。
ドアを開けなくても、ちょっとだけ外を覗くつもりでドアに近付いた。
「ねぇ!イヴ!いないの?エマよ!」
その名前を聞いてすぐにドアを開けた。
突然開いたから相手も驚いた顔をしていた。
目当ての人物じゃなかったからなのもあるかもしれない。
さすがに居留守を使っちゃいけない相手だって誰でも分かる。
イヴだって、この人が来るなんて想像していないだろう。
少女漫画の主役のお姫様、エマがやって来た。
周りを見ても護衛がいない、まさか一人で来たのか?
いくらイヴの家でもなにが起こるか分からないんだから危険だ。
「エマ様、こんなところに一人でいらして…危険です!」
「危険?イヴは私になにかしないわ」
「いや、イヴじゃなくて行く道とかで誰かに会ったら」
エマは俺を不審そうに見ていて、頭のてっぺんからつま先まで見つめていた。
何だろう、俺…変かな。
エプロンは燃やされたから、格好は普通だ。
袖が邪魔で腕まくりしていた袖を引っ張る。
イヴに知られたからもう腕の紋様を隠していなかった。
エマに見られたかもしれない、でもさすがに俺が魔騎士だとは思わないだろう。
「その腕…」
「あ、はは…じ、実は魔騎士に憧れてて…自分で書いて」
「魔騎士に?イヴが聖騎士なの分かって言ってるの!?魔騎士に信仰心があるのは悪者の象徴だって聞いたわ!」
エマは怒っていて俺を睨んでいる。
魔騎士に憧れていると言わなければ良かったな。
エマも聖女になるから、余計に俺が許せないだろう。
俺が誰か聞いて来たから「使用人です」と正直に答えた。
エマは漫画通りイヴに想いを寄せているみたいだし、ここで俺が恋人だなんて言ったら火に油を注ぐ事になる。
使用人なのは本当だし、これで分かってくれたらいいな。
でも、エマの目は疑いの眼差しのままだった。
「主人を呼び捨てにする使用人がいる?」
「えっ…あっ」
「本当は泥棒なんじゃないの!?」
さっき一度だけ呼び捨てにしてしまった事を後悔する。
エマは俺の腕を掴もうと伸ばしてきた。
このままエマに連行されたらまたイヴに迷惑が掛かる。
俺がいくら泥棒じゃないと言っても、証拠と呼べるものは何もない。
イヴからもらった一番街への通行のブレスレットだって泥棒扱いされている今、盗んだんだと言われたらどうしようもない。
そう考えると、俺とイヴを結ぶものって何もないんだな。
寂しいけど、仕方ない…俺は世間一般から見たらただの使用人ですらないのかもしれない。
腕を掴まれて引っ張られて、硬いものにぶつかった。
真っ赤なマントを握りしめて上を見上げた。
「何故、ここにいるんですか」
「そんな事よりイヴ!その男が可笑しな事を言うのよ!使用人だって…」
「そう言うなら使用人なんでしょう」
「使用人?でも魔騎士を信仰してるって」
「彼がエマ様に迷惑でも?」
「……え、その…」
「誰を信仰していても、エマ様に何かしたわけではないのでお気になさらず」
イヴにはっきりと言われてエマは何も言えなくなっていた。
ちょっと冷たい気がするが、イヴの顔を見ると何も言えなくなる。
エマ様や俺に顔を見せないように背けているが、近くにいる俺には見えた。
淡々と話していたから平気かと思ったけど、凄い怒ってる?
またイヴに迷惑掛けて「ごめんなさい」と謝った。
すると、頭を軽く撫でられて俺から離れた。
「メイドが探し回っていましたよ」
「うっ……」
「城までお供します」
イヴはエマと一緒に行ってしまった。
エマの腕を掴むわけにはいかないから、とっさに自分の腕を掴ませたのか。
それにしても、まさかエマが来るとは思わなかった。
お姫様のエマなら顔パスで入れたんだろうけど、エマなら家まで来なくても会えるんじゃないのか?
突然とはいえ、腕の紋様を見られてしまったな。
誤魔化せても、俺…完全に不審者扱いだったし…
足元にクロがいて、俺の様子を覗き込んでいて頭を撫でた。
クロはイヴの言った通り、何もなかったかのように戻ってきた。
良かった、本当に良かった…クロも家族だから…
今はもっと別の問題が出来た。
イヴは何処から見ていたのか分からないが、話した方が良いよな。
俺はここから出れないからイヴに頼るしか出来ない。
腕に触れると、特になにかあるというわけではないが不思議な感覚がする。
誰かにも、こうして触られた気がする…誰だっけ。
両親は知らない筈だけど、他に誰か知ってる人といえばイヴ?
ズキッと頭が痛くなって、クラクラと目眩もしてきた。
ちょっと自分の部屋で休もうと思って部屋に向かった。
部屋に入ると、机の上に書きかけの手紙が見えた。
そうだ、両親に今月分の仕送りしないと…
いくら貧困街から自由に出れるようになっても、借金が減るわけではない。
少しでも生活が楽になるように…後は元気ですかとか書いている。
返事は何度か来ていたが、ある日から全く来なくなった。
忙しいんだと思うけど、様子を見にいけないのは寂しいな。
イヴは貧困街での事があったから、俺を心配してくれているんだろうけど…あれは家族の問題だから仕方ないと思っている。
やっぱり返事がずっと来ないのは心配だな、イヴにお願いして外出許可をもらおう。
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