最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様

コレゼン

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第25話 決闘の行方

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【グレイスside】

 土煙が晴れて俺の姿を認めると、アルフレッドの手から剣は落ち、絶望の表情を浮かべてガクリと地面に両膝をついた。

「な、なんで龍王爪裂破りゅうおうそうれっぱが直撃したはずなのに無傷で……」
「それはそれ用に専門の装備対策をしていたからだよ」

 俺はアルフレッドの首筋に『闇竜の牙剣』を当てる。
 
「お前は本来、モブのクソ雑魚のはずなのに…………ぐぅうぞおおおおおおおお!!!」

 アルフレッドは憤怒の声を上げ、涙目になりながらも俺を睨みつける。

「汚い手を使ったに決まってる! 勇者の俺がお前なんかに負けるなんてありえないんだぁああああ!!!」
「現実を認めろ! それに自分の今の立場もな!」

 首筋に押し当てた剣の力を強める。

「ぐぅ……ゔうぅ…………」

 脅しが効いたのか、アルフレッドはうなだれる。
 
 「た、頼むよ……頼む……殺さないでくれ……」

 アルフレッドは目に涙を浮かべながら命乞いをはじめた。
 いや、流石に殺すつもりはないんだけど。
 まあ、脅しを疑わないならそのまま続けるか。
 剣を首筋に強く当てたまま尋ねる。

「認めるか? 負けを」

 ん?
 アルフレッドの股間部にシミが広がっている……。
 
 こいつさっきは俺を殺すつもりで攻撃してきただろう。
 人を殺す覚悟はあっても、自分が殺される覚悟はなかったようだな。
 
「…………み、認める……」

 ぽろぽろと大粒の涙を流しながら答える。
 
「審判、今のアルフレッドの言葉を聞いたな」
「…………」

 審判はすぐには答えない。
 真鑑定によってこいつがアルフレッドに買収されていることはわかっていた。

 俺は『闇竜の牙剣』を振り下ろして、剣撃波を審判に向かって放つ。

「答えろ! 分かっているとは思うが、ここにいる観衆全てが証人だぞ!」
「ひぃっ! グ、グレイス様の勝利です。この決闘はグレイス様の勝利ですぅ!!」

 観衆たちからどよめきが起こる。
 誰も変態令息が勝つとは思ってなかったのだろう。
 事前に賭けが行われていて、俺には120倍の配当がついていたらしいからな。

 そんな中――――

「流石です、グレイス! 流石私の騎士様です!!」

 王女エリーゼはぴょんぴょんと飛び跳ねて、喜びを表現しながら俺に称賛の声をかける。
 俺はペコリとエリーゼに向けて頭を下げる。

「えっ、あれってまさかエリーゼ王女様じゃ……」
「まさかこんな平民に混じって王女様が観戦するわけが……」
「でも、エリーゼ王女様に瓜り二つよ……」

 エリーゼの姿を認めた観客たちからはとまどいの声が上げる。

「グレイス様ーー!! 素敵ですーーー!!!」
「きゃあーーーー!! こっち向いたわーー!!!」
「カイマン家の誇り! カイマン家の誇り! グレイス様はカイマン家の誇りーー!!!」
「グレイス様、勝利おめでとうございまーーす!!」

 声の方へ目を向けると「グレイス様必勝」という横断幕を掲げている一団がいた。
 気づかなかったが、彼女たちはグレイス家のメイドの集団だった。

 俺は彼女たちに片手を上げて、礼を示す。

「きゃーー、グレイス様ーーー!!!」
「私よ! 私に手を上げたのよーーー!!」
「素敵ーーー!!」
「もう好きにしてーーー!!」

 メイドたちの熱狂的な歓声が広場に響く。

 あれ?
 なんかエリーゼ、うちのメイドたちを睨みつけてないか?
 彼女たちは何か粗相をしたっけ?
 
 まあ大したことではないと思うけど……。

 メイドたちの歓声につられて他の観衆たちからも俺への賛辞の声が上がる。

「変態だと思ってたけど見直したぞー!」
「勇者を破るなんて大したもんだー!」
「格好良かったわーー。グレイス様ーー!!」
「素敵ーー! こっち向いてーー!!」

 俺はそれらの賞賛の声にも片手を上げて応える。
 これで世間に広まってる俺の悪評は少しはマシになるだろうか?
 そうなったらいいけどね。

 その時、エリーゼは俺の元まで走って駆け寄ってきた。

「グレイス、お疲れ様でした! 勝利おめでとうございます!」
「ありがとうございます! わざわざこんな所まですいません」
「全然! さあ、お疲れでしょう。お屋敷までご一緒しますわ」
「え? じゃあ、お言葉に甘えてそうしますか」

 エリーゼは俺を腕を取り、その腕を自身の体へ押し付ける。
 うっ……これはエスコートというやつか?
 それにしてもエリーゼは俺の腕を胸に押し当てすぎでは……。
 着痩せしてたのか、エリーゼって結構胸あるみたいだ。
 歩くたびにポヨンポヨンした感触が、腕に当たって嬉しんだけど。

「こりゃ未来の夫婦かぁ?」
「王女様、いい騎士みつけたなあ!」
「お似合いですわー!!」
「王女様とグレイス様、素敵ーー!!」

 そんな冷やかしや称賛の声が上がる中、俺はエリーゼとともに広場を後にした。
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