最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様

コレゼン

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第63話 終焉の神裂

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「来るっ!」
 
 魔眼から放たれた血の色をした死光線が轟音と共に迫ってくる。大地を抉りながら、すべてを消し去る禍々しい光線。
 その時、俺は両手を前に突き出した。
 
『深淵の檻《アビス・ケージ・リフレクション》!』
 
 轟音と共に、虚空から漆黒の鎖が無数に現れる。
 それは通常の鎖とは異なり、深い闇を纏った禍々しい鎖。
 鎖は俺の周囲で複雑に絡み合い、巨大な球体の檻を形作っていく。
 檻の内部には、まるで深淵が口を開けているかのような暗黒空間が広がっている。
 
「なに!?」
 
 始祖の声が響く中、血色の死光線が檻に激突。
 激突の瞬間、檻を形作る鎖が妖しく輝き、死光線を飲み込んでいく。
 鎖という鎖が、まるで生きているかのように蠢き、暗黒のオーラを放ちながら光線を吸収していく。
 
「バカな……俺の血月終焉魔眼ブラッドアイ・デスティニーが!」
 
 始祖の驚愕の声が響く。
 しかし、それは始まりに過ぎなかった。
 吸収した光線の力が、檻を形作る鎖に充填されていく。
 漆黒の鎖が深紅に染まり始め、禍々しい輝きを放ち始める。
 
「これはまさか……」
 
 始祖の表情が変わる。
 そう、これが『深淵の檻』の真髄。
 ただ防ぐだけでなく、吸収した力を蓄え──
 
「リフレクション!」
 
 囁くように呟いた瞬間、檻が爆ぜた。
 吸収した血色の光線が、鎖という鎖から弾丸のように放射される。
 それは元の光線よりも濃密で、より禍々しい輝きを放っている。
 
「くっ!」
 
 始祖は慌てて身を翻すが、放射された光線の数があまりに多すぎる。
 逃げ場はない。
 漆黒に染まった血色の光線が、眼前の空間を完全に埋め尽くしていく──。

「ぐぅあああああっ!」

 攻撃が直撃した始祖は頭は吹き飛び、右下半身も消失していた。
 しかし、またアメーバのようにすぐに復活していく。
 だが復活には時間がかかりそうだった。

 やはり、通常の物理攻撃ではやはり駄目なようだ。
 始祖に効くかは分からないが終焉回廊で得たあのスキルを試してみるか。
  
冥王めいおう神裂しんれつ!』
 
 冥王の神裂の刃は黒い雷光のように一瞬の煌めきのち、始祖の体に直撃する。
 その瞬間、暗い炎が始祖の体を包み込み、魂をえぐるような痛みに身を震わせた。

「ぐぅぎゃああああああああ!!!!」

 逃れようとするが暗い炎は始祖にまとわりつき逃さない。
 必死に身体中を叩いたり、払ったりするが返って逆効果のようでもあった。

「ひぃいいいいいい!!!」

 いつしか恐怖の色が濃く反映された悲鳴へと変わり、力尽きたのか始祖はその場に膝をつく。
 始祖の肉体は傷一つついていないが、その魂が致命傷を受けているのだろう。
 そのまま黒色の炎へ焼かれ続けるといつしか悲鳴は止み、始祖は最後にはその体を美しい粒子の粒に変えて宙を舞っていった。
 いつもながら敵が散っていくその様は美しい。

「グレイスも終わったか?」

 振り返るとセーイチの方も戦闘は終わったらしく、始祖の姿はどこにも見えなかった。

 俺はため息を一息つく。
 どうなることかと思っていたが、やっと終わったようだ。

 すると俺たちがいた空間は途端歪みはじめて――――

 気がつくと元いた、破壊し尽された会議室へと戻っていた。
 会議室内を見渡すとそこには人は居ないようだった。
 
「なんだよあのチートダイスって。反則だろ」
「それはこっちの台詞だよ。『冥王めいおう神裂しんれつ』ってなんだ? そんなスキル聞いたことないぞ」

 お互い反論できずに、しばらく無言が空間を支配する。
 
 ミディアと呼ばれていた魔族の姿はいつの間にか見えなくなっていた。
 これで一応、魔族を撃退できたということでよかっただろうか。
 悔やまれるのはヌートヌーンの初撃だ。
 あれで多くの罪のない一般市民たちの命が失われたことだろう。

 戦闘の余波が収まり、会議場には静かな冷気だけが残っていた。
 戦いの喧騒が消えたその空間には、焦げ跡や割れた床、壁が荒々しく残り、始祖の出現が残した傷跡がくっきりと刻まれていた。

 やがて、避難していた王たちや皇帝が、緊張と不安の面持ちでゆっくりと会議場へ戻ってきた。
 彼らは足元の瓦礫を避けるようにして進み、無傷で立っている俺とセーイチの姿を見つけると、驚きと安堵が入り混じった表情を浮かべた。
 会場のあちこちから、「無事だったか……」「あの魔物を倒したのか……」と低い声が漏れ始め、徐々にその驚きが広がっていく。

 やがて皇帝が静かに拍手をし始め、それが合図となって次々と王や出席者たちが拍手を送り始めた。
 静寂から歓声へと変わっていく会議場の中、俺とセーイチはその中心で拍手を受け立っていた。
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